【平均年収492万円】アテクト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収492万円】アテクト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

アテクトは、樹脂特性と生体物質の制御技術を核に、半導体資材、衛生検査器材、金属・セラミックス成形体の製造販売をグループ各社とともに展開しています。直近の業績は増収増益となり、堅調な回復を示しました。


目次

※本記事は、株式会社 アテクト の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、樹脂特性および生体物質の制御をコア技術としています。情報電子機器部品向けの半導体資材、食品・医薬品向けの衛生検査器材、および粉末射出成形(PIM)による金属・セラミックス成形体の製造販売を手掛けています。

単体従業員数は62名、連結従業員数は125名です。セグメントは半導体資材事業、衛生検査器材事業、PIM事業の3つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)、(連結子会社)アテクトコリア(半導体資材事業)などです。

同社グループは、当連結会計年度より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


アテクトは、半導体資材や衛生検査器材などの事業を展開しており、従業員の働きがいと成長を重視する姿勢が見られます。近年では、多様な人材が活躍できる環境整備やワークライフバランスの推進に力を入れています。新しい人事制度の導入により、個人のキャリア形成と組織全体の活性化を目指していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


アテクトでは、平均年齢が40代前半であり、比較的幅広い年齢層の従業員が在籍していることがうかがえます。平均勤続年数は6年と、キャリアの初期段階から中堅層までが活躍している傾向が見られます。同社は、従業員の定着と成長を重視し、多様なキャリアパスの提供にも取り組んでいます。

項目 数値
平均年間給与 4,922,000円
平均勤続年数 6.0年
平均年齢 40.3歳
単体従業員数 62人
連結従業員数 125人
単体のグループ内比率 49.6%


同社グループは、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。当社および国内連結子会社は確定拠出年金制度を、主要な海外連結子会社は退職一時金制度を採用しています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


アテクトは、「社会にとっての価値を生みだし、働く者の幸福を追求することが我々の使命である」という企業理念のもと、2030年度の経営目標達成に向けた人材戦略を推進しています。特に「自立的でチャレンジ精神のある人材」の育成を核とし、全社員が経営目標に主体的に関わる組織文化の醸成を目指しています。

同社は2025年4月より新人事制度を本格導入し、職位別期待役割の明確化、ライン管理職コースと専門職コースの複線型キャリアパス、ジョブローテーション制度などを整備しました。給与・賞与・昇降格については、能力評価と成果評価を分離し、それぞれを連動させることで「頑張った人が報われる」仕組みを構築しています。

人材育成においては、各職位に期待する役割と必要な能力・スキルを定義し、OJTや外部研修を通じて継続的なスキルアップを支援しています。また、多様な人材が活躍できる環境整備にも注力しており、国籍・性別・年齢・障害の有無に関わらず意欲をもって働ける組織づくりを進めています。

ワークライフバランスの推進にも積極的で、育児休業・介護休業制度、時間単位有給休暇制度の導入、有給休暇の積極取得奨励などに取り組んでいます。2025年2月にはイクボス宣言を行い、残業ゼロを目標に掲げるなど、働きやすい環境の実現を目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。出向者については、当社から社外への出向者を除き、他社から当社への出向者を含みます。男性育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 15.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 63.0%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 65.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 37.7%

指標及び目標


本指標は、連結グループにおける主要な事業を営む国内グループを対象とした集計値です。

指標 目標 実績(2026年3月期) 2023年3月期(目標設定時点)
男性育児休業取得率の向上 2030年3月までに50% 75% -
正社員(管理職者を含む)の残業時間 2030年3月までに0時間 13.4時間 19.2時間

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アテクトは、半導体資材、衛生検査器材、PIM(粉末射出成形)の三つの事業を主軸に展開しています。それぞれの事業が異なる顧客層と製品を持ち、多角的な収益構造を構築していることが特徴です。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、樹脂特性と生体物質の制御技術をコアとして、幅広い分野で事業を展開しています。主要な事業は、情報電子機器部品の製造を支える半導体資材、食品や医薬品の安全を守る衛生検査器材、そして高度な加工技術を要するPIM製品の三つです。

半導体資材事業

フラットパネルディスプレイや有機ELディスプレイ、ICカード用LSIなどの情報電子機器部品の実装に用いられるスペーサーテープの製造と販売を行っています。製品は主に電子部品メーカーに直接販売されており、液晶パネル需要の回復や為替の動向が収益に影響を与えています。

衛生検査器材事業

食品、医薬品、化粧品などの製造における微生物汚染を確認するための試薬や培地類、ディスポシャーレなどの容器類を製造・販売しています。食品メーカー、臨床検査会社、製薬会社、病院などが主な顧客です。インバウンド需要の回復や外食産業の伸長が売上を牽引し、簡易型微生物検出用培地の販売強化も進められています。

PIM事業

金属やセラミックスの粉末とバインダーを混練し、射出成形後に脱脂・焼結工程を経て成形体を得る粉末射出成形技術(PIM)を用いた製品の製造・販売を行っています。加工が難しい超硬金属や超硬セラミックスを複雑な形状に量産加工できる点が強みです。自動車用ターボ部品や高機能部品の受注が堅調に推移しています。

同社グループの売上高は、日本が最も大きく、次いで韓国や台湾、中国などの海外地域からも収益を得ています。特定の顧客として、安田産業株式会社とCHIPBOND TECHNOLOGY CORPORATION,Co.,Ltd.が半導体資材事業において売上高の一定割合を占めています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
衛生検査器材事業 18.4億円 19.3億円
半導体資材事業 11.4億円 11.7億円
PIM事業 2.1億円 2.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績は、売上高が概ね増加傾向にあり、特に当期は前期から大きく伸びています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、前期から大幅な増加となりました。過去には親会社株主に帰属する当期純損失を計上した期もありますが、当期は堅調な回復を示しています。

営業活動によるキャッシュ・フローは当期に増加しており、本業で安定的に資金を生み出す力が向上していることがうかがえます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 30.9億円 29.6億円 31.8億円 32.0億円 33.6億円
経常利益 3.5億円 1.9億円 79百万円 65百万円 2.1億円
経常利益率 11.3% 6.5% 2.5% 2.0% 6.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 1.7億円 1.6億円 △2.4億円 40百万円 1.4億円
1株当たり当期純利益(円) 38.43 35.96 △55.27 9.09 32.03

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から大きく伸びており、生産性の向上が見られます。

これらの指標の改善は、同社グループが効率的な事業運営を進めていることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 26.2百万円 26.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.7百万円 1.6百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、安定した自己資本と手元資金の厚みを示しています。本業で得た資金を元手に、事業活動と投資活動を通じて資金を創出している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が38.9%となっており、前期の36.6%から増加しています。これはプライム市場の製造業平均と比較すると低い水準です。

ROE(自己資本利益率)は8.0%で、前期の2.3%から改善が見られますが、こちらもプライム市場の製造業平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は4.9億円を確保しており、前期から増加しています。これらの状況は、同社グループが事業活動を継続していく上での安定性を示すものです。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 17.1億円 18.3億円
自己資本比率 36.6% 38.9%
ROE(自己資本利益率) 2.3% 8.0%
現金及び預金 4.7億円 4.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが274百万円の収入となり、前期から増加しています。これは税金等調整前当期純利益の増加や減価償却費の計上によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは△135百万円の支出となり、前期よりも支出が増加しています。これは主に設備投資や投資有価証券の取得によるものです。その結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは139百万円の収入となり、前期から大きく増加しました。

財務活動によるキャッシュフローは△122百万円の支出で、長期借入金の返済や配当金の支払いなどにより資金が流出していますが、前期に比べて支出は減少しています。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定的に資金を創出し、事業の成長に向けた投資を行いながらも、資金の余力を確保している状況を示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 133百万円 274百万円
投資CF △123百万円 △135百万円
財務CF △230百万円 △122百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) 10百万円 139百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、半導体資材事業において特定の販売先に売上高が偏る傾向があり、受注状況が悪化した場合に経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、半導体資材事業で製造しているスペーサーテープは、技術革新等により代替の製造方法が確立された場合に、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、役職員数が最小限であり、事業規模に応じた内部管理体制の拡充が適切かつ十分に行えない場合に、組織の一時的な機能低下が発生する可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


変化する事業環境に対応し、持続的な企業価値向上を目指すアテクトは、サステナビリティを重視した経営を推進しています。同社グループは、働く者の幸福を追求し、限りある資源を無駄なく活用しながら、社会の要求に応じた変化と発展を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


アテクトは、「社会にとっての価値を生みだし、働く者の幸福を追求することが我々の使命である」という経営理念を掲げています。また、「ヒト・モノ・時間という限りある資源を無駄なく使わなければならない」という考え方を大切にしています。さらに、「社会の要求は常に変化するので我々も変化し、発展向上しなければならない」という方針のもと、持続的な成長を目指しています。同社グループは、中長期的経営課題を総合的に勘案し、2026年5月より新たな経営戦略に基づき、5年後の「ありたい姿」を実現するため中期経営計画『VISION30S』を立案しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、人材の幸福・成長・変化を重要課題と認識し、人材育成に取り組んでいます。各職位に期待する役割と必要な能力・スキルを定義し、OJTや外部研修を通じてスキル習得を促しています。また、リスキルや学び直しを奨励し、継続的な育成を推進しています。社内環境整備においては、人材の幸福・成長・変化を促進し、能力を十分に発揮できる環境を整えることを重視しています。イノベーションの原動力は多様な個人の掛け合わせであると考え、国籍・性別・年齢・障害の有無に関わらず、様々な人材が活躍できる環境や仕組みの整備を進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、目まぐるしく変化する経営環境下において、中長期的経営課題への対応を重視しています。特に、PIM製品の生産効率及び品質の向上は喫緊の課題として取り組んでいます。現有の経営資源である「ヒト・モノ・時間」を最大限に活用し、更なる企業価値の向上に努める方針です。衛生検査器材事業では、市場環境や産業構造の変化を注視したきめ細やかな営業活動と柔軟な生産体制を構築しています。PIM事業においては、生産効率の向上と品質の安定化に向けた量産技術の構築、安定供給が可能な体制の強化を最重要課題としています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アテクトは、取締役会、監査役、監査役会設置会社として企業統治体制を構築しています。経営の効率性、透明性、迅速な意思決定を重視し、企業価値の向上を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


アテクトの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である三甲です。その他、複数の個人株主が上位に名を連ねています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
三甲 33.24%
佐藤 弘之 3.08%
村岡 克彦 2.53%
東ヶ崎 尚美 2.08%
小髙 得央 1.83%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長執行役員は大西誠氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。

氏名 役職 主な経歴
大西 誠 代表取締役社長執行役員 1985年東プラ入社、2014年同社取締役モールドシステム事業部事業部長。2019年竜舞プラスチック代表取締役社長を経て、2022年より同社代表取締役社長執行役員、アテクトコリア代表取締役社長、アテクトエンジニアリング代表取締役社長、上海昂統快泰商貿有限公司董事長、安泰科科技股份有限公司董事長より現職。
杉山 隆樹 取締役上席執行役員事業本部営業担当 1988年三甲入社、2012年同社理事北海道支店支店長。2019年同社理事大阪支店次長兼滋賀営業所所長を経て、2022年同社取締役就任。2025年より同社取締役上席執行役員事業本部営業担当より現職。

| 岩田 貴雄 | 取締役上席執行役員事業本部製造担当 | 1996年三甲入社、2016年同社商品設計部課長。2023年同社上席執行役員就任、2024年同社取締役上席執行

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 31百万円 10.2百万円
社外役員 4名 16百万円 4.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

💬キャリコネで会社の実態を確認する

決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。

ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。

企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。


この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。