【平均年収617万円】日本コンクリート工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収617万円】日本コンクリート工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本コンクリート工業は、ポールやパイルなどのコンクリート製品の製造・販売を主軸に、原材料調達から工事請負まで一貫して手掛ける企業です。連結従業員数は1,351名で、直近期は売上高と営業利益が減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は黒字転換しました。


目次

※本記事は、日本コンクリート工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、ポール、パイル、土木製品などのコンクリート製品の製造・販売を主軸に事業を展開しています。原材料の調達から製品の輸送、工事請負まで一貫して手掛けています。

単体従業員数は375名、連結従業員数は1,351名です。セグメントは基礎事業、コンクリート二次製品事業、不動産・太陽光発電事業の3つです。

主な国内グループ会社は、NC工基、NC鋼材(基礎事業)、NCプレコン(コンクリート二次製品事業)などです。

同社グループは、生産体制の再整備として一部工場の休止や製造ラインの集約を開始しました。また、政策保有株式の縮減にも取り組んでいます。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本コンクリート工業は、社会インフラを支えるコンクリート製品の製造を主力とする企業です。安定した事業基盤のもと、従業員の成長と働きやすい環境づくりに力を入れています。ここでは、同社グループの給与水準や働き方の特徴について詳しく見ていきます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢が40代半ばであり、平均勤続年数も10年を超えています。このことから、長期的にキャリアを築く従業員が多く、安定した環境で働くことができる傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 6,171,000円
平均勤続年数 11.8年
平均年齢 43.6歳
単体従業員数 375人
連結従業員数 1,351人
単体のグループ内比率 27.8%


同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、同社および連結子会社の従業員に適用されます。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付制度における退職給付債務は30.4億円、年金資産は84.5億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「新たな価値を創造する組織形成と人づくり」をマテリアリティに掲げ、人的資本への投資を通じて企業価値向上を目指しています。技能伝承や技術革新への対応、多様な人材の確保、組織活力の向上が重要な経営課題と認識しています。人材育成の基本方針は「自ら変革と成長に取り組む人づくり」であり、多様な人材が能力を最大限発揮できる環境整備を進めています。

従業員の給与は「業績・能力に応じた公正な処遇」を基本方針としています。報酬水準は同業他社や一般的な水準を踏まえ、競争力のある水準を維持しています。基本給は職務能力と役割に応じた等級制度に基づき、賞与は会社業績と個人評価に連動して支給されます。資格手当や技能手当、役職手当も設定されています。

具体的な人材育成施策として、教育研修体系の継続的な改善や次世代経営人材育成プログラムを実施しています。公的資格取得支援や資格手当による能力開発の促進、技術・営業・IT等の専門性強化にも取り組んでいます。キャリア開発では、キャリアマップの策定や個別面談、自己申告制度を通じて従業員の成長を支援しています。

また、社内環境整備にも力を入れており、女性の活躍推進やワークライフバランス向上のための育児休業制度、時差勤務制度などを整備しています。ハラスメント防止体制の強化や労使協働による制度整備も進め、全従業員が健康で働きやすい職場づくりを推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男女の賃金の差異は、管理職に占める女性労働者が少ないことが主な要因です。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 6.8%
男性労働者の育児休業取得率 50.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 69.2%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 69.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 64.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本コンクリート工業は、コンクリート製品の製造・販売と、それに付随する工事請負を主軸に事業を展開しています。社会インフラを支える基盤技術を提供し、安定的な事業運営を目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、ポールやパイル、土木製品などのコンクリート製品の製造・販売、原材料の調達、製品輸送、工事請負といった幅広い事業を営んでいます。事業の大部分は計画生産であり、受注生産は僅少です。また、工事受注は製品販売に付随するものが多く、着工までの期間が短いため、受注残高は少ない傾向にあります。

基礎事業

パイルの製造・販売、杭打工事、地盤改良工事を行っています。収益は、主に製品販売と工事契約から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しました。

コンクリート二次製品事業

ポール、土木製品などのコンクリート二次製品の製造・販売、受託試験研究、ポール・土木製品の施工などを行っています。収益は、主に製品売上と工事契約売上から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しました。

不動産・太陽光発電事業

不動産賃貸と太陽光発電を行っています。収益は、主に不動産賃貸収入や売電収入から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しました。

同社グループの売上高は、その90%以上を本邦の外部顧客から得ており、国内市場に強く根ざしています。また、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の10%以上を占める相手先はありません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
コンクリート二次製品事業 281億円 269億円
基礎事業 242億円 220億円
不動産・太陽光発電事業 3.1億円 3.1億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、直近の連結会計年度において売上高と営業利益が減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の損失から黒字に転換しています。これは、政策保有株式の売却による特別利益の計上が主な要因となっています。過去5年間の売上高は増減を繰り返しており、経常利益も変動が見られます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 474億円 530億円 537億円 527億円 492億円
経常利益 15.6億円 97百万円 22.4億円 14.5億円 12.8億円
経常利益率 3.3% 0.2% 4.2% 2.8% 2.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 8.8億円 △4.4億円 6.1億円 △2.1億円 6.8億円
1株当たり当期純利益(円) 15.63 △8.07 11.31 △3.86 12.59

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から減少しました。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少しており、生産性の面では改善の余地がある状況です。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 38.9百万円 36.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.7百万円 0.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動で資金を生み出し、投資活動も行いながら余剰資金を確保している状況を示しています。これは、事業の持続的な運営と成長に向けた基盤を築いていることを表しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回っており、前期からさらに向上しています。これは、安定した経営基盤を維持していることを示しています。ROE(自己資本利益率)は前期のマイナスから当期はプラスに転じましたが、プライム市場平均と比較すると低い水準にあります。手元資金である現金及び預金は、前期からわずかに減少している状況です。これらの状況は、事業運営における安定性と、今後の収益性向上が期待されることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 400億円 484億円
自己資本比率 47.9% 52.1%
ROE(自己資本利益率) -0.6% 1.7%
現金及び預金 71.5億円 70.2億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の営業活動で資金を生み出し、その資金を将来に向けた投資に充てている状況を示しています。当期は営業活動によるキャッシュフローがプラスとなり、主に税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少が資金増加要因となりました。一方で、投資活動によるキャッシュフローは有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、資金が減少しています。その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で稼いだ資金で投資を賄い、なお余剰資金を確保している状態です。この資金の流れは、事業の安定的な運営と成長への投資を両立していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △3.0億円 26.9億円
投資CF △26.6億円 △17.2億円
財務CF △11.3億円 △11.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △29.5億円 9.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、主要製品であるパイル・プレキャスト製品及び工事の売上が国内建設市場の需要動向に大きく左右されるリスクを認識しています。景気後退による民間設備投資の抑制等で需要が落ち込んだ場合、収益を圧迫する可能性があります。また、主要原材料である鋼材・セメントや原油価格の上昇は、製造コストや物流コストを押し上げる要因となり、製品価格の改定時期の遅れ等により収益を圧迫する可能性もあります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本コンクリート工業は、社会生活基盤と地球環境の保護を使命とし、持続可能な社会への貢献を目指す企業です。グループ全体の変革と成長を通じて、新たな価値創造に取り組んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは「未来の社会生活基盤と地球環境を護る」ことを中長期ビジョンとして掲げています。このビジョンは前計画を踏襲したものです。

中期経営方針としては、「グループの変革と持続的成長により新たな価値を創出し、持続可能な社会に貢献する」ことを定めています。コア事業の収益力向上と付加価値創造に向けた経営基盤強化を両輪とし、既存事業の強化と成長分野の伸長を目指す方針です。

また、ESGや「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」への方針も盛り込み、企業価値の向上に向けた取り組みを進めています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日本コンクリート工業グループは、持続的成長と新たな価値創造を通じて社会に貢献することを重視しています。社会インフラ強靭化の一翼を担い、環境負荷を低減させる技術と商品群を提供することを使命としています。

人材育成においては、「自ら変革と成長に取り組む人づくり」を目的とし、多様な個性・価値観を有する人材が能力を最大限発揮できる制度整備を推進しています。社内環境整備では、従業員が健康で働きやすい職場や風土づくりを積極的に進める方針です。

コーポレートガバナンスおよびサステナビリティへの取り組みも強化し、ステークホルダーの期待に応える持続的成長と企業価値向上を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、国際情勢の緊迫化に伴うサプライチェーンの混乱やエネルギー・原材料価格、人件費の上昇など、厳しい経営環境が継続すると予想しています。建設工事における着工遅延や工期延長、物流問題もリスクとして認識されています。

中長期的には、自然災害への備えに貢献する独自製品・工法や、建設業の生産性向上・省人化に資する高品質なプレキャストコンクリート製品に高い期待が寄せられています。また、カーボンニュートラルの観点から、CO2固定化・利活用技術(CCUS)やグリーン製品(低炭素型コンクリート)への関心も高まっています。

今後は、事業転換や製造ライン集約などの生産体制再整備を着実に進め、IT・AIを活用した生産性向上と新たな商品開発への取り組みを加速させることを重点テーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本コンクリート工業は監査役設置会社であり、複数の社外取締役と社外監査役を選任することで経営の監督機能の強化を図っています。また、執行役員制度を導入し、経営の意思決定のスピード化と効率化を進めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本コンクリート工業の株主構成を見ると、事業会社である日本製鉄が筆頭株主となっています。上位には信託銀行が複数名を連ねており、その中には太平洋セメントが議決権行使の指図権を留保する退職給付信託も含まれています。取引先持株会も上位株主として名を連ねており、事業上の関係性が資本構成にも反映されている状況です。

株主名 持株比率
日本製鉄 12.69%
みずほ信託銀行 退職給付信託 太平洋セメント口 再信託受託者 日本カストディ銀行 6.64%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 6.58%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.0%です。代表取締役社長執行役員は椙田宜彦氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
椙 田 宜 彦 代表取締役 社長執行役員 1983年三井情報開発入社。1991年日本興業銀行入社。2006年みずほ第一フィナンシャルテクノロジー取締役総務部長。2007年加ト吉常務執行役員、2008年同社取締役常務執行役員、2011年同社常任監査役。2014年聖光会グループ理事本部局長。2019年同社執行役員、2022年同社取締役執行役員、2024年同社取締役常務執行役員を経て、2026年4月より同社代表取締役社長執行役員。
塚 本 博 取締役会長執行役員 1988年同社入社。2011年NC東日本コンクリート工業代表取締役社長。2014年同社生産管理部長。2015年同社執行役員生産管理部長。2020年同社取締役専務執行役員。2021年同社代表取締役社長執行役員を経て、2026年4月より同社取締役会長執行役員。
饗 場 潔 取締役 常務執行役員 1993年東京電力入社。2016年東京電力ホールディングス福島第二原子力発電所原子力計画部長。2018年東京電力パワーグリッド埼玉総支社春日部エリア支店長。2021年東京電力ホールディングス新経営理念プロジェクト本部事務局を経て、2024年6月より同社取締役常務執行役員。
小 寺 満 取締役 常務執行役員 1992年同社入社。2010年同社技術開発第三部長。2013年NC関東パイル製造代表取締役社長。2015年同社執行役員技術開発部長。2020年同社取締役執行役員技術開発部長。2021年同社取締役執行役員。2022年日本ネットワークサポート取締役。2026年4月より同社取締役常務執行役員、NCマネジメントサービス代表取締役社長。
角 柄 明 彦 取締役 1990年住友商事入社。2000年台湾住友商事生活物資部長。2009年住友商事生活資材本部セメント部長。2015年三井住商建材代表取締役副社長、2017年同社代表取締役社長。2021年同社執行役員、2022年同社取締役執行役員を経て、2026年4月より同社取締役。
飯 島 剛 裕 取締役執行役員 1990年同社入社。2012年同社建設工事部長。2016年同社東日本基礎事業営業管理部長。2020年同社東日本基礎事業管理部長。2022年同社執行役員東日本基礎事業管理部長。2024年同社執行役員東日本基礎事業管理部長兼土木・建材営業管理部長。2025年同社執行役員。2026年6月より東北ポール取締役、同社取締役執行役員。


社外取締役は、間塚道義氏(富士通元代表取締役会長兼社長・指名委員会委員長・報酬委員会委員長)、松本武徳氏(せとうちSEAPLANES元代表取締役社長・指名委員会委員・報酬委員会委員)、広瀬史乃氏(阿部・井窪・片山法律事務所パートナー)です。

同社は監査役設置会社を採用しています。社外取締役は、経験豊富な企業経営者や弁護士で構成されており、客観的な視点から経営の監督や提言を行う役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本コンクリート工業の取締役報酬は、基本報酬、短期的な業績向上を目的とした賞与、中長期的な業績向上を目的とした株式付与制度で構成されています。賞与は連結営業利益を、株式付与制度は連結経常利益と時価総額の変動率を目標値として算定されます。社外取締役および監査役の報酬は基本報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 1.2億円 25.0百万円
監査役(社外除く) 2名 16百万円 7.9百万円
社外役員 5名 31百万円 6.2百万円


役員報酬等の総額は171百万円であり、対象となる役員は合計12名です。1人あたりの平均報酬額は14.3百万円となっています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。