リソルホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

リソルホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

リソルホールディングスは東京証券取引所プライム市場に上場し、ホテル運営、ゴルフ運営、リソルの森、ウェルビーイングなどの事業を展開する企業です。直近の業績では、インバウンド需要の増加やゴルフ会員権販売の好調により、売上高は前期比で着実に増加し、経常利益も大きく伸びるなど増収増益のトレンドにあります。


※本記事は、リソルホールディングス株式会社の有価証券報告書(第133期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. リソルホールディングスってどんな会社?


ホテル運営事業やゴルフ運営事業を主力とし、リゾート施設やウェルビーイング領域で多角的に事業を展開する企業です。

(1) 会社概要


1931年に日本エタニットパイプとして設立し、1949年に東京証券取引所第一部に上場しました。1988年にミサワリゾートへ社名変更しホテルやゴルフの運営を開始。2005年にリゾートソリューション、2016年にリソルホールディングスへ社名変更し、三井不動産やコナミグループと事業提携を行っています。

従業員数は連結で647名、単体で28名です。筆頭株主は事業会社の三井不動産で、第2位は事業提携を行うコナミグループ、第3位は資産管理業務を行う信託銀行となっています。資本業務提携を通じて安定的な事業基盤を構築し、持続的な成長を目指しています。

氏名 持株比率
三井不動産 31.04%
コナミグループ 20.38%
日本マスタートラスト信託銀行(退職給付信託口・ミサワホーム口) 6.15%

(2) 経営陣


同社の役員は男性9名、女性0名の計9名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は大澤勝氏が務めています。社外取締役比率は22.2%です。

氏名 役職 主な経歴
大澤勝 代表取締役社長 三菱UFJ銀行を経て同社入社。管理部長やお客様相談室長を歴任し、2022年より現職。
平田秀明 取締役会長 ミサワホーム常務取締役を経て同社代表取締役社長に就任。その後、代表取締役会長を経て2022年より現職。
小嶋康司 取締役 ミサワホームを経て同社入社。総務人事部長、リソル取締役管理部長、内部監査室長、常勤監査役を経て2026年より現職。
佐野直人 取締役 同社に入社後、リソルの森代表取締役社長、グループ上席執行役員兼リソル代表取締役社長を経て2025年より現職。


社外取締役は、東尾公彦(コナミグループ代表取締役社長)、徳田誠(三井不動産取締役副社長執行役員)です。

2. 事業内容


同社グループは、「ホテル運営事業」「ゴルフ運営事業」「リソルの森事業」「ウェルビーイング事業」「再生エネルギー事業」「投資再生事業」を展開しています。

ホテル運営事業


「リソルホテルズ」等のブランドで全国にホテルを展開し、女性や旅行客をターゲットとした施設や、別荘のシェア利用サービスを提供しています。
収益は宿泊客からの宿泊料や施設利用料であり、リソルホールディングス、リソル、リソル不動産、リソル総合研究所が運営を行っています。

ゴルフ運営事業


顧客ニーズに合わせた運営スタイルで全国にゴルフ場を展開し、ヴィラなどのリゾート施設を併設した高級志向のサービスも提供しています。
収益はゴルファーからのプレー代や施設利用料、会員権販売であり、リソルホールディングス、リソル等のグループ企業で運営しています。

リソルの森事業


スポーツ・アウトドア施設やグランピング施設など、自然環境を活かした体験型総合リゾート施設を運営し、企業研修なども受け入れています。
収益は施設の宿泊料や利用料、リゾート・ゴルフ会員権の販売によるものであり、リソルホールディングス、リソル総合研究所、リソルの森が運営しています。

ウェルビーイング事業


「ライフサポート倶楽部」を通じて、提携施設の割引利用など働く人々の福利厚生をサポートする代行サービスやICT開発を提供しています。
収益は会員企業や提携先からの利用料や送客手数料であり、運営は主にリソルライフサポートが行っています。

再生エネルギー事業


グループのゴルフ場の土地や建物を活用し、ソーラーカーポートや地産地消エネルギーシステムなど太陽光発電設備の開発と運用を行っています。
収益は太陽光で発電した電力の売電収入や設備管理費によるものであり、リソルホールディングス、リソル総合研究所、福島グリーンシステムが運営しています。

投資再生事業


運営施設のバリューアップ型投資再生、ゴルフ場のリゾート型再生や再生エネルギー転用など、市場環境に合わせた再生ビジネスを展開しています。
収益は投資再生した不動産や子会社の売却益、デューデリジェンス業務の対価であり、リソルホールディングス、リソル、リソル不動産が運営しています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績は、インバウンド需要の回復とゴルフ需要の安定を背景に増収増益の傾向が続いています。売上高は着実に成長し、経常利益率も10%を超える水準まで改善しており、堅調な収益力の向上が見られます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 209億円 221億円 257億円 284億円 304億円
経常利益 8億円 2億円 19億円 26億円 31億円
利益率(%) 3.8% 0.8% 7.6% 9.0% 10.3%
当期利益 5億円 7億円 14億円 20億円 27億円

(2) 損益計算書


売上高と売上総利益はともに増加傾向にあり、営業利益率も10.9%と高い水準を記録しています。インバウンド需要の獲得や客室単価の向上が収益性の改善に寄与しています。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 284億円 304億円
売上総利益 202億円 216億円
売上総利益率(%) 71.1% 71.0%
営業利益 27億円 33億円
営業利益率(%) 9.4% 10.9%


販売費及び一般管理費のうち、給料が32億円(構成比18%)、販売手数料が23億円(同13%)を占めています。売上原価については、施設運営売上原価のうち賃借料が42億円(構成比100%)を占めています。

(3) セグメント収益


ホテル運営事業とゴルフ運営事業が売上と利益の柱であり、ともに堅調に推移しています。ウェルビーイング事業も利益率が高く、事業全体の収益性を底上げしています。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2026年3月期) 利益(2025年3月期) 利益(2026年3月期) 利益率
ホテル運営事業 149億円 164億円 25億円 33億円 19.9%
ゴルフ運営事業 84億円 86億円 9億円 10億円 11.4%
リソルの森事業 40億円 42億円 3億円 3億円 7.1%
ウェルビーイング事業 10億円 11億円 0.6億円 1億円 12.3%
再生エネルギー事業 1億円 1億円 0.5億円 0.3億円 30.4%
投資再生事業 1億円 0.3億円 0.2億円 - 12.0%
連結(合計) 284億円 304億円 26億円 31億円 10.3%


営業活動によって安定して資金を獲得し、借入金の返済を進めるとともに、将来に向けた設備投資を自己資金で賄う健全な財務運営が行われています。

項目 2025年3月期 2026年3月期
営業CF 41億円 48億円
投資CF -20億円 -16億円
財務CF -16億円 -33億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は15.7%で市場平均を上回っており、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も41.7%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は、コーポレートスローガン「あなたのオフを、もっとスマイルに。」を仕事のすべての価値基準としています。お客様に心から喜んでいただけるサービスを提供し、革新的な発想と行動力で「いきがい・絆・健康・くつろぎ」を提供し、明るい社会づくりに貢献することを使命として掲げて経営を行っています。

(2) 企業文化


同社は、「人にやさしい」「社会にやさしい」「地球にやさしい」の3つの「やさしい」を長期方針に掲げています。事業を通じて人々の健康やくつろぎを実現し、ステークホルダーとの友好関係を維持するだけでなく、省エネや緑地保全などを通じて環境問題にも配慮する文化を重視しています。

(3) 経営計画・目標


同社は、継続的な事業成長と収益性の向上を目指し、具体的な数値目標を設定して経営を行っています。インバウンド需要の取り込みや各施設の稼働率向上により、安定した利益水準を確保することを重視しています。

* 売上高:304億円
* 経常利益:31億円
* ROA(総資産経常利益率):7.1%
* ROE(自己資本当期純利益率):15.7%

(4) 成長戦略と重点施策


同社は、ホテル・ゴルフ場などの「施設運営」を主軸に、「ウェルビーイング」「ソリューションビジネス」の領域で多角的に事業を展開し、独自のビジネスモデルを推進しています。ホテル運営では独自のコンシェルジュサービスを強化してリピーターを創出し、ゴルフ運営ではインバウンド集客体制の整備を進めています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、従業員一人ひとりが最大限の能力を発揮できる職場環境の整備と、多様な価値観や視点の尊重を重視しています。女性や若手社員の積極的な登用、研修制度の拡充、長時間労働の削減や福利厚生の充実など、働きやすい環境づくりを通じて従業員の成長とエンゲージメントの向上を図っています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均とほぼ同じ水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年3月期 38.8歳 9.2年 7,326,953円


※平均年間給与は諸手当、基準外給与及び賞与を含んでおります。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 37.5%
男性育児休業取得率 -
男女賃金差異(全労働者) 73.5%
男女賃金差異(正規雇用) 73.5%
男女賃金差異(パート・有期) -


※2025年度において新たに子供が生まれた男性労働者が0名のため、男性育児休業取得率は算出されていません。また、男性のパート・有期労働者が0名のため、同区分の男女賃金差異も算出されていません。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、新卒女性社員比率(83.3%)、健康診断実施率(100%)、ストレスチェック回答割合(92%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 訪日旅行者減少に関するリスク


同社はホテル運営事業とゴルフ運営事業が主力であり、インバウンド需要に大きく依存しています。経済状況、為替相場、自然災害、疫病などの外部要因により訪日外国人旅行者が減少した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。同社は旅行者の特性に応じたプロモーションや国内客の集客強化でリスク分散を図っています。

(2) 情報セキュリティに関するリスク


事業活動において顧客の個人情報を取り扱っており、ネットワーク機器の24時間監視体制を整備しています。しかし、想定を超えるサイバー攻撃や自然災害などによりシステム障害が発生し、業務が中断した場合や情報漏洩が起きた場合、社会的信用の失墜や業績への悪影響が生じる可能性があります。

(3) 資産保有のリスク


ホテル、ゴルフ場、リゾート施設などの運営に伴い、多額の有形固定資産やのれんなどの固定資産を保有しています。事業計画の下振れや市場環境の悪化により資産の収益性が低下し、減損処理が必要となった場合、同社の財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼすリスクがあります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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