【平均年収681万円】日本坩堝 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収681万円】日本坩堝 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本坩堝は、耐火物や工業炉の設計施工、不動産賃貸などを手掛ける企業です。連結従業員数は259名です。直近の業績は増収となり、親会社株主に帰属する当期純利益も増加しました。


目次

※本記事は、日本坩堝株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本坩堝は、耐火物事業、エンジニアリング事業、不動産事業、その他事業を展開する企業グループです。黒鉛坩堝や定形・不定形耐火物の製造販売、各種工業炉の設計施工、建物・駐車場賃貸、太陽光発電事業、塗料循環装置事業などを手掛けています。

単体従業員数は183名、連結従業員数は259名です。同社グループの事業セグメントは、耐火物事業、エンジニアリング事業、不動産事業、その他事業の4つです。

主な国内グループ会社は、眞保炉材工業(エンジニアリング事業)、日本ピーシーエス(その他事業)などです。

直近では、株式会社中橋保温工業所の株式取得を実施し、負ののれん発生益を特別利益に計上しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本坩堝グループは、耐火物や工業炉の製造販売、エンジニアリングサービスを提供する企業です。従業員の給与水準や働き方に関するデータからは、安定した環境で長期的にキャリアを築くことができる傾向が見られます。同社グループは、人的資本を経営の土台と位置付け、多様な人材が活躍できる組織づくりに注力しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い水準にあります。これは、長期的な視点でキャリアを形成し、安定して働き続ける従業員が多い傾向を示しています。

項目 数値
平均年間給与 6,811,155円
平均勤続年数 15.2年
平均年齢 44.2歳
単体従業員数 183人
連結従業員数 259人
単体のグループ内比率 70.7%


同社および連結子会社は、退職金規程に基づく確定給付型の退職一時金制度を採用しています。確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額があらかじめ決まっている制度です。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は11.3億円、年金資産は3.3億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


日本坩堝グループは、「中期経営計画2027」において「組織と人の活性化」を経営基盤と位置付け、持続的な成長を実現するための人的資本の強化に取り組んでいます。事業環境の変化に対応し競争力を強化するため、組織風土改革、人財確保、人財育成、ダイバーシティの4つの観点から人材戦略を推進しています。

従業員の給与は、職務内容、成果および能力に応じた評価に基づき決定されており、企業価値向上への貢献を適切に反映する報酬体系の構築に努めています。また、市場水準や経営環境を踏まえ、競争力のある処遇の確保を図っています。

具体的には、従業員の主体的な行動を促進し、生産性および組織活性化を図るため、エンゲージメント向上施策を推進しています。ストレスチェックの活用や1on1の実施等により、組織課題の可視化と改善を進めています。事業拡大に必要な専門人材の確保と組織力強化を目的として、ダイレクトリクルーティングや人材紹介の活用等により採用手法の高度化を図るとともに、処遇改善およびキャリア支援により人材の定着を促進しています。中長期的な企業価値向上を支える人材基盤の構築を目的として、階層別研修や次世代リーダー育成施策等を体系的に実施し、専門性とマネジメント力の強化を図っています。多様な人材の活躍による組織競争力の向上を目的として、女性活躍推進、高齢者・外国人材の活用、および柔軟な働き方の整備を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは、本記事では取得できていません。なお、連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。

健康・安全

指標 数値
ストレスチェック総合リスク値 92

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
有給休暇取得率 70.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本坩堝は、耐火物、エンジニアリング、不動産、その他事業を展開する企業グループです。多岐にわたる事業を通じて、社会の基盤を支える製品やサービスを提供し、収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に4つの事業セグメントで構成されており、それぞれの分野で専門性の高いサービスを提供しています。国内市場が中心であり、特定の顧客への売上集中は見られません。

耐火物事業

黒鉛坩堝、定形耐火物、不定形耐火物の製造販売、および鋳物材料の仕入販売を行っています。収益は、これらの製品の製造販売や仕入販売から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から減少傾向にあります。

エンジニアリング事業

各種工業炉の設計施工、焼却炉等のメンテナンス、付帯する機器類の販売、築炉工事請負などを手掛けています。収益は、工業炉の設計施工やメンテナンス、工事請負から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加傾向にあります。

不動産事業

建物や駐車場の賃貸、太陽光発電事業を展開しています。収益は、賃貸収入や太陽光発電による売電収入から得ています。当連結会計年度の売上高は前期からわずかに増加傾向にあります。

その他事業

塗料循環装置事業を行っています。収益は、塗料循環装置の提供から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から減少傾向にあります。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
耐火物 54.4億円 52.0億円
エンジニアリング 34.9億円 41.7億円
その他事業 4.8億円 4.7億円
不動産事業 3.8億円 3.8億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、この5年間で増加傾向にあります。経常利益は変動が見られるものの、当連結会計年度は前期とほぼ同水準で推移しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度において前期から増加しており、これは特別利益として計上された負ののれん発生益も影響しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 86.8億円 88.4億円 96.1億円 97.8億円 102億円
経常利益 3.1億円 1.5億円 3.2億円 4.9億円 4.9億円
経常利益率 3.6% 1.7% 3.4% 5.0% 4.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.1億円 △15百万円 2.7億円 3.5億円 4.3億円
1株当たり当期純利益(円) 31.57 △2.20 40.77 52.87 64.25

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当連結会計年度において前期から増加しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から減少する結果となりました。これらの指標は、同社グループの事業規模拡大と収益体質の変化、および組織全体の効率性の傾向を示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 37.9百万円 39.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.8百万円 1.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、安定した財務基盤を築いている状況です。本業で着実に資金を稼ぎ出し、将来に向けた投資も行いつつ、手元資金を確保しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は、プライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金である現金及び預金は前期から増加しており、財務基盤の安定性を示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 55.8億円 62.0億円
自己資本比率 49.8% 51.3%
ROE(自己資本利益率) 6.5% 7.2%
現金及び預金 18.2億円 22.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは前期から減少しました。これは、税金等調整前当期純利益や減価償却費などによる収入があった一方で、仕入債務の減少などが影響しています。

投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得などにより支出が減少しました。財務活動によるキャッシュフローは、前期の支出から当期は長期借入れなどにより収入に転じています。

これらの結果、本業で安定的に資金を稼ぎ出し、投資活動も行いつつ、自由に使える資金であるフリーキャッシュフローを確保している状況です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 10.5億円 5.1億円
投資CF △7.8億円 △2.6億円
財務CF △1.0億円 2.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2.6億円 2.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの鋳造事業は自動車業界への依存度が高く、自動車のEV化の進展により鋳造部品の構造が変化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、耐火物の製造に必要な原材料の多くを海外からの輸入に頼っており、地政学リスクや原材料価格の高騰、大幅な円安が続いた場合、同社グループの業績が下振れする可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本坩堝は、伝統を守りつつ、常に変化する時代や環境に適応することを目指す企業です。創造性豊かな役職員の活力と、持続的な成長を重視する経営姿勢が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日本坩堝グループは、「創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する会社を目指す」ことを経営理念としています。長期ビジョンには「22世紀へ、躍進するNIKKAN ~創業1885年、『4世紀をつなぐ企業』を目指して」を掲げています。

同社グループの核となる強みは「耐火物・サービスに関する総合的なソリューション提供力」です。中期経営計画2027では、Rebirth(再生)、Re-create(価値の再創造)、Reconstruct(事業構造の再構築)をキーワードに、事業構造の再構築を加速させています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日本坩堝グループは、役職員全員が「大切な人たちに胸を張って誇りを持って語れる会社」であり続けることを組織活性化戦略の基本方針としています。顧客に対しては「ファースト・コール・カンパニー」を目指し、常に寄り添いニーズに応えることを重視しています。

サステナビリティ基本方針では、環境・社会面の要請と経済的リターンを両立させ、長期的な企業価値向上に取り組むことを掲げています。人的資本経営における重点課題は、組織風土改革、優秀人財の確保、人財育成、ダイバーシティです。

組織風土改革としてエンゲージメント向上や「1 on 1」の導入、部門横断研修を実施しています。「TRYプロジェクト」では社員自らが考え行動する運動を継続しています。多様な人財の活躍を重視し、女性活躍推進や高齢者雇用、障がい者雇用の拡充、外国出身者の活躍を推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


日本坩堝グループは、原材料・燃料価格の高騰や為替相場などの市場動向を経営環境における課題と認識しています。特に、自動車関連産業の生産・販売回復の遅れによる鋳造需要の低迷、鉄鋼業界の製鉄所再編、自動車のEV化進展に伴う中長期的な影響への対処を優先的な事業課題としています。

サステナビリティに関する最大のリスクとして、温室効果ガス排出に関する規制強化を挙げています。同社グループは「リスク管理・コンプライアンス委員会」を定期的に開催し、サステナビリティに関するリスクを含む事業上のあらゆるリスクの管理・統制に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本坩堝は、株主をはじめとするステークホルダーの期待に応え、持続的な成長と企業価値向上を経営の最重要課題としています。経営の透明性・公平性を確保し、迅速な意思決定による効率化を高めるため、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本坩堝の株主構成を見ると、個人株主が筆頭株主として名を連ねています。また、金融機関や事業会社、さらには従業員持株会も上位株主として同社を支えていることが特徴です。

株主名 持株比率
岡田民雄 4.87%
みずほ銀行 4.83%
柏屋商事 4.08%
上田八木短資 3.73%
美濃窯業 3.44%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は13.0%です。代表取締役社長は西村有司氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
西 村 有 司 代表取締役社長 1997年4月同社入社、2008年4月同社東京支店長、2017年6月同社営業部長、2018年4月同社執行役員営業部長、2019年6月同社取締役営業部長、2023年6月同社代表取締役社長より現職。
広 野 玲緒奈 専務取締役 営業部門・工業炉事業管掌 1984年4月株式会社富士銀行(現:株式会社みずほ銀行)入行、2006年7月株式会社みずほ銀行船橋支店長、2015年6月同社経理部長、2023年6月同社専務取締役営業部門・企画部門管掌、2025年4月同社専務取締役営業部門・工業炉事業管掌より現職。
岡 本 聡 取締役 企画・管理部門管掌 総務部長 1988年4月株式会社富士銀行(現:株式会社みずほ銀行)入行、2019年4月同社総務部長、2021年4月同社執行役員総務部長、2025年4月同社取締役企画・管理部門管掌総務部長兼リスク管理・コンプライアンス室長より現職。


社外取締役は、岩谷誠治氏(岩谷誠治公認会計士事務所代表・三井不動産アコモデーションファンド投資法人監督役員)、岡松暁子氏(法政大学人間環境学部教授・参議院外交防衛委員会調査室客員調査員・環境省参与・日本エネルギー法研究所研究委員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会、内部監査室を設置しています。社外取締役と社外監査役が経営の監視機能を強化し、客観的かつ中立的な立場から経営の健全性を確保しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本坩堝の役員報酬は、固定報酬としての基本報酬、短期の業績連動報酬としての賞与、そして中長期の業績連動報酬としての業績連動型株式報酬「株式給付信託(BBT)」で構成されています。これにより、役員の業績向上への意欲と企業価値の持続的向上を図るインセンティブを設計しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 88百万円 14.6百万円
社外役員 6名 27百万円 4.5百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。