【平均年収690万円】日本ヒューム 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収690万円】日本ヒューム 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本ヒュームは、基礎、下水道関連、太陽光発電・不動産に関連する事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は701名です。直近の連結会計年度では売上高と営業利益が過去最高を更新し、過去5期にわたり増収増益となりました。


目次

※本記事は、日本ヒューム株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本ヒュームは、基礎、下水道関連、太陽光発電・不動産に関連する事業を主として展開しています。同社グループは、コンクリートパイルやヒューム管の製造・販売、杭打工事、管渠更生工事などをグループ各社とともに手掛けています。

単体従業員数は458名、連結従業員数は701名です。セグメントは基礎事業、下水道関連事業、太陽光発電・不動産事業、その他の4つです。

主な国内グループ会社は、東邦ヒューム管、技工曙、エヌエィチ・フタバ、鋼商、マナックなどです。

直近では、ドローン技術を活用したインフラ点検ソリューションを展開する株式会社Liberawareと資本業務提携を実施しました。また、基礎事業強化のためマナックを子会社化しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本ヒュームは、社会インフラを支えるコンクリート二次製品の製造・施工を長年手掛けてきた企業です。創業以来の使命である「社会基盤の整備に参加し、豊かな人間環境づくりに貢献」を掲げ、安定した事業運営を続けています。同社は人的資本経営を推進しており、社員一人ひとりの成長と挑戦を重視する企業文化が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が16年を超えており、従業員が長期的にキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も44歳と、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。安定した環境で専門性を高めたいと考える方にとって、参考となる情報です。

項目 数値
平均年間給与 6,895,031円
平均勤続年数 16.08年
平均年齢 44.07歳
単体従業員数 458人
連結従業員数 701人
単体のグループ内比率 65.3%


同社および国内連結子会社、一部の海外連結子会社は、確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を設けています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、同社の退職給付債務は25.5億円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は「あらゆる価値は『人』が創造する」という考えのもと、社員がいきいきとやりがいをもって挑戦できる職場環境と企業風土づくりを通じて、新たな付加価値を生み出すことを目指しています。社員一人ひとりのチャレンジ意欲向上と高い専門性の獲得を重視し、性別・年次・年齢にとらわれない専門性重視の人事制度や自律的なキャリア形成、資格取得奨励金制度の見直しを進めています。

人材育成においては、OJTとOFF-JTを組み合わせた研修カリキュラムをデータドリブンで推進し、プロフェッショナル人材の育成強化とタレントマネジメントを図っています。経営トップ自らが社内SNSでの情報発信や従業員との直接対話を通じて「NHフィロソフィー」(哲学)の浸透に努めています。また、マネージャーのリーダーシップ向上を目的とした人事考課でのフィードバックや1on1ミーティングの支援、次世代リーダー育成のための社内SNSでの情報共有と意見交換も行われています。

社内環境整備では、中長期的な生産年齢人口の減少を見据え、採用活動の効率化と採用の質の向上に取り組んでいます。現行の人事制度では、専門職とライン管理職の役割を明確化し、適性や保有スキルに基づいた適材適所への配置を「人事委員会」が推進しています。多様な人材が個性を活かし、最大限の能力を発揮できる自律的な企業風土づくりを目指すダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営課題と認識しています。さらに、2024年からは派遣社員・契約社員を含む全従業員を対象とした「従業員エンゲージメント調査」を実施し、従業員エンゲージメントの向上に努めています。従業員の心身の健康を経営上極めて重要と考え、「健康経営優良法人」に4年連続で認定されるなど、健康経営を推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
女性管理職比率 3.3%
男女賃金差異(全労働者) 72.4%
男女賃金差異(正規雇用) 82.0%
男女賃金差異(非正規雇用) 66.2%

指標と目標

指標 2032年度目標 2037年度目標
女性管理職比率 8.0% 10.0%
男性育休取得率 100.0% 100.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本ヒュームは、社会インフラの整備と維持に貢献する総合コンクリート会社です。基礎事業、下水道関連事業、太陽光発電・不動産事業を主軸に、幅広い技術と製品を提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、社会インフラの長寿命化や防災・減災、環境対応といった社会課題の解決に取り組んでいます。材料技術、デジタル技術、省力化技術を組み合わせた高付加価値提案を推進し、安定的な収益基盤を構築しています。特定の大口顧客への収益集中は見られず、事業は多角化されています。

基礎事業

コンクリートパイルの製造・販売、および杭打工事などを手掛けています。大型案件への対応や技術力を活かした受注の積み上げにより、安定的な収益基盤を強化しています。収益は、コンクリート製品の提供と工事の実施から得ています。

下水道関連事業

ヒューム管やセグメントなどの製造・販売、および管渠更生工事などを行っています。老朽化した社会インフラの維持更新需要や浸水対策需要を確実に取り込み、同社グループの成長を牽引しています。収益は、製品供給と工事の実施から得ています。

太陽光発電・不動産事業

太陽光発電事業、不動産の賃貸・管理・開発、および環境関連機器の販売・メンテナンスを行っています。収益は、発電事業による売電収入や不動産賃貸収入、関連サービスの提供から得ています。

その他の事業セグメント

レンタル事業など、報告セグメントに含まれない事業を展開しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
基礎事業 227億円 243億円
下水道関連事業 128億円 144億円
太陽光発電・不動産事業 14.3億円 14.8億円
その他の事業セグメント 94百万円 1.0億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。特に直近の連結会計年度では、売上高および営業利益が過去最高を更新しました。これは、下水道関連事業における出荷増と価格改善、高付加価値製品の展開が収益を牽引したことによるものです。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 295億円 319億円 337億円 371億円 402億円
経常利益 25.3億円 21.0億円 23.9億円 30.5億円 38.0億円
経常利益率 8.6% 6.6% 7.1% 8.2% 9.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 21.4億円 16.4億円 19.1億円 30.5億円 33.8億円
1株当たり当期純利益(円) 43.98 34.06 39.95 64.97 72.42

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して減少しています。これは、連結子会社化などにより従業員数が大幅に増加したことが影響していると考えられます。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期とほぼ同水準で推移しており、組織全体の収益性は維持されている状況です。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 67.5百万円 57.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.7百万円 3.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、財務の安定性を維持しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。現在の資金の流れから、成長への意欲がうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定している状況です。自己資本比率はプライム市場の製造業平均(46.8%)を大きく上回る水準で推移しており、財務の健全性が高いことを示しています。ROEはプライム市場平均(9.4%)を下回っていますが、安定した純資産の増加が見られます。手元資金も十分に確保されており、事業環境の変化に対する耐性があると言えます。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 431億円 527億円
自己資本比率 74.4% 75.7%
ROE(自己資本利益率) 7.3% 7.1%
現金及び預金 127億円 103億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業キャッシュフローは、売上債権及び契約資産の増加や仕入債務の減少を主な要因として、資金を使用する状況となりました。一方で、投資キャッシュフローは固定資産の取得や子会社株式の取得により資金を使用しており、将来の成長に向けた積極的な投資活動を示しています。その結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっていますが、財務キャッシュフローでは自己株式の売却による収入により資金を調達しています。

これらの資金の流れは、同社グループが事業拡大と成長戦略を推進している状況を反映しています。積極的な投資は将来の成長につながる可能性がありますが、運転資金の管理と資金調達のバランスが、今後の雇用や給与の安定性を左右する要素となるでしょう。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 9.0億円 △34.8億円
投資CF 37百万円 △32.4億円
財務CF △25.3億円 40.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 9.3億円 △67.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、国内の公共投資および民間建設投資の動向に業績が影響を受けるリスクを認識しています。建設投資が縮小した場合、受注量の減少や価格競争の激化により、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、主要事業で使用するセメントや鋼材、燃料などの原材料価格やエネルギーコスト、物流コストの変動も、収益性に影響を及ぼすリスクとして挙げられています。

③ 人材・組織に関するリスク

建設業界全体で進行する技能労働者の不足や施工管理人材の確保難、労務費の上昇は、同社グループにおいても重要なリスクとして認識されています。必要な人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合、受注機会の逸失や工期遅延、外注費の上昇などにより業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本ヒュームは、社会基盤の整備を通じて豊かな人間環境づくりに貢献することを企業理念としています。構造改革を推進し、持続的な成長と企業価値向上を目指す企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日本ヒュームは「社会基盤の整備に参加し、豊かな人間環境づくりに貢献する」ことを企業理念に掲げています。また、「人の和をはかり、常に従業員の幸福と生き甲斐を求め、未来を見つめ、たゆまぬ技術開発により、強い会社を目指す」という指針を持っています。

中期経営計画「26-30計画NEXT100」では、構造改革を通じて「稼ぐ力を作り、次の成長へ」と進むことを基本方針としています。同社グループは、社会インフラを支える企業として価値向上と持続的成長の実現を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、社員一人ひとりが「自走」し、挑戦を恐れない文化を創ることを構造改革の本質と捉えています。個人の成長が企業の成長と連動し、社会から信頼される企業となることを目指しています。

「あらゆる価値は『人』が創造する」という考えのもと、社員がいきいきとやりがいをもって挑戦できる職場環境と企業風土づくりを重視しています。性別や年次、年齢にとらわれず、専門性を重視し、自律的なキャリア形成を支援する人的資本経営を推進しています。

多様な人材で組織を構成し、相互理解のもと個性を活かして最大限の能力を発揮する自律的な企業風土作りを進めています。経営トップによる「NHフィロソフィー」(哲学)の浸透や、マネージャーのリーダーシップ向上、次世代リーダー育成にも取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、社会インフラの老朽化対策や防災・減災需要の拡大、脱炭素、人手不足への対応を重要な経営課題と認識しています。持続的に利益を生み出せる企業体質への進化が重要であると考えています。

製品・施工・維持管理を一体とした付加価値の高い提案を推進し、収益力の一層の向上を目指しています。また、製造・施工面では、人手不足や資材価格の高止まりが続く中で、生産性向上が全事業の収益基盤を支える共通課題です。

NH-ROBOCONによる工場自動化やAI設計、3Dプリンター、施工現場での省人化技術の横展開を進め、生産能力の拡大と収益性向上に取り組んでいます。サステナビリティ課題への対応として「リスクマネジメント委員会」を設置し、気候変動問題やカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本ヒュームは監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会を通じて経営の透明性と有効なガバナンス機能の維持に努めています。客観的な立場から経営を監視する体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本ヒュームの株主構成を見ると、筆頭株主はみずほ信託銀行の退職給付信託であり、特定の事業会社や創業家が支配的な地位を占めているわけではありません。上位には事業会社や金融機関が名を連ねており、多様な主体によって支えられている資本構成となっています。なお、一部の関連会社が所有する株式については、議決権の行使が制限されています。

株主名 持株比率
みずほ信託銀行退職給付信託太平洋セメント口 8.86%
旭コンクリート工業 5.42%
THE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LTD-SINGAPORE BRANCH PRIVATE BANKING DIVISION CLIENTS A/C 8221-623793 5.22%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は増渕智之氏が務めています。

氏名 役職 主な経歴
増渕 智之 取締役社長 代表取締役 1992年2月同社入社。経営企画部部長、取締役経営企画部長、常務取締役管理本部副本部長などを経て、2023年4月より同社代表取締役社長。2026年2月よりマナック株式会社社外取締役も現職。
井上 克彦 専務取締役 専務執行役員 事業戦略推進統括担当 1993年10月同社入社。国際事業部部長、執行役員国際事業部長、取締役常務執行役員などを経て、2023年4月より同社専務取締役専務執行役員事業戦略推進統括担当。2026年2月よりマナック株式会社社外取締役も現職。
田中 敏嗣 取締役 常務執行役員 技術本部長 1988年4月日本セメント株式会社(現 太平洋セメント株式会社)入社。太平洋セメント中央研究所第2研究部部長などを経て、2023年6月より同社取締役。2025年4月より常務執行役員技術本部長。
櫻井 博章 取締役 常務執行役員 営業推進本部長兼関西支社長、防衛関連事業戦略推進担当、基礎事業戦略担当 2003年1月同社入社。関西支社長兼営業部長、執行役員関西支社長などを経て、2023年6月より同社取締役。2026年4月より常務執行役員営業推進本部長兼関西支社長、防衛関連事業戦略推進担当、基礎事業戦略担当。


社外取締役は、前田正博氏(崇城大学客員教授)、中野良一氏(警視庁職員信用組合理事長・指名委員・報酬委員)、増江亜佐緒氏(弁護士法人奥野総合法律事務所・東京鐵鋼社外取締役監査等委員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役7名(うち社外取締役3名)と監査役4名(うち社外監査役3名)で構成される体制です。社外役員は中立的かつ客観的な立場から、取締役の職務執行を監督・監視しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本ヒュームの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう設計されています。業務執行取締役には固定報酬としての基本報酬と業績連動型株式報酬が支給され、株主利益との連動性を高めています。一方、監督機能を担う社外取締役には基本報酬のみが支払われる仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 1.4億円 29.0百万円
監査役(社外除く) 1名 19百万円 18.7百万円
社外役員 6名 43百万円 7.2百万円


なお、取締役(社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等の内訳は、業績連動報酬17,835千円です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。