【平均年収700万円】エーアンドエーマテリアル 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収700万円】エーアンドエーマテリアル 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

エーアンドエーマテリアルは、建設・建材事業と工業製品・エンジニアリング事業を主軸に、グループ各社とともに社会インフラを支える製品の製造・販売・工事を手掛けています。連結従業員数は千名規模で、直近の業績は売上高が増加し、当期純利益も大幅な増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社エーアンドエーマテリアル の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


エーアンドエーマテリアルグループは、建設・建材事業と工業製品・エンジニアリング事業を主軸に、製品の製造、販売、および工事の設計・施工を手掛けています。幅広い分野で社会インフラを支える製品とサービスを提供しています。

単体従業員数は217名、連結従業員数は1,001名です。セグメントは建設・建材事業、工業製品・エンジニアリング事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、アスク・サンシンエンジニアリング(工業製品・エンジニアリング事業)、エーアンドエークレスト(建設・建材事業)などです。

直近では、M&Aによる事業規模の拡大を進めており、特に建設・建材事業において連結子会社が加わっています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


エーアンドエーマテリアルは、サステナビリティ経営を事業成長の両輪と捉え、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出すことに注力しています。長期的な視点での人材育成と働きやすい環境づくりを通じて、持続的な企業価値向上を目指していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員一人ひとりが心身ともに健康で活力ある毎日を送ることを重視しており、福利厚生制度の拡充や諸手当の見直しを進めています。また、2018年度以降継続的に賃上げを実施しており、従業員のエンゲージメント向上と優秀な人材の確保・定着を図る姿勢が見られます。平均勤続年数や平均年齢からは、比較的長く安定して働く従業員が多い傾向がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,998,038円
平均勤続年数 17.0年
平均年齢 42.3歳
単体従業員数 217人
連結従業員数 1,001人
単体のグループ内比率 21.7%


同社および一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付制度と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出年金制度を採用しています。国内のグループ会社が対象です。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、当連結会計年度末時点の退職給付債務は24.8億円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


エーアンドエーマテリアルは、長期経営構想「Vision2033」の達成に向けて、「人こそが企業の最も重要な財産である」という考えのもと、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮することに重点的に取り組んでいます。2025年4月から導入した新人事制度では「セルフ・キャリアデザイン制度」を採用し、従業員が自身の「WILL(したいこと)」「CAN(できること)」「MUST(求められていること)」を明確にし、将来の「ありたい姿」になるための目標を自ら考える機会を提供しています。これにより、従業員が主体的に挑戦し、成長を実感できる環境を整えています。

また、快適な職場づくりとダイバーシティの推進を基本方針の一つに掲げ、国際労働機関(ILO)に準拠する労働環境を整備しています。従業員への教育や人材育成を積極的に実施し、女性の活躍をはじめとするダイバーシティを推進することで、人権と多様性を尊重した組織を目指しています。従業員エンゲージメント向上や女性管理職の育成等、具体的な目標を設定し、取り組みを進めています。当連結会計年度においては、当社および一部の連結子会社で平均4.5%の賃上げを実施しました。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.5%
男性の育児休暇取得率 50.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 63.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 66.1%
労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用労働者) 68.7%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ アスク・サンシンエンジニアリング㈱

非正規雇用労働者においては、女性は短時間勤務者の割合が高いことが男女の賃金の差異の原因となっております。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 4.9%
男性の育児休暇取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 62.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 66.6%
労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用労働者) 48.8%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
有給休暇取得率 55.7%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社エーアンドエーマテリアルは、建設・建材事業と工業製品・エンジニアリング事業を主軸に、幅広い製品の製造、販売、および工事の設計・施工を手掛けています。同社グループは、社会インフラや産業活動を支える多様な材料と技術を提供することで収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に建設・建材事業と工業製品・エンジニアリング事業の二つの報告セグメントで事業を展開しています。これらの事業は、国内の建設投資の堅調な推移や、環境・エネルギー分野での需要増加といった市場環境の中で、販売価格の改定やM&Aによる事業規模の拡大を通じて売上高を増加させています。

建設・建材事業

不燃建築材料や低圧メラミン化粧板、建築内装材、化粧シートの製造・販売、および不燃建築材料や鉄骨耐火被覆工事の設計・施工を行っています。収益は、けい酸カルシウム板や内装不燃化粧板、曲面施工が可能なオリジナル商品、コンクリート調インテリアボードなどの材料販売と、各種工事の設計・施工から得ています。運営は、エーアンドエー茨城、エーアンドエー大阪、エーアンドエークレスト、ユニボード、デコールなどが行っています。

工業製品・エンジニアリング事業

不燃紡織品、船舶用資材、防音材、伸縮継手などの各種工業用材料・機器の販売、および工業用摩擦材、シール材、保温保冷断熱材の製造・販売、保温、保冷、空調、断熱、防音、耐火工事の設計・施工を行っています。収益は、船舶関連の防熱材や副資材、セメント粉体運搬船向けの騒音対策床材、耐摩鋼加工品、遮熱・防熱塗料などの材料販売と、プラントや環境・エネルギー分野での工事の設計・施工から得ています。運営は、アスクテクニカ、朝日珪酸工業、アスク・サンシンエンジニアリング、アスク沖縄などが行っています。

その他の事業セグメントでは、不動産の賃貸事業を展開しています。同社グループの売上高は、国内の外部顧客からのものが90%以上を占めており、特定の主要顧客への収益集中は見られません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
建設・建材事業 187億円 231億円
工業製品・エンジニアリング事業 247億円 226億円
その他の事業セグメント 57百万円 56百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で着実に増加傾向を示しています。経常利益は変動があるものの、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に損失を計上したものの、当期には大幅な利益に転換しました。これは、販売価格の改定やM&Aによる事業規模の拡大が売上高の増加に寄与した一方で、原燃料価格の高騰や労務費、物流費の増加が利益面に影響を与えたためです。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 359億円 392億円 413億円 434億円 457億円
経常利益 15.6億円 14.5億円 24.0億円 18.9億円 16.1億円
経常利益率 4.4% 3.7% 5.8% 4.3% 3.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 9.6億円 9.3億円 27.0億円 △1.2億円 17.0億円
1株当たり当期純利益(円) 125.37 121.76 352.48 △15.77 226.52

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少する結果となりました。これは、売上高の増加があったものの、原燃料価格や労務費、物流費の増加といった外部要因が利益を圧迫し、従業員数の増加も相まって、一人あたりの収益性および生産性に影響を与えたものと考えられます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 48.4百万円 45.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.1百万円 1.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で得た資金を積極的に投資に回しており、成長に向けた取り組みを進めている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から減少しています。ROE(自己資本利益率)は前期のマイナスから当期はプラスに転じており、収益性が改善していることが示されています。手元資金は前期から減少しており、今後の資金繰りの動向を注視することが重要です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 187億円 172億円
自己資本比率 45.7% 39.5%
ROE(自己資本利益率) -0.6% 9.4%
現金及び預金 6.7億円 1.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、当期において増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上により資金が増加した一方で、和解金の支払額の計上により資金が減少したことなどによるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出などにより、資金が減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入が増加した一方で、自己株式の取得による支出により資金が減少した結果、増加となりました。

フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。これは、事業拡大や成長に向けた積極的な投資が行われていることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 12.3億円 14.7億円
投資CF △26.2億円 △27.3億円
財務CF △5.1億円 7.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △13.9億円 △12.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、景気変動や経済情勢のリスクを認識しています。住宅・非住宅分野のリフォーム市場は増加傾向にあるものの、新築投資の減少傾向が続く見込みです。また、工業用諸材料や保温保冷工事の分野においても、国内関連市場の景気動向により受注や価格に影響が出る可能性があります。

海外事業活動のリスクも挙げられており、インドネシア等東南アジアでの事業展開において、政治的混乱や金融情勢の変化、現地政府による法規制等のリスクが存在しています。これらのリスクが顕在化した場合、同社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、作業環境への配慮や法規制の改正・強化への対応、安全管理の徹底に注意を払っています。しかし、労働災害や不測の事故等により、企業価値や業績に影響を与える可能性があると認識しています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


エーアンドエーマテリアルは、建材と熱・音・エネルギー制御の技術を核に、安全で快適な環境創造を通じて社会貢献を目指す企業グループです。持続的な発展と企業価値向上を追求する経営方針を掲げています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「建材に関する生産、化粧加工、施工の技術」と「熱、音、その他のエネルギーをコントロールする技術」を基盤としています。安全で安心でき、快適な環境を創造する事業を通じて、生活環境と社会基盤の充実、産業の発展に貢献する企業グループになることを目指しています。新たな未来像を描いた長期経営構想「Vision2033」を掲げ、10年後のありたい姿の実現に向けて取り組んでいます。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、お客様や市場の声を敏感に受け止め、安全で高品質な商品、工事およびサービスを提供し続けることを重視しています。技術力の向上と管理手法の改善による収益性向上、法と社会秩序の遵守、的確な企業統治と内部統制の確立を通じて、経営の質的レベルアップを図っています。全ての企業活動において環境保全に配慮し、天然資源や副産物の有効活用、環境負荷の低減に努め、社会への貢献を目指しています。サステナビリティ経営を事業の成長戦略と並ぶ両輪と位置づけ、長期CSRビジョン「CSR2033」に基づき、従業員エンゲージメント向上やダイバーシティ推進にも取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、長期経営構想「Vision2033」と「2026中期経営計画」において、サステナブルな事業活動を通じた社会課題の解決への貢献を目指しています。グループ全体では、デジタル技術を活用した業務フローの改善、従業員エンゲージメント向上への施策、新規事業関連に注力しています。中長期CSRビジョン「CSR2033」では、2050年までにGHG排出量ネットゼロの方針を掲げ、省エネルギー投資や再生可能エネルギーの積極採用を進めています。また、快適な職場づくりとダイバーシティの推進を基本方針とし、国際労働機関(ILO)に準拠する労働環境の整備、従業員への教育や人材育成、女性の活躍推進に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


エーアンドエーマテリアルは、株主価値の向上と持続的発展のため、コーポレートガバナンスの強化を重視しています。取締役会による業務執行の監督機能の実効性確保や、株主の権利・平等性の確保を基本方針としています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


エーアンドエーマテリアルの筆頭株主は太平洋セメントであり、事業会社が主要な株主として同社グループを支えています。その他、明治安田生命保険相互会社やINTERACTIVE BROKERS LLCといった機関投資家、さらにエーアンドエーマテリアル社員持株会も上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
太平洋セメント 20.35%
明治安田生命保険相互会社(常任代理人日本カストディ銀行) 4.12%
INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人インタラクティブ・ブローカーズ証券) 2.77%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は巻野徹氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
巻 野 徹 代表取締役社長 1979年秩父セメント入社、太平洋セメント関連企業部、2001年エーアンドエーマテリアル総合企画部長、2012年同社顧問、2015年より同社代表取締役社長。
大 橋 徹 也 取締役副社長執行役員 1982年小野田セメント入社、タイヘイヨウセメントU.S.A.社長、太平洋セメント海外事業本部管理部長、2024年より同社取締役副社長執行役員。
大 島 武 人 取締役専務 執行役員 1987年浅野スレート入社、関東浅野パイプ代表取締役社長、エーアンドエー大阪代表取締役社長、2025年より同社取締役専務執行役員生産物流本部長。
髙 原 一 登 取締役専務 執行役員 1988年アスク入社、エーアンドエー茨城代表取締役社長、エーアンドエー大阪代表取締役社長、2015年より同社経営企画部長、2025年より同社取締役専務執行役員管理本部長。


社外取締役は、田倉榮美氏(弁護士・指名報酬諮問委員会委員長)、菅谷朋子氏(弁護士・指名報酬諮問委員会委員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役2名を含む6名で構成されています。社外取締役は独立した公正な立場から、取締役の職務執行の有効性及び効率性の検証を行うことで、客観性と中立性を確保したガバナンス体制を整備しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


エーアンドエーマテリアルの取締役報酬は、月例の固定報酬である基本報酬と、会社業績に連動する業績連動型株式報酬で構成されています。業績連動指標には営業利益が用いられ、業績達成度に応じたポイントが付与される仕組みです。社外取締役に対しては、その職務に鑑み基本報酬のみが支払われます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.2億円 31.2百万円
監査役(社外除く) 2名 21百万円 10.5百万円
社外役員 5名 34百万円 6.8百万円


役員報酬の総額は1.80億円であり、報酬の支給対象となった役員の合計は11名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。