【平均年収777万円】SECカーボン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収777万円】SECカーボン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

SECカーボンは、グループ各社とともに炭素製品および電炉製鉄による鉄鋼製品の製造販売を展開しています。直近の期間では売上高、経常利益ともに減少し、親会社株主に帰属する当期純利益は損失を計上しました。


目次

※本記事は、SECカーボン株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


SECカーボンは、炭素製品および鉄鋼製品の製造販売を主な事業とする企業です。同社グループは、子会社3社、関連会社2社、その他の関係会社1社で構成され、幅広い炭素製品と電炉製鉄による鉄鋼製品を提供しています。

単体従業員数は279名、連結従業員数は282名です。セグメントは炭素製品の製造・販売の1つです。

主な国内グループ会社は、東邦カーボン(炭素製品の販売)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


SECカーボンは、カーボンメーカーとして長年の歴史を持つ企業です。同社グループでは、人材を重要な経営資本と位置付け、多様性の尊重と人材育成に力を入れています。従業員が長期的に活躍できるような環境整備にも取り組んでおり、安定したキャリア形成を志向する方にとって魅力的な環境が期待できます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い水準にあります。このことから、従業員が長期にわたって働き続ける傾向があり、安定した職場環境がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 7,766,222円
平均勤続年数 18.0年
平均年齢 43.0歳
単体従業員数 279人
連結従業員数 282人
単体のグループ内比率 98.9%


同社グループは確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を設けています。この制度は国内グループ会社に適用されています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

参考として、当連結会計年度末における退職給付債務は18.7億円、年金資産は17.6億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、中長期経営方針「2030 Make Real」の実現に向け、人材を重要な経営資本と位置付けています。事業環境の変化や技術革新への対応力を高め、持続的な企業価値向上を実現するため、多様な人材の確保・育成・活躍促進を通じて組織力およびモノづくり力の強化を図っています。

給与その他の給与の額および内容については、職務・役割、能力、成果および会社業績等を総合的に勘案した人事・処遇制度に基づき決定されます。公平性および透明性を重視した人事制度の運用を推進しています。

サステナビリティ経営の推進においては、「多様性の尊重と人材育成」を重要課題(マテリアリティ)と認識しています。人材育成では「求める人材要件」を定義し、OJT、Off-JT、教育研修、資格取得支援等を通じて、従業員一人ひとりの能力向上および自律的な成長を支援しています。

熟練社員が有する知識・技能の継承を推進するとともに、変化する事業環境に柔軟に対応できる人材の育成にも取り組んでいます。多様な人材の確保を目指し、女性採用やキャリア採用を積極的に行い、継続雇用制度も導入しています。育児・介護等の支援を含めた働きやすい職場環境や諸制度の整備、ワークライフバランスの推進も図られています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 1.9%
男性労働者の育児休業取得率 63.6%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 71.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 77.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 79.9%

多様性・登用

指標 数値
採用者に占める女性の割合(2031年3月までの目標) 20.0%以上

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


SECカーボンは、炭素製品および鉄鋼製品の製造販売を主な事業とする会社です。同社グループは、アルミニウム製錬用カソードブロックや人造黒鉛電極、特殊炭素製品、ファインパウダーなどの多岐にわたる炭素製品を提供しています。また、電炉製鉄による鉄鋼製品の製造販売も行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


SECカーボンは、炭素製品の製造・販売を主な事業とする単一セグメントで事業を展開しています。主要な製品としては、アルミニウム製錬用カソードブロック、人造黒鉛電極、特殊炭素製品、ファインパウダー及びその他炭素製品があります。これらの製品は、アルミニウム製錬や粗鋼生産、熱処理炉、非鉄金属関連、モーターブラシ向けなど、幅広い産業分野の需要に応えています。

同社グループの収益は、これらの製品の販売から得られています。特にアルミニウム製錬用カソードブロックは、アルミニウム製錬会社の更新需要や在庫調整の影響を受けやすい傾向があります。人造黒鉛電極は国内外の粗鋼生産動向に、特殊炭素製品やファインパウダーは各産業の需要変動に連動しています。

地域別に見ると、日本国内だけでなく、米州、アジア・中近東、欧州、その他の地域といった海外市場からも収益を得ており、国際的な事業展開を行っています。また、特定の主要顧客からの売上高が全体の大きな割合を占める傾向が見られます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動を伴いながら推移しています。経常利益も同様に増減を繰り返しており、直近の期間では減少傾向を示しています。

親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期間において損失を計上する結果となりました。これは特別損失として減損損失を計上したことが主な要因となっています。

一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは直近の期間で増加しており、本業による資金創出は堅調に推移していることがうかがえます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 229億円 304億円 373億円 312億円 251億円
経常利益 37.8億円 76.1億円 116億円 77.2億円 56.8億円
経常利益率 16.5% 25.0% 31.0% 24.7% 22.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 30.4億円 54.0億円 73.0億円 57.5億円 △74百万円
1株当たり当期純利益(円) 149.54 265.81 359.16 285.59 △3.72

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


SECカーボンにおける従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して減少しています。これは、同社グループ全体の売上高が減少した影響を受けていると考えられます。

従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する結果となりました。この傾向は、事業環境の変化や販売数量の減少が、組織全体の収益性にも影響を与えていることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 114.2百万円 89.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 25.0百万円 14.2百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


SECカーボンは、財務基盤の安定性とキャッシュフローの健全性を通じて、事業の持続可能性を示しています。
これらの情報から、同社グループの経営の現在地を把握することができます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


SECカーボンは、高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を示しています。
プライム市場の製造業平均と比較しても、その水準は非常に高いものとなっています。
手元資金も潤沢に確保されており、事業運営における安定性がうかがえます。
ROEは当期にマイナスとなりましたが、前期はプラスであり、今後の回復が注目されます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 738億円 776億円
自己資本比率 90.7% 89.2%
ROE(自己資本利益率) 7.8% -0.1%
現金及び預金 174億円 175億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


SECカーボンは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが当期に増加し、77.7億円の収入超過となりました。
これは主に減損損失の計上や減価償却費の増加、未収消費税等の減少が影響しています。
投資活動によるキャッシュフローは、定期預金の預入や有形固定資産、投資有価証券の取得により△71.4億円の支出超過となっています。
財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払により△20.1億円の支出超過となりました。
これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなり、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状況を示しています。
この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資も行いつつ、雇用や給与の安定性を支える基盤があることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 45.5億円 77.7億円
投資CF △54.0億円 △71.4億円
財務CF △29.9億円 △20.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △8.6億円 6.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの主力製品は、アルミニウム業界や電炉鋼業界、半導体・電子材料業界等の設備投資動向や景気変動の影響を受けます。
特に、中国・インドメーカーとの競争激化や顧客ニーズの多様化により、需要が変動する可能性があります。
また、輸出比率が総売上の5割を超えるため、為替変動の影響を強く受ける体質となっています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループでは、技術者の高齢化や専門人材不足により、技術伝承や人材育成が十分に進まないリスクを認識しています。
これにより、品質や技術力、サービス力の低下につながる可能性があり、教育体制の整備や採用強化に取り組んでいます。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


SECカーボンは、カーボンメーカーとして地球環境を大切にし、社会の発展に貢献することをミッションに掲げています。変化に挑み、無限の可能性を探求しながら、業界の最高峰を目指す企業文化が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


SECカーボンは、「流動する変化に挑み、無限の可能性を探求し、業界の最高峰をめざす」ことを経営理念としています。この理念に基づき、「世界から信頼され成長し続けるカーボンメーカーとして地球環境を大切にし社会の発展に貢献する」ことを同社グループのミッションに掲げ、企業活動を展開しています。

また、中長期経営方針として「2030 Make Real」を掲げ、その着実な実践に軸足を置いています。サステナビリティ経営の推進を継続し、企業価値の拡大を目指す方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


SECカーボンは、経営理念において「社員及び株主の幸福を増進する」「社会の福祉発展に寄与する」ことを掲げています。創業以来、省エネルギーや省資源、産業廃棄物削減に取り組むとともに、取引先、地域社会、株主、従業員との関係を大切にしてきました。同社グループは、ミッションに相応しいサステナビリティ経営を推進し、経済、環境、社会面における諸課題の解決に向けた取り組みを継続しています。

特に、「多様性の尊重と人材育成」「地域社会への貢献」「ガバナンス強化」「ステークホルダーとの対話促進」を重要課題(マテリアリティ)としています。多様性の尊重においては、性別、国籍、年齢を問わず多様な人材の確保を目指し、女性採用やキャリア採用を積極的に行い、継続雇用制度を導入しています。また、育児・介護等の支援を含めた働きやすい職場環境や諸制度の整備も進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、事業収益力の回復や成長領域の具体化、事業基盤の強化、資本効率の向上を重要な経営課題と認識しています。これらの課題に対応するため、次期の経営重点目標として「ものづくりの底上げ」「人材の質と量の再定義」「IT基盤強化」「カーボンニュートラルへの貢献」を掲げ、全社一丸となって取り組んでいます。

また、企業の社会的責任を認識し、法令遵守を徹底するとともに、コーポレートガバナンスの充実や環境負荷の低減等、サステナビリティ経営の推進を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


SECカーボンは監査役会設置会社として、取締役会が経営上の意思決定と経営監視を担う体制をとっています。社外取締役や監査役による客観的な視点を取り入れ、持続的な成長と企業価値向上を目指し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


SECカーボンは、大谷製鉄を筆頭株主とし、三菱商事や住友商事といった大手商社が上位株主として名を連ねる資本構成となっています。特定の事業会社が主要な株主として同社を支えており、安定した経営基盤を形成していることがうかがえます。

株主名 持株比率
大谷製鉄 19.85%
三菱商事 9.78%
住友商事 5.02%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.2%です。代表取締役社長は中島耕氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
中島 耕 代表取締役社長 1986年4月同社入社。京都工場業務部長、取締役生産部門担当、京都工場長などを歴任し、2018年5月より現職。
大谷 民明 代表取締役会長 1969年5月同社入社。総務部長、常務取締役、専務取締役などを歴任。2005年6月より同社代表取締役社長、2018年5月より現職。
長谷川 和重 取締役 1992年4月三菱商事株式会社入社。2019年5月同社より出向。執行役員電極ユニット長などを経て、2021年6月より同社取締役。2025年4月より京都工場、原料調達部門担当 執行役員京都工場長兼原料調達室長。
田畑 洋 取締役 1992年4月同社入社。京都工場品質保証室長、技術部長、執行役員京都工場長などを歴任し、2021年6月より同社取締役。2025年4月より営業部門担当 執行役員。
岩井 清一 取締役 2001年5月同社入社。法務管理部長、総務部長、経営企画室長などを歴任。2016年6月より執行役員経営企画室長。2024年6月より経営企画部門、管理部門担当 執行役員経営企画室長兼本社ユニット長。


社外取締役は、大谷壽一氏(大谷製鉄代表取締役社長)、森千春氏(森千春会計事務所開設)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名を含む取締役会が経営の意思決定と監視を担っています。社外取締役は、豊富な知識と経験に基づき、客観的な視点から経営を監督する役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


SECカーボンの役員報酬は、役職に応じた役割と責任に見合うよう設計されており、企業価値向上への動機付けとなることを基本方針としています。報酬は固定報酬と業績連動報酬で構成され、業績連動報酬は連結営業利益を指標とし、個人別の報酬合計額の約30%を上限としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 1.7億円 33.8百万円
監査役(社外除く) 2名 30百万円 15.0百万円
社外役員 4名 33百万円 8.2百万円


なお、報酬等の総額には使用人兼務部分に対する報酬が含まれています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

💬キャリコネで会社の実態を確認する

決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。

ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。

企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。


この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。