※本記事は、株式会社ニッカトー の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月15日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ニッカトーは、セラミックス事業とエンジニアリング事業を主軸とする企業です。セラミックス製品の製造・販売に加え、加熱装置や計測機器の仕入れ販売も行っています。
ニッカトーの単体従業員数は279名です。事業セグメントはセラミックス事業とエンジニアリング事業の2つです。
ニッカトーのセラミックス事業は、堺工場及び東山工場でセラミックス製品を製造し、電子部品や食品、薬品メーカーなどに販売しています。エンジニアリング事業では、製造工場を持たずに加熱装置や計測機器を仕入れて販売しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ニッカトーは、科学技術と産業の発展に貢献する企業として、従業員が長期的に活躍できる環境づくりに注力しています。安定した事業基盤のもと、従業員の成長を支援し、働きがいを重視する姿勢が見られます。
同社は、従業員一人ひとりが自律し、主体的に業務に取り組める環境整備に努めています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が長く働き続けられる環境が整っていることが、平均勤続年数や平均年齢からうかがえます。安定したキャリアを築きながら、専門性を高めていきたいと考える方にとって、魅力的な環境であると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,746,000円 |
| 平均勤続年数 | 18.8年 |
| 平均年齢 | 41.0歳 |
| 単体従業員数 | 279人 |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は5.6億円、年金資産は1.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ニッカトーは、現在進行中の中期経営計画「CONNECT30」において「人財」を最も重要視しています。従業員一人ひとりが成長し、誇りをもって働ける企業を目指すことを基本方針としています。
このような考えのもと、挑戦や変化を大事にする組織風土・価値観の醸成を目指した人事制度を構築・運用しています。職務や役割に応じて透明かつ公平な処遇を実現するとともに、さまざまな経験を通じて従業員が成長できる環境の構築に努めています。
また、多様な知と知の組み合わせが持続的な成長を実現するとともに、従業員一人ひとりが自律し、働きがいを感じ、主体的に業務に取り組むことができる環境整備に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、正規雇用労働者3名を対象に算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 68.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 82.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 66.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ニッカトーは、セラミックス製品の製造販売と、加熱装置や計測機器の販売を主軸とする事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社の事業は、セラミックス事業とエンジニアリング事業の二つに大別されます。それぞれの事業が異なる特性を持ち、収益を上げています。同社の売上高は、その大部分を国内の外部顧客から得ています。
セラミックス事業
電子部品、食品、薬品、塗料などのメーカーで使用されるセラミックス製の道具類、備品、機械部品といった消耗品を製造し、販売しています。製品の販売から収益を得ています。運営は、同社の堺工場および東山工場で製造を行っています。主力販売先である電子部品業界の市況回復に伴い、売上高は前期から増加傾向にあります。
エンジニアリング事業
製造工場を持たず、加熱装置や計測機器などの商品を仕入れて販売しています。商品の販売から収益を得ています。自動車や重機関係の設備投資が好調に推移した結果、売上高は前期から増加傾向を示しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| セラミックス事業 | 74.1億円 | 82.2億円 |
| エンジニアリング事業 | 26.7億円 | 31.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から増加しています。特に利益面では大幅な伸びを示しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の収益性および生産性に関する具体的な数値は、参照データからは確認できません。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、事業活動を支える基盤として重要な要素です。ここでは、財務の安定性について、現在の状況を見ていきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
企業の財務基盤は、事業の安定性や将来の成長を支える重要な要素です。自己資本の厚みや手元資金の状況は、予期せぬ経済変動への耐性を示し、従業員の雇用や給与の安定性にも影響を与えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
キャッシュフローは、企業が事業活動、投資活動、財務活動を通じてどのように資金を調達し、使用しているかを示す重要な指標です。本業でどれだけ資金を生み出しているか、将来の成長のためにどのような投資を行っているか、そして資金調達や返済の状況は、企業の安定性と成長性を測る上で欠かせません。これらの資金の流れは、企業の持続可能性や、ひいては従業員の雇用や給与の安定性にも影響を及ぼします。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は事業の72.4%がセラミックス製品の製造販売であり、セラミックス分野への依存度が高い状況です。セラミックスに代替される新素材が登場した場合、同社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、電子部品業界向けの売上構成比率が高く、セラミックス事業で55.4%、エンジニアリング事業で21.0%を占めています。電子部品業界の景気動向が悪化した場合、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、顧客の技術高度化や技術革新に対応するため、優れた専門性を持つ人材の必要性が高まっています。少子高齢化や労働人口の減少に伴う優秀な人材採用の競争が厳しく、求める人材の確保や定着・育成が計画通りに進まない場合、将来の成長に重大な影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ニッカトーは、「創造性に富んだ信頼される製品の提供を通じて科学技術と産業の発展に寄与し、親しまれる経営で社会に貢献する」という企業理念を掲げています。100年以上にわたり培ってきた「ものづくり」への真摯な姿勢と社会貢献への高い意識を強みとし、持続可能な社会の実現を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ニッカトーは、「創造性に富んだ信頼される製品の提供を通じて科学技術と産業の発展に寄与し、親しまれる経営で社会に貢献する」という企業理念を掲げています。同社は、1913年の創業以来、理化学用陶磁器やファインセラミックス製品の提供を通じて日本の工業発展に貢献してきました。
現在は、祖業のセラミックス事業とエンジニアリング事業の2事業を展開しています。同社は「時代が必要とする企業」となるため、様々なステークホルダーから信頼される企業「Reliable Company」を目指しています。セラミックス素材の知見・技術を活かし、日本のものづくり産業の発展と環境問題・社会課題の解決に貢献することを価値創造プロセスとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ニッカトーは、100年以上にわたり培ってきた「ものづくり」に対する真摯な姿勢と「社会に貢献する」高い意識を大切にしています。社会課題や環境問題である「カーボンニュートラル」や「人的資本経営」にも積極的に取り組む姿勢を示しています。
同社は、中期経営計画「CONNECT30」において、「まずやってみる、未来のために。」というスローガンを掲げています。これは、全役職員がやるべきことを実行し、新たな取り組みにも果敢に挑戦することで成長し続けるという価値観を表しています。また、多様な知の組み合わせが持続的な成長を実現すると考え、従業員一人ひとりが自律し、主体的に業務に取り組める環境整備に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ニッカトーは、長期化する国際情勢や経済環境の厳しさに対処するため、2025年から2030年度に向けた中期経営計画「CONNECT30」を推進しています。この計画では、スローガン「まずやってみる、未来のために。」のもと、役職員一丸となって行動し、未来へ進む意識で取り組むことを重視しています。
同社は、社会課題や環境問題への対応も重点テーマとしています。「カーボンニュートラル」や「人的資本経営」に積極的に取り組み、2022年4月には「サステナビリティ委員会」を設置しました。CO₂排出量(Scope1,2)については、2030年までに2018年度比50%削減という目標を掲げ、SBTiの認定も取得しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、経営の効率性、健全性、透明性を確保し、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。経営の意思決定機関として取締役会と経営会議を設置し、迅速かつ適確な意思決定に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はニッカトー取引先持株会であり、取引先との連携を重視する姿勢がうかがえます。上位株主には東ソーやチノーといった事業会社も名を連ねており、安定した資本構成を形成しています。また、従業員持株会も上位に位置しており、従業員による自社への関与も特徴の一つです。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ニッカトー取引先持株会 | 7.30% |
| 東ソー | 5.00% |
| チノー | 4.70% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は大西宏司氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大西 宏司 | 代表取締役社長 | 1981年4月 同社入社、1998年4月 同社研究開発部長、2010年6月 同社取締役研究開発部長、2018年6月 同社代表取締役社長より現職。 |
| 濱田 悦男 | 常務取締役常務執行役員経営管理部長 | 1987年4月 第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行、2016年5月 同社入社 経理部担当部長、2017年6月 同社取締役経理部長、2024年4月 同社常務取締役 常務執行役員経営管理部長より現職。 |
| 大久保 嘉太郎 | 取締役総務部長 | 1991年4月 第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行、2024年2月 同社入社 総務部担当部長、2025年6月 同社取締役総務部長より現職。 |
社外取締役は、田邉絵理子氏(中之島中央法律事務所パートナー弁護士)、臼間真次氏(税理士法人ゆびすい社員・監査等委員)、田渕謙二氏(田渕・西野法律事務所開設・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役3名のうち2名が監査等委員を務めています。社外取締役は、弁護士や税理士としての専門知識と経験に基づき、経営への助言や取締役の職務執行の監査・監督を通じて、ガバナンス体制の強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、基本報酬、業績連動報酬(賞与)、および業績連動型株式報酬で構成されています。監査等委員である取締役およびその社外取締役には、基本報酬のみが支給される体系です。業績連動報酬は、主に営業利益率の目標達成度合いに応じて算出されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外取締役 | 1名 | 5百万円 | 5.4百万円 |
| 社外取締役(監査等委員) | 3名 | 11百万円 | 3.6百万円 |
当事業年度において、報酬等の総額は16百万円であり、対象となる役員の合計人数は4名です。
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