※本記事は、ヨシコン株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、マンション分譲や宅地開発、商業・物流施設の誘致開発を手掛ける総合デベロッパーです。不動産の賃貸・管理、コンクリート製品や土木・建築資材の販売、衣料品販売など多角的な事業を展開しています。
単体従業員数は40名、連結従業員数は58名です。セグメントはレジデンス事業、不動産開発事業、賃貸・管理等事業、マテリアル事業、その他事業の5つです。
主な国内グループ会社は、ワイシーシー(賃貸・管理等事業その他)、東海道リート・マネジメント(賃貸・管理等事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ヨシコンは「総合街づくり企業」として、多岐にわたる事業を展開しています。同社グループは人材を重要な財産と捉え、中途採用を積極的に行い、社員の育成に力を入れています。若手からベテランまで幅広い世代が活躍できる環境があり、働きがいを重視する企業文化がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も若すぎず高すぎない水準であり、人材の定着がうかがえます。若手から中堅まで幅広い世代が活躍できる環境があると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,636,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.1年 |
| 平均年齢 | 34.9歳 |
| 単体従業員数 | 40人 |
| 連結従業員数 | 58人 |
| 単体のグループ内比率 | 69.0% |
同社グループは確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。この制度は、同社および連結子会社に適用されています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。当連結会計年度における確定拠出制度への要拠出額は12百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、企業理念である「総合街づくり企業」の実現に向け、人を財産と捉え、多様な人材の確保と育成が中長期的な企業価値向上に繋がると考えています。優秀な人材確保と企業成長促進のため、人的資本への投資を加速させています。具体的には、2026年4月入社の大卒総合職社員の初任給を月額30万円に、2027年4月入社では月額32万円に改定し、全既存社員にも段階的に新賃金体制を適用しています。
中途採用者を積極的に採用し、資格や経験を総合的に判断して管理職への登用を行っています。国籍や性別にとらわれず、能力・成果に応じた人事評価を基本方針としています。女性管理職の割合が現状0%であると認識しており、今後、中核人材としてその比率が高まるよう、人材育成および社内環境の整備に努める方針です。外国人の管理職登用については実績がないものの、今後の企業規模拡大に応じて実績値の開示も検討しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ヨシコンは、不動産事業を主軸に多角的なビジネスを展開している企業です。マンションや戸建住宅の販売から、土地開発、賃貸・管理、さらにはコンクリート製品の販売まで、幅広い領域で収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に「レジデンス事業」「不動産開発事業」「賃貸・管理等事業」「マテリアル事業」の4つの報告セグメントと「その他の事業セグメント」で構成されています。不動産開発事業が同社グループの収益の大部分を占めており、前期に比べて大きく伸長しました。賃貸・管理等事業も前期から大幅に収益を伸ばしています。一方で、レジデンス事業は前期から収益が大きく減少しました。
レジデンス事業
マンション分譲や一棟売りマンション、戸建住宅などの不動産販売を手掛けています。
収益は、不動産の販売から得ています。運営は、ヨシコンが行っています。
不動産開発事業
総合デベロッパーとして、企画から土地開発までを一貫して行い、宅地分譲や商工業・物流施設の誘致開発などの不動産販売に従事しています。
収益は、不動産の販売から得ています。運営は、ヨシコンが行っています。
賃貸・管理等事業
不動産の賃貸借や管理、仲介、設計監理、工事請負などを行っています。
収益は、不動産の賃貸借や管理、請負工事などから得ています。運営は、ヨシコン、ワイシーシー、東海道リート・マネジメント、YCKが行っています。
マテリアル事業
主にコンクリート二次製品、生コンクリート、土木・建築用資材の販売などを行っています。土木用の道路用製品や擁壁・護岸用製品、建築用のカーテンウォールやPC部材なども取り扱っています。
収益は、コンクリート製品や資材の販売から得ています。運営は、ヨシコンが行っています。
その他の事業セグメント
衣料品販売業や保険代理店業などの事業を行っています。
収益は、衣料品販売や保険代理店収入などから得ています。運営は、ワイシーシー、YCAが行っています。
同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高はなく、国内市場に特化しています。特定の顧客への売上高としては、当連結会計年度に合同会社ピタゴラスへの売上が不動産開発事業において大きな割合を占めています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 不動産開発事業 | 153億円 | 195億円 |
| 賃貸・管理等事業 | 35.1億円 | 64.3億円 |
| レジデンス事業 | 80.5億円 | 25.0億円 |
| マテリアル事業 | 6.0億円 | 6.9億円 |
| その他の事業セグメント | 45百万円 | 39百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は増減を繰り返しながらも全体として増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に増減を伴いながら推移し、直近の当連結会計年度では前期に比べて減少となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 201億円 | 147億円 | 239億円 | 275億円 | 291億円 |
| 経常利益 | 26.2億円 | 17.1億円 | 32.9億円 | 47.1億円 | 41.7億円 |
| 経常利益率 | 13.1% | 11.7% | 13.8% | 17.2% | 14.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 16.4億円 | 11.7億円 | 21.0億円 | 30.2億円 | 26.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 223.96 | 162.92 | 295.93 | 425.42 | 377.57 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて増加しています。これは、従業員一人ひとりが生み出す売上が向上していることを示しています。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から当期にかけて減少しました。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 482.0百万円 | 502.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 82.1百万円 | 67.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ヨシコンは、財務基盤の安定性を重視しつつ、事業活動と投資活動を通じて資金をどのように活用しているかを確認することは、将来の安定性を測る上で重要です。同社グループの現在の財務状況と資金の流れから、その経営の現在地を読み解きます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ヨシコンの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で66.7%となっており、前期の61.9%から増加しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較しても高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期で9.4%となり、前期の11.5%から減少しましたが、プライム市場平均と同水準です。手元資金である現金及び預金は当期末で25.5億円となり、前期末の35.1億円から減少しています。これらの財務指標は、同社グループの安定した経営状況を示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 277億円 | 296億円 |
| 自己資本比率 | 61.9% | 66.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.5% | 9.4% |
| 現金及び預金 | 35.1億円 | 25.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当期は営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっており、前期の収入から支出に転じました。これは主に仕入債務の減少によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローも投資有価証券の取得などにより支出が継続しています。結果として、フリーキャッシュ・フローはマイナスとなっています。一方で、財務活動によるキャッシュ・フローは短期借入金の純増によりプラスに転じています。この資金の流れは、同社グループが事業活動で得た資金を上回る投資を行っており、外部からの資金調達で補っている状況を示しています。これは、今後の事業展開や成長戦略に影響を与える可能性があり、雇用や給与の安定性を判断する上で注視すべき点です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 28.0億円 | △24.6億円 |
| 投資CF | △8.3億円 | △4.2億円 |
| 財務CF | △1.8億円 | 19.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 19.6億円 | △28.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主要事業である不動産事業分野では、物件の引渡時期や工事の完成時期により業績に変動が生じる場合があります。一度に多額の引渡代金を受領するケースが多いため、引渡時期が業績に影響を与える可能性があります。
また、同社グループが属する不動産業界は、景気動向や金利動向、雇用・賃金動向、住宅税制などの影響を受けやすい特性があります。景気の悪化や建築費の高騰があった場合、購買意欲の減退や設備投資意欲の減退により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
大地震が発生した場合、建設中の建物倒壊や所有不動産への被害が予測され、就業中の人身への損傷も懸念されます。同社グループでは、耐震補強や適切な保険加入、避難安全教育の徹底などの措置を講じています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ヨシコンは、地域社会への貢献を重視し、持続可能な企業経営を目指す「総合街づくり企業」です。社員一人ひとりの成長と、社会課題の解決に積極的に取り組む企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ヨシコンは、「総合街づくり企業」の実現を目指しています。同社グループの企業理念は、「無限の可能性を探求し、関連する人々に幸せと利益を提供し、その職業を通じて地域社会に貢献すること」です。この基本方針のもと、人と住環境の豊かな未来に向けて商品とサービスを提供しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ヨシコンは、全社員が共有する行動指針として「心」「技」「体」を掲げています。「心」は財務基盤の堅持と人材教育による持続可能な経営、「技」はイノベーションによる新事業創造と未来開拓、「体」は事業の選択と集中、利益効率の最大化による企業と社員の豊かさを実現することを示しています。
また、同社グループの経営方針には、「常に業界のパイオニアたること」「常に相手の身になって対処すること」「人の和の集まりであること」「少数精鋭の集団であること」「常に地域社会の一団であること」が挙げられています。国籍や性別にとらわれず、能力や成果に応じた人事評価を基本方針としています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、不透明な経営環境に対応するため、社員が広い視野と深い考察を持ち、ハイレベルなパートナー企業との協業を通じてより大きな事業へ挑戦することを掲げています。サステナビリティを巡る課題への対応も重視しており、中途採用者を積極的に採用しています。
また、管理職に占める女性の割合が現状0%であることを認識し、今後その比率が高まるよう人材育成と社内環境の整備に努める方針です。国籍や性別にとらわれない人事評価を基本とし、少子高齢化や人口減少、空き家問題といった社会問題の解決にも取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ヨシコンは監査役制度を採用しており、経営判断の迅速化と経営の透明性向上を重要な経営課題と認識し、諸問題に取り組んでいます。取締役会は重要な経営上の意思決定を行い、経営チェック管理機能の充実を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ワイズ株式会社が筆頭株主であり、太平洋セメント株式会社や複数の金融機関、ヨシコン取引先持株会が上位株主として名を連ねています。また、同社の役員である吉田立志氏と吉田尚洋氏も大株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ワイズ | 35.76% |
| 太平洋セメント | 4.58% |
| ヨシコン取引先持株会 | 4.17% |
| 静岡銀行 | 3.56% |
| みずほ銀行 | 3.56% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は吉田尚洋氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 吉田 立志 | 代表取締役会長 | 1975年9月同社入社、1977年7月取締役、2005年6月代表取締役社長、2019年4月より現職。 |
| 吉田 尚洋 | 代表取締役社長 | 1999年2月同社入社、2007年6月取締役、2013年4月代表取締役副社長、2019年4月より現職。 |
| 有岡 大成 | 取締役専務執行役員不動産開発事業部 事業本部長 | 2001年4月同社入社、2021年6月取締役、2025年3月取締役専務執行役員不動産開発事業部長兼開発二部長、2026年3月より現職。 |
| 菊池 茂夫 | 取締役常務執行役員企画開発部長 | 1992年4月株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)入行、2024年5月同社へ出向、2024年6月取締役常務執行役員、2026年3月より現職。 |
| 鵜飼 誠司 | 取締役常務執行役員経営管理部長 | 1988年4月株式会社協和銀行(現 株式会社りそな銀行)入行、2018年1月同社入社、2024年6月取締役経営管理部長、2025年6月より現職。 |
社外取締役は、赤堀一通氏(土地家屋調査士)、早川清人氏(司法書士)です。
同社は監査役制度を採用しています。社外取締役2名、社外監査役2名が在籍しており、社外役員によるチェック体制が適切に機能していると考えています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、株主総会で承認された報酬総額の範囲内で、代表取締役が役職、業績、社会水準、業績への貢献度合等を総合的に勘案して報酬を決定する方針を定めています。特に連結経常利益を重視した業績連動報酬を採用しており、株主との価値共有のため譲渡制限付株式も付与しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 6.2億円 | 1.24億円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.5百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 10百万円 | 2.4百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は、吉田立志氏(3.60億円)、吉田尚洋氏(2.72億円)です。
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