※本記事は、ジオスター株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジオスターは、土木コンクリート製品および金属製品の製造販売、ならびに工事の請負を主な事業内容としています。同社グループは、トンネルの構造部材を主とする土木用製品の製造販売および付帯工事の請負を行っています。
単体従業員数は320名、連結従業員数は467名です。セグメントは土木事業の1つです。
主な国内グループ会社は、ジオファクト注5(コンクリート製品の製造)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ジオスターは、土木事業を主軸とする企業として、社員の働きがいと成長を重視した環境づくりを進めています。持続可能な社会への貢献を目指す中で、人的資本への投資を積極的に行い、社員一人ひとりの能力を最大限に引き出すことを目指しています。ワークライフバランスを支援する制度も導入されており、多様な働き方を推進する姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も長めであることから、社員が長期的にキャリアを築いている傾向がうかがえます。これは、安定した環境で経験を積み重ね、専門性を高めていきたいと考える方にとって魅力的な要素となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,597,272円 |
| 平均勤続年数 | 15年10ヶ月 |
| 平均年齢 | 48歳8ヶ月 |
| 単体従業員数 | 320人 |
| 連結従業員数 | 467人 |
| 単体のグループ内比率 | 68.5% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。同社は確定給付企業年金制度を設けており、連結子会社は退職一時金制度を設けています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、当連結会計年度末における退職給付債務は11.6億円、年金資産は13.0億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ジオスターは、人材を最も重要な経営資源と位置付け、企業価値の持続的向上の原動力であると認識し、人材の育成および活用を通じて中長期的な競争力強化を基本方針としています。中期経営計画と密接に連動した人材戦略のもと、「人を育て活かし活力あるグループを築く」という理念を掲げています。
従業員の処遇決定においては、公平性・透明性・納得性の確保を基本とし、職務遂行能力に基づく職能資格制度を基礎とした報酬体系を採用しています。各従業員の等級は、職能資格要件に照らした能力評価に加え、業務成果、業績、職務への取組姿勢等を踏まえて決定されます。賞与は企業業績との連動性を重視し、連結経常利益の水準を基礎として支給額が決定される仕組みです。
同社グループは、人材の多様性の確保を含む人材育成方針を掲げ、人的資本経営として各階層における教育体系整備や工場就業環境整備に取り組んでいます。社員一人ひとりの適性やキャリアプランを踏まえたトレーニング・能力開発、計画的な人員配置・ジョブローテーションにより、若手社員の早期育成と戦力化を図っています。
女性社員の積極的な採用と活用を進め、女性の管理職への登用など中核人材の多様性確保を重視しています。子育て世代支援策として、育児休業制度や短時間勤務制度の拡充に加え、2024年4月からはフレックス制度や在宅勤務制度を導入し、特に子育て世帯の在宅勤務活用を促進しています。また、ベースアップ等による継続的な処遇改善、採用競争力確保を目的とした初任給の引上げ、転勤者に対する各種補助および手当の拡充、社宅制度を中心とした福利厚生制度の見直しも適宜実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 64.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 39.9% |
多様性・登用
提出会社単体の任意開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2.4% |
育児・介護支援
提出会社単体の任意開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
人材育成・エンゲージメント
提出会社単体の任意開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 年休取得率 | 78.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ジオスターは、土木コンクリート製品および金属製品の製造販売、ならびに工事の請負を主な事業内容としています。同社グループは、社会インフラを支える製品とサービスを提供することで利益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ジオスターグループは、土木コンクリート製品および金属製品の製造販売、ならびに工事の請負を主な事業内容としています。同社グループの事業は「土木事業」の単一セグメントで構成されており、セグメント製品(鋼製セグメントおよび合成セグメントを含む)、RC土木製品、鋼材加工製品の製造・販売、およびこれらに係る土木工事を手掛けています。
収益は主に顧客との契約から生じており、特にセグメント製品の売上が大きく、前期から増加傾向にあります。一方で、RC土木製品の売上は前期から減少しています。その他製品・サービスからの収益も得ており、こちらは前期から増加しています。
主要な顧客として、日本製鉄株式会社、阪和興業株式会社、伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社といった企業との取引があります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
ジオスターグループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一度減少した後、緩やかな回復傾向を示しています。経常利益は変動を伴いながらも、直近の期間では大きく増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に変動がありましたが、直近の期間で大幅な増加を達成しています。この利益の増加は、販売価格の改定による利益率改善や、投資有価証券売却益の計上などが要因となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 309億円 | 252億円 | 269億円 | 285億円 | 289億円 |
| 経常利益 | 22.1億円 | 15.4億円 | 18.5億円 | 15.8億円 | 21.0億円 |
| 経常利益率 | 7.2% | 6.1% | 6.9% | 5.5% | 7.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14.6億円 | 6.5億円 | 11.0億円 | 8.4億円 | 18.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 46.53 | 20.65 | 35.26 | 26.71 | 59.41 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
ジオスターグループの従業員1人あたりの売上高は、前期からわずかに増加しています。従業員1人あたりの営業利益は、前期から大きく増加しており、生産性の向上が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質が強化されていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 61.4百万円 | 61.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.3百万円 | 4.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
企業の財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な要素です。ジオスターグループの財務基盤と資金の流れから、現在の経営状況を見ていきましょう。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ジオスターグループの財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も確保されています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較しても高い水準にあり、安定した経営基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)は前期から改善しており、収益性の向上がうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 237億円 | 251億円 |
| 自己資本比率 | 64.7% | 68.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.6% | 7.6% |
| 現金及び預金 | 5.8億円 | 7.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ジオスターグループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、投資活動も行いながら、手元資金を増やしている状況です。当期は営業活動によるキャッシュフローが大幅に増加し、フリーキャッシュフローもプラスに転じています。
営業活動によるキャッシュフローは、棚卸資産や売上債権の減少、減価償却費などにより収入が増加しました。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出があった一方で、投資有価証券の売却による収入もあり、支出は前期から減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや自己株式の取得による支出が主な要因です。これらの状況から、同社グループは本業で得た資金を効率的に運用し、財務的な安定性を維持していることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 9.3億円 | 44.8億円 |
| 投資CF | △13.3億円 | △0.7億円 |
| 財務CF | △4.8億円 | △6.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △4.0億円 | 44.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
公共工事投資の動向は日本政府及び地方自治体の政策によって決定されるため、同社グループの業績は公共工事投資動向により影響を受ける可能性があります。原材料として使用されるセメント・骨材・鋼材・重油等の価格は市場の動向を反映して変動するため、同社グループの損益は原材料価格の変動により影響を受ける可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
長期的に労働人口の減少が続くなか、人手不足が発生する見込みであり、特に土木分野では人手不足が継続しており、業務運営や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ジオスターは、社会のニーズに応える土木建材製品を通じて、社会資本の整備と国民生活の向上に貢献することを目指しています。このような使命のもと、同社グループがどのようなビジョンを掲げ、どのような企業風土を大切にしているのかを見ていきましょう。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「人の満足を支える」ことを使命とし、社会のニーズに即応した土木建材製品の供給を通じて、社会資本の整備と国民生活の向上に貢献することを基本方針としています。この仕事に誇りを持ち、新しい技術や製品を創り出すことで、顧客、株主、社員、そして地域社会への貢献を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「人の満足を支える」という使命のもと、グループ一体となって事業に取り組む企業風土を大切にしています。経営理念として「企業は人なり」を掲げ、社員を「財宝」「財産」と捉え、一人ひとりの能力開発とキャリアプランを重視しています。自主的・能動的に課題に取り組む人材の育成、計画的な人員配置、ジョブローテーションによる若手社員の早期育成、そして女性社員の積極的な採用と活用を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中期経営計画「CAST THE FUTURE 2030」の諸施策推進に注力しています。サステナビリティと環境保全への取り組みを推進し、「地域社会と共生・繁栄する持続可能な企業活動の基盤となる環境保全活動の推進」を運営方針に掲げています。政府指針より10年前倒しの2040年度カーボンニュートラル実現に向けてロードマップに沿った取り組みを進めています。また、人的資本の強化と能力を発揮するための職場づくりに向けて、処遇・就業環境の改善や育成体制の強化に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ジオスターでは、取締役会が経営戦略の意思決定と業務執行の監督を担っています。監査役会設置会社として、監査役が独立した立場で経営を監査する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ジオスターの筆頭株主は日本製鉄株式会社であり、同社グループは複数の事業会社によって支えられている資本構成となっています。主要な株主には、鉄鋼業界や商社関連の企業が名を連ねており、特定の株主グループが経営に一定の影響力を持つ体制です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本製鉄 | 41.55% |
| 阪和興業 | 4.93% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 3.81% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長営業本部長は堀田穣氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 堀田 穣 | 代表取締役社長 営業本部長 | 1990年4月新日本製鐵株式会社(現日本製鉄株式会社)入社。同社薄板事業部薄板営業部建材薄板室長、広畑製鐵所工程業務部長、建材事業部建材営業部長などを経て、2024年4月同社代表取締役社長、2026年5月同社代表取締役社長営業本部長兼務より現職。 |
| 髙松 芳徳 | 取締役常務執行役員 | 1985年4月同社入社。エンジニアリングサポートセンター長、執行役員技術統括本部技術部長などを経て、2022年4月同社取締役常務執行役員技術本部長、2026年5月同社取締役常務執行役員設計・開発本部(特命事項)より現職。 |
| 佐久間 靖 | 取締役常務執行役員 | 1992年5月同社入社。営業統括本部本社営業部部長、執行役員営業統括副本部長などを経て、2024年4月同社取締役常務執行役員営業本部長、2026年5月同社取締役常務執行役員営業本部(特命事項)より現職。 |
社外取締役は、土岐敦司氏(弁護士)、桒山章司氏(元丸紅建材リース代表取締役社長)、小笠原薫子氏(小笠原会計事務所所長)です。
ジオスターは監査役会設置会社です。社外取締役は客観的な立場から経営判断を行い、社外監査役は独立した立場から経営監視を行うことで、経営の監督機能と監査体制の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ジオスターの役員報酬は、持続的な成長と企業価値向上へのインセンティブを重視した設計となっています。業務執行取締役の報酬は業績連動報酬を主体とし、2025年7月からは退職慰労金を廃止しています。社外取締役と監査役の報酬は、その独立した職務に鑑み、固定報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 92百万円 | 18.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 18百万円 | 18.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 24百万円 | 4.8百万円 |
なお、報酬等の総額には、複数事業主型確定給付企業年金基金への拠出額が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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