【平均年収579万円】岡本硝子 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収579万円】岡本硝子 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

岡本硝子は、特殊ガラス及び薄膜製品の製造販売を主要事業とし、グループ各社とともに幅広い分野で製品を提供しています。直近の業績は増収となりましたが、経常利益および純利益は損失に転じました。


目次

※本記事は、岡本硝子株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


岡本硝子は、特殊ガラス及び薄膜製品の製造販売を主な事業内容としています。同社グループは、光学事業、照明事業、機能性薄膜・ガラス事業、その他事業を展開し、幅広い分野で製品を提供しています。

単体従業員数は153名、連結従業員数は232名です。同社グループの事業セグメントは、光学事業、照明事業、機能性薄膜・ガラス事業、その他の4つです。

主な国内グループ会社は、新潟岡本硝子、二光光学(機能性薄膜・ガラス事業)、JAPAN 3D DEVICES(光学事業・照明事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


岡本硝子は、ガラスと薄膜の精密加工技術を核とする製造業です。長年の経験を持つ社員が多く、安定した環境で専門性を高めながら働ける傾向がうかがえます。同社グループは人材育成にも力を入れており、社員の成長を支援する制度が整備されています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、社員が長期的にキャリアを築いている傾向がうかがえます。同社グループのコア・コンピタンスである「硝材開発」「精密成型」「薄膜」の技術・製造を支えるエンジニアや技能者を「人財」と位置付けており、専門性の高い技術職が中心の組織構成であると推測されます。

項目 数値
平均年間給与 5,789,000円
平均勤続年数 19.0年
平均年齢 48.6歳
単体従業員数 153人
連結従業員数 232人
単体のグループ内比率 65.9%


同社グループは確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しており、同社および一部の連結子会社に適用されています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、退職給付債務は4.9億円、年金資産は3.1億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは「企業の成長は社員の成長であり、会社は全社員の能力を最大限に発揮するために、社業を通じて自己成長の場を提供し続ける」を基本方針としています。事業の持続的な成長と企業価値向上の源泉を「人財」と位置付け、特にコア・コンピタンスである「硝材開発」「精密成型」「薄膜」の技術・製造を支えるエンジニアや技能者を競争力の根幹と捉えています。社員一人ひとりが仕事を通じて自己成長に挑戦し、共に働く仲間と物心両面の幸福を実現できる企業を目指し、多様な人財が能力を最大限に発揮し、挑戦と成長を続けることのできる組織づくりを推進しています。

人事制度としては役割責任等級制度を導入し、各等級に求められる役割と責任を明確化しています。基本給は各等級に応じた賃金ゾーンに基づき決定され、人事評価結果に応じた昇給が実施されます。賞与は会社業績を反映した支給原資をもとに、個人ごとの業績目標達成度合および行動評価を反映して支給される仕組みです。また、技術・製造部門を対象に、技能・技術レベルに応じた手当制度を設けており、管理職には役割と責任に応じた管理職手当が支給されます。退職金制度、社員持株会制度、資格取得支援制度なども整備されています。

中期経営計画「GROWTH28」の実現に向けて、「技術・技能伝承と人財の最適配置」「DX・生産性向上」「次世代リーダー育成」「エンゲージメント向上」を人財戦略の柱としています。具体的には、スキルマップを活用した計画的な育成や、社員の自律的なキャリア形成を支援する外部研修、役員による次世代経営人財の指導および技術研修を実施しています。製造現場では職人の育成に加え、多能工化を推進し、生産マイスター検定の活用にも取り組んでいます。資格取得支援制度に加え、より高度な専門性習得を目指す社員には社会人ドクター(博士)制度も設けています。また、健康経営への取り組みや専門医による健康・メンタルヘルス面談の実施、業務のデジタル化や夢確信活動による業務効率・改善活動も推進しています。多様な人財が活躍できる組織構築のため、積極的なダイバーシティ&インクルージョンを推進し、中途採用も積極的に行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は法定公表義務の対象外ですが、グループ全体のダイバーシティ推進目標の進捗状況を反映するため、連結会社での実績値も開示されています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 9.6%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 81.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 85.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 77.8%

グループ全体(連結)


算出基準は法定の算出方法と異なります。

指標 数値
連結会社における管理職に占める女性労働者の割合 10.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


岡本硝子は、特殊ガラスおよび薄膜製品の製造販売を主要な事業とする同社グループの中核企業です。多岐にわたる産業分野で独自の技術を活かした製品を提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、岡本硝子、新潟岡本硝子、二光光学、蘇州岡本貿易、岡本光学科技、JAPAN 3D DEVICESの計6社で構成されています。特殊ガラスおよび薄膜製品の製造販売を主な事業内容としています。

同社グループの事業は、プロジェクター用部品から自動車用ガラス、医療向け製品まで、幅広い顧客層に製品を供給することで収益を上げています。特に光学事業への依存度が高い傾向にあります。

光学事業

プロジェクター用反射鏡、フライアイレンズ、デジタルシネマ用映写機の反射鏡などの製造および販売を行っています。収益は、主にプロジェクター市場の動向に影響を受けます。運営は、新潟岡本硝子、岡本光学科技、蘇州岡本貿易が行っています。当連結会計年度の販売高は前期と比べて増加しました。

照明事業

自動車用ヘッドライト・フォグライト用カバーガラス、一般用照明用ガラス製品などの製造および販売を行っています。収益は、自動車産業や一般照明市場の需要から得ています。運営は、岡本光学科技、蘇州岡本貿易が行っています。当連結会計年度の販売高は前期と比べて減少しました。

機能性薄膜・ガラス事業

ガラス偏光子、ガラス容器への加飾蒸着、高耐久性銀ミラー(Hi-Silver®)、コックピット用液晶ディスプレイの表面ガラスへの蒸着、フリット(ガラス粉末)などの製造および販売を行っています。収益は、光通信やディスプレイ、特殊ミラーなどの多様な用途から得ています。運営は、新潟岡本硝子、二光光学、岡本光学科技が行っています。当連結会計年度の販売高は前期と比べて減少しました。

その他の事業セグメント

デンタルミラーなどの医療向けガラス製品、洗濯機用ドアガラスなどの製造および販売を行っています。収益は、医療分野や家電分野の需要から得ています。運営は、岡本光学科技が行っています。当連結会計年度の販売高は前期と比べて増加しました。

同社グループの売上高は、日本国内だけでなくアジアや欧州など海外地域からも得ています。特にアジア地域からの売上高が大きな割合を占めており、中国やフィリピンが主要な市場となっています。同社グループの業績は、Epson Precision(Philippines), Inc.やSignify Industry(China)Co.,Ltdなどの主要顧客との取引状況に影響を受けます。特に光学事業はプロジェクター市場の推移に大きく左右される傾向があります。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
光学事業 20.2億円 20.6億円
機能性薄膜・ガラス事業 13.7億円 13.4億円
その他の事業セグメント 7.7億円 8.9億円
照明事業 5.2億円 4.4億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で増減を繰り返しながらも、当連結会計年度は前期からわずかに増加しました。一方で、経常利益は前期から損失に転じ、親会社株主に帰属する当期純利益も損失となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは継続して資金を増加させており、本業でのキャッシュ創出力は維持されています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 50.7億円 48.9億円 45.8億円 46.9億円 47.3億円
経常利益 1.6億円 1.5億円 1.5億円 85百万円 △83百万円
経常利益率 3.2% 3.0% 3.2% 1.8% △1.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 △88百万円 2.1億円 1.0億円 89百万円 △1.5億円
1株当たり当期純利益(円) △3.77 9.23 4.38 3.82 △5.62

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当連結会計年度において前期からわずかに増加しました。これは、従業員数の大きな変動がない中で売上高が伸びたことを示しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から損失に転じており、収益性の改善が課題となっている状況です。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 20.3百万円 20.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.5百万円 △0.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


岡本硝子は、当期に営業損失および純損失を計上しており、本業の資金創出力はプラスを維持しているものの、財務基盤の強化と事業の再構築が求められる状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの純資産は前期から増加しており、自己資本比率も改善が見られます。しかし、プライム市場の製造業平均(46.8%)と比較すると、まだ低い水準にあります。ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスとなっており、収益性の課題を示しています。手元資金である現金及び預金は増加しており、一定の流動性を確保している状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 18.0億円 26.3億円
自己資本比率 20.8% 30.1%
ROE(自己資本利益率) 5.1% △6.7%
現金及び預金 18.1億円 22.2億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、当期に3.4億円の増加となりました。これは減価償却費の増加やその他の負債の増加があった一方で、税金等調整前当期純損失の計上や売上債権の増加、仕入債務の減少が影響しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出などにより△2.5億円の減少となりました。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入や新株予約権の行使による株式の発行による収入があった一方で、長期借入金の返済による支出などにより2.4億円の増加となっています。

当期は本業で資金を生み出しつつ、投資活動による資金流出を財務活動で補い、フリーキャッシュフローは0.8億円のプラスを維持しています。前期はフリーキャッシュフローがマイナスでしたが、当期はプラスに転じており、資金繰りの改善が見られます。この状況は、事業の再構築を進めながらも、資金の安定的な確保に努めていることを示しており、今後の事業展開と雇用安定性に関わる重要な要素です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 3.7億円 3.4億円
投資CF △8.5億円 △2.5億円
財務CF 6.2億円 2.4億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △4.8億円 0.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの業績は、セイコーエプソングループなどの主要顧客との取引状況に影響を受けます。当連結会計年度におけるセイコーエプソングループへの販売実績は総販売実績の25.6%を占めています。また、主要な報告セグメントである光学事業への依存度が高く、当連結会計年度の連結売上高の44%を占めています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


岡本硝子は、環境に優しいガラスの特性を活かし、地球環境に貢献しながら事業の拡大発展を目指しています。既成概念にとらわれず、小回りの良さを生かした市場創造に挑戦し、社員一人ひとりが活気あふれる会社を理想としています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、21世紀の地球環境問題に貢献するため、環境に優しいガラスを通じて社会貢献と事業発展を図ることを基本方針としています。古くて新しいガラスの可能性を追求し、既成概念にとらわれずに市場を創造することを目指しています。

基本理念として「特殊ガラスと薄膜で『光の時代』をリードしお客様が感動する商品・サービスを提供し続ける」ことを掲げています。また、経営理念では「常に地球と時代をみつめるダイナミックな経営を行い、社員一人ひとりの人生の充実と会社の発展を目指す」ことを重視しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループの行動規範は「始まりは、いつも私から。それ、私がやります。Yes, I can.」です。社員一人ひとりが何事にもチャレンジしていく活気あふれる会社を理想としています。

人財育成方針として「企業の成長は社員の成長であり、会社は、全社員の能力を最大限に発揮するために、社業を通じて自己の成長する場を提供し続ける」ことを掲げています。仕事を通じて自己の成長に挑戦し、共に働く仲間と物心両面の幸せを実現できる人財育成に取り組んでいます。

社内環境整備においては、安全で健全な職場環境と多様な個人の掛け合わせを重視し、人命・安全第一を掲げています。また、イノベーション創出のため、ガラスと薄膜のものづくりに加えて他業界・業種の専門性や経験を取り入れた、積極的なダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、主力事業であるプロジェクター用反射鏡の新規需要減少やフライアイレンズの需要低迷といった状況に対応するため、生成AIデータセンター等に向けた素材メーカーへの構造転換を経営課題としています。

具体的には、放熱基板の生産能力増強とユーザー開拓、ガラス偏光子の生産能力増強に取り組んでいます。さらに、レアアース採掘向け超高圧耐圧ガラス球の供給など海洋事業向け製品の拡充も進めています。既存主力分野では、新導光体デバイスの投入により競争力強化を図っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


岡本硝子は監査役設置会社であり、取締役会が業務執行の最高意思決定機関として機能しています。社外取締役や監査役による監督体制も整備されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


岡本硝子の株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社オー・ジー・シーです。次いで岡本興産有限会社、岡本毅氏が上位に名を連ねています。創業家やその関連会社が上位を占める資本構成となっており、経営基盤を支えていることがうかがえます。

株主名 持株比率
有限会社オー・ジー・シー 14.90%
岡本興産有限会社 2.92%
岡本 毅 2.68%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長兼CEOは岡本毅氏が務めています。社外取締役比率は16.7%です。

氏名 役職 主な経歴
岡本 毅 代表取締役会長兼CEO 警察庁入庁、外務省在香港日本国総領事館領事、埼玉県警察本部刑事部長を経て、1995年12月同社代表取締役社長に就任。2019年6月より現職。
堀 義弘 代表取締役社長兼COO 三菱商事株式会社入社後、同社建材関連部門の要職を歴任。2022年5月同社入社、執行役員COO。2024年6月より現職。
出口 雅晴 専務取締役兼CSO 株式会社日立製作所入社後、プロジェクター本部本部長等を歴任。2022年4月同社入社、執行役員経営企画本部長。2026年1月より現職。
結城 修 常務取締役兼CMFO 松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社後、同社工場長、総経理等を歴任。2020年6月同社取締役。2026年1月より現職。
堂下 和宏 取締役CTO 日本板硝子株式会社入社後、中央研究所主任研究員、知的財産部主席技師等を歴任。2024年4月同社入社、執行役員CTO付。2026年1月より現職。


社外取締役は、中井日出海氏(日の出特許&技術コンサルティング事務所代表)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の意思決定と監督が行われています。社外取締役1名が独立した立場で客観的な視点から経営に参画しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


岡本硝子の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、株主利益との連動を考慮した体系です。固定報酬である基本報酬と、中期的な企業価値向上との連動を強化する譲渡制限付株式報酬で構成されています。個々の役員の職責に応じた適正な水準で決定される方針です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 66百万円 13.3百万円
監査役(社外除く) 1名 8百万円 8.4百万円
社外役員 4名 10百万円 2.6百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。