【平均年収822万円】東京製鐵 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収822万円】東京製鐵 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

東京製鐵は、鉄鋼製品の製造及び販売を単独で手掛ける企業です。直近期の業績は、売上高、利益ともに前期を下回る減収減益となりました。


目次

※本記事は、東京製鐵株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


東京製鐵は、鉄鋼製品の製造及び販売業を単独で手掛けており、同社は鉄鋼事業の単一セグメントとして事業を展開しています。

単体従業員数は1,161名です。セグメントは鉄鋼事業の1つです。

東京製鐵は、鉄鋼製品の製造及び販売業を単独で手掛けており、同社グループは東京製鐵1社で構成されています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


東京製鐵は、鉄鋼製品の製造・販売を主軸とする企業であり、その事業特性から安定した基盤を持つことがうかがえます。従業員の給与水準や働き方に関するデータからは、同社がどのような人材を求め、どのように育成し、どのような環境を提供しているのか、その方向性を把握できます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向にあります。これは、長期的なキャリア形成を支援し、従業員が安定して働き続けられる環境が整っていることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 8,224,000円
平均勤続年数 16.9年
平均年齢 39.8歳
単体従業員数 1,161人


同社は、従業員の退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両制度を採用しています。これらの制度は、同社の従業員を対象としています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

退職給付債務は76.0億円、年金資産は58.2億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」の実現に向け、人的資本の強化を重要課題と位置付けています。社会貢献への強い使命感を持ち、困難に挑戦する「Challenge」、公正で誠実な姿勢で信頼関係を築く「Communication」、変化を敏感に察知し成長を望む「Change」の「3つのC」を求める人物像として定義し、採用・人材育成、働きやすい職場づくりを推進しています。

従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針は明文化されていませんが、個々の従業員の職務内容及び役職に応じた適切な報酬水準を設定しています。業績及び評価に基づき適正に処遇する制度を導入しており、経済情勢や労働市場の動向を踏まえた定期的な見直しにより、競争力ある報酬水準の維持と優秀な人材の確保・定着を図っています。

具体的な取り組みとしては、入社年次の浅いうちからTS活動(工場生産活動における業務改善・提案プロジェクト)やスマートファクトリー推進委員会(DX化推進プロジェクト)の中心メンバーとして積極的に関わらせることで、挑戦を促しています。また、地域正社員制度、積立有給制度、フレックスタイム制度、在宅勤務制度、男性社員の育児休業制度の積極的活用など、個人のライフスタイルに配慮した制度を導入しています。さらに、一般職制度を廃止し総合職制度に一本化するとともに、人材育成を通じて女性管理職の登用を推進し、多様な価値観を尊重した中途採用も積極的に行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されており、賃金には基本給、超過勤務手当、各種手当、賞与等が含まれます。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 1.47%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 73.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 81.1%
労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用労働者) 72.7%

多様性・登用


2026年3月期現在の数値です。

指標 数値
女性従業員に占める女性管理職の比率 2.6%
男性従業員に占める男性管理職の比率 6.0%
2026年4月現在の女性従業員に占める女性管理職比率 5.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


東京製鐵は、鉄鋼製品の製造および販売を主軸とする単一セグメントの事業を展開しています。主力商品は鋼材や鋼片その他であり、これらの製品を国内市場だけでなく、アジア地区や欧州など海外にも供給しています。

同社は市況産業に属しており、その業績は景気変動に大きく左右される傾向があります。収益は、製造した鉄鋼製品の販売から得ています。また、特定の主要な取引先への販売実績も確認できます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


当期の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期を下回る結果となりました。これは、中国からの鋼材輸出が高水準で推移し、国内の建築案件の工期遅れが解消されなかったことなど、厳しい鋼材市況が影響しています。

製品の出荷価格が下落し、生産量の減少により固定費コストが上昇したことが主な要因です。各種資材コストの削減努力により、全体のコスト水準は前期とほぼ同程度に抑えられています。


■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


本項目で示す従業員1人あたりの収益性および生産性に関するデータは、現在開示されていません。そのため、具体的な数値に基づいた生産性トレンドの分析や、そこから読み取れる示唆について言及することはできません。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社は、財務基盤の厚みを維持しつつ、事業活動と投資活動において資金の支出が見られます。これにより、将来に向けた事業の方向性が示されています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)からその健全性を確認できます。自己資本比率は、企業の安定性を示す重要な指標であり、手元資金の厚みは不況時の耐性につながります。これらの指標は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で参考となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 2,099億円 2,221億円
自己資本比率 71.7% 75.8%
ROE(自己資本利益率) 10.1% 5.2%
現金及び預金等 961億円 735億円


同社の自己資本比率は当期で75.8%となっており、前期の71.7%から増加しています。これはプライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して高い水準を示しています。

ROE(自己資本利益率)は、当期で5.2%となり、前期の10.1%から減少しました。プライム市場平均(9.4%)と比較すると、当期は下回る水準となっています。

現金及び預金等は、当期末で735億円となり、前期末の961億円から減少しています。

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動のそれぞれで資金の動きを示しています。本業でどれだけ資金を生み出し、将来の成長のために投資しているか、そして資金調達や株主還元にどのように資金を使っているかを確認できます。

当期の営業活動によるキャッシュフローは、税引前当期純利益の減少や法人税等の支払額により、資金の減少となりました。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、資金の支出が継続しています。財務活動によるキャッシュフローも、自己株式取得や配当金の支払いにより資金の支出となっています。

これらの結果、フリーキャッシュフローは当期において資金の支出を示しており、本業で生み出した資金を上回る投資や財務活動が行われた状況です。この資金の流れは、同社が事業環境の変化に対応しつつ、将来に向けた設備投資や株主還元に資金を配分していることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 195.9億円 △32.8億円
投資CF △218.8億円 △108.4億円
財務CF △137.7億円 △81.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △22.9億円 △141.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社が属する普通鋼電炉業界は市況産業であり、製品の販売価格や主原料である鉄スクラップ価格が国内外の経済情勢や市場動向に大きく影響を受ける可能性があります。また、電炉による製造工程の特性上、電力・燃料が製造コストの重要な要素となるため、エネルギー価格の急騰が財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

アジア向けの輸出は同社の主要な取引先であり、同地域の経済情勢や保護主義的な政策により受注環境が変化する可能性があります。さらに、アジア域内の生産設備拡張による供給余力が、日本国内市場の競争激化を招く可能性も指摘されています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


東京製鐵は、鉄鋼資源のリサイクルを通じて環境保全に貢献し、持続可能な社会の実現を目指す企業です。社会の変革を事業機会と捉え、未来に向けた挑戦を続けています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は、鉄鋼資源のリサイクルを通じた省エネルギーと省資源、そして環境保全への貢献を経営の基本方針としています。鉄スクラップの高度利用を推進し、製品の多様化と生産性・品質の向上を目指すことを中期的な経営戦略としています。将来に向けては、鉄スクラップを電炉鋼材の高付加価値化と適用領域の拡大を通じて「アップサイクル」させ、「循環型社会」と「脱炭素社会」の構築に積極的に貢献していくことをビジョンとしています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は、長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」の実現に向け、求める人物像を「3つのC」としています。これは「Challenge(社会貢献への強い使命感を持ち、困難に果敢に挑戦する人物)」、「Communication(公正で誠実な姿勢を大切にし、周囲と信頼関係を築き、物事を成し遂げる人物)」、「Change(変化を敏感に察知し、恐れることなく向き合い、自らの成長を望む人物)」を指します。また、サステナビリティ課題として「気候変動」「資源循環」「安全・環境・品質」「コーポレートガバナンス」を重要視し、2025年12月には「人権に関する方針」を策定し、国際的な人権尊重に取り組む姿勢を示しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、中国からの鉄鋼輸出や中東情勢によるエネルギーコスト上昇、国内の鉄骨造着工床面積の低水準といった厳しい事業環境に直面しています。これに対し、脱炭素・資源循環への社会的要請を事業機会と捉え、電炉鋼材の製品ラインナップ拡充と取引先の多様化を積極的に推進しています。また、全社一丸となって使用原単位の低減と徹底したコストダウンに取り組み、競争力の強化を図っています。さらに、鉄スクラップの「アップサイクル」を通じて「循環型社会」と「脱炭素社会」の構築に貢献していくことを重点テーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


東京製鐵は、取締役会の構成とガバナンス体制を通じて、経営の透明性と効率性を高めることに注力しています。同社は、迅速な意思決定と監督機能の強化を目指し、執行役員制度も導入しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


東京製鐵の株主構成を見ると、筆頭株主は合同会社TOSであり、安定株主として同社を支えています。また、公益財団法人池谷科学技術振興財団も上位株主として名を連ねており、多様な主体によって資本が構成されていることが特徴です。

株主名 持株比率
合同会社TOS 24.41%
公益財団法人池谷科学技術振興財団 12.68%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 8.52%
合同会社MYM 5.18%
合同会社MYJ 4.68%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は5名(男性4名・女性1名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長社長執行役員は奈良暢明氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
奈良 暢明 取締役社長社長執行役員(代表取締役) 1993年4月同社入社、2012年6月取締役総務部長、2019年6月執行役員(総務部長)、2023年6月取締役社長社長執行役員(代表取締役)より現職。2025年6月公益財団法人池谷科学技術振興財団理事より現職。
小松﨑 裕司 取締役常務執行役員(営業本部長) 1985年4月同社入社、2014年6月取締役大阪支店長、2019年6月執行役員大阪支店長、2022年6月取締役常務執行役員(営業本部長)より現職。


社外取締役は、星宏明氏(弁護士・監査等委員)、美和薫氏(弁護士・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役2名が監査等委員を務めています。社外取締役は、弁護士としての専門的な知見に基づき、客観的な立場から監査を行う役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、固定報酬と譲渡制限付株式報酬で構成されています。取締役(監査等委員を除く)の報酬は、会社業績を勘案した従業員賞与の変動幅を反映させることで、業績連動性を持たせています。一方、監査等委員である取締役の報酬には業績連動要因はありません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 2名 1.3億円 66.0百万円
監査等委員(社外除く) 1名 14百万円 14.0百万円
社外役員 2名 14百万円 7.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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