※本記事は、株式会社サンユウ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、みがき棒鋼や冷間圧造用鋼線の製造・販売を主な事業としています。また、みがき棒鋼の精密機械加工とその販売も手掛けており、鉄鋼製品の加工から販売まで幅広く事業を展開しています。
単体従業員数は194名、連結従業員数は301名です。
主な国内グループ会社は、大阪ミガキ、大同磨鋼材工業などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
サンユウは、みがき棒鋼や冷間圧造用鋼線といった素材を扱う製造業として、安定した事業基盤を持つ企業です。同社グループでは、社員一人ひとりが安心して長く働き、能力を発揮できる環境づくりに注力しています。
人材の定着を重視し、多様な働き方を支援する制度の導入も進められています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、社員が長く勤める傾向にあり、平均勤続年数や平均年齢から、経験豊富な中堅層が中心となって活躍していることがうかがえます。安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となるデータです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,161,065円 |
| 平均勤続年数 | 16.1年 |
| 平均年齢 | 40.2歳 |
| 単体従業員数 | 194人 |
| 連結従業員数 | 301人 |
| 単体のグループ内比率 | 64.5% |
退職給付制度
同社グループは、退職一時金制度、確定給付企業年金制度、及び中小企業退職金共済制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
退職給付制度は国内グループ会社に適用されています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定給付制度における退職給付債務は10.8億円、年金資産は9.2億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、「労働生産性の向上と人財確保」を最も重要な人材戦略と位置付けています。安全を最優先に、社訓である「誠実」をモットーに企業価値を高め、社会に貢献し続けることをパーパスとしています。
給与は、基本給や役職手当を含む諸手当を勤続年数、役職、家族構成等に応じて支給する方針です。安定的な定期昇給と物価上昇に対応したベースアップを実施し、能力評価に応じた昇給・昇格も行っています。賞与は、各人の基本給を基に、期間業績評価と当社の業績を考慮して決定されます。
また、多様な人材の登用と育成が持続的な成長に不可欠であると考え、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)に積極的に取り組んでいます。社員のスキルアップ支援として、外部セミナーの活用や資格取得の機会、費用のサポートを実施しています。製造部門での職務ローテーションやグループ会社間の人材交流を通じて、多能工化や経験機会の創出を図り、組織全体の活性化を推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職数(当社グループ) | 2名 |
| 女性管理職候補数(当社グループ) | 6名 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
サンユウは、みがき棒鋼と冷間圧造用鋼線の製造・販売を主軸とする事業を展開しています。これらの製品は、自動車業界や建産機業界といった主要な産業分野に供給されており、日本のものづくりを支える重要な役割を担っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、みがき棒鋼と冷間圧造用鋼線の製造・販売を主な事業としています。これらの製品は、主に日本製鉄株式会社をはじめとする鉄鋼メーカーから材料を調達し、商社等を経由して顧客に提供されています。収益は、これらの製品の製造・販売から得ています。
同社グループの事業は、大きく二つの部門に分かれています。
みがき棒鋼部門
この部門では、みがき棒鋼の製造・販売を行っています。一部の製品については、同社加工部でセンタレス加工や旋盤加工、寸法切断といった精密機械加工も手掛けています。
収益は、みがき棒鋼の製造・販売および精密機械加工から得ています。運営は、サンユウおよび子会社の大阪ミガキ、大同磨鋼材工業が行っています。
冷間圧造用鋼線部門
この部門では、冷間圧造用鋼線の製造・販売を行っています。
収益は、冷間圧造用鋼線の製造・販売から得ています。運営は、サンユウが行っています。
同社グループの売上高は、みがき棒鋼部門が冷間圧造用鋼線部門よりも大きな割合を占めています。前期と比較すると、両部門ともに売上高は増加しています。主要な顧客として日鉄物産株式会社への販売があり、同社グループの売上高に占める割合は前期からわずかに減少しています。また、売上高の90%以上が本邦の外部顧客によるものであり、海外売上高の比率は低い傾向にあります。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| みがき棒鋼部門 | 15兆5,530億円 | 16兆4,636億円 |
| 冷間圧造用鋼線部門 | 8兆8,918億円 | 9兆1,087億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績は、売上高が継続的に増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、一時的な変動が見られるものの、当期においては前期から大きく増加しました。これは、販売数量の増加や加工賃是正、製品販売価格改定の浸透などが収益に寄与したためです。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 211億円 | 239億円 | 240億円 | 244億円 | 256億円 |
| 経常利益 | 11.7億円 | 10.4億円 | 6.5億円 | 7.3億円 | 9.7億円 |
| 経常利益率 | 5.5% | 4.4% | 2.7% | 3.0% | 3.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6.7億円 | 6.5億円 | 3.9億円 | 4.5億円 | 6.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 110.79 | 106.86 | 64.00 | 74.60 | 101.22 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、生産性の向上が見られます。これらの指標の改善は、同社グループが販売数量の確保やコスト削減、生産性の向上に努めた結果であると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 81.2百万円 | 85.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.2百万円 | 2.9百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を投資に回しつつ、手元資金を確保している状態を示しています。これにより、安定した経営基盤を維持していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で48.4%となっており、プライム市場の製造業平均と比較してやや高い水準を示しています。これは、安定した財務体質を維持していることを示しています。ROE(自己資本利益率)は当期6.1%で、プライム市場平均を下回っていますが、前期から改善傾向にあります。手元資金である現金及び預金は当期47.0億円と前期から増加しており、事業運営に必要な資金を確保している状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 105億円 | 111億円 |
| 自己資本比率 | 51.1% | 48.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.7% | 6.1% |
| 現金及び預金 | 31.3億円 | 47.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは当期に31.2億円の獲得となり、前期から大きく増加しています。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加、減価償却費などにより資金が増加したためです。
投資活動によるキャッシュフローは当期に6.1億円の使用となり、前期から支出が増加しています。これは主に、有形固定資産の取得による支出や無形固定資産の取得による支出があったためです。
財務活動によるキャッシュフローは当期に9.4億円の使用となり、前期から支出が増加しています。これは主に、短期借入金の純減額や長期借入金の返済、配当金の支払額などにより資金が減少したためです。
営業活動で得た資金が投資活動による支出を上回るフリーキャッシュフローは当期に25.1億円のプラスとなっており、前期から大幅に増加しています。この状況は、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、投資を賄いつつも手元に資金を残せていることを示しています。これにより、入社後の雇用や給与の安定性、将来の成長に向けた基盤が整っていることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 14.2億円 | 31.2億円 |
| 投資CF | △5.2億円 | △6.1億円 |
| 財務CF | △6.8億円 | △9.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 9.0億円 | 25.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの業績は、みがき棒鋼および冷間圧造用鋼線の主要な需要家である自動車関連業界の生産動向に影響を受ける傾向があります。また、鉄鋼原料価格の大幅な変動が鋼材価格に反映され、売上原価に影響を及ぼす可能性があります。原価上昇分の販売価格転嫁が十分でない場合や、鋼材値下げ時に在庫簿価の高い製品・材料の払出しが続く場合は、利益率が低下するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、優れた人材の採用および育成を最重要課題の一つと認識しています。しかし、これらの施策がうまく機能せず、同社グループの求める人材の確保・育成が計画通り行えない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
サンユウは、「誠実」をモットーに技術力を高め、ステークホルダーを尊重する方針のもと事業を展開しています。社会との共生や技術革新、自己改革、人材育成を重視する企業文化を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
サンユウグループは、「誠実」を社訓とし、みがき棒鋼・冷間圧造用鋼線において顧客ニーズに応えられるメーカーを目指しています。取引先、株主、従業員、地域住民といったあらゆるステークホルダーを尊重する方針です。
具体的には、「クオリティー ファーストの追求」を品質方針に掲げ、豊富な在庫量と即納体制で多様化するニーズに対応できる製・販体制の構築を目指しています。従業員に対しては、働くことを通して自己実現と社会貢献ができる会社であり続けることを目指しています。
また、サステナビリティに関する考え方として、4つの企業理念を掲げています。これらは「社会と共生し信頼される会社であり続けること」「技術の創造と革新に挑戦し技術の向上を図ること」「変化を先取りし進歩を目指して自己改革に努めること」「人材を育成し人を活かす会社を目指すこと」です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
サンユウグループは、「誠実」を社訓とし、品質方針として「クオリティー ファーストの追求」を掲げています。全社を挙げて品質向上に取り組み、多様なニーズに対応できる製・販体制の構築を目指す企業風土です。
企業の社会的責任(CSR)を重視し、ISO9001:2015やISO14001:2015に基づく企業経営を行っています。内部統制やコンプライアンス体制の強化、リスク管理の徹底を通じて、社会と共生し信頼される企業を目指しています。
また、多様な人材の登用と育成を重視し、社員全員が安心して活躍できる場を提供しています。社員一人ひとりの意欲や能力を最大限発揮できるよう、働きやすい環境づくりを推進し、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)に積極的に取り組むカルチャーです。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
サンユウグループは、コーポレート・ガバナンスの充実を重要な経営課題と位置付けています。内部統制・監査室を中心に内部統制の整備に取り組むとともに、全社ベースでのコンプライアンス意識の徹底を図っています。
内部監査機能の充実や社内管理体制の強化にも取り組んでいます。また、企業の社会的責任(CSR)の強化として、ISO規格に基づく企業経営やリスク管理の徹底を進めています。
連結経営の強化として、グループ間の連携を一層強化し、経営資源の有効活用に努めています。サステナビリティの取り組みとして、CO2排出量削減のための省エネ対策やグリーン電力への切り替え、人的資本への対応として多様な人材登用と育成、働きやすい環境づくりを推進しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
サンユウは、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離する執行役員制度を導入しています。監査役会設置会社として、経営の効率性、健全性、及び透明性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
サンユウの筆頭株主は日本製鉄であり、同社グループの資本構成は特定の事業会社によって支えられている特徴があります。上位株主には、日本製鉄や伊藤忠丸紅鉄鋼といった事業会社が名を連ねています。これらの主要株主が同社グループの経営に影響力を持つ構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本製鉄 | 33.67% |
| 伊藤忠丸紅鉄鋼 | 7.49% |
| 村岡克彦 | 5.11% |
(注)所有株式数は千株未満を切り捨てて表示しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は喜多章氏が務めています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 喜多 章 | 代表取締役 社 長 | 1986年新日本製鐵入社後、棒線事業部で製品技術、営業、工程業務の各部長を歴任。日鉄特殊鋼棒線製品(蘇州)有限公司などへの出向も経験。2022年同社入社、取締役副社長、上席執行役員。2023年より同社代表取締役社長、営業本部長より現職。 |
| 荒木 克典 | 取 締 役 総務企画部長 | 1990年新日本製鐵入社。広畑製鐵所総務部経理グループリーダー、営業総括部収益管理室長などを歴任。日鉄テックスエンジ株式会社への出向を経て、2024年同社入社、上席執行役員総務企画部長。同年6月より取締役上席執行役員総務企画部長より現職。 |
| 清家 徹 | 取 締 役 財務部長 | 1986年日鐵商事入社。大阪支店総務部審査チームリーダー、人事秘書部長、名古屋支店管理部長などを歴任。日鉄物産株式会社を経て、2020年同社出向、財務部部長。2022年同社入社。2023年より取締役上席執行役員財務部長より現職。 |
| 伊豆 大助 | 取 締 役 八尾事業所長 | 1993年住友金属工業入社。江陰興澄特種鋼鐵有限公司への出向後、新日鐵住金(現 日本製鉄)で棒線管理室主幹、棒線管理室長などを歴任。ニッポンスチール スチール プロセッシング タイランド社への出向を経て、2024年同社出向、上席執行役員八尾事業所長より現職。 |
社外取締役は、清水良寛氏(弁護士法人 淀屋橋・山上合同パートナー)、若林嘉幸氏(元三菱日立パワーシステムズ常務執行役員エンジニアリング本部長)です。
同社は監査役会設置会社であり、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離する執行役員制度を導入しています。社外取締役は独立的な立場から経営への助言を行い、取締役会の意思決定機能と監視機能の強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
サンユウの役員報酬は金銭報酬のみで構成されており、各役員の職責に応じた適正な水準を基本方針としています。社外取締役を除く取締役には、固定報酬に加えて「親会社株主に帰属する当期純利益」を指標とした業績連動型報酬が加算されます。社外取締役および監査役の報酬は、業務執行から独立した立場を考慮し、固定報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 77百万円 | 19.4百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 17百万円 | 4.3百万円 |
なお、社外役員の支給人数は、無報酬の社外監査役2名を除いています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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