【平均年収598万円】モリ工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収598万円】モリ工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

モリ工業は、ステンレス管やステンレス条鋼、加工品、鋼管の製造販売を主軸に、パイプ切断機などの機械製造販売も手掛けています。連結従業員数は695名で、日本とインドネシアで事業を展開。直近期は減収減益となりました。


目次

※本記事は、モリ工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


モリ工業は、ステンレス関連事業を主軸とし、ステンレス管、ステンレス条鋼、ステンレス加工品、鋼管の製造販売を行っています。また、パイプ加工の省力化に貢献するパイプ切断機などの機械製造販売も手掛けています。

単体従業員数は523名、連結従業員数は695名です。同社グループの報告セグメントは「日本」と「インドネシア」の2つです。

主な国内グループ会社は、モリ金属、関東モリ工業などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


モリ工業は、ステンレス鋼管の製造・販売を主軸とする企業であり、製造業としての安定性と専門性が特徴です。同社グループでは、長期的な視点での人材育成と、実力主義に基づく評価制度を導入しており、社員一人ひとりの成長を重視する働き方が期待できます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的若いことから、若手からベテランまで幅広い世代の社員が長く活躍できる環境が整っていることがうかがえます。これは、安定したキャリア形成を目指す方にとって魅力的な要素となるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 5,977,656円
平均勤続年数 17.0年
平均年齢 38.5歳
単体従業員数 523人
連結従業員数 695人
単体のグループ内比率 75.3%


同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、同社および連結子会社が対象です。

退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は36.2億円、年金資産は57.8億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、中期経営計画の実現に向け、少数精鋭主義と実力主義を基盤とした人材戦略を推進しています。鉄鋼業界の変化に対応するため、自社教育を重視し、若手社員の早期育成と挑戦機会の提供を通じて、高い専門性と責任感を持つ人材の育成に注力しています。学歴や性別にとらわれない実力に基づく登用を徹底し、再雇用者の活用を含め、多様な人材が能力を発揮できる組織づくりを目指しています。

給与・報酬制度は、職務の複雑さや責任の度合いに基づく等級制度を軸に、経験や勤務成績を総合的に考慮して決定されます。昇給は公正な評価結果を反映して毎年実施され、個々の能力向上と成果発揮を促す仕組みです。賞与は会社業績と個人の貢献度に基づいて支給され、経営成果の共有を通じて従業員の意欲向上を図っています。また、専門性や役割に応じた各種手当も整備し、多様な人材が最大限に能力を発揮できる処遇体系の構築に努めています。

社員の幸福を経営基本目的とし、充実感のある職場作りを推進しており、分野に応じた教育・研修制度の整備や健康・安全への配慮にも力を入れています。ワークライフバランスを推進するため、適正な労働時間管理や長時間労働の削減に努めています。ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、女性が活躍できる職場環境の整備、高齢者や障がい者の雇用促進にも注力しています。具体的には、育児休業や育児時短勤務、介護休業制度、フレックスタイム制度、在宅勤務制度などを整備し、誰もが働きやすい環境を提供しています。定年退職者の再雇用制度や2025年4月からの定年延長、障がい者雇用拡大への取り組みも進められています。メンタルヘルス相談窓口の充実やストレスチェックの実施、健康管理室の設置、安全衛生管理体制の確立、工場内の職場環境改善、階層別研修や自己啓発支援などの教育研修制度、従業員持株会制度や財産形成貯蓄制度、住宅融資制度、2025年4月からの企業型確定拠出年金制度導入など、多岐にわたる福利厚生制度の整備も行われています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 4.7%
男性労働者の育児休業取得率 72.7%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 83.2%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 82.7%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 79.7%

女性の活用がなかった職種での女性配属者増加に関する指標


提出会社単体の任意開示データです。

指標 目標 実績(当事業年度)
営業職 2029年3月までに8.0% 6.1%
技術職 2029年3月までに8.0% 2.8%

男女の平均勤続年数の差異縮小に関する指標


提出会社単体の任意開示データです。

指標 目標 実績(当事業年度)
男女の平均勤続年数の差異 2029年3月までに6年 6.7年

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


モリ工業は、ステンレス関連事業を主軸に、日本とインドネシアの2つの地域セグメントで事業を展開しています。ステンレス管やステンレス条鋼などの製造販売を通じて、多様な産業に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループの主力事業は、ステンレス管、ステンレス条鋼、ステンレス加工品、鋼管の製造販売を行うステンレス関連事業です。これに加え、パイプ加工の省力化用としてパイプ切断機などの機械の製造販売も手掛けています。収益は主にこれらの製品の製造販売から得ており、特定の販売先への収益集中は見られません。

同社グループの事業は「日本」と「インドネシア」の2つの報告セグメントで構成されています。海外での事業活動も行っており、為替差益の発生も確認されています。

日本

日本セグメントでは、ステンレス管、条鋼、鋼管及びその加工品・関連製品の製造販売を行っています。収益は、これらの製品の製造販売から得ています。運営は、モリ工業が中心となり、連結子会社のモリ金属、関東モリ工業が一部製品の加工を行っています。当連結会計年度では、販売数量の減少や製品価格の下落、人件費や諸経費の増加により、売上高とセグメント営業利益が減少しました。

インドネシア

インドネシアセグメントでは、ステンレス管の製造から販売までを行っています。収益は、インドネシア国内とその周辺地域におけるステンレス管の製造販売から得ています。運営は、連結子会社のPT. MORY INDUSTRIES INDONESIAが行っています。当連結会計年度では、二輪用および四輪用の販売数量の減少と販売価格の下落により、売上高とセグメント営業利益が減少しました。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
日本 440億円 415億円
インドネシア 21.0億円 18.0億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


過去5期間の業績推移を見ると、当連結会計年度における売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、いずれも前年同期と比較して減少しています。販売数量の減少や製品価格の下落、人件費や諸経費の増加が収益面に影響を与えました。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは増加しており、本業でのキャッシュ創出は維持されています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 431億円 487億円 479億円 461億円 433億円
経常利益 61.5億円 71.8億円 63.9億円 57.2億円 48.8億円
経常利益率 14.3% 14.7% 13.3% 12.4% 11.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 43.2億円 52.9億円 45.2億円 41.3億円 33.6億円
1株当たり当期純利益(円) 110.29 136.26 116.41 106.95 88.37

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


従業員1人あたりの売上高は前期と比較して減少しています。従業員1人あたりの営業利益も前期と比較して減少しています。これは、当連結会計年度において売上高と営業利益が減少したことと、連結従業員数が増加したことが影響していると考えられます。従業員一人ひとりの生産性向上に向けた取り組みが今後の課題となる可能性があります。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 67.9百万円 62.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 7.9百万円 6.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


モリ工業は、強固な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しており、事業活動を通じて着実に資金を生み出している状況です。将来に向けた投資も継続的に行われています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社は高い自己資本比率を維持しており、財務基盤が安定していることを示しています。手元資金も潤沢に確保されており、不測の事態に対する耐性があると考えられます。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と比較して低い水準となっています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 556億円 586億円
自己資本比率 79.5% 80.5%
ROE(自己資本利益率) 7.5% 5.9%
現金及び預金 160億円 159億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当期における営業活動によるキャッシュフローは増加し、本業で安定的に資金を生み出している状況です。投資活動によるキャッシュフローは、設備投資や投資有価証券の取得により支出となっています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いなどにより支出となりました。

これらの結果、フリーキャッシュフローは前期に比べて増加しており、事業活動で得た資金が投資を上回る状態を示しています。この資金状況は、同社グループが事業の安定性を保ちつつ、将来に向けた投資も継続できる基盤があることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 40.6億円 50.6億円
投資CF △38.4億円 △34.9億円
財務CF △26.2億円 △16.4億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2.2億円 15.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの主力製品の素材であるステンレスは、技術革新により代替素材が開発されるリスクがあります。また、ユーザーがステンレスパイプを必要としない新しい製品を開発する可能性も指摘されています。

主力商品の素材であるステンレスにはレアメタルが含まれており、ニッケル価格の変動や為替の影響により素材価格が大きく変動するリスクがあります。これらの要因は同社グループではコントロールできないと認識されています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループの工場現業部門では、一定程度の経験と熟練が必要とされており、災害や感染症等で人材が不足した場合、すぐに新規雇用で賄えないリスクがあります。少子化の影響により、将来にわたって採用が困難になる可能性も否定できないとされています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


モリ工業は、独創的な製品開発と堅実かつ進取的な経営姿勢を基本とし、社会貢献と社業発展を目指しています。すべてのステークホルダーとの価値観共有を重視し、持続可能な社会の実現に貢献する企業風土を醸成しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


モリ工業グループは、独創的なアイデアに基づいた製品を経済的に生産し、適正な価格で販売することで、株主をはじめとする社会に貢献し、社業の発展を基本目的としています。
経営活動においては、信用を第一とし、堅実な経営に徹しながらも、常に新しい分野へのチャレンジを行う進取的な姿勢を大切にしています。
同社グループは「ステンレスで創るきらきらの未来」をテーマに「長期ビジョン10年後のありたい姿」を掲げ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


モリ工業グループは、社是、経営基本目的、経営基本方針からなる「経営理念」のもと、お客さま、株主、社員、業界、地域社会など、すべてのステークホルダーと価値観を共有しながら事業活動を行っています。
これらの活動を実践するためのガイドラインとして「行動規範」を定めており、環境問題への姿勢、循環型社会への対応、社会に対する責任を意識した行動を求めています。

社員の幸福を経営基本目的とし、同社に勤務することが幸せだと感じるような充実感のある職場作りを推進しています。
変化の大きな事業環境に対応するため、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、多様な人材が活躍できる環境整備に注力しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


モリ工業グループは、中期経営計画の基本方針に基づき、持続的な企業価値の向上に取り組むための主要課題を認識しています。
具体的には、主力事業であるステンレス管の収益力強化、生産設備のリニューアルと設備競争力の確保を推進しています。

また、インドネシア市場における競争環境の変化への対応、新規事業領域への進出、そして事業を支える高度人材の育成と組織体制の強化を重点テーマとしています。
人的基盤の強化は持続的成長の根幹と位置づけ、抜本的な人事制度改革や採用ルートの多様化、次世代人材の計画的育成、従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいます。
全社的なシステム刷新の準備を進め、DX経営を加速させる方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


モリ工業は監査等委員会設置会社として、経営の公正性・透明性確保と活力増大を図っています。取締役会は経営の監督機能に重点を置き、業務執行は執行役員に委任する体制です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


モリ工業の株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行であり、複数の機関投資家が上位に名を連ねています。また、個人株主である森明信氏や、同社に関連する公益財団法人森教育振興会も大株主として名を連ねており、多様な主体によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 7.19%
光通信KK投資事業有限責任組合 6.07%
森 明信 5.78%
大同生命保険 5.76%
INTERACTIVE BROKERS LCC 5.16%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長執行役員は森宏明氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
森 宏明 代表取締役社長執行役員 1989年1月同社入社、1990年モリ金属代表取締役社長。1990年6月同社取締役、2000年6月同社代表取締役社長。2020年6月より現職。
浅野 弘明 取締役専務執行役員営業部門担当 1980年2月同社入社、2004年6月ニットク代表取締役社長。2010年6月同社取締役、2023年7月より現職。
元山 耕一 取締役常務執行役員技術・製造部門担当 1984年4月同社入社、2009年5月同社茨城工場長。2016年6月同社取締役、2021年6月より現職。
新田 竜一 取締役常務執行役員管理・資材部門担当 1990年4月同社入社、2014年7月同社東京支店長。2025年6月同社取締役上席執行役員、2026年4月より現職。


社外取締役は、林修一氏(林公認会計士事務所代表・監査等委員)、岩崎泰史氏(岩崎泰史公認会計士事務所代表・監査等委員)、齋藤友紀氏(さくら法律事務所パートナー・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会の議決権を持つことでコーポレート・ガバナンスの強化を図っています。社外取締役は経営の透明性やチェック機能を高め、その経験と知見に基づいた適切な意見を提供しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、固定報酬、業績連動報酬、株式報酬で構成されています。業績連動報酬は、金銭報酬と非金銭報酬に分かれており、それぞれ経常利益の予想額や営業利益の達成率に応じて支給率が決定される仕組みです。これにより、中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高めることを目指しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 1.7億円 34.0百万円
監査等委員(社外除く) 1名 15百万円 15.0百万円
社外役員 3名 19百万円 6.3百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。