※本記事は、アマテイ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アマテイは、建設・梱包向けの普通釘、特殊釘、各種連結釘、建築用資材、釘打機等の製造・仕入れ・販売を主な事業としています。同社グループは、連結子会社の株式会社ナテックが電気・輸送機器向けの精密機器用ねじ、自動車部品用ねじ、樹脂用ねじ等の製造・販売を手掛けています。
アマテイの単体従業員数は87名、連結従業員数は155名です。同社グループの報告セグメントは建設・梱包向、電気・輸送機器向の2つです。
主な国内グループ会社は、ナテック.2(ねじ製造業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アマテイは、従業員の定着を重視し、多様な働き方を推進している企業です。給与水準は安定しており、長期的なキャリア形成を支援する制度が整っています。人材への積極的な投資を通じて、従業員のエンゲージメント向上を目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も高めであることから、従業員が長く働き続ける傾向があることがうかがえます。安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、魅力的な職場環境であると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,379,000円 |
| 平均勤続年数 | 18.9年 |
| 平均年齢 | 47.4歳 |
| 単体従業員数 | 87人 |
| 連結従業員数 | 155人 |
| 単体のグループ内比率 | 56.1% |
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の制度を採用しています。これらの制度は、同社及び連結子会社に適用されます。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債は207百万円です。また、複数事業主制度の年金資産は172.4億円、数理債務は125.8億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
アマテイの人材戦略は、「企業にとって最大の財産は従業員である」という共通認識のもと、人財への積極投資と多様な働き方の採用を通じて従業員のエンゲージメント向上を目指しています。給与決定方針は、経営理念と企業行動基準に則った能力評定に加え、従業員が目指すキャリア目標に対する評定を組み合わせています。個々の評価による能力評定部分と、年齢や勤続年数に応じた等級による昇給額を決定しており、労働組合との協議により平均昇給額を定めています。
人材育成では、個々人にカスタマイズした従業員教育や各従業員の個性を重視する育成、キャリア採用の継続実施を基本方針とし、人材の多様化を推進しています。働き方については、ワークライフバランスを重視し、育児短時間勤務の小学校6年生までの拡大、在宅勤務やリモートワークを導入し、柔軟な働き方を追求しています。また、定年を65歳に引き上げ、再雇用制度も70歳まで延長することで、幅広いスキルを持つ従業員に継続就労の機会を提供しています。
健康経営の視点から、有給休暇の取得促進や時間単位有休制度の導入、熱中症対策など、従業員の要望を反映した施策を実施し、エンゲージメント向上を図っています。さらに、基本給の引き上げ、一時金・各種手当の増額、女性の管理職への登用、男性の育児休暇取得制度の整備など、総合的に働きやすい職場環境の実現に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは、法令に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、記載を省略しています。
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員の満足度 | 測定基準検討中 |
| DE&Iの浸透分析レポート | 測定基準検討中 |
| e-ラーニング受講率 | 100% |
| e-ラーニング受講内容満足度 | 84% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アマテイグループは、建設・梱包向け製品と電気・輸送機器向け製品の製造・販売を主軸に事業を展開しています。多岐にわたる産業分野に製品を提供することで、安定した事業基盤を築いています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に「建設・梱包向」と「電気・輸送機器向」の二つのセグメントで事業を展開しています。収益は、それぞれのセグメントで製造・仕入れ・販売する製品から得ています。国内市場が中心であり、海外の外部顧客への売上高は連結売上高の90%を超えないため、地域ごとの売上高情報は省略されています。また、特定の顧客への売上集中が見られる傾向があります。
建設・梱包向
建設・梱包向セグメントでは、普通釘、特殊釘、各種連結釘、建築用資材、釘打機などの製造・仕入れ・販売を行っています。収益は、これらの製品の販売から得ています。運営は、アマテイが行っています。当連結会計年度の売上高は前期に比べて減少しました。
電気・輸送機器向
電気・輸送機器向セグメントでは、精密機器用ねじ、自動車部品用ねじ、樹脂用ねじなどの製造・販売を行っています。収益は、これらのねじ製品の販売から得ています。運営は、連結子会社のナテックが行っています。当連結会計年度の売上高は前期に比べて減少しました。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 建設・梱包向 | 39.7億円 | 38.1億円 |
| 電気・輸送機器向 | 16.1億円 | 15.7億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、直近5年間で売上高は変動しつつも、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は着実に増加傾向を示しています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しましたが、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 50.8億円 | 54.9億円 | 55.3億円 | 55.8億円 | 53.7億円 |
| 経常利益 | 7百万円 | 1.5億円 | 1.8億円 | 2.2億円 | 2.2億円 |
| 経常利益率 | 0.1% | 2.8% | 3.2% | 3.9% | 4.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2百万円 | 80百万円 | 1.3億円 | 1.4億円 | 1.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 0.20 | 6.71 | 11.24 | 11.98 | 12.43 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から横ばいで推移しており、従業員1人あたり営業利益も前期から横ばいとなっています。これらの指標が安定していることは、組織の効率性が維持されていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 34.7百万円 | 34.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.5百万円 | 1.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
アマテイグループの財務状況を見ると、本業で安定した資金を稼ぎ出し、事業活動に必要な投資を行いつつ、手元資金を確保している状況がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から改善し、手元資金も一定水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場の平均水準と比較しても遜色ない水準を示しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。これらの指標は、同社グループが安定した事業運営を継続するための基盤を持っていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 14.8億円 | 15.7億円 |
| 自己資本比率 | 28.4% | 31.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.9% | 9.6% |
| 現金及び預金 | 7.0億円 | 6.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、その資金を事業活動や投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは前期に比べて減少しましたが、売上債権や棚卸資産の減少、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上により、3.4億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出がありましたが、前期より支出は減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いにより、2.8億円の支出となっています。本業で得た資金で投資を行い、余剰資金を確保していることから、安定した事業運営と将来に向けた投資のバランスが取れている状況がうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.6億円 | 3.4億円 |
| 投資CF | △1.1億円 | △0.9億円 |
| 財務CF | △2.8億円 | △2.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.5億円 | 2.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、少子化の進行による国内の新設住宅着工戸数減少に伴う釘の需要減少リスクを認識しています。また、原材料価格やエネルギーコストの高騰に対して販売価格への転嫁が遅れた場合には、一時的に採算が悪化するリスクがあるとしています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アマテイは、釘・ねじの専業メーカーとして、社会貢献と企業価値向上を追求する企業です。持続可能な社会の実現を目指し、環境問題へのソリューション提供にも注力しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「1本の釘・ねじで、ものともの、人と人とを繋ぎ、豊かな社会づくりに貢献します」を企業理念としています。多様なニーズに応えられる高品質の製品を開発・提供し、社会に貢献することを使命として事業活動を続けています。法令や社会規範を遵守し、透明性のある経営を行いながら収益を上げ、安定した利益を継続的に確保することで企業価値を高める方針です。
2025年度から2027年度の中期経営計画では、「新しい時代に向けたつなぐ技術で環境問題へのソリューションを提供し、サステナブル社会の実現に貢献することにより、全てのステークホルダーからの評価を高め持続的な企業価値向上を目指す」をビジョンとして掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念の実践を通じて企業価値向上と中長期的な持続的成長を目指すことをサステナビリティに関する基本的な考え方としています。社会的に重要な課題である環境対策・気候変動対応に重きを置き、環境保護・防災・減災・国土強靭化に貢献できる製品群を提供しています。特に国産杉材によく適合する新製品の提供を通じて、森林資源循環サイクルを活性化しカーボンニュートラル社会の実現へ貢献しています。
企業行動基準として「良き企業市民」として、地域社会発展への寄与と社会貢献活動を行うことを掲げています。ESGを意識した企業行動を活性化させ、環境対策・気候変動対応を重視し、社会的な要請・課題の解消に対応していくガバナンス体制を構築しています。人材育成においては、個々人にカスタマイズした従業員教育や各従業員の個性を重視する方針を基本とし、キャリア採用の継続実施を通じて人材の多様化を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業課題の克服に向けて複数の重点テーマに取り組んでいます。収益力の強化と強固な収益基盤の創出のため、製販一体で顧客ニーズに基づく新製品開発営業を展開し、新分野における需要を積極的に捕捉しつつ販路を広げ、収益の増加を図る方針です。また、高付加価値製品の生産・販売強化に向けて集中的に経営資源を投入しています。
新製品の拡販と競争優位性の確立では、特に電気・輸送機器向において、自動車の電動化や自動運転化に伴う特殊ねじの拡販を積極的に推し進めています。建設・梱包向においても、今後拡大が見込める非住宅木造建築分野における需要を積極的に捕捉する考えです。生産効率の改善と製造コストの削減に向けては、国内生産の無人化・省人化・多能工化を推進し、生産性を高めることに注力しています。
人的資本経営の推進と企業価値の最大化も重要なテーマであり、人財への積極投資を行い、職場環境を改善し、従業員の働きがいを追求することで企業活動を活性化し企業価値を高めることを目指しています。さらに、リスク管理とコンプライアンス・ガバナンス体制の強化として、自然災害や感染症発生に対して事業の継続に支障が出ないようリスク管理精度を高め、法制度の新設・改廃に適切に対処し、自浄機能を発揮できる組織体制を維持していく方針です。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アマテイは監査等委員会設置会社として、取締役会の監督機能強化とコーポレート・ガバナンスの充実に努めています。取締役会は社外取締役を複数名含む構成となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アマテイの株主構成は、事業会社が上位を占めていることが特徴です。筆頭株主は伊藤忠丸紅鉄鋼、次いで神戸製鋼所が主要な株主として名を連ねています。これらの企業は同社グループの事業と関連性が高く、安定した資本基盤を形成していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 伊藤忠丸紅鉄鋼 | 21.10% |
| 神戸製鋼所 | 17.43% |
| 楽天証券共有口 | 1.85% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は佐藤亮氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 佐藤 亮 | 取締役社長代表取締役 | 1985年4月丸紅に入社、2001年10月伊藤忠丸紅鉄鋼に転籍。2015年4月紅忠コイルセンター関東代表取締役社長、2021年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 山本信之 | 取締役生産本部長 | 1982年4月神戸製鋼所に入社、2010年7月セントラルヨシダに出向伸線技術部長。2019年6月同社取締役生産本部長、2026年4月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、荻田幸郁氏(伊藤忠丸紅鉄鋼執行役員)、又賀毅氏(神戸製鋼所執行役員)、塩野隆史氏(弁護士・監査等委員)、米田小百合氏(公認会計士・税理士・監査等委員)です。
アマテイは監査等委員会設置会社であり、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることで監督機能を強化しています。社外取締役は経営の透明性・公正性を高める役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アマテイの役員報酬は、月例報酬、役員退職慰労金、そして業績連動報酬である役員賞与で構成されています。業績連動報酬は、親会社株主に帰属する当期純利益と配当額を指標とし、各役員の報酬年額の20%を上限として設定されています。これにより、持続的な成長と企業価値向上へのインセンティブ設計が図られています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 35百万円 | 17.3百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 7.5百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 4百万円 | 2.2百万円 |
なお、報酬等の総額には、役員賞与および役員退職慰労引当金繰入額が含まれています。また、社外役員のうち、監査等委員を除く取締役2名には報酬が支給されていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。