※本記事は、株式会社ロブテックス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、金属製品事業とレジャー事業を展開しています。金属製品事業では、作業工具やファスニングツール、工業用ファスナーなどの製造販売を手がけています。
単体従業員数は84名、連結従業員数は186名です。セグメントは金属製品事業、レジャー事業の2つです。
主な国内グループ会社は、ロブテックスファスニングシステム、鳥取ロブスターツール、ロブエース(レジャー事業・(ゴルフ練習場))などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ロブテックスは、長年にわたりモノづくりを支えてきた企業であり、従業員の成長と働きがいを重視する企業文化を育んでいます。多様な働き方を推進し、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に力を入れていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が長く安定してキャリアを築ける環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、経験豊富な人材が多数在籍し、組織の中核を担っていることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,095,000円 |
| 平均勤続年数 | 16.8年 |
| 平均年齢 | 44.8歳 |
| 単体従業員数 | 84人 |
| 連結従業員数 | 186人 |
| 単体のグループ内比率 | 45.2% |
同社および連結子会社は、退職金規程に基づき、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けています。確定給付型は、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。この制度は国内グループ会社に適用されています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は2.7億円、年金資産は3.4億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「モノづくりのプロに応え、モノづくりの愉しさを育む」という経営ビジョンの実現と、中長期的な成長を目指し、「人財」を最大の原動力と位置付けています。経営戦略と緊密に連動した人的資本投資と社内環境整備に取り組む方針です。
人材育成においては、デジタル技術やAIツールの活用を通じて生産性の高い「分析型人材」への転換を推進しています。また、モンキレンチや圧着工具等の伝統技術の確実な技能伝承にも努め、高度な専門技術知識と課題解決力を兼ね備えた「ソリューション型技術営業人材」の育成を推し進めています。
社内環境整備では、「後工程(次工程)はお客様」という共通マインドを組織の行動指針とし、「一蓮托生」の協働風土の醸成を目指しています。働きがいとエンゲージメントの向上を図るため、在宅勤務制度や副業制度の導入による働き方改革を推進し、目標管理制度による適正な評価と処遇の連動を行っています。さらに、中央安全衛生委員会を通じた健康経営を推進し、労働災害ゼロと心身の健康維持増進活動に力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 4.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 73.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 74.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 52.0% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 鳥取ロブスターツール㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 42.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 74.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 80.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 84.0% |
一般事業主行動計画
同社グループのグループ会社において「一般事業主行動計画」として、次のとおり目標を掲げております。
▼ 提出会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男女平均勤続勤務年数差異 | 46.2% |
| 労働者一月あたりの平均残業時間 | 5.50時間 |
| 有給休暇取得率 | 85.6% |
▼ 鳥取ロブスターツール株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男女平均勤続勤務年数差異 | 94.7% |
| 労働者一月あたりの平均残業時間 | 16.60時間 |
| 有給休暇取得率 | 60.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ロブテックスグループは、金属製品事業とレジャー事業の二つの柱で事業を展開しています。モノづくりのプロに応える工具の製造販売と、ゴルフ練習場の運営を通じて社会に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、作業工具やファスニングツール、工業用ファスナー、電設工具、切削工具といった金属製品の製造販売を主軸としています。また、ゴルフ練習場の運営も手掛けています。経営ビジョンとして「モノづくりのプロに応え、モノづくりの愉しさを育む」を掲げ、業務の整流化と利益体質の強化に努めています。
金属製品事業
この事業では、作業工具、ファスニングツール、工業用ファスナー、電設工具、切削工具などの製造販売を行っています。収益は、これらの製品の販売から得ています。提出会社が製造販売を担い、子会社の鳥取ロブスターツールが製品製造を、株式会社ロブテックスファスニングシステムがファスニングツールや工業用ファスナーなどの販売をそれぞれ行っています。当連結会計年度の売上高は前期から微増しましたが、セグメント利益は減少しました。国内では電設工具が好調に推移し、新シリーズ「J-CRAFT99」の販売強化により新規取扱店の拡大が進んでいます。ファスニング事業では、省人化を目的としたリベッティングの自動機やシステム物件、コンストラクションファスナーの案件が増加傾向にあります。一方で、海外、特に韓国における市況の低迷がプライヤ類の販売に影響を与えました。
レジャー事業
この事業では、ゴルフ練習場の運営を行っています。収益は、ゴルフ練習場の利用料などから得ています。運営は子会社の株式会社ロブエースが行っています。当連結会計年度の売上高およびセグメント利益は前期から減少しました。サービス向上や集客施策により来場者数は微増したものの、一人当たりの売上高が減少したことが影響しています。
同社グループの売上高は、日本国内が大部分を占めていますが、東アジア(韓国含む)、北中米、欧州、その他の地域にも海外売上があります。主要な顧客としては、トラスコ中山株式会社と株式会社山善が挙げられ、金属製品事業における売上高の大部分を占めています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 金属製品事業 | 54.6億円 | 54.7億円 |
| レジャー事業 | 2.5億円 | 2.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は概ね横ばいから微増の傾向にあります。経常利益は直近の2期間で減少が続いています。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に大きく減少した後、当期は増加に転じています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 61.0億円 | 59.5億円 | 59.3億円 | 57.1億円 | 57.1億円 |
| 経常利益 | 3.9億円 | 4.9億円 | 4.3億円 | 2.2億円 | 1.9億円 |
| 経常利益率 | 6.4% | 8.3% | 7.3% | 3.9% | 3.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.2億円 | 3.1億円 | 2.8億円 | 77百万円 | 1.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 120.38 | 168.42 | 149.87 | 41.38 | 65.77 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から横ばいで推移しています。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から減少しています。これらの数値は、同社グループの収益体質や組織の効率性に関する傾向を示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 30.7百万円 | 30.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.1百万円 | 1.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは安定した財務基盤を築き、事業活動で得た資金を効率的に運用している状況がうかがえます。本業で生み出した資金を投資に回しつつ、余剰資金を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した経営基盤を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っています。現金及び預金は前期から減少していますが、一定の手元資金を確保している状況です。これらの財務状況は、長期的な雇用や給与の安定性を検討する上で重要な要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 48.4億円 | 49.6億円 |
| 自己資本比率 | 56.2% | 58.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 1.6% | 2.5% |
| 現金及び預金 | 22.9億円 | 19.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に2.1億円の増加となりましたが、前期と比較すると減少しています。これは主に売上債権の増加や法人税等の支払いがあった一方で、減価償却費や税金等調整前当期純利益の計上があったためです。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得を主因として△66百万円の減少となりましたが、前期と比較して減少幅は縮小しています。
財務活動によるキャッシュフローは、借入金の返済や配当金の支払いなどにより△4.5億円の減少となりましたが、こちらも前期と比較して減少幅は縮小しています。
営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローを合わせたフリーキャッシュフローは、当期に1.4億円のプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状況を示しています。この状況は、事業の安定性と将来への投資余力があることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.9億円 | 2.1億円 |
| 投資CF | △1.4億円 | △66百万円 |
| 財務CF | △6.5億円 | △4.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.5億円 | 1.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、建設業界や製造業等の市場環境の変化により、売上高が変動するリスクを有しています。また、大口の代理店であるトラスコ中山株式会社および株式会社山善への取引依存度が高く、当連結会計年度の連結売上高の40.7%を占めています。これらの代理店の経営施策や取引方針の変更が、同社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、従業員のコンプライアンス意識の向上に努めていますが、管理体制上の問題や従業員の不正行為が発生した場合、業績や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ロブテックスグループは、企業理念を基盤に、お客様の期待を超える商品・サービス提供を通じて社会に貢献し、全社員が喜びを実感できる経営を目指しています。モノづくりのプロに応え、その愉しさを育むことをビジョンに掲げ、持続的な成長と企業価値向上に取り組んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ロブテックスグループは、「お客様の期待を超え、感動していただける商品・サービスを提供することを通じ、社会に貢献し、明るい未来を築く力になる」ことを企業理念の存在意義としています。経営ビジョンには「モノづくりのプロに応え、モノづくりの愉しさを育む」を掲げています。工具を通じてあらゆるモノづくりの要求に応え、つくる愉しさを伝え広げることで社会に貢献することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ロブテックスグループは、全社員が人生の喜びを実感し、大きな夢に挑戦し続ける経営姿勢を掲げています。行動規範として「お客様視点」「思いやり」「誇り」「信念」「責任」「目的意識」「問題意識」を重視し、お客様に感動していただくための行動を通じて働きがいを見出すことを求めています。社員一人ひとりが活躍し成長できる環境を整えるため、対話を通じた企業風土改革とコーポレートカルチャーの醸成を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ロブテックスグループは、優先的に対処すべき課題として「利益体質の強化」「財務体質の改善」「人財の開発」を挙げています。特に人財の開発においては、「企業体質の強化」の一環として人財育成を強化し、目標に向かって挑戦を続ける組織風土の創造を目指しています。能力主義及び成果主義に基づく人事制度と教育訓練システムを充実させ、人的資源の活性化を図ることを重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は代表取締役社長を議長として構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるニッセンリベットです。上位には日栄会や㈲ヤマチといった関連団体が名を連ねており、特定の事業会社や関連団体が経営を支える資本構成となっています。また、ロブテックス従業員持株会も上位株主の一角を占めています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ニッセンリベット | 10.71% |
| 日栄会 | 8.72% |
| ㈲ヤマチ | 5.68% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は地引俊爲氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 地引 俊爲 | 代表取締役社長 | 1993年4月同社入社。執行役員、取締役上席執行役員を経て、2009年4月代表取締役社長兼海外営業本部長に就任。2024年7月より現職。 |
| 池本 義寛 | 取締役 顧問 | 1981年4月松下電器産業株式会社(現パナソニックホールディングス株式会社)入社。2017年5月同社入社。執行役員、取締役執行役員を経て、2026年4月より現職。 |
| 森下 幸治 | 取締役 執行役員 経営管理本部長 | 1985年4月同社入社。執行役員、取締役執行役員を経て、2026年4月より現職。 |
| 田邉 浩樹 | 取締役 執行役員 事業統括本部長 | 1990年4月同社入社。執行役員、取締役上席執行役員を経て、2012年7月同社辞任。2021年5月同社執行役員に復帰し、2026年4月より現職。 |
社外取締役は、藤本昇氏(弁理士法人藤本パートナーズ代表社員・監査等委員)、遠藤美智子氏(稲垣・遠藤法律事務所弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社です。社外取締役2名は監査等委員を兼任しており、弁理士および弁護士としての専門的知見から監査・監督機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬と業績連動報酬で構成されています。固定報酬の割合は60%から100%、業績連動報酬は0%から40%と定められています。業績連動報酬の指標には、親会社株主に帰属する当期純利益が採用されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 48百万円 | 9.7百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 16百万円 | 16.2百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 14百万円 | 7.0百万円 |
役員報酬の総額は78百万円であり、報酬支給対象の役員は合計8名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。