※本記事は、株式会社大谷工業 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
大谷工業は、架線金物、鉄塔・鉄構の製造・販売、および建築用スタッド、免震ベースプレートの製造・販売・施工を主な事業としています。同社は電力通信部門と建材部門の2つの事業を展開しています。
単体従業員数は179名です。同社のセグメントは電力通信部門、建材部門の2つです。
主な国内グループ会社は、ニュー・オータニなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
大谷工業は、社会インフラを支える企業として、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。そのため、人材を最も重要な経営資源と位置づけ、社員一人ひとりの成長と活躍を支援する環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
大谷工業では、平均勤続年数が比較的長く、安定した人材構成が特徴です。社員の平均年齢も40代前半であり、長きにわたってキャリアを築ける環境がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,213,500円 |
| 平均勤続年数 | 18.5年 |
| 平均年齢 | 42.2歳 |
| 単体従業員数 | 179人 |
退職給付制度に関する記載は以下の通りです。
同社は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の退職給付制度を採用しています。これらの制度は国内の従業員を対象としています。
退職一時金制度も存在します。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
大谷工業は「豊かな社会を築き上げる」という理念のもと、「目標達成、調和、志気高揚」を経営方針に掲げています。人材を最も重要な経営資源と認識し、技術継承と次世代人材の育成に注力するとともに、従業員一人ひとりの適性や経験、能力を踏まえた適材適所の配置により、組織全体の連携力や技術力の向上を図っています。
給与その他の給付の額と内容については、従業員の生活の安定と会社の持続的成長の両立を基本方針としています。能力、経験、役割、成果、会社への貢献度を総合的に評価したうえで決定する方針です。
サステナビリティに関する重要課題の一つとして、「一人一人の個性を活かした人材の育成及び多様な人材が活用できる環境(働き方・職場・機会)の創出」を設定しています。技術継承を目的とした社内教育やOJT教育、外部講習への積極的な参加に加え、独自の中堅社員向け特別研修を実施することで、将来の幹部候補社員の育成にも注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 正社員採用者に占める女性割合 | 20%以上とすること |
| 中堅社員特別研修の女性割合 | 30%以上とする |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 入社3年以内の離職率 | 約12.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社大谷工業は、社会インフラを支える製品の製造・販売・施工を主要事業としています。電力通信部門と建材部門の二つの事業を主軸に、長年にわたり培ってきた技術力とノウハウを活かして事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、架線金物や鉄塔・鉄構、建築用スタッド、免震ベースプレートといった製品の製造・販売・施工を通じて収益を上げています。これらの製品は、電力や通信インフラ、建築物の建設に不可欠なものであり、社会基盤を支える役割を担っています。
電力通信部門
電力通信部門では、主に架線金物や鉄塔・鉄構を取り扱っています。電力関連では、共架柱の更改工事が計画通りに進み、関連製品の出荷が好調に推移しました。一方、通信関連では光建設工事への投資は低調でしたが、支障移転工事や保守が中心となり、事業は平準化した状況となっています。収益は、これらの製品の製造・販売から得ています。当事業年度の売上高は前期から減少しています。
建材部門
建材部門では、主に建築用スタッドや免震ベースプレートを取り扱っています。スタッド関連では、大型再開発物件が本格化し、回復の兆しが見られます。しかし、建設コストの高騰や労働環境の変化、人手不足といった要因により、全体的に工期の順延や工程計画の見直しが継続しており、厳しい状況が続いています。収益は、これらの製品の製造・販売・施工から得ています。当事業年度の売上高は前期から減少しています。
同社グループの事業セグメント別売上高は以下の通りです。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 電力通信部門 | 49.3億円 | 48.5億円 |
| 建材部門 | 29.7億円 | 26.8億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から減少しています。特に経常利益と当期純利益は、前期と比較して減少幅が大きくなっています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、電力通信関連と建材関連を主要な事業基盤としています。現在の経営状態を把握するため、財務基盤とキャッシュフローの状況、および事業リスクについて確認します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤に関する具体的な数値は開示されていません。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローの状況に関する具体的な数値は開示されていません。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、電力通信関連と建材関連を主要な営業基盤としています。各市場の景気動向やニーズの変化への的確な対応ができない場合、中長期的な業績および財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
また、原材料や副資材、外注加工品の価格が想定以上に高騰した場合、製造コストの上昇により採算性が悪化し、業績および財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
大谷工業は、1946年の創業以来、鉄に生命を吹き込み豊かな社会を築き上げることを理念としています。基幹インフラを支える企業としての誇りを持ち、安心・安全・高品質な製品を通じて社会に貢献し続けることを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「豊富な知識・高度な技術で鉄に生命の息吹を与え「豊かな社会を築き上げる」こと」を理念としています。経営方針には「目標達成、調和、志気高揚」を掲げています。
本邦の基幹インフラ(電力・通信業等)の一翼を担う企業としての矜持を持ち、「安心・安全・高品質」な製品を提供することで、「社会に継続していく意義のある企業」として貢献し続けたいと念願しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は経営方針として「目標達成、調和、志気高揚」を掲げています。また、サステナビリティを重要な経営課題の一つと位置付け、地球環境の保全を企業の社会的責任と認識しています。
環境負荷低減活動や環境保全に貢献する製品づくりを通して、「持続可能な社会」の実現に取り組んでいます。さらに、「一人一人の個性を活かした人材の育成及び多様な人材が活用できる環境(働き方・職場・機会)の創出」を重要課題として設定しています。
会社と社員一人ひとりが一体となり、持続的な成長を実現するための環境整備や制度の実現に努める企業風土があります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は安定的な成長のために、いくつかの重要課題に取り組んでいます。北陸地区の能登半島地震等で被災した設備の復旧に向け、電力会社への協力を最優先として継続しています。
電力業界におけるカーボンニュートラルへの取り組み強化、GXやエネルギー安全保障への要請の高まり、通信業界における先進的なブロードバンド構築や5G活用への対応も重要なテーマです。建設業界の構造変化に対応するため、生産性向上や省人化にも継続的に取り組んでいます。
また、物流費の増加傾向に対し、売上増加と並行して物流費負担を軽減し利益を確保することが課題と認識しています。サステナビリティに関するリスクとして、環境に関する取り組みの広がりや法整備の進捗に対応するため、社内体制の見直しを含めて今後の課題としています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
大谷工業は、経営の透明性と迅速な環境変化への対応を重視し、企業価値向上を目指すコーポレート・ガバナンスを基本方針としています。取締役会による監督機能の強化と業務執行の迅速化を図るため、執行役員制度を導入しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
大谷工業の株主構成を見ると、筆頭株主はニュー・オータニであり、同社グループの関連会社が上位に名を連ねています。これにより、特定の企業グループが同社の経営を支えていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ニュー・オータニ | 27.82% |
| エムアンドエーコーポレーション | 9.93% |
| テーオーシーサプライ | 7.05% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は鈴木和也氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鈴 木 和 也 | 取締役社長(代表取締役) | 1981年4月同社入社、2018年6月同社代表取締役社長、2025年6月同社代表取締役社長 社長執行役員より現職。 |
| 中 澤 忠 彦 | 常務取締役 | 1983年4月同社入社、2019年6月同社取締役管理・IR担当兼管理グループマネージャー、2023年6月同社常務取締役より現職。 |
| 市 道 宏 司 | 取締役 | 1993年4月同社入社、2025年6月同社執行役員営業第一グループマネージャー、2026年6月同社取締役 執行役員より現職。 |
社外取締役は、大谷卓男氏(㈱テーオーシー代表取締役社長)、崎山喜代志氏(㈱ニュー・オータニ取締役)、長谷修嗣氏(㈱テーオーシー顧問)です。
同社は監査役会設置会社であり、監査役会が経営監視機能を担っています。社外取締役は経営陣から独立した立場で、経営に関する助言や監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
大谷工業の役員報酬は、役員の役位や経歴、責任に応じた基本報酬を主としています。社外役員および監査役についても、業務執行から独立した立場での助言・監督に対する基本報酬が設定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 60百万円 | 10.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 7百万円 | 1.4百万円 |
役員報酬の総額は73百万円であり、支給対象となった役員は合計12名です。
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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