【平均年699万円】アルインコ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年699万円】アルインコ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

アルインコは、建設機材、住宅機器、フィットネス機器、電子機器の製造・販売をグループ各社とともに展開する企業です。直近期は売上高が過去最高を更新し増収となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました。


※本記事は、アルインコ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年3月21日 ~ 2026年3月20日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


アルインコは、建設用仮設機材の製造・販売・レンタル、住宅・建築現場用アルミ製品、フィットネス機器、電子製品の製造・販売を主な事業とする企業グループです。グループ各社とともに、物流や研究などの関連事業も展開しています。

単体従業員数は766名、連結従業員数は1,471名です。同社グループの事業セグメントは、建設機材関連事業、レンタル関連事業、住宅機器関連事業、電子機器関連事業の4つです。

主な国内グループ会社は、アルインコ富山(電子機器・関連事業)、東京仮設ビルト(レンタル・関連事業)、光モール(住宅機器・関連事業)、オリエンタル機材、双福鋼器(建設機材関連事業)などです。

なお、2026年3月21日付で東京仮設ビルトの商号はアルインコビルテクノに、東電子工業の商号はアルインコイーテックにそれぞれ変更されています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


アルインコは、建設機材、レンタル、住宅機器、電子機器と多岐にわたる事業を展開しており、その事業特性が給与水準や働き方にも影響を与えています。同社グループは、安定した事業基盤のもと、社員の成長を重視した人材育成と多様な働き方を推進しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も安定していることから、従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境にあると考えられます。人材の定着が進んでおり、経験豊富な従業員が多数在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,993,000円
平均勤続年数 13.3年
平均年齢 40.8歳
単体従業員数 766人
連結従業員数 1,471人
単体のグループ内比率 52.1%


同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度を採用しています。これは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です。

この制度は、同社及び連結子会社の従業員が対象となっています。退職一時金制度があり、給与と勤務期間に基づいて一時金が支給されます。

退職給付債務は29.0億円、年金資産は65.7億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、経営理念である「社員の成長」を掲げ、人材育成をサステナビリティへの取り組みを加速するための重要課題の一つと位置付けています。目指すべき人材像として共有すべき6つの価値観を定めており、社員一人ひとりが最大限の能力を発揮することを目指しています。

多様な働き方の実現や、研修、OJTによる継続的な育成を通じて、人材育成に取り組んでいます。また、管理職層に女性、中途採用者、外国人等の多様な人材を組み合わせて配置し、中核人材の多様性を確保することが持続的な成長に必要であると考えています。

女性が活躍できる土壌を意識と制度の両面から醸成し、家庭生活との両立を図るために必要な雇用環境の整備にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。常時雇用する労働者が101名以上の国内連結子会社は存在しないため、連結子会社のデータは記載されていません。男女の賃金の差異は、職掌・資格等級が同等であれば差は生じず、上位役職者における女性比率の低さが主な要因とされています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 7.6%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 65.8%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 72.3%
労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) 28.2%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アルインコは、建設用仮設機材の製造・販売・レンタルを主軸に、住宅・建築現場用アルミ製品、フィットネス機器、電子製品など多岐にわたる事業を展開しています。同社グループは、これら複数の事業セグメントを通じて収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


アルインコグループは、建設現場や住宅、さらには個人の生活空間まで、幅広い分野で製品とサービスを提供しています。主力は建設用仮設機材の製造・販売・レンタルであり、インフラ整備や都市開発の需要に応えています。また、住宅・建築現場向けのアルミ製品やフィットネス機器、無線通信機器などの電子製品も手掛けています。各事業はそれぞれ異なる顧客層と収益源を持ち、多角的なビジネスモデルを構築しています。

建設機材関連事業

建設用仮設機材や物流保管設備機器の製造・販売を行っています。収益は、建設現場向けの仮設機材の販売から得ています。建設需要は堅調に推移しており、主力製品の「アルバトロス」を中心に販売が増加しています。

レンタル関連事業

中高層用・低層用仮設機材や仮設観覧席のレンタルを提供しています。収益は、仮設機材のレンタルサービスから得ています。首都圏を中心に主要製品の稼働率が順調に推移し、売上高は前期並みとなっています。

住宅機器関連事業

はしご・脚立、アルミ型材、据置式昇降作業台、測量機器、フィットネス関連商品などを製造・販売しています。収益は、高所作業台や玄米保冷庫、フィットネス製品などの販売から得ています。建機レンタル向け高所作業台や玄米保冷庫の販売が好調に推移し、売上高は増加しています。

電子機器関連事業

無線通信機器やプリント配線板の製造・販売を行っています。収益は、消防無線などの無線通信機器の販売から得ています。消防無線の更新需要が売上高の増加を牽引し、前期比で大きく伸びています。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の90%を超えており、国内市場が主要な収益基盤となっています。特定の顧客への収益集中は見られず、多様な顧客基盤を持つことが示されています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
建設機材関連事業 246億円 247億円
レンタル関連事業 180億円 179億円
住宅機器関連事業 140億円 145億円
電子機器関連事業 50.6億円 56.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


アルインコグループの直近5期間の業績を見ると、売上高は増加傾向にあり、特に当期は過去最高を更新しました。経常利益も概ね堅調に推移していますが、親会社株主に帰属する当期純利益は、当期において減少する結果となりました。これは特別利益の減少が主な要因であり、営業活動による本業の収益力は維持されている状況です。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 553億円 607億円 579億円 616億円 626億円
経常利益 11.3億円 35.7億円 28.8億円 26.8億円 27.8億円
経常利益率 2.0% 5.9% 5.0% 4.3% 4.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 4.5億円 15.5億円 19.9億円 19.6億円 17.5億円
1株当たり当期純利益(円) 23.28 79.20 101.06 98.91 87.91

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期からわずかに減少しましたが、従業員1人あたりの営業利益は横ばいで推移しています。これは、売上高の増加がコスト増によって相殺され、生産性指標に大きな変化をもたらさなかったことを示唆しています。従業員1人あたりの営業利益が安定していることは、組織全体の効率性が維持されていることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 43.2百万円 42.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.5百万円 1.5百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均に近い水準で推移しており、安定した経営基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準ですが、着実に利益を計上しています。手元資金も一定規模を確保しており、事業運営の安定性に寄与しています。これらの財務状況は、長期的な視点での雇用や給与の安定性につながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 320億円 336億円
自己資本比率 45.1% 45.8%
ROE(自己資本利益率) 6.3% 5.4%
現金及び預金 69.4億円 66.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは33.5億円の収入となりました。これは前期に比べて減少していますが、次期以降の需要に対する計画的な生産による棚卸資産の増加や、消費税等、法人税等の支払額が増加したことが主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは△36.3億円の支出となり、有形固定資産の取得による支出が減少したことが影響しています。

その結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは△2.8億円とマイナスになっています。これは本業で得た資金を上回る投資を行っている「成長投資パターン」を示しており、将来に向けた事業基盤の強化に資金を投じている状況です。財務活動によるキャッシュフローは4.8億円の収入となり、長期借入れによる収入が増加したことが要因です。これらの資金の流れは、同社グループが事業成長のための投資を継続しており、中長期的な視点での雇用や給与の安定性、成長性につながる可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 54.2億円 33.5億円
投資CF △55.6億円 △36.3億円
財務CF △1.0億円

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アルインコは、社会貢献と社員の成長を重視する経営理念のもと、持続可能な社会の実現を目指しています。
コンプライアンスを遵守し、多様な人材が活躍できる企業風土の醸成に取り組む会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


アルインコは、「社会に貢献」「会社の発展」「社員の成長」を経営の基本理念としています。
この理念に基づき、良質な製品・サービスを幅広く社会に提供することを目指しています。
コンプライアンスに沿った企業活動を通じて適正な利益を確保し、株主への利益還元を重視する方針です。
また、取引先、社員、地域住民等関係各位の信頼と期待に応え、社会的責任を果たすことにより、永続的な会社の発展を図ります。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


アルインコは、経営理念である「社会に貢献」「会社の発展」「社員の成長」に基づき、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指しています。
同社グループは、サステナビリティへの取り組みを加速するため、「気候変動」「資源循環」「働き方改革」「人材育成」「社会貢献」「企業統治」の6つを重要課題として特定しています。
「社員の成長」を経営理念に掲げ、目指すべき人材像として共有すべき6つの価値観を定めています。
多様な働き方の実現や、社員一人ひとりが最大限の能力を発揮することを目指した人材育成に取り組んでいます。
管理職層の多様性確保や、女性が活躍できる雇用環境の整備にも力を入れています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中長期の飛躍を図るため、「中期経営計画2027」を策定し、その実現に向けた取り組みを進めています。
この計画では、「コア事業の進化と事業ポートフォリオの再構築」を重点テーマの一つとしています。
また、「資本コストや株価を意識した経営の実現」も重要なポイントとして掲げられています。
これらの取り組みは、「中期経営計画2027」の最終年度となる次期においても一層強化される方針です。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アルインコは監査等委員会設置会社として、取締役会の監査・監督機能の強化とコーポレートガバナンスの実効性向上を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は事業会社のアルメイトです。上位株主には、アルインコ共栄会やアルインコ従業員持株会といった同社グループ関連の株主、および代表取締役会長を含む個人株主が複数名を占めています。

株主名 持株比率
アルメイト 15.79%
アルインコ共栄会 6.89%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 6.74%
アルインコ従業員持株会 3.83%
井上雄策 3.15%


なお、㈲エスアイエムは2026年3月2日付にてアルメイトに吸収合併され、提出日現在では大株主ではなくなっています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長兼社長執行役員は小林宣夫氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
井上 雄策 代表取締役会長 1967年4月㈲井上鉄工所入社、1970年7月井上鉄工㈱(現アルインコ㈱)設立専務取締役。1993年6月同社代表取締役社長、2009年6月同社代表取締役会長を経て、2019年12月より現職。
小林 宣夫 代表取締役社長 兼 社長執行役員 1980年4月㈱大阪銀行(現㈱関西みらい銀行)入社。2010年4月同社入社、執行役員財務部長。2012年6月同社取締役、2019年12月同社代表取締役社長を経て、2021年6月より現職。
岡本 昌敏 取締役 兼 専務執行役員 1982年3月同社入社。2012年6月同社執行役員、2015年6月同社取締役。2023年6月同社取締役兼専務執行役員、2026年3月より現職。
井上 智晶 取締役 兼 専務執行役員 営業本部長 兼 生産本部担当 兼 技術開発本部担当 1996年4月阪和興業㈱入社。1999年11月同社入社。2023年6月同社取締役兼上席執行役員、2026年3月より現職。
坂口 豪志 取締役 兼 常務執行役員 営業本部副本部長 兼 海外レンタル事業部長 兼 経理本部担当 1984年3月同社入社。2014年6月同社執行役員、2017年6月同社取締役。2021年6月同社取締役兼常務執行役員、2026年3月より現職。


社外取締役は、水野浩児氏(追手門学院大学経営学部長兼経営学部教授・指名・報酬委員会の委員)、細川明子氏(税理士法人細川総合パートナーズ社員・指名・報酬委員会の委員)、衣目成雄氏(衣目公認会計士・税理士事務所代表・監査等委員・指名・報酬委員会の委員)、野村新平氏(弁護士法人野村総合法律事務所弁護士・監査等委員・指名・報酬委員会の委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監査・監督機能の強化とコーポレートガバナンスの実効性向上を目指しています。社外取締役は、専門的知見を活かして客観的・中立的な立場から経営への助言・監督を行い、内部監査や会計監査との連携を通じて内部統制システムの構築・運用状況を監督する体制です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬で構成されています。取締役(監査等委員を除く)の報酬は、企業業績と株主価値の持続的向上を目的とした業績連動性を重視した設計です。社外取締役の報酬は、客観的かつ独立した立場からの経営監督という役割を考慮し、固定の月額報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 2.3億円 45.4百万円
監査等委員(社外除く) 1名 16百万円 16.0百万円
社外取締役 4名 24百万円 6.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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