【平均年収664万円】阪神内燃機工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収664万円】阪神内燃機工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

阪神内燃機工業は、船舶用ディーゼル機関の製造販売を主軸に、部分品販売や修理工事などの関連サービスも手掛ける企業です。直近の業績は、受注高・売上高が増加し、利益面でも増益を達成するなど堅調に推移しています。


目次

※本記事は、阪神内燃機工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


阪神内燃機工業は、船舶用ディーゼル機関等の製造販売を主な事業としています。また、当該製品に伴う部分品の販売や修理工事も手掛けています。

単体従業員数は302名です。同社は舶用機関関連事業の単一セグメントで事業を展開しています。

阪神内燃機工業は、船舶用ディーゼル機関や可変ピッチプロペラなどの主機関の製造販売に加え、部分品販売、修理工事、保守管理、機械加工といったサービスも提供しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


阪神内燃機工業は、舶用機関関連事業を専門とする企業です。従業員の平均勤続年数が長く、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、働きがいのある職場であると考えられます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、人材が定着しやすい傾向にあることがうかがえます。これは、長期的な視点でキャリアを形成したいと考える方にとって魅力的な要素となるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 6,637,704円
平均勤続年数 19年3ヶ月
平均年齢 42歳11ヶ月
単体従業員数 302人


同社は、確定給付型年金制度と確定拠出年金制度の両方を設けています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

退職一時金制度も存在します。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は12.8億円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は中期経営計画において「未来を担う人材開発」を中期目標に掲げ、人材育成を重視しています。具体的には、「部下育成能力養成」「人権尊重」「起業家精神の育成」の3つを人材育成の柱としています。事業環境の変化に柔軟かつ迅速に対応し、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出すことが、持続的な企業価値向上につながると考えています。

この考え方に基づき、同社は2025年10月1日付で会社組織を部課制からグループ・チーム制へ見直し、業務の機動性向上と部門横断的な連携強化を図っています。また、現場に近い意思決定を可能とする組織運営を目指しています。人材の育成・教育を主眼とした人事評価制度を構築し、評価の透明性および公平性の向上を図るとともに、中期経営計画や各部門の目標を全社員に浸透させる仕組みを整備しています。

従業員の給与やその他の給付額は、社内の従業員賃金規則および役割等級規程に基づいて決定されます。賞与の額は、毎年2月から3月に開催される会社と労働組合による交渉で決定した年間支給月数と、役割等級規程に基づいて決定されます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 4.3%
男性労働者の育児休業取得率 62.5%
労働者の男女の賃金の額の差異(全社員) 83.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(正社員) 82.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(非正社員) 44.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


阪神内燃機工業は、船舶用ディーゼル機関の製造販売を主軸に事業を展開しています。これに加えて、関連する部分品の販売や修理工事、保守管理といったアフターサービスも提供しており、多角的なアプローチで船舶業界を支えています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は舶用機関関連事業の単一セグメントで事業を行っていますが、その内容は「主機関」と「部分品・修理工事」の二つの区分で構成されています。主機関事業では、船舶用ディーゼル機関をはじめ、可変ピッチプロペラ、サイドスラスタ、潤滑油・燃料油清浄装置、遠隔機関監視システムなどを主要な製品としています。

一方、部分品・修理工事事業では、主機関に付随する部分品の提供、修理工事、保守管理、機械加工といったサービスを手掛けています。同社の収益は、これらの製品販売とサービス提供から得られており、特に主機関の大型化や海外向けの修理工事案件が増加することで売上を伸ばしています。資材価格の高騰に対しては、価格転嫁を進めるとともに各種経費の抑制に努めることで、利益の確保に努めています。また、鋳造・金属機械加工(CMR)事業も展開していますが、こちらは売上高が前事業年度並みにとどまっています。地域別では日本が最大の売上を占めていますが、東アジアや東南アジア、中央アメリカなど海外市場での売上も一定の割合を占めており、特に韓国向けの大型機関の輸出が増加しています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の直近の業績は、受注高、売上高ともに前期から増加しています。特に主機関の受注が増加したことにより、受注高は大きく伸び、それに伴い受注残高も大幅に増加する傾向が見られます。損益面においても、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から増加しており、堅調な推移を示しています。これは、資材価格高騰分の価格転嫁や各種経費の抑制が奏功した結果となっています。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社は、事業活動で得た資金を投資に回し、将来に向けた基盤強化を進めている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。手元資金として一定の現金及び預金を保有しており、事業運営における安定性を示しています。これらの財務状況は、同社が安定した事業活動を継続し、従業員の雇用や給与水準を維持していく上での基盤となっていると考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 148.0億円 156.3億円
自己資本比率 59.2% 60.6%
ROE(自己資本利益率) - -
現金及び預金 46.7億円 40.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社の本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローはプラスであり、事業活動を通じて資金を生み出している状況です。一方で、投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、主に有形及び無形固定資産の取得や保険積立金の積立に資金を投じています。この結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っていることが示されています。財務活動によるキャッシュフローもマイナスであり、主に配当金の支払いに資金を使用しています。同社は事業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てており、積極的な事業展開を通じて安定した雇用と給与水準の維持を目指している状況がうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF - 4.1億円
投資CF - △6.8億円
財務CF - △3.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) - △2.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は国内内航船業界に偏重しているため、主機関の受注減少リスクを抱えています。内航海運業界の隻数減少や造船所の建造能力の制約、メーカー間の受注競争激化が要因となっています。また、資材価格の高騰に起因したコストアップを主機関の価格に転嫁することが困難な場合、業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

日本の少子高齢化に伴い、新卒人材の採用が困難な状況が継続するリスクがあります。計画人数に満たない状況が続けば、技術やノウハウの社内伝承が進まず、事業機会を失うことで経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


阪神内燃機工業は、100年を超える歴史の中で培われた経験と知識を基盤に、社会課題の解決を通じてお客様の満足度向上と経済価値の向上を目指す企業です。脱炭素社会への貢献や働きやすい職場環境の実現を重要な経営テーマと位置付け、持続可能な社会の実現に貢献する方針を掲げています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


阪神内燃機工業は、100年を超える経験と知識を基盤に、さらなる発展を目指しています。事業分野の制約を設けず、社会課題の解決を第一に認識し、お客様の満足度向上と経済価値の向上を基本理念としています。

この理念のもと、GHGフリーの技術開発、CMR(鋳物・金属機械加工)事業の拡大、新規事業の研究開発を推進しています。同社のスローガンは「鉄と工(たくみ)の創造力で掴むWIN-NOVATION(WIN+INNOVATION)」と設定されています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


阪神内燃機工業は、サステナビリティ課題への対応を中長期的な企業価値向上に資する重要な経営テーマと位置付けています。役員および従業員が共通認識のもとで取り組むため、重要課題(マテリアリティ)を設定しています。

設定された重要課題は、脱炭素社会・循環型社会への対応、働きやすい職場環境の実現、コンプライアンスの徹底の3点です。ESGを通じて持続可能な社会の実現に貢献する方針を掲げています。

また、同社は中期経営計画において「未来を担う人材開発」を中期目標としています。起業家精神を持った人材育成と連動させた社内ベンチャー「F-WINGプロジェクト」を推進し、新事業・新商品の創出を目指すカルチャーがあります。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


阪神内燃機工業は、社会課題の解決を第一に認識し、お客様の満足度向上と経済価値の向上を目指しています。この理念のもと、GHGフリーの技術開発、CMR(鋳物・金属機械加工)事業の拡大、新規事業の研究開発を重点テーマとして推進しています。

また、同社はサステナビリティに関する重要課題として、脱炭素社会・循環型社会への対応、働きやすい職場環境の実現、コンプライアンスの徹底を掲げています。これらの課題への対応を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


阪神内燃機工業は、監査等委員会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制の強化を図っています。取締役会は、法令で定められた事項や経営に係る重要事項の意思決定、業務全般の業況報告及び監督を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


阪神内燃機工業の株主構成を見ると、国内外の機関投資家や取引先、同社関係者が上位に名を連ねています。筆頭株主はGOLDMAN SACHS INTERNATIONALであり、多様な株主によって支えられていることがうかがえます。また、阪神ディーゼル取引先持株会やオゾネといった関連性の高い株主も上位に位置しています。

株主名 持株比率
GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL 8.32%
阪神ディーゼル取引先持株会 6.95%
オゾネ 6.24%
三井住友銀行 4.87%
アンダーウッド 4.54%


なお、前事業年度末において主要株主でなかったGOLDMAN SACHS INTERNATIONALは、当事業年度末現在では主要株主となっています。また、オールド・ピーク・グループ・リミテッドより大量保有報告書の変更報告書が提出されていますが、同社として実質所有状況の確認ができないため大株主の状況には含められていません。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長社長執行役員は木下和彦氏が務めています。社外取締役比率は11.1%です。

氏名 役職 主な経歴
木下 和彦 代表取締役 社長 社長執行役員 1983年4月 ㈱大丸入社、1992年3月 同社入社、1995年6月 取締役営業統括部長、2007年6月 代表取締役社長、2015年6月 代表取締役社長・社長執行役員より現職。
川元 克幸 代表取締役 専務執行役員 技術統括本部長 1982年4月 同社入社、2015年6月 取締役・執行役員品質保証部長兼部品販売部長、2019年6月 代表取締役・専務執行役員技術部・調達部管掌、2023年6月 代表取締役・専務執行役員技術統括本部長より現職。
藤村 欣則 取締役 常務執行役員 営業統括本部長 1986年4月 同社入社、2015年6月 執行役員営業部長、2018年6月 取締役・執行役員営業部長、営業部門管掌、2024年6月 取締役・常務執行役員営業統括本部長より現職。
中川 智 取締役 常務執行役員 経営統括本部長 1984年4月 松下電器産業㈱(現パナソニックホールディングス㈱)入社、2009年10月 同社入社 企画部長、2018年6月 取締役・執行役員企画部長、管理部門管掌、2024年6月 取締役・常務執行役員経営統括本部長より現職。


社外取締役は、小曽根佳生氏(オゾネ代表取締役社長)、羽田由可氏(H&S法律事務所開設・神戸大学大学院法学研究科実務法曹教授)、前田晴秀氏(京阪神興業代表取締役社長)、塩入みか氏(芦屋国際特許事務所開設)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、コーポレート・ガバナンス体制の強化を図っています。社外取締役は経営監視機能の客観性・中立性確保の観点から選任されており、経営者としての経験や財務・会計・法務等に関する知見に基づき、適切な助言や監査を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


阪神内燃機工業の役員報酬は、企業価値の持続的な向上と株主利益との連動を重視した体系となっています。業務執行取締役に対しては、基準報酬に加えて業績連動報酬と譲渡制限付株式による非金銭報酬を付与しています。非業務執行取締役には基準報酬のみを支給する構成です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 1.1億円 28.7百万円
監査等委員(社外除く) 1名 8百万円 8.4百万円
社外役員 4名 20百万円 4.9百万円


役員報酬の総額は142百万円であり、対象となる役員の合計は9名です。

なお、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の報酬等の総額には、使用人兼務役員の使用人分給与は含まれていません。また、業績連動報酬等および譲渡制限付株式報酬には、当事業年度において費用計上した額が記載されています。

報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。