※本記事は、株式会社赤阪鐵工所 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
赤阪鐵工所は、内燃機関関連事業を主軸とする企業です。舶用内燃機関やその部分品、産業・土木機械の製造販売および修理工事を手がけています。
同社の単体従業員数は283名です。事業セグメントは内燃機関関連事業の単一です。
赤阪鐵工所は、舶用内燃機関及び部分品、産業・土木機械の製造販売及び修理工事を主要な事業としています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社赤阪鐵工所は、従業員の安定的な定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境づくりに取り組んでいます。働きがいのある職場を目指し、多様な人材が活躍できるような制度設計や環境整備を進めていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が長く、従業員が長期にわたってキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も比較的高い水準であり、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,243,709円 |
| 平均勤続年数 | 18.0年 |
| 平均年齢 | 43.21歳 |
| 単体従業員数 | 283人 |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型および非積立型の確定給付制度を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は12.3億円、年金資産は17.6億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、持続可能な社会の実現に貢献するため、多様な個性を活かし、人材へ積極的に投資することで会社の成長を支える人材育成を重視しています。人事処遇制度に基づき、個々の社員の職務内容や役職に応じた適切な報酬水準を設定しています。
業績や行動に対して適切に評価し報いる人事評価制度を導入しており、業績評価、取組姿勢評価、能力評価を基に昇給昇格が行われます。評価者の公平性、透明性を確保するため、年1回の評価者訓練も実施しています。
人材確保においては、リファラル採用など新たな手法を導入し、外国籍社員や障がい者の雇用機会も提供しています。女性が活躍できる雇用環境の整備にも取り組み、女性社員の雇用促進とキャリアアップできる環境づくりを進めています。
人材育成では、人事評価や教育訓練制度に基づき、職種・役割に応じた階層別教育やスキル習得を支援しています。業務知識・技能の継承のため、各職場での教育訓練(部門PU塾)を定期的に開催しています。
労働環境の整備として、月2〜3回の定時退社日を設け、残業時間の削減と効率的な業務遂行を推進しています。年次有給休暇の取得推進のため、誕生日休暇やメモリアルデー、時季指定一斉休日を設定し、ワークライフバランスの充実を図っています。男性の子育て目的の休暇や育児・介護休暇制度の拡充も進めています。
安全衛生活動と健康経営にも力を入れており、労働災害ゼロを目標に安全意識の向上と活動の定着に取り組んでいます。ストレスチェックを毎年実施し、働きやすい職場環境の継続的改善を図っています。2022年からは健康経営の取り組みを開始し、健康診断再受診促進やウォーキングイベントなどを推進しており、2026年3月には「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されました。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
女性管理職比率および男性育児休業取得率は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。当事業年度は、育児休業の対象となる従業員がおりませんでした。相対的に賃金の高くなる管理職に、女性が少ないことから、男女賃金差異に格差が生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男女賃金差異(全労働者) | 77.2% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 82.4% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 86.8% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 新卒採用人数 | 3人 |
| 中途採用人数 | 9人 |
| 女性採用比率 | 8.3% |
| 女性社員比率 | 13.6% |
| 女性管理職比率(係長級) | 7.4% |
| 外国籍社員比率 | 1.3% |
| 障がい者雇用(法定雇用率 2.5%) | 5人 |
育児・介護支援
当事業年度は、育児休業の対象となる従業員がおりませんでした。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育児休業取得者数(男女合計) | - |
| 育児休業取得率 | - |
健康・安全
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 休業労災発生件数 | 1件 |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 月平均残業時間 | 11.3時間 |
| 年次有給休暇取得率 | 68.1% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
赤阪鐵工所は、内燃機関関連事業を主軸に展開する企業です。船舶用内燃機関の製造販売や修理工事を中心に、幅広い事業活動を行っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
赤阪鐵工所グループは、同社と関連会社1社で構成されており、内燃機関関連事業を主な事業としています。この事業では、舶用内燃機関やその部分品の製造販売、修理工事を手掛けています。また、産業・土木機械の製造販売及び修理工事も行っています。
同社の事業は、舶用内燃機関及び部分品の設計・製造・修理・販売、そしてその関連事業を主体とした単一セグメントで構成されています。収益は、これらの製品の販売や修理工事から得ています。主な相手先別の販売実績において、総販売実績に対する割合が10%を超える取引先はありません。
同社は海外にも事業を展開しており、日本だけでなくシンガポールや台湾など、複数の国や地域で顧客にサービスを提供しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の業績を見ると、同社の売上高は増加傾向にあります。これは主に、舶用内燃機関及び部分品・修理工事の売上が増加したことによるものです。
一方で、経常利益は大幅な減少を示しています。原材料価格や購入品価格の上昇、各種経費の値上がりが大きく影響し、これらのコスト上昇分を販売価格に十分に転嫁できなかったことが要因です。また、低燃費型新機種製造に向けた木型等製作による減価償却費の増加も収益に影響を及ぼしました。
しかし、当期純利益は大きく増加しました。これは、保有株式の一部売却による特別利益の計上が寄与したことによるものです。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
このセクションは、必要なデータが提供されていないため、省略します。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、売上高の増加と当期純利益の大幅な増加を達成しており、財務基盤の安定性を示す自己資本比率も高い水準を維持しています。キャッシュフローも本業で資金を生み出し、投資を賄う優良な状態を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率が高い水準を維持しており、プライム市場の製造業平均を上回っています。前期と比較するとやや減少していますが、安定した財務体質を保っていることを示しています。
ROE(自己資本利益率)は前期から改善が見られますが、プライム市場平均と比較すると低い水準にあります。手元資金を示す現金及び預金等は前期から増加しており、資金の流動性も確保されています。これらの財務状況は、同社の事業運営における安定性を示しており、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる基盤であると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 89.6億円 | 109.6億円 |
| 自己資本比率 | 63.8% | 60.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 0.5% | 2.3% |
| 現金及び預金等 | 6.1億円 | 9.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、当事業年度において営業活動によるキャッシュフローがプラスとなりました。これは主に、税引前当期純利益や減価償却費、仕入債務の増加などによるものです。前期は営業活動によるキャッシュフローがマイナスでしたが、当期は本業で資金を生み出す状況に転じています。
投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、固定資産の取得による支出が主な要因です。これは、事業に必要な設備投資を行っていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローはプラスで、長期借入れによる収入が主な要因となっています。
これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなっており、同社は本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出している状況です。この資金の流れは、同社が安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しており、従業員の雇用や給与の安定性にも良い影響を与える基盤であると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △5.3億円 | 3.1億円 |
| 投資CF | △3.1億円 | △1.4億円 |
| 財務CF | 0.4億円 | 1.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △8.4億円 | 1.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は舶用内燃機関を中心とした事業活動を行っており、造船会社への船舶受注状況が業績に影響を与える可能性があります。世界的な経済動向による受注量の変動や採算性の悪化がリスクとして挙げられています。
また、船舶に関する環境規制の動向も重要なリスクです。IMO(国際海事機関)による規制内容の変化や炭素税などのカーボンプライシング導入により、製品の販売活動が制限されたり、コスト上昇分を販売価格に転嫁できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、事業運営に必要な各種資格や技能を持つ人材の確保がリスクとして認識されています。少子高齢化による労働人口の減少や従業員の離職により、想定する人員体制を確保できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
赤阪鐵工所は、長年にわたり培ってきた技術と信頼を基盤に、社会貢献と持続的な成長を目指す企業です。顧客第一主義を掲げ、社員の笑顔を育む未来を創造していくことを大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「顧客第一主義」を経営理念に掲げ、高度な品質管理とスピーディなサービスをモットーに、信頼される製品づくりを通じて社会貢献を果たすことを目指しています。経営ビジョンとしては「人と地球環境に優しいエンジンシステムの提供」「事業の多柱化による成長分野での躍進」「社員の笑顔を育む次の100年」を掲げています。
また、キーワード「挑みやり切り未来を創造」を常に念頭に置き、原点に立ち戻り業務を遂行する姿勢を示しています。創業者遺訓「決して、船主や乗組員に迷惑をかけるような機械を造ってはならない」も、同社の製品づくりにおける重要な指針となっています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
赤阪鐵工所は、社是として「誠意・親切・感謝・和合・努力」を掲げ、これらの価値観に基づいた行動を重視しています。顧客第一主義を貫き、信頼される製品づくりを通じて社会に貢献することを大切にしています。
また、サステナビリティに関する取り組みでは「働きやすく、人に優しい職場づくり」をSDGsアクションの一つとして掲げています。多様な個性を活かし、人材へ積極的に投資することで、会社の成長を支える人材を育成することが重要であると考えています。
ガバナンスにおいては、内部統制委員会がリスク管理を行い、取締役会が重要な経営・事業戦略を監督する体制を構築しています。環境経営管理システム(EMS)の構築にも取り組むなど、経営と環境をリンクさせた活動を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
赤阪鐵工所は、中長期的な企業価値の向上を実現するため、複数の重要な課題に取り組んでいます。環境規制への対応や船舶の省人化・省エネルギー要請に応えるため、環境負荷低減に資する次世代機関の研究開発を推進しています。
また、運航効率向上や省力化を実現する各種システムの開発・商品化にも取り組んでいます。製品に対する信頼確保の基盤である品質の維持・向上を図るため、品質マネジメントシステムの一層の高度化を進めています。
さらに、技術者・技能者の育成や技術伝承を通じて、管理力、技術力および技能の底上げにも取り組んでいます。主機関事業に続く次なる事業の柱の確立を目指し、各種プラント事業の強化や新規事業の育成にも注力しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、少人数で構成される取締役会と監査役会制度を採用しており、社外役員による経営監視機能の強化を図っています。迅速な意思決定と透明性の確保を重視したガバナンス体制となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は「アカサカ共栄会」という団体です。上位には「DNB BANK ASA CLIENT ACCOUNT」のような機関投資家や、複数の金融機関、事業会社、そして個人株主が名を連ねています。特定の株主が突出して高い比率を占めるのではなく、多様な株主によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| アカサカ共栄会 | 9.06% |
| DNB BANK ASA CLIENT ACCOUNT(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) | 7.12% |
| 東京アカサカ共栄会 | 5.45% |
| 静岡銀行 | 4.71% |
| みずほ銀行 | 4.71% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.0%です。代表取締役社長は阪口勝彦氏が務めています。社外取締役比率は12.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 阪口 勝彦 | 代表取締役社長 | 1985年4月三菱重工業株式会社神戸造船所入社、2014年10月同社に移籍、2023年4月代表取締役社長に就任より現職。 |
| 塚本 義之 | 代表取締役専務執行役員管理本部長 | 1983年4月静岡銀行入行、2014年7月同社に出向、2023年7月代表取締役専務執行役員管理本部長に就任より現職。 |
| 渡瀬 守 | 常務取締役執行役員品質保証本部長 | 1985年10月同社入社、2012年7月技術グループ部長に就任、2023年4月常務取締役執行役員品質保証本部長に就任より現職。 |
| 斉藤 隆夫 | 取締役執行役員営業本部長 | 1984年4月同社入社、2016年7月営業部部長に就任、2022年6月取締役執行役員営業本部長に就任より現職。 |
| 黒田 透 | 取締役執行役員技術本部長 | 2009年7月同社入社、2022年7月執行役員技術副本部長に就任、2024年6月取締役執行役員技術本部長に就任より現職。 |
| 赤阪 治恒 | 取締役 | 2001年4月同社入社、2010年6月取締役営業本部本部長付に就任、2016年6月代表取締役社長に就任、2019年7月取締役に就任より現職。 |
社外取締役は、西村やす子氏(司法書士法人つかさ設立代表)、野末寿一氏(静岡のぞみ法律特許事務所弁護士)、中野良治氏(元三菱重工業株式会社横浜製作所ディーゼル技術部部長)、長沢芳裕氏(元静岡銀行常務執行役員)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役2名が経営の監視機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、取締役の報酬について、役位に応じた基準額と業績見込みを参考に決定する基本報酬と、中長期的な企業価値増大への貢献意識を高めるための株式報酬制度を導入しています。業績連動報酬は採用せず、基本報酬は月例の固定金銭報酬です。監査役の報酬は、経営に対する独立性と客観性を重視し、月例の固定金銭報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 90百万円 | 15.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 10.6百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 14百万円 | 2.9百万円 |
取締役の支給額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。また、当事業年度は、上記の報酬等の他に退任監査役に対し役員退職慰労金250千円を支給しています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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