※本記事は、株式会社電業社機械製作所 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
電業社機械製作所グループは、風水力機械、エネルギー回収装置、廃水処理装置・廃棄物処理装置、配電盤・電気計装制御装置・電気通信制御装置などの製造・販売、据付工事を主な事業内容としています。これらに附帯する業務も手掛けています。
単体従業員数は495名、連結従業員数は556名です。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)電業社工事(風水力機器等の保守、点検等)、(連結子会社)エコアドバンスなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社電業社機械製作所は、風水力機器の製造・据付・販売を主軸とする企業です。同社グループは、ものづくりの技術を核に持続的な成長を目指し、人材育成と多様な働き方を重視する方針を示しています。従業員が能力を発揮できる環境づくりに注力しており、安定した基盤の中でキャリアを築きたいと考える方にとって、働きがいのある職場が期待されます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向が見られます。これは、長期間にわたって専門性を深め、安定してキャリアを継続できる環境があることを示唆しています。経験豊富な人材が多数在籍し、技術やノウハウが継承されていることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,802,000円 |
| 平均勤続年数 | 16.1年 |
| 平均年齢 | 39.8歳 |
| 単体従業員数 | 495人 |
| 連結従業員数 | 556人 |
| 単体のグループ内比率 | 89.0% |
同社グループは、確定給付型の退職給付制度を設けています(確定給付型とは、給与や勤続年数などに応じて将来受け取る給付額があらかじめ決まっている制度です)。この制度は同社および連結子会社に適用されています。
また、退職一時金制度も導入されています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は35.4億円、年金資産は37.4億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「人間中心」「人材育成」を経営理念とし、サステナビリティ基本方針で「従業員と共に」を掲げています。従業員の雇用や処遇における差別をせず公平に対応し、多様性の確保に努めるとともに、安全・安心で健康的な職場環境の維持・向上を目指しています。自己実現の場の提供と自己啓発の支援を通じて、従業員の能力開発に取り組む方針です。
従業員の給与は、職務内容、業務実績、経験などを総合的に勘案して決定されます。企業業績や社会情勢も踏まえ、適切な水準の維持に努めることで、従業員と企業が共存共栄し、持続的な成長を目指しています。
人材育成においては、国内の労働力確保の難化やデジタル化への対応を見据え、人的資本への投資を拡充しています。多様な価値観を尊重し、グローバルに活躍できる人材の育成を方針としており、新入社員から執行役員まで各階層に応じた研修や、マネジメント基礎、経営幹部研修などの選抜型研修、職種別研修を実施しています。
社内環境整備では、従業員が安心して能力を発揮できるよう、ダイバーシティ経営と健康経営を推進しています。テレワークや時間単位の有給休暇制度、短時間勤務制度、在宅勤務制度、育児・介護を行う社員への両立支援制度の拡充など、柔軟な働き方を実現するための取り組みを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。正規雇用労働者の男女賃金差異は、主に男女間の管理職比率が低いことに起因しています。また、パート・有期労働者の男女賃金差異は、相対的に賃金の高い定年再雇用者の男性比率が高いことが主な要因です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 1.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 63.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 68.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 84.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 57.1% |
人的資本の充実
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 離職率 | 3.8% |
| 人的資本投資額(1人当たり) | 99,622円 |
| 採用者女性比率 | 8.6% |
| 係長級に占める女性比率 | 10.7% |
| 外国人社員数 | 60人 |
| 労働災害度数率 | 0 |
| 労働災害強度率 | 0 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
電業社機械製作所グループは、風水力機械の製造・販売、据付工事、およびこれらに附帯する業務を主軸として事業を展開しています。顧客のニーズに応じた製品提供と工事を通じて、社会インフラを支える役割を担っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
電業社機械製作所グループは、株式会社電業社機械製作所を中心に、電業社工事株式会社、株式会社エコアドバンス、DMWインド社の4社で構成されています。風水力機械、エネルギー回収装置、廃水処理装置・廃棄物処理装置、配電盤・電気計装制御装置・電気通信制御装置などの製造・販売、据付工事を主な事業内容としています。
同社グループの収益モデルは受注生産が基本であり、顧客との契約に基づき、一定の期間にわたって履行義務が充足されるにつれて収益を認識しています。主要な取扱製品としては、ポンプ、送風機、バルブ、その他製品があります。
販売実績を見ると、国内の官需部門と国内民需部門が主要な収益源となっていますが、海外部門も売上を計上しています。特定の顧客としては、株式会社守谷商会や東京都への販売実績が大きな割合を占める傾向にあります。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ポンプ | 202億円 | 194億円 |
| 送風機 | 57.8億円 | 68.8億円 |
| その他製品 | 17.1億円 | 16.6億円 |
| バルブ | 4.0億円 | 3.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
電業社機械製作所グループの直近5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向で推移しています。特に直近の2期間では、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がそれぞれ大きく伸びています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 228億円 | 239億円 | 241億円 | 281億円 | 282億円 |
| 経常利益 | 25.6億円 | 26.5億円 | 24.6億円 | 34.0億円 | 36.4億円 |
| 経常利益率 | 11.2% | 11.1% | 10.2% | 12.1% | 12.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 18.8億円 | 18.7億円 | 17.5億円 | 24.3億円 | 26.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 443.68 | 441.87 | 413.15 | 576.66 | 630.73 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
電業社機械製作所グループの従業員1人あたりの売上高(連結)と営業利益(連結)は、直近の期において前期から増加しています。これは、従業員一人ひとりの生産性が向上し、効率的な事業運営が進んでいることを示しています。
このような生産性の向上は、会社の収益体質の強化に寄与し、持続的な成長を支える要因となり得ます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 50.5百万円 | 50.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.8百万円 | 6.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動を通じて安定した資金を生み出し、堅実な財務基盤を維持していることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と安定したROEを示しており、堅固な経営状態にあることがうかがえます。手元資金も確保されており、事業の継続性や将来的な成長投資への対応力があると考えられます。このような財務の安定性は、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 278億円 | 307億円 |
| 自己資本比率 | 68.8% | 73.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.0% | 8.9% |
| 現金及び預金 | 65.2億円 | 60.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローがプラスで推移しています。これは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の増加要因があった一方で、仕入債務の減少や法人税等の支払額、売上債権の増加が減少要因となったことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、有形及び無形固定資産の取得による支出があったものの、投資有価証券の償還による収入もあり、投資支出は前期から減少しています。財務活動によるキャッシュフローもマイナスで、主に配当金の支払いが影響しています。
これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状態です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しており、従業員の雇用安定性や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 21.1億円 | 5.3億円 |
| 投資CF | △8.3億円 | △1.1億円 |
| 財務CF | △9.6億円 | △8.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 12.8億円 | 4.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、公共事業の占める割合が高く、公共投資の減少や企業間競争の激化により、収益環境が悪化する可能性があります。また、鉄鋼等の原材料やエネルギー価格の高騰、原油価格の急激な変動、為替レートの変動が製造コスト増加やプロジェクトの凍結を招き、業績に影響を与えるリスクがあります。
さらに、海外事業の拡大を推進する中で、国際情勢の変化に伴う紛争の勃発等により、サプライチェーンの遮断やプロジェクトの遂行に支障が生じる可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
情報セキュリティに関するリスクとして、基幹業務システムの障害やサイバー攻撃、不正アクセス等により、業務やサービスの遅滞・停止、重要情報の漏洩が発生する可能性が挙げられています。これに対し、全社員を対象とした情報セキュリティ教育や訓練を定期的に実施し、情報リテラシーの向上に努めています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
電業社機械製作所は、「物作りの技術を中心とした企業活動」を行う「技術創生」をコアコンセプトに掲げています。社会貢献や人材育成を重視し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指す企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
電業社機械製作所は、「物作りの技術を中心とした企業活動」を行う「技術創生」をコアコンセプトとしています。同社グループは「社会貢献」「人間中心」「環境貢献」「人材育成」の4つの経営理念を掲げ、将来的な発展を目指しています。
中長期的なビジョンとして、お客様に選ばれ続ける技術力と信頼を発揮し、風水力機械で世界の顧客課題に応える“ソリューションリーダー”となることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
電業社機械製作所は、経営理念として「社会貢献」「人間中心」「環境貢献」「人材育成」を重視しています。事業活動を通じて持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指すことを、サステナビリティに関する基本的な考え方としています。
同社グループは、サステナビリティに関する課題を経営上の重要課題と認識し、サステナビリティ委員会を設置して取り組んでいます。多様な価値観を尊重し、グローバルに活躍できる人材の育成を方針としています。
また、従業員が安心して能力を発揮できる職場づくりのため、ダイバーシティ経営と健康経営を推進し、働きやすい環境の維持・向上に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
電業社機械製作所は、「DMW中期経営計画2028」において、複数の最重要課題を掲げています。これには、経営資源の最適活用による生産性の向上やDX基盤の強化による業務効率化が含まれます。
また、人財力の向上に向けた人的資本経営の拡充や、企業価値の向上に向けたESG経営の推進も重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
電業社機械製作所は、監査等委員会設置会社として、取締役会による経営の意思決定と監督を行っています。取締役会は社外取締役を含む多様な構成となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
電業社機械製作所の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるGM INVESTMENTSです。その他、電業社取引先持株会や明治安田生命保険相互会社などの機関投資家、さらに複数の事業会社や金融機関が上位株主として名を連ねています。多様な背景を持つ株主が同社グループを支えていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| GM INVESTMENTS | 12.21% |
| 電業社取引先持株会 | 6.31% |
| 明治安田生命保険相互会社 | 4.24% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長 最高執行役員社長は彦坂典男氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 彦坂 典男 | 代表取締役社長 最高執行役員社長 | 1982年3月 同社入社。2011年4月 同社執行役員、営業本部産業システム営業部統括兼営業本部産業システム営業部長。2011年6月 同社取締役、上席執行役員、営業本部長。2023年4月 同社代表取締役社長、最高執行役員社長より現職。 |
| 稲垣 晃 | 取締役 常務執行役員 管理本部長 サステナビリティ推進室・関係会社統括 | 1984年4月 同社入社。2013年4月 同社執行役員、生産本部水力機械設計部・気体機械設計部・技術研究所統括兼生産本部水力機械設計部長。2017年6月 同社取締役、上席執行役員、管理本部長兼経営戦略室長、関連会社統括。2023年4月 同社取締役、常務執行役員、管理本部長、サステナビリティ推進室・関連会社統括より現職。 |
| 青山 匡志 | 取締役 常務執行役員 営業本部長 | 1990年4月 同社入社。2015年4月 同社執行役員、生産本部気体機械設計部統括兼生産本部水力機械設計部長兼生産本部技術研究所長。2022年6月 同社取締役、上席執行役員、生産本部プラント建設統括兼生産部長。2024年4月 同社取締役、常務執行役員、営業本部長より現職。 |
| 原 広志 | 取締役 上席執行役員 生産本部長 | 1983年4月 同社入社。2017年4月 同社執行役員、生産本部資材部長。2024年6月 同社取締役、上席執行役員、生産本部長より現職。 |
社外取締役は、杉井守氏(元明電舎取締役)、阿部泰光氏(元千代田化工建設常務執行役員)、山本英男氏(元小糸製作所常務執行役員・監査等委員)、市原美紀氏(市原美紀公認会計士事務所開業・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化と経営の透明性向上を図っています。独立性の高い社外取締役が取締役会の意思決定と監督に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
電業社機械製作所の役員報酬は、短期および中長期の業績向上と企業価値増大への貢献意欲を高めることを目的として設計されています。監査等委員でない取締役(社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬である基本報酬、短期インセンティブとしての業績連動型報酬である賞与、そして中長期インセンティブとしての譲渡制限付株式報酬で構成されています。一方、監査等委員でない社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は、基本報酬のみで構成されています。報酬の決定プロセスは、報酬委員会において社外取締役の同意を得て行われ、客観性と透明性が確保されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 1.8億円 | 44.0百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 11.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 25百万円 | 5.0百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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