【平均年収686万円】日本特殊塗料 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収686万円】日本特殊塗料 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本特殊塗料は、塗料関連事業と自動車製品関連事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は1,000名を超え、直近の業績は減収増益となりました。


目次

※本記事は、日本特殊塗料株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本特殊塗料は、塗料の製造・販売・工事請負を行う塗料関連事業と、自動車用防音材や防錆塗料などの自動車部品の製造・販売を行う自動車製品関連事業を展開しています。研究開発にも注力し、幅広い分野で事業活動を行っています。

単体従業員数は626名、連結従業員数は1,079名です。セグメントは塗料関連事業、自動車製品関連事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、当社、ニットクメンテ、ニットク商工、梅居産業、ニットク保険センターなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本特殊塗料は、塗料関連事業や自動車製品関連事業を展開しており、技術力と社会貢献を重視する企業文化が特徴です。環境問題や社会課題への積極的な対応を掲げ、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。このような背景から、従業員に対しても長期的な視点での育成と働きやすい環境づくりに力を入れていることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢が40代前半、平均勤続年数が14年を超えており、比較的長く勤める従業員が多い傾向が見られます。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。

項目 数値
平均年間給与 6,857,870円
平均勤続年数 14.9年
平均年齢 40.9歳
単体従業員数 626人
連結従業員数 1,079人
単体のグループ内比率 58.0%


同社および一部の国内連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。当連結会計年度末の退職給付債務は45.2億円、年金資産は28.0億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、持続的な企業成長の原動力は人財であるとの考えのもと、「多様な人財の活躍」「人財育成と『働きがい』向上」「安全で働きやすい職場づくり」をマテリアリティに掲げています。中期経営計画のテーマである「変革と挑戦」を体現できる人財の充実を経営基盤戦略の1つに据え、採用段階からの一貫した人材戦略推進に取り組んでいます。

従業員の給与等は、固定報酬としての基本給、業績連動性を有する賞与、及びインセンティブ・プランとしての株式報酬(株式付与ESOP信託)で構成されます。基本給は各人の評価、職務内容や職責を反映し、賞与は業績との連動性を加味して決定されます。株式報酬は、持続的成長と企業価値向上へのインセンティブとして位置づけられています。労働市場における競争力確保や業界水準との比較も踏まえ、報酬制度全般の継続的な見直しを行っています。

多様な人財の活躍を推進するため、性別や年齢を問わず多様な視点や意見を積極的に経営に反映し、誰もが能力を発揮できる職場環境の構築を目指しています。人財育成と「働きがい」向上では、個々人の成長を支援するため、教育研修体制の整備・充実とワークライフバランスの向上に注力しています。安全で働きやすい職場づくりを最優先とし、「人命尊重」、「安全最優先」を柱に、労働災害ゼロを目指した安全衛生活動を推進しています。

具体的には、男女の区別ない育児休業の取得推奨、時短勤務・テレワークの活用、シニア社員の積極的活用と待遇改善、タレントマネジメントシステムの構築を進めています。資格取得支援制度による各種公的資格の取得推進、eラーニング活用による教育機会の拡充、年次有給休暇の取得率向上、時間単位の年次有給休暇制度導入等の施策を進めています。製造現場の安全と従業員の健康を最優先に、安全衛生委員会を中心とした継続的な取り組み改善、暑さ対策、福利厚生に資する職場環境改善投資などを行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データであり、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。全労働者の男女賃金差異は、女性の非正規雇用労働者の割合が影響しており、正規雇用労働者の男女賃金差異は勤続年数と管理職数が影響しています。

指標 数値
女性管理職比率 2.5%
男性育児休業取得率 62.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 57.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 70.7%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 63.4%

多様な人財の活躍

指標 数値
新規採用に占める女性の割合 25%以上(目標)
管理職に占める女性の割合 高めること(目標)

人財育成と「働きがい」向上

指標 数値
従業員全体の有給休暇取得率 70%以上(目標)

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本特殊塗料グループは、塗料関連事業と自動車製品関連事業を主軸に、幅広い分野で製品とサービスを提供しています。長年にわたり培ってきた技術力と製品開発力を基盤に、多様な顧客ニーズに応えるビジネスを展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、塗料の製造・販売および工事請負を行う塗料関連事業と、自動車用防音材や防錆塗料などの自動車部品の製造・販売を行う自動車製品関連事業を主要な事業としています。これらの事業活動を通じて収益を上げています。

塗料関連事業

塗料の製造、販売、および工事請負を主たる事業としています。収益は、製品販売と工事請負から得ています。前期と比較すると、この事業の売上高は減少しています。

自動車製品関連事業

自動車用防音材(制振材、吸・遮音材)や防錆塗料などの自動車部品の製造および販売を主たる事業としています。収益は、自動車部品の販売から得ています。この事業の売上高は前期からわずかに増加しています。

その他の事業セグメント

保険代理業を営んでいます。この事業セグメントの売上高は、同社グループ全体の売上高に占める割合は小さいです。

同社グループの売上高は、日本国内が大部分を占めていますが、アジア地域やその他の海外地域からも収益を得ています。また、自動車製品関連事業においては、特定の主要顧客からの売上高が一定の割合を占める傾向があります。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
自動車製品関連 423億円 426億円
塗料関連 237億円 193億円
その他の事業セグメント 15百万円 16百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は直近の期で減少に転じています。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、継続して増加傾向を示しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 548億円 607億円 647億円 661億円 619億円
経常利益 26.2億円 31.4億円 59.6億円 67.1億円 68.3億円
経常利益率 4.8% 5.2% 9.2% 10.2% 11.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 13.0億円 21.0億円 39.5億円 49.4億円 52.4億円
1株当たり当期純利益(円) 59.90 96.77 181.57 227.24 242.39

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少しており、従業員1人あたり営業利益も前期から減少しています。これは、同社グループ全体の生産性が前期と比較してやや低下していることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 58.4百万円 57.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.9百万円 3.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定した資金を生み出し、投資活動も行いつつ、最終的に自由に使える資金を確保している状況です。これは、安定した財務基盤を維持していることを示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)からその健全性を確認できます。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあり、手元資金も十分に確保されています。これらの指標は、同社グループが安定した経営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する財務体質であることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 641億円 670億円
自己資本比率 67.4% 70.5%
ROE(自己資本利益率) 8.9% 8.9%
現金及び預金 162億円 158億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で得た資金を投資に回しつつ、最終的に自由に使える資金を確保している状況です。営業活動によるキャッシュフローは前期から増加しており、本業で着実に資金を生み出していることがうかがえます。投資活動によるキャッシュフローはマイナス幅が拡大しており、積極的な投資が行われていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローもマイナス幅が拡大しており、借入金の返済や配当金の支払いなどが行われている状況です。

これらのキャッシュフローの状況は、同社グループが本業で安定的に資金を稼ぎ出し、将来に向けた投資も継続していることを示しています。これにより、事業の持続的な成長と、それに伴う雇用や給与の安定性が期待できる経営状態であると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 31.2億円 64.2億円
投資CF △12.4億円 △51.9億円
財務CF △20.4億円 △47.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 18.8億円 12.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、技術提携や合弁の形で多くのパートナーと共同で事業を行っています。共同活動の当事者間で歩調の不一致等が生じた場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、海外での事業展開においては、予期し得ない法律・規制、経済・通商政策、租税制度等の変更や、労務環境の違いに基づく争議等の発生、インフラ面での障害発生、自然災害、政情不安などが経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


少子高齢化に伴う労働人口の急速な減少や雇用流動化の進展等により、事業戦略に即した人財の確保が困難となった場合、同社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本特殊塗料は、「創意工夫」を社是とし、卓越した技術と製品を通じて社会に貢献することを目指す企業です。株主の利益を尊重し、社員の人格を大切にしながら、環境との共生と永遠の発展を経営理念に掲げています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「創意工夫」を社是とし、「卓越した技術と製品により社会に貢献する」「株主の利益を尊重し、社員の人格を大切にする」「環境と共生し、国際標準に準拠しつつ、永遠の発展を目指す」ことを経営理念としています。この理念のもと、独自の技術と製品で顧客の要望と信頼に応えることを基本方針としています。

また、世界で活躍する企業として総合開発力を結集し、新製品・新需要の開発に挑戦する姿勢を示しています。人材の育成・登用を推進し、高生産性・高収益を追求することで、持続的な企業価値向上を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、社是である「創意工夫」を大切にし、独自の技術と製品で顧客の要望と信頼に応えることを重視しています。また、世界に活躍する企業として新製品・新需要の開発に挑戦する姿勢を掲げています。人材の育成・登用を積極的に行い、高生産性・高収益を追求する文化があります。

サステナビリティ基本方針では、卓越した技術と製品による社会貢献、環境負荷低減への取り組み、多様な人財(材)が活躍できる安全で健康的な職場環境の整備を推進しています。法令や社会規範を遵守し、公正で誠実な企業活動を通じて、ステークホルダーからの信頼を得ることを目指しています。人的資本に関する戦略では、「多様な人財(材)の活躍」「人財(材)育成と『働きがい』向上」「安全で働きやすい職場づくり」をマテリアリティに定めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、2026年3月期から2030年3月期までの中期経営計画において、「変革と挑戦」をテーマに掲げています。事業領域の拡大を進めるとともに、新たな課題に積極的に向き合い、次の時代を支える新規事業の育成にも注力しています。

経営基盤戦略としては、ESG(環境・社会・ガバナンス)への対応を柱とし、特にガバナンス体制の強化、人的資本の充実と挑戦する組織風土の醸成、DX推進に取り組んでいます。事業部門と連携した環境対応戦略も重点テーマとして推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本特殊塗料は監査役設置会社として、効率的で透明性の高い経営体制を構築しています。社外取締役や社外監査役を配置し、客観的かつ公正な視点を取り入れることで、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は海外の事業会社であるAUTONEUM HOLDING AGです。その他、国内の事業会社や金融機関が上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
AUTONEUM HOLDING AG(常任代理人 東海東京証券株式会社) 14.44%
関西ペイント 5.18%
三菱UFJ銀行 4.07%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長執行役員最高執行責任者は遠田比呂志氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
遠田 比呂志 代表取締役社長執行役員 最高執行責任者 1983年4月 同社入社、2012年6月 同社取締役、2021年6月 同社代表取締役社長、同社最高執行責任者より現職。
田 谷 純 取締役会長 最高経営責任者 1976年4月 三菱銀行入行、2005年1月 同社入社、2015年6月 同社代表取締役専務、2023年6月 同社取締役会長、同社最高経営責任者より現職。
鈴木 裕 史 取締役専務執行役員 塗料事業本部長 同 営業統括責任者 1985年4月 同社入社、2017年4月 同社執行役員、2019年6月 同社取締役、同社塗料事業本部長、2023年6月 同社専務執行役員より現職。
中村 信 取締役専務執行役員 自動車製品事業本部長 同 生産統括責任者 1987年4月 同社入社、2017年4月 同社執行役員、2019年6月 同社取締役、2023年4月 同社自動車製品事業本部長、2023年6月 同社専務執行役員より現職。


社外取締役は、奈良道博氏(半蔵門総合法律事務所パートナー)、矢部耕三氏(弁護士法人御堂筋法律事務所パートナー)、浅香衣世氏(あさか倶楽部取締役)です。

同社は監査役設置会社であり、取締役会による業務執行の監督と、監査役会による監査を通じて、経営の健全性と透明性を確保する体制を整えています。社外取締役は、上場企業の社外役員としての経験や弁護士・弁理士としての専門的見地、企業経営者としての経験を活かし、客観的な助言や提言を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、月例の固定報酬に役員賞与を加えた基本報酬と、取締役(社外取締役を除く)に対する譲渡制限付株式報酬(非金銭報酬)で構成されています。役位や職責、在任年数に加え、同社グループの業績や従業員給与水準、他社水準を総合的に考慮して決定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.9億円 48.0百万円
監査役(社外除く) 1名 27百万円 27.0百万円
社外役員 5名 41百万円 8.2百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。