【平均年収619万円】酒井重工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収619万円】酒井重工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

酒井重工業は、道路舗装機械をはじめとする建設機械の製造・販売を国内外で展開しています。連結従業員数は618名で、日本、米国、インドネシア、中国の4つのセグメントで事業を展開。直近の業績は、売上高がほぼ横ばいながら、利益は増加となりました。


目次

※本記事は、酒井重工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


酒井重工業は、主に道路舗装機械、道路維持補修機械、散水車など多種多様な建設機械を製造し、国内外で販売しています。また、他社製品の産業機械販売や新製品の研究開発、関連サービスも展開しています。

単体従業員数は317名、連結従業員数は618名です。セグメントは日本、米国、インドネシア、中国の4つです。

主な国内グループ会社は、酒井重工業(当社)、産業機械及び同部分品の製造・販売、中古建設機械の仕入・販売、建設機械及び同部分品の製造・販売、道路舗装、補修工事の設計、施工、監理及び請負などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


酒井重工業は、道路建設機械事業を通じて世界の国土開発に貢献する企業グループです。専門性の高い事業を展開しており、社員が長期的にキャリアを築きながら成長できる環境が整っていると考えられます。グローバルな事業展開も特徴であり、多様な人材が活躍できるような働き方への取り組みも進められています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、社員が安定して長く働き続ける傾向が見られます。専門的な知識や技術を深めながら、着実にキャリアを形成できる環境があると言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 6,188,516円
平均勤続年数 13年1ヶ月
平均年齢 39歳10ヶ月
単体従業員数 317人
連結従業員数 618人
単体のグループ内比率 51.3%


同社グループでは、退職給付制度として確定拠出年金制度と退職一時金制度を採用しています。確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度、確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です。これらの制度は同社および一部の連結子会社に適用されています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度に係る退職給付債務は1.9億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、売上増加に伴う固定費の抑制を重要な経営戦略と位置付け、その実現のために「社員1人当たりの収益生産性向上」を目指す人材戦略を掲げています。具体的には、AI委員会及びAI推進室を設立し、AI/DX導入による業務改革と社員へのAI教育を含む人事政策の見直しに取り組んでいます。

従業員の給与は、「社員1人当たりの収益生産性向上」という認識のもと、業績や経済・社会情勢等の外部要因を総合的に検討し、従業員の個人評価と労働組合との協議に基づいて決定されています。人材育成においては、道路建設機械の専門的知見、グローバル活動力、管理力・モノづくり力・マーケティング力を持つ「プロ人材の育成」と「戦力化」を推進しています。特に「三現主義(現場、現物、現実)」に基づく現場経験の積み重ねを重視したOJTを通じて、専門的技術力の向上を図っています。

多様性の確保にも注力しており、女性社員、外国人社員、中途採用者の積極的な採用を継続しています。特に女性の管理職登用は注力すべき課題と認識し、公平な登用と活躍できる環境づくりを進めています。また、社員の自律的なキャリアパス構築と人材育成を目的として、社内公募制度とキャリア自己申告制度を導入し、安全・安心で創造性や成長を誘発する職場環境の整備を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データであり、出向者を除いて算出されています。連結子会社は公表義務の対象外のため、記載を省略しています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 2.6%
男性労働者の育児休業取得率 33.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 70.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 77.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 54.9%

多様性・登用


データ管理の制約から提出会社での開示となっています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 2.6%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


酒井重工業は、道路舗装機械や道路維持補修機械、散水車など多岐にわたる製品を製造し、国内外で販売している企業です。主に道路建設機械を主力製品として、グローバルな市場に提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に道路舗装機械や道路維持補修機械の製造・販売を国内外で展開しており、製品の製造と販売が主な収益源となっています。他社製品である産業機械の販売も行っています。

事業は「日本」「米国」「インドネシア」「中国」の4つの報告セグメントで構成されており、各地域で独立した経営単位が事業活動を展開しています。海外向け売上高は国内向け売上高を上回っており、国際的な事業展開を進めていることがうかがえます。

日本

国内市場において、道路舗装機械や道路維持補修機械などの販売を主に行っています。国土強靭化加速化対策を背景とした政府建設投資が堅調に推移する中で、国内販売が底入れしています。

収益は、主に国内顧客への製品販売から得ています。

米国

北米市場において、道路建設機械の販売が主な事業です。インフラ投資法を背景とした高水準の道路建設投資やAI関連建設投資が続く中、販売減速が底打ち傾向に入っています。

収益は、北米地域の顧客への製品販売から得ています。

インドネシア

インドネシア国内および第三国への輸出を通じて、道路建設機械を提供しています。国内販売は停滞しているものの、第三国向け輸出が増加しています。

収益は、インドネシアおよび周辺国への製品販売から得ています。

中国

中国市場において、道路建設機械の販売を行っています。低迷していた国内販売が底打ちしましたが、グループ企業向け製品・部品輸出は減少しています。

収益は、中国国内の顧客への製品販売から得ています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
日本 166億円 174億円
米国 75.7億円 72.5億円
インドネシア 34.7億円 26.6億円
中国 1.6億円 2.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の売上高は変動が見られますが、直近の当連結会計年度では販売減速基調が底打ちし、前期からほぼ横ばいとなっています。営業利益は原価率改善により、わずかながらも増加しました。

経常利益は前期から増加しており、親会社株主に帰属する当期純利益も投資有価証券売却益の計上により大きく伸びています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 266億円 315億円 330億円 279億円 275億円
経常利益 14.1億円 23.3億円 33.2億円 14.9億円 15.8億円
経常利益率 5.3% 7.4% 10.1% 5.4% 5.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 14.3億円 16.9億円 24.4億円 14.4億円 17.6億円
1株当たり当期純利益(円) 168.44 200.38 287.37 168.50 205.93

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期からわずかに減少していますが、従業員1人あたりの営業利益は増加しています。これは、原価率改善などの取り組みにより、収益性が向上していることを示しています。組織全体の効率化が進んでいる傾向が見られます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 44.8百万円 44.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.5百万円 2.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


酒井重工業グループは、本業で安定的に資金を生み出し、事業成長のための投資を行いながらも、手元に資金を残す堅実な財務運営を行っています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と安定した純資産の積み上げによって特徴づけられています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあり、強固な財務体質を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金である現金及び預金は前期から減少していますが、引き続き一定の残高を維持しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 301億円 317億円
自己資本比率 70.5% 71.9%
ROE(自己資本利益率) 4.9% 5.7%
現金及び預金 76.7億円 65.5億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


当連結会計年度における酒井重工業グループのキャッシュフローは、営業活動による資金の増加、投資活動による資金の減少、財務活動による資金の減少という状況を示しています。本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは前期から増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や棚卸資産の減少などによるものです。一方で、売上債権の増加や仕入債務の減少が資金を減少させる要因となっています。

投資キャッシュフローは、前期の増加から当期は減少に転じました。これは主に有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が増加した一方で、投資有価証券の売却による収入があったためです。財務キャッシュフローは、配当金の支払いや短期借入金の減少により、前期に比べて資金の減少幅が拡大しています。結果として、事業活動と投資活動を通じて自由に使える資金であるフリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で得た資金を投資に回しつつ、手元に資金を残している状況がうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 4.0億円 8.8億円
投資CF 40百万円 △5.6億円
財務CF △12.2億円 △15.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 4.4億円 3.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、海外市場の開拓を積極的に進めており、売上高に占める海外売上比率が高い傾向にあります。そのため、販売先であるアジアや北米の経済状況、各国の予期せぬ法律・規制、租税制度の変更、政治的要因、戦争、景気変動などが経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、同社グループの事業では新規製品を継続的に市場に投入していく必要があり、研究開発力が経営の重要な要素となっています。将来の企業成長は主に新製品の開発成果に依存するため、研究開発の成果が不確実であるというリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、道路建設機械関連の専門メーカーとして、特に研究開発に関わる有能な人材に依存しています。そのため、技術スキルの高い人材の確保と育成、並びに研究成果の適正な評価が重要であると認識しています。このような人材を確保または育成できなかった場合には、企業成長、経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


酒井重工業は、道路建設機械事業を通じて社会貢献を目指す企業です。グローバルニッチ企業として、技術の深耕と国際化を推進し、持続的な成長と企業価値向上を追求しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、道路建設機械事業を通じて国土開発という社会事業に貢献することを経営の基本方針としています。ユーザーに信頼される製品とサービスを提供し、道路建設機械のスペシャリストとして技術の深耕と有益な技術創造に努めることを存在意義および責務としています。

中期的な経営戦略では、道路建設機械事業のさらなる専門化と国際化を推進し、事業構造革新を進める方針です。国際市場におけるトップメーカーとしての地位と中長期的な持続的成長を目指しています。同社が目指す企業像は「道路建設機械における世界一流のグローバルニッチ企業」です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、社員の能力を最大限に生かせる会社運営を通じて業績向上を目指しています。サステナビリティ基本方針として、ESG経営を推進し、持続可能な社会の実現とグループの成長、企業価値向上を目指しています。

具体的には、環境面でCO2排出量削減と新技術開発による脱炭素社会への貢献、社会面で道路建設機械事業を通じた社会的課題解決と価値創造に取り組んでいます。人権尊重、多様性を認め安全・安心な職場環境の整備、コーポレートガバナンスの強化も重視しています。

人材育成においては、「プロ人材の育成」と「戦力化」を掲げ、三現主義(現場、現物、現実)に基づく仕事力を重視しています。多様性を確保するため、女性社員、外国人社員、中途採用者の積極的な採用を進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、世界秩序の混迷やエネルギー原材料価格の高騰といったリスクを認識しつつ、中長期的な建設機械の潜在需要に期待しています。優先的に対処すべき課題として、成長に向けた新製品投入力の増強と市場開拓を進めています。

また、AI実装による業務改革と企業体質強化、人的資本投資と収益生産性向上の両立により、成長力と収益力を高める方針です。中長期成長戦略として、海外事業領域の拡大や新技術活用による次世代事業開発、需要変化対応力強化も推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


酒井重工業は監査等委員会設置会社として、監督機能の強化を図っています。取締役会はモニタリング・ボードとマネジメント・ボードの二つに機能分割され、監督と業務執行の分離を徹底した体制で運営されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


酒井重工業の株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、複数の金融機関や生命保険会社が上位に名を連ねています。同社の代表取締役社長である酒井一郎氏も上位株主の一人として名を連ねており、安定した資本構成を示しています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 10.77%
みずほ銀行 4.84%
三菱UFJ銀行 4.84%
日本生命保険相互会社 3.51%
第一生命保険株式会社 3.46%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は5名(男性4名・女性1名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は酒井一郎氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
酒井 一郎 取締役社長 (代表取締役) 1990年7月 同社入社、1995年3月 同社代表取締役社長就任より現職。SAKAI AMERICA, INC.取締役会長などを歴任。2019年6月 株式会社プロネクサス社外取締役(現任)。
水内 健一 取締役専務 執行役員 1982年4月 同社入社、2016年6月 同社取締役就任、2020年4月 同社専務執行役員就任。2022年6月 同社取締役就任 専務執行役員国内事業本部長より現職。


社外取締役は、佐藤芳織氏(株式会社サトー代表取締役・監査等委員)、朝倉陽保氏(HAマネジメント合同会社代表社員・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、独立社外取締役が取締役の3分の1以上を占める体制です。取締役会は監督機能に重点を置いたモニタリング・ボードと、業務執行機能に重点を置いたマネジメント・ボードに機能分割されています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


酒井重工業の役員報酬は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に寄与する報酬体系として設計されています。具体的には、月次の固定報酬である「基本報酬」、単年度業績を反映した「期末賞与」、そして中長期的なインセンティブを目的とした「譲渡制限付株式報酬」の3つの要素で構成されています。取締役(監査等委員を除く)の場合、基本報酬が約50%、期末報酬と譲渡制限付株式報酬がそれぞれ約25%の配分が標準となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 2名 1.2億円 60.9百万円
監査等委員(社外除く) 2名 17百万円 8.6百万円
社外役員 2名 16百万円 8.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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