※本記事は、株式会社みのや の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
みのやは菓子小売事業を展開し、菓子専門店「おかしのまちおか」をチェーン展開しています。キャンディ、ガム、チョコレート、スナック菓子、米菓、ビスケットなど幅広い菓子を取り揃え、お客様に楽しんでいただける店舗運営を目指しています。
単体従業員数は177名です。同社は菓子小売事業の単一セグメントで事業を展開しています。
みのやは直営店舗のみによるチェーン展開を進めており、フランチャイズ展開は行っていません。商品の仕入れから各店舗への納品まで自社物流センターを活用し、一部業務を協力会社に委託しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
みのやは菓子小売事業を展開しており、従業員の平均勤続年数や平均年齢から、比較的落ち着いた環境で長く働く社員が多い傾向が見られます。給与水準や働き方に関する具体的なデータは、以下の各項目で詳しくご紹介します。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期的にキャリアを築いている様子がうかがえます。安定した環境で経験を積むことができる職場であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,502,000円 |
| 平均勤続年数 | 15.8年 |
| 平均年齢 | 44.2歳 |
| 単体従業員数 | 177人 |
同社は確定給付型の退職給付制度を設けています(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です)。この制度は「退職金規程」に基づき、非積立型の退職一時金制度として運用されています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は3.0億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
みのやは、人権の尊重、従業員の健康、働きやすさ・働きがいのある職場環境の整備が持続的成長に重要であると考えています。人的資本に関するリスクとして従業員のモチベーション低下や多様性への取り組み遅れを認識し、組織強化や働き方改革を機会と捉えています。
具体的には、経営サイドにおける女性役員の構成比率向上を図り、2023年9月には女性の社外取締役が就任しました。今後は女性管理職候補者の育成・強化を視野に入れ、より働きやすい環境を整備する方針です。また、障害者雇用の充実に向けた積極採用によるダイバーシティの推進活動にも意欲的に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職は課長職・エリアマネージャー以上として算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.0% |
| 男性育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 45.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 79.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 108.5%
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社みのやは、菓子小売事業を展開し、菓子専門店「おかしのまちおか」をチェーン運営しています。菓子を通じてお客様に「おいしさ」「楽しさ」だけでなく、「癒し」や「安らぎ」を提供することを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、キャンディ、ガム、チョコレート、スナック菓子、米菓、ビスケットなど、幅広い種類の菓子を取り揃えています。直営店舗のみでチェーン展開を進めており、全国規模の過度な出店は行わず、関東圏、中京圏、関西圏に的を絞った地域密着型のドミナント出店を基本方針としています。
店舗形態は、主要な駅前や商店街を中心とした路面店と、郊外の商業施設や百貨店に出店するショッピングセンター店(SC店)の二種類があります。地域イベントへの参加や特注対応にも積極的に取り組み、地域に根差した店舗運営を行っています。商品の仕入れにおいては、大手菓子メーカーのナショナルブランドに加え、輸入菓子や一部メーカーとの共同開発による「まちおか限定商品」も取り扱い、多様なニーズに応える商品バリエーションと「飽きさせない売場作り」を追求しています。
商品の物流は、仕入れ先から同社が関東圏と関西圏に展開する自社物流センターを経由し、各店舗へ定期配送されています。物流業務の一部は協力会社に委託することで、コストコントロールと業務効率化を図っています。同社は菓子小売事業の単一セグメントで事業を展開しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の業績を見ると、売上高は前期から増加しています。一方で、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも前期から減少する結果となりました。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、事業活動で得た資金を投資に回しつつ、安定した財務基盤を維持しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
財務基盤の安定性を示す自己資本比率やROE、手元資金の状況は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な指標となります。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期の営業活動によるキャッシュフローはプラスとなっています。これは主に税引前当期純利益、減価償却費、減損損失の計上によるものです。一方で棚卸資産や未収入金の増加が資金を減少させる要因となりました。
投資活動によるキャッシュフローはマイナスです。店舗出店に伴う有形固定資産の取得や敷金・保証金の差入、資産除去債務の履行による支出が主な要因となっています。
財務活動によるキャッシュフローもマイナスです。長期借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済や短期借入金の減少額が上回ったためです。これらの結果、本業で得た資金が投資活動による支出を上回り、フリーキャッシュフローはプラスとなっています。これは、同社が事業活動で安定的に資金を生み出し、成長投資を行いながらも、手元に資金を残している状況を示しており、雇用や給与の安定性につながる財務状況であると言えます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 757百万円 | 716百万円 |
| 投資CF | △542百万円 | △475百万円 |
| 財務CF | 68百万円 | △45百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 215百万円 | 241百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、菓子販売に特化した専門店の競合リスクは現時点ではないと考えています。しかし、大手スーパーマーケットやドラッグストア等が菓子専門店形式の事業へ新規参入した場合、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、主要仕入先である三菱食品株式会社からの仕入金額が全体の30%以上を占めています。新たな仕入先の開拓が進捗せず、主要仕入先との取引条件が悪化した場合や取引額が大幅に減少した場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、多店舗展開を推進する上で、店舗運営を担うパート・アルバイト等の従業員の確保と育成が重要であると認識しています。生産年齢人口の減少や雇用形態の変化等により、人材の確保と育成が計画どおり進捗しない場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
みのやは、「和」の精神と「人と人との繋がり」を大切にする企業文化を基盤に、お菓子を通じて社会に貢献することを目指しています。お客様、従業員、取引先との協調体制を重視し、持続的な成長を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
みのやは「お菓子を通じて人と人との繋がりを大切にし、社員相互の協調体制と社会への奉仕の精神を常に忘れることなく弛まぬ経営努力をする」ことを経営理念としています。地域密着の多店舗販売により、社会に欠かせないお菓子を多くのお客様に提供することを使命としています。
同社は、仕事を通じて社会に貢献し、すべてのステークホルダーに必要とされる会社を全員一致協力して創り上げることを経営方針に掲げています。菓子小売業のリーディングカンパニーとしての地位を確立し、菓子業界の発展に寄与することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
みのやは、社訓として「和」(チームワークを第一に考え目標に邁進する)を掲げ、お客様、従業員、取引先などの垣根を越えた「人と人との繋がり」を強く重んじています。各部門間で連携された協調体制を築くことで生まれるチームワークが、社会奉仕につながるという考えのもと経営努力に励んでいます。
同社は、お客様に感謝の気持ちを忘れず、メーカーが心を込めて製造した商品を無駄にしないことを大切にしています。また、「みのや」の社員であることに自覚と誇りを持ち行動することを求めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
みのやは、消費環境の不透明さや人件費・物流コストの上昇を経営課題としています。これに対し、組織力の強化として、直営販売部と商品部が連携し、物流網の構築、オペレーションの標準化、現場教育の充実、インフラ環境の整備を進め、部門間の連携による組織力強化と業務効率化を推進しています。
コンプライアンス体制の強化も重点テーマであり、「コンプライアンス規程」の制定やリスク・コンプライアンス委員会の設置、社内教育を通じて法令遵守と意識向上を図っています。
サステナビリティの取り組みでは、SDGs達成に向けた環境負荷低減や、人的資本の強化として女性役員構成比率向上、女性管理職候補者育成、障害者雇用充実にも注力しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
みのやは監査役会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会は経営上の重要事項を決議し、業務執行状況を監督する役割を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
みのやの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長である正木宏和氏とその親族が株式を保有する資産管理会社です。また、代表取締役社長個人も上位株主の一人であり、従業員持株会も主要な株主となっています。これは、創業家と従業員が同社の経営を支える主要な資本構成であることを示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| マサキコーポレーション | 36.33% |
| 正木 宏和 | 31.87% |
| おかしのまちおか従業員持株会 | 9.13% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は正木宏和氏が務めています。社外取締役比率は16.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 正木 宏和 | 代表取締役社長 | 1976年4月丸福商事株式会社入社、1977年9月同社入社。1995年8月同社代表取締役社長、2017年9月同社代表取締役社長より現職。 |
| 高橋 浩章 | 常務取締役 | 1983年4月株式会社新宿高野アクセントパーラー入社。2008年11月同社入社。2020年10月同社常務取締役(店舗開発部門管掌)より現職。 |
| 佐々木 康宏 | 取締役 | 1987年10月増田税務会計事務所入所。2017年9月同社入社。2020年10月同社取締役(管理部門管掌)より現職。 |
| 正木 惇也 | 取締役 | 2013年4月カバヤ食品株式会社入社。2015年10月同社入社。2021年7月同社取締役(直営販売部門、商品部門、物流部門管掌)より現職。 |
社外取締役は、戸名厚氏(元カンロ代表取締役社長)、森智佳子氏(森智佳子公認会計士事務所開設)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の決定と監督、および監査役会による監査を通じて、経営の透明性、効率性、健全性を追求しています。社外取締役および社外監査役は、客観的かつ中立的な立場から経営全般の監督・監査を行い、経営陣への牽制機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
みのやの役員報酬は、現段階では報酬等の額や算定方法の決定に関する方針は定めていませんが、株主総会で承認された報酬限度額の範囲内で決定されています。役員の報酬は、それぞれの役割に応じた基本報酬のみが支給されており、業績連動報酬や非金銭報酬等は含まれていません。今後は、社外取締役が委員長を務める指名・報酬委員会の審議を経て報酬額を決定する方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 78百万円 | 19.4百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 22百万円 | 4.4百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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