【平均年収724万円】日阪製作所 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収724万円】日阪製作所 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日阪製作所は、プレート式熱交換器やレトルト調理殺菌装置などの製造販売、エンジニアリング事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は1,063名で、直近期は売上高が過去最高を記録し、経常利益は増加しましたが、純利益は減少となりました。


目次

※本記事は、株式会社日阪製作所 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日阪製作所は、プレート式熱交換器やレトルト調理殺菌装置、無菌米飯製造プラント、サニタリーバルブ、高温高圧染色機、ボールバルブなどの製造販売およびエンジニアリング事業を手掛けています。同社グループは、熱交換器、プロセスエンジニアリング、バルブの3つの主要事業を展開しています。

単体従業員数は725名、連結従業員数は1,063名です。セグメントは熱交換器事業、プロセスエンジニアリング事業、バルブ事業の3つです。

主な国内グループ会社は、日阪プロダクツ(プロセスエンジニアリング事業)、小松川化工機(同)、オートマチック・システムリサーチ(同)などです。

なお、2026年4月1日を効力発生日として、小松川化工機が存続会社、オートマチック・システムリサーチが消滅会社となる吸収合併を実施しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日阪製作所は、従業員の挑戦と成長を重視し、会社と社員が共に幸せになる「幸せ共同体」という考え方を掲げています。給与制度は個人の貢献と成長を評価する仕組みが整っており、長期的なキャリア形成を支援する環境が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


日阪製作所では、従業員の平均勤続年数が長く、安定したキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も比較的落ち着いており、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 7,240,601円
平均勤続年数 15.2年
平均年齢 40.8歳
単体従業員数 725人
連結従業員数 1,063人
単体のグループ内比率 68.2%


日阪製作所は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型と確定拠出型の両制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

これらの制度は、国内の同社および一部の連結子会社に適用されています。退職一時金制度があり、給与と勤務期間に基づいて一時金または年金が支給されます。

ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

確定給付制度における退職給付債務は48.3億円、年金資産は76.7億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


日阪製作所グループは、経営ビジョンである「気候変動への挑戦」の実現と持続的な企業価値向上に向け、人的資本への投資を最重要課題の一つと位置付けています。同社は「HISAKAとその社員は『幸せ共同体』である」という信念のもと、社員と会社が共に成長することを重視しています。

経営理念「HISAKA MIND」の五原則と行動指針を体現し、自律的に成長し続ける人材、新しいことに果敢に挑戦する人材、自己の成長を通じて組織能力を向上させる人材の育成と支援を行っています。報酬・評価制度は「個人の挑戦と成長への処遇と対価の実現」を基本方針とし、十分な対話を通じた評価の納得性向上を重視しています。

給与・賞与の決定においては、昇格のインセンティブを高めることで成長のモチベーションを向上させ、継続的な成長意欲に応える給与体系を採用しています。賞与は、組織の貢献(全社・事業業績等)をベースに個人の評価を加味して配分され、組織全体の協力と個人の挑戦の双方に報いる仕組みです。

従業員の評価は、目標に対する成果とプロセスを測る「個人貢献評価」、HISAKA MINDの行動指針に定める成長行動の実践を促す「能力・行動評価」、五原則の実践を問う「同心協力評価」の3軸で総合的に行われます。これにより、従業員の「挑戦」と「成長」が適正に処遇に反映されるよう努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 57.1%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 67.2%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 71.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 125.1%

多様性・登用


「監督職に占める女性労働者の割合」を目標としている理由は、新卒採用における女性採用枠の拡大や監督職への女性労働者の登用開始時期によるものです。将来の女性管理職候補育成に努めるため、当面この指標を重視しています。

指標 数値
監督職に占める女性労働者の割合 5%

健康・安全

指標 数値
死亡災害発生件数 0件

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日阪製作所は、熱交換器、プロセスエンジニアリング、バルブの3つの主要事業を展開し、幅広い産業分野に製品とサービスを提供しています。同社グループは、これら多岐にわたる事業を通じて収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、プレート式熱交換器、レトルト調理殺菌装置、サニタリーバルブなどの製造販売及びエンジニアリング事業を主な事業としています。エネルギー、食品、医薬関連分野における顧客ニーズに対応し、販売拡大とメンテナンス需要の取り込みを推進しています。

同社グループの事業は複数のセグメントに分かれており、それぞれの事業が異なる製品とサービスを提供しています。特定の顧客への売上高が連結損益計算書の10%以上に該当する主要な顧客はありません。また、海外売上高は全体の約21.2%を占めており、日本国内だけでなく海外市場にも事業を展開しています。

熱交換器

熱交換器事業は、様々な産業で不可欠となる流体の加熱・冷却を行うプレート式熱交換器などを製造・販売する事業です。収益は、国内外のメンテナンス案件や、CO2回収プラント、電力向けの大口案件などから得ています。

プロセスエンジニアリング

プロセスエンジニアリング事業は、レトルト食品などの調理殺菌装置、医薬品の滅菌装置や培養装置、繊維製品の染色仕上機器などを製造・販売する事業です。収益は、無菌包装米飯製造プラントや医薬向け培養プラントなどの大口案件、および「省エネ」「省人化」ニーズに対応した食品向けの全自動連続殺菌冷却装置の販売から得ています。

バルブ

バルブ事業は、様々な流体の制御に使われるボールバルブなどを製造・販売する事業です。収益は、二次電池向けや半導体向け、上下水道処理設備向け、土木工事向けなどの販売から得ています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
プロセスエンジニアリング 172億円 224億円
熱交換器 162億円 172億円
バルブ 49.5億円 51.8億円
その他の事業セグメント 88百万円 72百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの連結業績は、過去5年間で売上高、経常利益ともに増加傾向にあります。特に直近の連結会計年度では、売上高が過去最高を記録しました。経常利益も順調に増加していますが、親会社株主に帰属する当期純利益は前期と比較して減少しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 301億円 341億円 342億円 384億円 449億円
経常利益 22.7億円 23.9億円 29.0億円 33.9億円 36.2億円
経常利益率 7.5% 7.0% 8.5% 8.8% 8.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 20.6億円 20.4億円 24.2億円 37.8億円 34.5億円
1株当たり当期純利益(円) 73.19 72.45 85.83 135.78 130.21

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しており、生産性の向上がうかがえます。これらの指標は、同社グループが従業員一人あたりの収益創出力と利益創出力を高めている傾向を示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 37.2百万円 42.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.8百万円 3.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


日阪製作所は、強固な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しており、事業活動を通じて着実に資金を生み出しています。これにより、将来に向けた投資余力も確保されている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と手元資金の厚みによって安定しています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均を大きく上回っており、強固な経営体質を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準ですが、自己資本の厚みが経営の安定性につながっています。手元資金も潤沢に確保されており、不測の事態や事業機会への対応力があると言えます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 600億円 633億円
自己資本比率 72.1% 75.9%
ROE(自己資本利益率) 6.3% 5.6%
現金及び預金 129億円 120億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


日阪製作所の当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなりましたが、前期に比べて減少しています。これは、契約負債の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上や棚卸資産の減少が上回ったためです。投資活動によるキャッシュ・フローはプラスとなり、固定資産の取得による支出があったものの、投資有価証券や固定資産の売却による収入が上回ったことを示しています。

この結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローはプラスを維持しており、本業で稼いだ資金が投資を上回る状況です。財務活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなっており、主に配当金の支払いや自己株式の取得に資金を充てています。同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、財務的な無理なく事業運営を行っている状況であり、雇用や給与の安定性につながる基盤があると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 47.2億円 17.1億円
投資CF △33.0億円 3.6億円
財務CF △24.0億円 △31.4億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 14.2億円 20.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、世界経済や各国の景気変動、為替変動によって財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。また、主な原材料であるステンレスやチタン材などの価格変動も、製品価格や製造原価に影響を及ぼすリスクとして認識されています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日阪製作所グループは、独自の経営理念とビジョンを掲げ、社会課題解決への貢献を通じて持続的な成長を目指しています。ここでは、同社グループがどのような価値観を大切にし、どのような組織を目指しているのかをご紹介します。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日阪製作所グループは、「HISAKA MIND」(社訓、社是、五原則、行動指針)を経営理念としています。同社グループの存在意義は、社会課題を解決できる「省エネ」「省人化」を実現する良質な「機械」や「サービス」を安定して供給できるメーカーであることです。経営ビジョンには「気候変動への挑戦」(Challenge for Climate Change)を掲げています。これらの理念、存在意義、ビジョンを軸に中期経営計画を策定・実行し、持続的な成長を目指す方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日阪製作所グループは、経営理念である「HISAKA MIND」を社訓、社是、五原則、行動指針としています。同社グループは「サステナビリティ基本方針」を策定し、社是である「世界に定着する日阪」と「豊かな人間性の追求」を永続的な目標に掲げています。社会の公器としての役割と責任を全うし、社会貢献と自社の成長の両立による持続的な企業価値向上を目指す方針です。新中期経営計画では、「気候変動への対応」や「安全安心で働きがいのある職場環境」などをマテリアリティとして特定し、独自の「日阪式サステナビリティ推進」により活動を実施しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


日阪製作所グループは、新中期経営計画「Challenge2028」において、経営ビジョン「気候変動への挑戦」の実践と持続的成長、企業価値向上の実現を目指しています。同社グループは、基盤強化の重点戦略として、人的資本の戦略的強化、生産性向上、資本効率と企業価値の向上を掲げています。具体的には、人材の確保と育成、経営理念の浸透と実行力強化、デジタル化等による業務効率化、ガバナンスの強化に取り組む方針です。また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応も進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日阪製作所は、監査等委員会設置会社として、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離した体制を採用しています。また、取締役の指名・報酬等に関する公正性・透明性を高めるため、指名・報酬委員会を設置しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日阪製作所の株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、複数の機関投資家が上位に名を連ねています。また、日本生命保険相互会社も大株主の一つです。同社グループの協力業者持株会や従業員持株会も上位株主として名を連ねており、安定的な資本構成を形成していることがうかがえます。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 9.79%
日本生命保険相互会社 3.65%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 3.57%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長社長執行役員は宇佐美俊哉氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。

氏名 役職 主な経歴
宇佐美 俊哉 代表取締役社長 社長執行役員 1983年3月同社入社。熱交換器事業本部営業部部長、執行役員バルブ事業本部本部長などを経て、2024年4月より代表取締役社長社長執行役員に就任し現職。
足立 昭仁 取締役 専務執行役員 技術開発担当 1984年3月同社入社。生活産業機器事業本部製造部部長、執行役員プロセスエンジニアリング事業本部本部長などを経て、2026年4月より取締役専務執行役員技術開発担当に就任し現職。
波多野 浩史 取締役 上席執行役員 管理、経営戦略、 IR担当兼青梅事業所、 東京支店管掌 2008年9月同社入社。経営管理部部長、執行役員経営企画本部本部長などを経て、2024年6月より取締役上席執行役員管理、経営戦略、IR担当兼青梅事業所、東京支店管掌に就任し現職。


社外取締役は、水元公二氏(元日本製鉄代表取締役副社長執行役員・東洋電機製造社外取締役)、角野佑子氏(弁護士法人中央総合法律事務所弁護士・関西学院大学総合政策学部講師)、生越栄美子氏(公認会計士・生越公認会計士事務所代表・新晃工業社外取締役(監査等委員))、仲井晃氏(弁護士法人淀屋橋・山上合同弁護士・神戸大学大学院法学研究科非常勤講師)、藤田典之氏(税理士・藤田典之税理士事務所代表)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離しています。独立社外取締役が取締役会の過半数を占め、専門性と経験に基づき監督機能と説明責任の強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日阪製作所の役員報酬は、優秀な人材の確保と経営意欲の向上、経営責任の明確化を基本方針としています。業務執行を担当する社内取締役に対しては、短期的な業績だけでなく中長期的な企業価値向上を促すため、金銭報酬(基本執務報酬、基本業績報酬、業績連動報酬)と譲渡制限付株式報酬を組み合わせています。一方、社外取締役および監査等委員である取締役には、独立した監査・監督の立場を考慮し、金銭固定報酬のみを支給しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 1.6億円 39.5百万円
監査等委員(社外除く) 1名 16百万円 16.0百万円
社外役員 5名 22百万円 4.4百万円


当事業年度における同社の役員報酬総額は1.96億円であり、報酬の支給対象となった役員の合計人数は10名です。
個人別報酬が開示されている役員はいません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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