※本記事は、株式会社桜井製作所 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
桜井製作所は、工作機械及び輸送用機械器具の製造、修理、販売を主たる業務としています。同社グループは、自動車部品製造事業と工作機械製造事業を展開しています。
単体従業員数は170名、連結従業員数は271名です。セグメントは自動車部品製造事業、工作機械製造事業の2つです。
桜井製作所は、工作機械及び輸送用機械器具の製造、修理、販売を主たる業務としています。国内においては桜井製作所が自動車部品製造事業と工作機械製造事業を展開し、海外2社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社桜井製作所は、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、持続的な企業価値向上を目指す人材戦略を推進しています。給与制度の見直しや多様な人材育成プログラムを通じて、従業員が長期的に活躍できる環境づくりに注力していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。平均勤続年数や平均年齢から、安定して長く働く従業員が多い傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,435,000円 |
| 平均勤続年数 | 18.4年 |
| 平均年齢 | 42.6歳 |
| 単体従業員数 | 170人 |
| 連結従業員数 | 271人 |
| 単体のグループ内比率 | 62.7% |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型の確定給付制度を採用しています。確定給付型制度とは、給与や勤続年数などに応じて将来受け取る給付額があらかじめ決まっている制度です。
年金資産は8.0億円となっています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「人材」を持続的な企業価値向上を実現するうえで重要な経営資源と位置付けています。事業環境や市場ニーズの変化に対応するため、採用強化、人材育成、給与・評価制度の見直しを通じて、従業員が能力を最大限発揮できる組織づくりを推進しています。
報酬決定方針としては、2026年3月期より新給与制度の運用を開始しており、会社への貢献度や協力度を適切に評価する制度運営を進めています。今後も運用状況を確認しながら継続的な改善を図り、公平性・納得性の高い制度定着に努める方針です。
重点テーマとしては、人事制度のグローバル化を掲げ、外国人採用を積極的に実施しています。また、AI活用やDX推進に対応できる人材育成にも取り組んでいます。具体的な施策として、高卒・大卒・専門卒・中途採用を継続的に実施し、地域学校との連携強化や会社見学、職業体験等を通じて地域に根差した採用活動を推進しています。人材育成面では、業務の見える化やマニュアル化を進めることで技能伝承を推進し、各部門に応じた安全教育やマネジメント教育等を実施しています。さらに、社員の主体的なキャリア形成をサポートするため、研修受講機会の提供や「教育・訓練計画書」によるナレッジ管理、社内検定や国家資格取得時の各種手当付与、業績表彰制度の導入などを行っています。福利厚生制度や働きやすい職場環境づくりについても継続的な見直しを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しております。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理監督者比率 | 26% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給休暇取得率 | 84% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
桜井製作所は、自動車部品製造事業と工作機械製造事業という二つの主要な事業を展開しています。それぞれの分野で培った技術とノウハウを活かし、国内外の顧客に製品を提供することで事業を成り立たせています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、工作機械及び輸送用機械器具の製造、修理及び販売を主たる業務としています。収益認識は原則として顧客の検収時点、または一部国内取引では出荷時点で行われるモデルを採用しており、製品の販売が主な収益源となっています。
自動車部品製造事業
この事業では、自動車部品、オートバイ部品、汎用機部品などの製造販売を行っています。収益は、これらの部品の製造販売から得ています。運営は、桜井製作所及びSAKURAI VIETNAM CO.,LTD.が行っています。当連結会計年度の売上高は前期から減少する傾向にあります。
工作機械製造事業
この事業では、ターレックス(多軸ヘッド交換型専用機)、双頭ロータリーフライス盤、各種専用機械などの製造販売を行っています。収益は、これらの工作機械の製造販売から得ています。運営は、桜井製作所、SAKURAI VIETNAM CO.,LTD.並びにSAKURAI U.S.A.,Co.が行っています。当連結会計年度の売上高は前期から増加する傾向にあります。
同社グループの売上高は、日本国内が最も大きな割合を占めていますが、ベトナム、インドネシア、北米など海外地域からも収益を得ています。当連結会計年度では、株式会社ナチ常盤、株式会社アーレスティ、株式会社ホンダトレーディング、ヤンマーパワーテクノロジー株式会社といった主要な顧客からの売上が一定の割合を占める傾向にあります。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 自動車部品製造事業 | 40.3億円 | 36.0億円 |
| 工作機械製造事業 | 9.3億円 | 13.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は増減を繰り返しながらも、直近の当連結会計年度は前期と概ね同水準を維持しています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べて増加する結果となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 48.7億円 | 46.0億円 | 55.4億円 | 49.6億円 | 49.3億円 |
| 経常利益 | 1.9億円 | △2.9億円 | △1.1億円 | 2.2億円 | 2.7億円 |
| 経常利益率 | 3.9% | △6.3% | △2.0% | 4.5% | 5.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.9億円 | △3.1億円 | 3.2億円 | 2.1億円 | 2.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 50.71 | △83.85 | 89.35 | 60.25 | 70.25 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において前期から増加しています。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から減少する傾向にあります。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織効率の状況を示すものとなっています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 17.4百万円 | 18.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.6百万円 | 0.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を元に安定した経営基盤を築いていることを示しています。手元資金の厚みや自己資本の状況から、現在の財務の安定性を確認できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した状態を示しています。ROEはプライム市場平均を下回るものの、当期は前期から改善しています。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、事業運営における資金の安定性がうかがえます。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性を考える上で重要な要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 48.6億円 | 49.8億円 |
| 自己資本比率 | 65.9% | 67.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.4% | 4.7% |
| 現金及び預金 | 12.9億円 | 15.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、売上債権の減少等により前期から大幅に増加し、獲得となりました。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の取得等により前期よりも使用額が増加しました。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済による支出等により、前期の獲得から使用に転じました。結果として、フリーキャッシュフローは前期のマイナスからプラスに転じ、獲得となりました。この状況は、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出していることを示しており、雇用や給与の安定性、今後の成長性につながる財務状況であると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.1億円 | 10.7億円 |
| 投資CF | △4.2億円 | △4.5億円 |
| 財務CF | 97百万円 | △3.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.1億円 | 6.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの自動車部品製造事業では、有力取引先数社に売上が集中しているため、経済状況や取引先メーカーの業績によっては売上高が大幅に減少する可能性があります。また、自動車部品製造事業および工作機械製造事業ともに競合会社とのコスト競争が厳しく、販売価格の低下が業績に影響を与えるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの工作機械製造事業では、製品の欠陥等による製造物責任リスクを予防するため、従業員全体の技能レベル向上と技術の継承を徹底的に行う考えが示されています。これは、技術力の維持・向上が事業継続において重要な課題であることを示唆しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社桜井製作所は、モノづくりを通じて社会に貢献することを使命とし、自動車部品加工と工作機械製造という二つの事業を融合させることで、独自の価値を創造しています。技術開発と顧客への奉仕を重視し、持続的な成長を目指す企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
桜井製作所は、「社会への奉仕」「顧客への奉仕」「個人能力の向上」「技術開発への取組」を経営方針として掲げています。モノづくりで社会に貢献することを使命と考え、事業活動を行っている会社です。
同社グループは、自動車部品加工と工作機械の結合企業としての特色をさらに高め、顧客ニーズを超越した製品づくりに励んでいます。将来的には、100年企業に向けて社会に存在価値のある企業を目指すことを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社会への奉仕、顧客満足度の向上、技術開発、個人能力の開発、環境保護活動、ガバナンスの維持管理を「SAKURAIビジョン」における活動取組の6本柱としています。これらを本業に即したSDGsの取り組みとして実施し、経営基盤の強化と事業機会の拡大、課題解決を図っています。
社員一人ひとりが気持ちよく前向きに働ける人事制度を目指しており、主体的なキャリア形成をサポートするための研修機会を提供しています。また、技術の継承も重要な課題として取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、激変する時代に勝ち抜くため、海外子会社と連携を強化した営業活動を行い、グループ全体の収益確保に努めています。特に、脱炭素社会への潮流が加速する中で、次世代自動車における関連製品や新規製品の割合を増やすことを予定しています。
人材面では、外国人採用を積極的に実施し、外国人技能実習生・特定技能の雇用支援を通じて、日本で培った技術を母国に持ち帰り、後進に指導することに貢献しています。また、女性管理監督者の比率を全女性社員の20%以上、有給休暇取得率を70%以上とすることを行動計画として公表し、実施しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
桜井製作所は監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会を通じて経営の意思決定と監視を行っています。健全で透明性の高い経営体制の確立を重要な経営課題としています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
桜井製作所の筆頭株主は桜井興産であり、同社の資本構成は創業家や関連会社、取引先持株会が上位を占める特徴があります。これにより、特定の株主グループが経営に対して一定の影響力を持つ体制となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 桜井興産 | 27.70% |
| 桜井取引先持株会 | 10.64% |
| 櫻井 美枝子 | 9.62% |
| 不二 | 7.79% |
| 櫻井 成二 | 4.31% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は櫻井成二氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 櫻井 成二 | 代表取締役 社長 | 1999年8月桜井興産株式会社取締役に就任、2010年6月同社に入社、2014年5月同社取締役社長より現職。 |
| 櫻井 耕二 | 取締役 | 2003年4月桜井興産株式会社入社、2018年4月桜井興産株式会社取締役、2019年6月同社に入社、2022年6月同社取締役より現職。 |
| 櫻井 美枝子 | 取締役 | 1982年9月桜井興産株式会社取締役に就任、1993年1月同社に入社、1993年6月同社取締役より現職。 |
| 白澤 猛 | 取締役 製造本部部長 | 1985年4月同社に入社、2017年4月同社営業本部部長、2026年6月同社取締役に就任より現職。 |
同社は監査役制度を採用する会社です。取締役会は5名(うち1名は社外)の取締役で構成され、3名の監査役のうち2名が社外監査役であり、取締役の業務執行を厳正に監視する体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
桜井製作所は役員の報酬等の額またはその算定方法に関する方針を定めていません。各取締役の報酬額は、代表取締役社長が事業年度の業績や担当業務、実績を総合的に考慮して決定しています。監査役の報酬額は監査役の協議により決定されており、報酬は固定報酬が中心となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 76百万円 | 19.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 5.9百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 15百万円 | 4.9百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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