【平均年収553万円】小倉クラッチ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収553万円】小倉クラッチ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

小倉クラッチは、グループ各社とともに自動車用部品および産業用部品の製造販売を展開しています。直近の業績は売上高が減少したものの、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は増加となりました。


目次

※本記事は、小倉クラッチ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


小倉クラッチは、自動車用部品および産業用部品の製造販売を主な事業内容としています。同社グループは、カーエアコンやパワートレイン向けのクラッチ・ソレノイドなどを扱う輸送機器用事業と、モーターや昇降・運搬機械向けのクラッチ・ブレーキなどを扱う一般産業用事業を展開しています。

単体従業員数は791名、連結従業員数は1,755名です。同社グループの事業セグメントは、輸送機器用事業、一般産業用事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、小倉冷間鍛造、小倉電機などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


小倉クラッチは、従業員の能力開発と働きがいを重視し、長期的な視点での人材育成に力を入れている企業です。安定した環境で専門性を高め、ものづくりに貢献したいと考える方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員が長く働き、キャリアを形成していくことを重視する傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、経験豊富な人材が多数在籍し、安定した組織基盤を築いていることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,527,000円
平均勤続年数 18.6年
平均年齢 43.3歳
単体従業員数 791人
連結従業員数 1,755人
単体のグループ内比率 45.1%


同社および連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。これらの制度は国内および海外のグループ会社に適用されます。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、確定給付制度における退職給付債務は27.4億円、年金資産は31.0億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、持続的な企業価値向上を実現するため、人材を最も重要な経営資源と位置付けています。事業の持続的成長は従業員一人ひとりの能力開発と目標達成により実現されるとの認識のもと、人材戦略を企業戦略と一体的に推進しています。特に、メーカーとして培った技術力を継承していくため、長期雇用を基本とした人材育成を重視しています。

従業員の報酬については、企業価値向上への貢献を適切に反映し、優秀な人材の確保・定着および従業員の成長促進を図ることを目的としています。職務内容、役割、能力等を反映した処遇とし、従業員の勤務成績、能力、貢献度を総合的に勘案して決定されます。報酬は基本給、賞与(業績連動報酬)、各種手当で構成され、短期的な業績と個人の成果だけでなく、継続的な能力発揮と組織への貢献をバランスよく反映する制度としています。

人材育成においては、OJT(職場内教育)を中心とし、Off-JT(職場外教育)や自己啓発支援を組み合わせて能力向上を図っています。社内研修や社外セミナーの受講、公的な検定・認定・資格取得を推奨し、費用面での支援も実施しています。重点課題として、グローバル人材育成のための出向者教育の整備、集合研修やオンライン研修など多様な学習機会の提供、ものづくり人材を養成する技能教育の充実、QMS・EMSの理解促進に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。これらの数値は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定に基づき算出されています。

指標 数値
女性管理職比率 0.0%
男性育児休業取得率 85.7%
男女賃金差異(全労働者) 76.7%
男女賃金差異(正規雇用労働者) 75.0%
男女賃金差異(パート・有期労働者) 88.4%

多様性・登用


提出会社単体のデータです。

指標 数値
中途採用率 47%

人材育成・エンゲージメント


提出会社単体のデータです。

指標 数値
社内階層研修受講者 185名
社外セミナー受講者 72名
認定・検定・資格取得者 95名

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


小倉クラッチは、自動車用部品と産業用部品の製造販売を主な事業内容とする企業です。同社グループは、クラッチやソレノイドといった製品を通じて、幅広い産業の基盤を支えています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、自動車用部品および産業用部品の製造販売を主軸としています。事業は大きく「輸送機器用事業」と「一般産業用事業」の二つの報告セグメントに区分されており、それぞれの業界に特化した製品を提供しています。収益は主にこれら製品の製造販売から得られています。

輸送機器用事業

この事業では、カーエアコンやパワートレイン向けのクラッチ・ソレノイドといった自動車用部品の製造販売を行っています。日本市場での売上は増加しましたが、米国やアジア市場での売上減少により、セグメント全体の売上は前期から減少しました。しかし、セグメント利益は大幅に増加しています。

一般産業用事業

一般産業用事業では、モーター、変・減速機、昇降・運搬機械、OA機器業界向けのクラッチ・ブレーキなどを製造販売しています。主要業種への売上が増加したことにより、セグメント全体の売上は前期から増加しました。セグメント利益も大幅な増加を示しています。

その他の事業セグメント

この区分には、報告セグメントに含まれない防災関連業界向けなどの事業が含まれます。売上高は前期から増加し、前期のセグメント損失から利益へと転換しました。

同社グループの連結売上高に占める海外売上比率は52.2%となっており、米ドル、ユーロ、中国元、タイバーツ建てで取引が行われています。このため、外国通貨に対する円高は売上減少に、円安は売上増加に影響する傾向があります。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
輸送機器用事業 316億円 289億円
一般産業用事業 118億円 123億円
その他の事業セグメント 4.4億円 4.9億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は増減を繰り返しながら、当連結会計年度は前期に比べて減少となりました。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度において前期から増加しています。過去には経常損失や親会社株主に帰属する当期純損失を計上した期もありました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 389億円 442億円 435億円 439億円 417億円
経常利益 △7.5億円 7.9億円 △2.3億円 7.5億円 14.1億円
経常利益率 △1.9% 1.8% △0.5% 1.7% 3.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 △11.3億円 5.1億円 △6.0億円 11.6億円 15.0億円
1株当たり当期純利益(円) △758.30 340.28 △399.61 776.88 1,004.37

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)は、当連結会計年度において前期から減少しました。しかし、従業員1人あたりの営業利益(連結)は前期から増加しており、収益性の改善が見られます。これらの指標は、同社グループの事業運営における効率性の変化を示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 24.7百万円 23.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.3百万円 0.8百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


小倉クラッチグループは、本業で安定した収益を確保しつつ、将来に向けた投資も行い、手元資金も厚く維持している状況です。財務基盤は堅実であり、事業活動を通じて資金を創出しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率と手元資金の状況から安定していることがうかがえます。自己資本比率は前期から改善し、プライム市場の製造業平均と比較しても遜色のない水準にあります。ROE(自己資本利益率)も前期から向上しており、効率的な経営ができていることを示しています。

また、手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不測の事態や今後の事業展開に備える資金的な余裕があると考えられます。これらの財務指標は、入社後の雇用や給与の安定性を考える上で重要な要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 177億円 199億円
自己資本比率 37.7% 42.0%
ROE(自己資本利益率) 7.0% 8.0%
現金及び預金 79.3億円 85.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


小倉クラッチグループは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュ・フローがプラスで推移しています。これは主に税金等調整前当期純利益と減価償却費によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出が主な要因でマイナスとなっていますが、投資有価証券の売却による収入もあり、その規模は抑制されています。

財務活動によるキャッシュ・フローも長期借入金の返済によりマイナスとなっており、借入依存度を下げている状況です。結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローはプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を行いながらも、余剰資金を生み出している優良な状態を示しています。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資も無理なく行える財務体質であることを示唆しており、雇用や給与の安定性にもつながると考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 27.9億円 16.1億円
投資CF △4.9億円 △6.8億円
財務CF △24.5億円 △4.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 23.0億円 9.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、連結売上高に占める海外売上比率が52.2%となっており、為替変動が経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、売上高は電磁クラッチへの依存度が高い状態で推移しており、予測不能な技術革新等で電磁クラッチが陳腐化する場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


小倉クラッチは、クラッチ・ブレーキの総合メーカーとして、お客様から愛される企業を目指し、技術力と品質力を重視した経営を行っています。変化の激しい事業環境に対応しながら、持続的な成長と社会貢献を追求する企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、2025年度の経営方針として「クラッチ・ブレーキの総合メーカーとして盤石な企業体質を築き上げお客様から愛される企業を目指す」ことを掲げています。安定した利益を確保し、人・設備・開発に投資することで、新たな高付加価値品を提供していく方針です。

80年を超えて培ってきたものづくり技術を融合し、新製品開発や新市場開拓にチャレンジすることで、小倉クラッチの次代を担う事業を創出することを目指しています。同社グループは「クラッチ・ブレーキの総合メーカーとしてのプライドを持ってお客様の要求にお応えして行くことで、100年企業の実現を目指してまいります」と述べています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、総合的な品質力を高め、顧客満足を向上させることを重視しています。製品設計や製造だけでなく、営業活動や管理業務などあらゆる仕事の側面で品質を高めることで、お客様の信頼獲得を目指しています。品質力向上のためには、4M(Man:人、Machine:機械、Material:材料、Method:方法)管理を徹底し、標準を遵守し、さらにその標準をレベルアップさせることを掲げています。

次世代を担う人財を育成し、適切な人員配置で組織を活性化することも重視しています。スピーディーな報・連・相で情報共有を徹底し、一元化された組織運営を目指す方針です。人材育成の方針として、「強い責任感や勤労意欲及び協調の精神を高め、仕事への満足感の醸成及び人間性の成長を図り、業務能率を増進させて、働き甲斐の実現と会社の発展に貢献するもの」と考えています。

社員が能力開発に取り組む姿勢として、「コミュニケーション能力を高め、グループの連携を強化する」「ものづくり能力を高め、社会のニーズに応える」「技と心を伝承し、次世代を担う人財を育成する」の3点を掲げています。サステナビリティの取り組みとして、「人と環境に優しい企業」を合言葉に、グリーンサプライやゼロエミッションを目指した活動を展開しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、持続的な成長と社会的責任を果たすため、中期課題への基本的な戦略を維持しつつ、重点課題への取り組みを継続・強化しています。高付加価値事業への転換と市場の選択・集中を掲げ、設計開発力・加工技術力を活かした新製品開発と成長市場への投入を進めています。

人材の確保とエンゲージメントの向上も重要な課題です。やる気のある社員に活躍と成長の機会を与えられる魅力ある人事制度を構築し、多様な従業員が活躍できる働きやすい職場環境の実現を目指しています。業務の効率化と管理レベルの向上として、製造部門の生産管理システム刷新や間接業務のDX推進により、働き方改革と生産性向上を両立する方針です。

サプライチェーン強靭化・品質保証の高度化も重点テーマであり、調達先の多様化や重要部材の安定確保、品質保証体制の強化を推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


小倉クラッチは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監査を担う体制となっています。社外役員も経営監視に参画しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


小倉クラッチの株主構成を見ると、筆頭株主は関連会社である第一共栄ビル、次いで小倉クラッチ取引先持株会、そして代表取締役社長の小倉康宏氏が上位に名を連ねています。同社は、関連会社や取引先持株会、個人株主によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
第一共栄ビル 19.60%
小倉クラッチ取引先持株会 10.79%
小倉 康宏 5.55%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は小倉康宏氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
小倉 康宏 代表取締役社長 1984年10月第一共栄ビル代表取締役社長。1989年6月同社入社、取締役海外製造担当部長。2002年5月代表取締役社長より現職。オグラ・コーポレーション代表取締役会長などグループ会社の要職を歴任。
猪越 義彦 取締役常務執行役員営業担当 1985年4月同社入社。2011年6月執行役員営業本部長。2019年6月取締役常務執行役員営業本部担当。2025年4月取締役常務執行役員営業担当より現職。
秋山 浩一 取締役常務執行役員一般クラッチ生産担当 1985年4月同社入社。2012年6月執行役員一般クラッチ生産本部長兼第一工場長。2021年6月取締役常務執行役員一般クラッチ生産担当より現職。
松本 保則 取締役常務執行役員輸送機器担当 1985年4月同社入社。2021年4月執行役員オグラクラッチ・タイランドCO.,LTD.取締役社長。2024年1月取締役常務執行役員輸送機器担当より現職。
竹内 修 取締役執行役員経営管理担当 2008年8月群馬銀行ニューヨーク支店支店長。2014年4月同行総合企画部グループ統括室長。2021年4月同社入社。2025年6月取締役執行役員経営管理本部長兼グローバル財務部長より現職。


社外取締役は、田部井公夫氏(税理士)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会による意思決定と監査役会による監査が経営体制の基本です。社外取締役1名、社外監査役2名が経営の監督・監査に参画しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


小倉クラッチの役員報酬は、会社業績との連動性を確保しつつ、職責と成果を反映した適正な水準とすることを基本方針としています。取締役の基本報酬は固定の月額報酬のみで構成されており、役位や職責に応じて決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.6億円 27.2百万円
監査役(社外除く) 1名 14百万円 14.0百万円
社外役員 3名 15百万円 5.0百万円


役員報酬の総額は1.92億円です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。