NFKホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

NFKホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

NFKホールディングスは、東京証券取引所スタンダード市場に上場し、工業炉燃焼装置関連事業とエレクトロニクス事業を展開する持株会社です。直近の業績は、子会社化による事業領域拡大の影響で、売上高が前期の約21億円から約37億円へ大幅増収、経常利益も約1.5億円から約2.8億円へと増収増益を達成しています。


※本記事は、株式会社NFKホールディングスの有価証券報告書(第84期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. NFKホールディングスってどんな会社?


工業炉燃焼装置とエレクトロニクス領域の技術で製造業を支える持株会社です。

(1) 会社概要


1950年に日本ファーネス工業として設立され、1963年に店頭登録を果たしました。2004年にジャスダック証券取引所に上場し、2006年にグループ会社を再編してNFKホールディングスへと商号変更を行いました。2025年にはキャストリコを連結子会社化し、新たにエレクトロニクス事業を展開しています。

従業員数はグループ全体で207名、単体で2名体制で運営されています。筆頭株主はZで、第2位は船カンショートコース、第3位は船橋カントリー倶楽部となっています。

氏名 持株比率
12.59%
船カンショートコース 10.26%
船橋カントリー倶楽部 4.51%

(2) 経営陣


同社の役員は男性6名、女性1名の計7名で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長の豊田悦章氏がトップを務め、社外取締役が2名在籍しています。

氏名 役職 主な経歴
豊田悦章 代表取締役社長 明治安田生命相互保険会社などを経て、2008年に同社へ入社。管理部部長などを歴任し、2022年より現職。
加藤祐蔵 取締役 エコナックホールディングス取締役などを経て、2020年に同社取締役に就任。日本ファーネス取締役なども兼任。


社外取締役は、増井純(MBL代表取締役)、奥村英夫(エコナックホールディングス元代表取締役社長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「工業炉燃焼装置関連事業」「エレクトロニクス事業」および「その他」の事業を展開しています。

(1) 工業炉燃焼装置関連事業


工業炉、バーナ、燃焼機器などの設計、製造、販売を主たる事業としています。鉄鋼、化学、窯業をはじめとする幅広い産業向けに、省エネルギーや低NOx燃焼技術を提供しており、納入済み設備の保守・点検サービスおよび交換部品の供給に至るまでの一貫したサービスを行っています。

顧客となる企業からの受注生産やメンテナンスなどにより収益を獲得しています。カーボンニュートラル対応に向けた水素やアンモニアなどの次世代燃料への対応も進めており、運営は主に日本ファーネスが行っています。

(2) エレクトロニクス事業


ハードウェア、ソフトウェア、メカトロニクスの技術を基盤とした事業です。LSIやFPGA等の半導体デバイス設計やファームウェア開発を行うエンジニアリング事業のほか、半導体・電子部品の供給および電子機器受託製造サービス、メカトロニクスの設計から保守までを一貫して提供しています。

半導体関連市場などの顧客に対して、製品の販売や開発設計サービスの提供を通じて収益を獲得しています。2025年8月に同社グループへ加わり、運営はキャストリコが行っています。

(3) その他


報告セグメントに含まれないその他の事業活動を行っています。主に同社グループの純粋持株会社としての機能に関連する業務が含まれます。

不動産賃貸収入や、連結子会社からの経営指導料などが主な収益源となっています。運営は主にNFKホールディングスが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は2025年3月期まで21億円前後で推移していましたが、2026年3月期に子会社化の影響等により37億円へと大幅に成長しています。経常利益も1億円台で安定していましたが、直近では3億円へと拡大し、増収増益の傾向を示しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 19億円 22億円 21億円 21億円 37億円
経常利益 1億円 1億円 1億円 2億円 3億円
利益率(%) 7.7% 6.4% 6.4% 7.4% 7.6%
当期利益(親会社所有者帰属) 1億円 1億円 7億円 1.0億円 1億円

(2) 損益計算書


売上高の大幅な成長に伴い、売上総利益および営業利益も大きく増加しています。とくに売上総利益率は改善傾向にあり、営業利益率も上昇していることから、事業規模の拡大と同時に収益性の向上も実現していることがうかがえます。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 21億円 37億円
売上総利益 6億円 12億円
売上総利益率(%) 28.3% 31.5%
営業利益 1億円 3億円
営業利益率(%) 6.6% 7.4%


販売費及び一般管理費のうち、役員報酬及び従業員給与賞与が3億円(構成比38%)、支払手数料が1億円(同12%)を占めています。

(3) セグメント収益


従来の主力である工業炉燃焼装置関連事業に加え、当期から新たにエレクトロニクス事業が報告セグメントとして追加されました。エレクトロニクス事業が18億円の売上を計上し、全体の成長を大きく牽引しています。一方、工業炉燃焼装置関連事業の売上は前年と比較してやや減少しています。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2026年3月期)
工業炉燃焼装置関連事業 21億円 19億円
エレクトロニクス事業 - 18億円
その他 - -
連結(合計) 21億円 37億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


キャッシュ・フローの状況を見ると、営業CF、投資CF、財務CFのいずれもプラスとなる「再建・転換型」の傾向を示しています。本業からの収入に加え、資金調達や株式取得等による収入を得ており、新たな事業展開や事業構造の転換に向けた投資を行っている局面であることがうかがえます。

項目 2025年3月期 2026年3月期
営業CF - 3億円
投資CF -0.7億円 9億円
財務CF - 1.0億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は1.5%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は71.4%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「最先端技術を社会に提供し地球環境保全と循環型社会の実現に貢献する」という創業以来の経営理念のもと、事業活動を行っています。長年培った燃焼技術を基に、絶え間ない努力とチャレンジによって社会に価値を提供し、株主や顧客、社員、地域社会などすべてのステークホルダーの繁栄を目指しています。

(2) 企業文化


公正で透明性の高い経営に取り組むことを基本方針として掲げています。コーポレート・ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底を絶えず念頭におき、経営革新を推進する文化があります。長期的な視点に立ってステークホルダーとの良好な関係を構築し、企業価値の向上に努めています。

(3) 経営計画・目標


「2030年に向けてサステナブルグロウス(持続的成長)を実現する」という目標を掲げています。具体的には、「事業基盤の強化」「成長戦略を支える強固な経営基盤の構築」「環境・社会・ガバナンスを重視した経営」の3つの基本方針を軸に、全社を挙げて年度計画の実現に向けた取り組みを推進しています。

(4) 成長戦略と重点施策


今後の成長に向けて、事業ポートフォリオの多角化によるリスク分散と企業価値の向上を図るため、積極的なM&Aを継続する方針です。工業炉燃焼装置関連事業では水素やアンモニアなどの次世代燃料への対応など技術的優位性の確立を目指し、エレクトロニクス事業では新規顧客開拓と増産体制の整備を進めています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


事業拡大に伴い、グループ全体での人材戦略を重視しています。多様な人材による組織づくりを推進しており、長期的な年齢構成の適正化を図るための新卒採用や、即戦力となる中途採用を適宜実施しています。各事業の特性に応じた人材育成と、育児や介護と仕事の両立支援を通じた職場環境の整備にも注力しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年3月期 55.0歳 21.0年 6,575,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は公表義務の対象となる会社が存在しないため、有報には本項の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 経済情勢及び景気動向


工業炉燃焼装置関連事業は、鉄鋼や自動車などの産業の設備需要に影響を受けます。マクロ経済の悪化や競争激化で需要が低下した場合、業績に影響が及ぶ可能性があります。またエレクトロニクス事業も、半導体関連市場の需給動向の影響を強く受ける構造となっています。

(2) 資材等の調達コスト上昇


工業炉燃焼装置関連事業では、金属製品を用いた機械部品がコストの多くを占めます。原油高騰や為替変動で仕入コストが上昇し、価格転嫁ができない場合は業績に影響します。エレクトロニクス事業でも供給不足や価格高騰が生産計画に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 特定の販売先への依存


エレクトロニクス事業においては、売上高の大部分を特定の販売先との取引が占めています。当該顧客の業績悪化、投資方針の変更、または取引関係の縮小が生じた場合には、同社グループの業績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。