※本記事は、株式会社プラコー の有価証券報告書(第65期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月27日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. プラコーってどんな会社?
プラスチック成形機の製造販売を主力とし、2024年よりシステム開発事業にも参入した機械メーカーです。
■(1) 会社概要
1960年にプラスチックス工業として創立し、翌年埼玉県川口市で生産を開始しました。1972年に現社名へ変更し、2004年にジャスダック証券取引所へ上場しています。2022年の市場区分見直しによりスタンダード市場へ移行しました。2024年12月には株式会社クラウドサービスを子会社化し、システム開発事業を開始しています。
連結従業員数は78名、単体では70名体制です。筆頭株主は有限会社フクジュコーポレーション(9.67%)、第2位は台湾の金融機関であるFUBON SECURITIES CO.,LTD A/C GLOBAL(6.59%)、第3位は個人株主の馮尚昆氏(5.60%)となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社フクジュコーポレーション | 9.67% |
| FUBON SECURITIES CO.,LTD A/C GLOBAL | 6.59% |
| 馮尚昆 | 5.60% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は古野孝志氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 古野孝志 | 代表取締役社長 | 新日本製鉄、日興証券を経て、エブリデイ・ドット・コム取締役、GCIキャピタル執行役員、スリープログループ取締役副社長等を歴任。2020年11月より現職。 |
| 菊池敏文 | 取締役副社長 | 創成商事、ツーゲント、木下フレンド入社を経て、同社常務取締役、木下フレンド(船橋)取締役を歴任。2020年11月より現職。 |
社外取締役は、本多敏行(和円商事代表取締役社長)、池上聖次郎(行政書士聖法律事務所開設者)です。
2. 事業内容
同社グループは、「プラスチック成形機事業」「システム開発事業」を展開しています。
■プラスチック成形機事業
フィルム製品や中空製品(自動車部品等)を製造するためのインフレーション成形機やブロー成形機、およびリサイクル装置の製造販売を行っています。また、機械のメンテナンスや部品販売も手がけています。
製品の製造販売およびメンテナンスサービスからの収益が主な柱です。運営は主にプラコーが行っています。
■システム開発事業
コンピュータシステムの受託開発およびシステムエンジニアの人材派遣事業を行っています。約50名のエンジニアが在籍し、企業のDX推進などを支援しています。
顧客からのシステム開発受託費や派遣料が収益源となります。運営は2024年12月に子会社化した株式会社クラウドサービスが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
2025年3月期より連結財務諸表を作成しているため、当期のみのデータを表示します。売上高は約22億円ですが、利益面では各段階で損失を計上しています。
| 項目 | 2025年3月期 |
|---|---|
| 売上高 | 22.3億円 |
| 経常利益 | -1.4億円 |
| 利益率(%) | -6.3% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -0.9億円 |
■(2) 損益計算書
当期の売上原価率は約74%、売上総利益率は約26%です。販売費及び一般管理費の負担が大きく、営業損益はマイナスとなっています。
| 項目 | 2025年3月期 |
|---|---|
| 売上高 | 22.3億円 |
| 売上総利益 | 5.8億円 |
| 売上総利益率(%) | 25.8% |
| 営業利益 | -1.4億円 |
| 営業利益率(%) | -6.2% |
販売費及び一般管理費のうち、その他が4.1億円(構成比58%)、給料及び手当が1.8億円(同25%)を占めています。
■(3) セグメント収益
主力のプラスチック成形機事業が売上の大半を占めています。システム開発事業は年度途中からの連結のため、売上寄与は限定的です。
| 区分 | 売上(2025年3月期) |
|---|---|
| プラスチック成形機事業 | 21.3億円 |
| システム開発事業 | 1.0億円 |
| 連結(合計) | 22.3億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
プラコーは、事業運営に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、プラスチックリサイクル事業の成長やシステム開発事業の収益拡大により、安定的な創出を目指しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、事業基盤の獲得・拡大を目的としたM&Aや、生産体制強化のための設備投資に活用されています。財務活動によるキャッシュ・フローは、金融機関からの借入を基本とした資金調達により、事業運営に必要な資金を確保しています。
| 項目 | 2025年3月期 |
|---|---|
| 営業CF | 1.0億円 |
| 投資CF | 0.5億円 |
| 財務CF | -4.1億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は、市場をリードする新機能、高品質、高付加価値商品の開発と普及を通じて、社会生活の合理化や利便性の向上に貢献することを目指しています。また、人と地球に優しい環境保全や改善を重視し、技術力とノウハウを活用して事業領域を拡大させることを基本方針としています。
■(2) 企業文化
透明性と倫理を重視した経営を行い、経営陣と従業員のコミュニケーションを通じて倫理的なビジネス慣行を徹底する文化があります。また、従業員の多様性や個性を尊重し、安全で働きやすい環境の確保に努めています。顧客情報に耳を傾け、適切かつ迅速な対応で顧客満足度を高める姿勢も重視しています。
■(3) 経営計画・目標
電力や鋼材価格の上昇、為替変動などのコスト上昇要因や、不透明な事業環境に対処しつつ、事業の成長を目指しています。具体的な数値目標としてのKPI等は記載されていませんが、省力化・省人化などの新機能機種開発による競争力強化や、システム開発事業における収益拡大を計画しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
プラスチック成形機事業では、省エネ・省人化機種の開発や特許取得を進め、更新需要や部品需要への対応を強化します。ブロー成形機ではEVシフトによる需要変化に対応し、高機能機種での市場開拓を図ります。リサイクル事業では需要の高まりを捉え、事業への取り込みを強化します。システム開発事業では、製品開発への技術活用とクラウド移行案件による収益拡大を目指します。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
自社開発技術による製品開発を行うため、経営トップが採用活動に積極的に関与し、優秀な人材の確保と育成に注力しています。システム開発事業では、エンジニアのスキルアップやキャリアパス実現に向けた教育体制を整備しています。また、多様性の確保を重視し、性別や国籍、在籍年数に関わらず最適な人材を登用する方針を掲げています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均とほぼ同じ水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 44.0歳 | 13.6年 | 5,885,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 原料価格変動による設備投資への影響
同社の主力製品である成形機は、プラスチックを主原料とする加工品の生産機械です。原油価格や為替変動によりプラスチック原料価格が乱高下したり調達困難になったりした場合、顧客であるユーザー企業が新規設備投資を控え、同社グループの売上高が減少する可能性があります。
■(2) 輸入品の為替レートの影響
生産活動の一部を海外で展開し、部品等を輸入していることから輸入超過の状況にあります。そのため、急激な円安が進行し、そのコスト増分を製品価格に転嫁できない場合には、収益性が低下する可能性があります。これに対し、外貨建取引のバランス調整等でリスク低減を図っています。
■(3) 大型・高額商品による期間損益への影響
プラスチック成形機事業は検収基準で売上を計上していますが、大型・高額製品の検収予定日が決算日直前の場合、検収が翌期にずれ込むことで当該期間の売上高や損益に大きな変動が生じる可能性があります。生産活動の効率化や検収時期の平準化により、この影響の抑制に努めています。
■(4) 外注先への製造依存について
製品の生産において相当量を外注先に委託しており、海外生産や海外調達も行っています。外注先との協力関係の悪化や、国際情勢の変化、輸送トラブル等により調達が遅延または不能となった場合、生産が円滑に行われない可能性があります。これに対し、外注先の分散や契約の見直し等で対応しています。



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