プラコー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

プラコー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

プラコーは東京証券取引所スタンダード市場に上場し、インフレーションフィルム成形機やブロー成形機等のプラスチック成形機事業と、システム受託開発や人材派遣を行うIT・人材事業を展開する企業です。直近の業績は売上高27億円、経常利益1億円となり、増収かつ黒字転換を果たして堅調に推移しています。


※本記事は、株式会社プラコーの有価証券報告書(第66期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月24日提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. プラコーってどんな会社?


プラスチック成形機事業とIT・人材事業を主力とし、幅広い産業を支える企業です。

(1) 会社概要


1955年にプラスチックス貿易として創立され、1962年に関口機械工業と合併、1972年に現在のプラコーへと改称しました。2004年にジャスダック証券取引所へ上場し、市場再編を経て現在はスタンダード市場に所属しています。近年は2024年にクラウドサービス、2025年にPBBを子会社化し、IT・人材事業へ本格参入を果たしました。

従業員数は連結で83名、単体で72名です。筆頭株主はフクジュコーポレーションで、第2位はFUBON SECURITIES CO.,LTD A/C GLOBAL(常任代理人シティバンク、エヌ・エイ東京支店)、第3位は杉山製作所となっています。

氏名 持株比率
フクジュコーポレーション 9.46%
FUBON SECURITIES CO.,LTD A/C GLOBAL(常任代理人シティバンク、エヌ・エイ東京支店) 6.29%
杉山製作所 4.36%

(2) 経営陣


同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は古野孝志氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
古野孝志 代表取締役社長 1980年新日本製鉄入社、日興証券等を経て2020年同社代表取締役社長就任。2024年クラウドサービス代表取締役、2025年PBB代表取締役。
菊池敏文 取締役副社長 1978年創成商事入社、木下フレンド常務取締役等を経て2020年同社取締役副社長就任。営業・テクノグループ・管理購買管掌。


社外取締役は、本多敏行(和円商事代表取締役社長)、池上聖次郎(行政書士聖法律事務所開設)です。

2. 事業内容


同社グループは、プラスチック成形機事業およびIT・人材事業を展開しています。

(1) プラスチック成形機事業


インフレーションフィルム成形機、ブロー成形機、リサイクル装置の製造販売および機器メンテナンスサービスを提供しています。食品や医療、自動車部品向けの成形機から、環境課題に対応する廃プラスチックのリサイクル装置まで幅広い産業のニーズに応えています。

収益は顧客への製品販売およびメンテナンスや部品販売により得ています。大型機械の製造と長期間のメンテナンスが収益の柱であり、事業運営は主にプラコーが行っています。

(2) IT・人材事業


コンピュータシステム受託開発やSE人材派遣、一般事務派遣、人材紹介サービスを提供しています。AIやクラウドなど成長を続けるシステム開発分野の技術力を生かし、幅広い企業のデジタルトランスフォーメーションや人材不足の解消を支援しています。

収益は顧客企業からのシステム開発受託料や人材派遣・紹介手数料として得ています。運営は主に子会社のクラウドサービスおよびPBBが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近2期の売上高は増加傾向にあり、経常利益および当期純利益はマイナスからプラスへと転じています。市場環境の回復やコスト削減の効果により、収益性が大幅に改善し黒字化を達成しました。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 22億円 27億円
経常利益 -1億円 1億円
利益率(%) -6.3% 5.1%
当期純利益 -1億円 1億円

(2) 損益計算書


直近2期間において、売上高の増加に伴い売上総利益および営業利益が大きく改善しています。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 22億円 27億円
売上総利益 6億円 8億円
売上総利益率(%) 25.8% 31.2%
営業利益 -1億円 1億円
営業利益率(%) -6.2% 5.2%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が2億円(構成比30.4%)、賞与引当金繰入額が0.3億円(同4.2%)を占めています。

(3) セグメント収益


プラスチック成形機事業は受注の回復とコストダウンにより増収および黒字転換を果たしました。IT・人材事業はM&Aの効果により売上が急拡大しています。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2026年3月期) 利益(2025年3月期) 利益(2026年3月期) 利益率
プラスチック成形機事業 21億円 22億円 -1億円 1億円 6.6%
IT・人材事業 1億円 5億円 0億円 -0億円 -0.8%
連結(合計) 22億円 27億円 -1億円 1億円 5.2%

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業CFと投資CFがプラス、財務CFがマイナスとなっており、営業利益と資産売却等によって借入返済を進める改善局面(改善型)にあります。

項目 2025年3月期 2026年3月期
営業CF 1億円 0億円
投資CF 1億円 0億円
財務CF -4億円 -2億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は5.1%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は53.3%でこちらも市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


自社の事業ドメインを拡大させていく成長戦略を基盤に、絶えず市場をリードする新機能、高品質、高付加価値商品の開発とそれらの市場普及による社会生活の合理化、利便性とともに、人と地球に優しい環境保全、改善を目指して経営を行っています。

(2) 企業文化


従業員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現することを目指して、性別・国籍・在籍年数にかかわらず、ポジションに最適な人材を登用することを基本とする文化を大切にしています。

(3) 経営計画・目標


株主に対する利益還元を経営の重要政策の一つと考え、中長期的な目標を掲げています。

* 配当性向30%以上

(4) 成長戦略と重点施策


インフレーションフィルム成形機事業では省力化・省人化や高付加価値製品への対応に取り組み、ブロー成型機事業では自動車燃料タンク用需要の拡大を捉えます。リサイクル装置事業ではコストダウンにより競争力を高め、IT・人材事業では事業基盤を拡大強化して収益の柱に育てる方針です。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


人材を最も重要な経営資本の一つと捉え、働き甲斐のある企業への変革を経営戦略軸に定めています。個々の力を最大限引き出し、持続的な企業価値の向上へつなげるため、技術に精通した人材の育成や熟練者から若手層への技術継承を進め、一人ひとりのキャリアパスの実現に向けた教育体制を整備しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均とほぼ同じ水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年3月期 45.0歳 14.1年 5,708,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

また、同社は「サステナビリティに関する考え方及び取組」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性人数(22名)、女性管理職比率(10%未満)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 原料価格変動による設備投資への影響


プラスチックを主原料とする加工品の生産用機械を扱っているため、原料価格が高騰した場合、ユーザーが新規設備投資を控え、売上高の減少を招く可能性があります。

(2) 輸入品および為替レート変動の影響


生産活動の一部を海外で展開し、諸外国からの輸入品があるため輸入超過の状況にあります。急激な円安への変動を製品価格に転嫁できない場合、収益性が低下するリスクがあります。

(3) 専門人材の確保と技術継承


自社開発技術によって製品開発や生産を行っているため、人材が社外に流出した場合、技術継承が困難になる恐れがあります。また、IT・人材事業でもエンジニアの採用・育成が遅れると競争力低下を招くリスクがあります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。