※本記事は、株式会社AIRMAN の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
AIRMANは、コンプレッサ、発電機、車両系建設機械などの建設機械・産業機械の製造と販売を主な事業内容としています。同社グループは、これらの機械を通じて社会インフラや産業活動を支えています。
単体従業員数は529名、連結従業員数は820名です。セグメントは建設機械事業、産業機械事業の2つです。
主な国内グループ会社は、エーエスシー(建設機械事業・産業機械事業)、イーエヌシステム(建設機械事業)などです。
なお、イーエヌシステムは2026年4月1日を効力発生日として、AIRMANを吸収合併存続会社、同社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を実施しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
AIRMANは、長期的な成長を目指し、社員が誇りを持って働ける会社づくりに注力しています。持続可能な社会の実現と企業価値向上を両立させるため、人的資本経営を推進し、社員一人ひとりの成長と多様性を重視する環境が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員が長く働き続けられる環境を整えている傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、比較的定着率が高く、経験豊富な社員が多数在籍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,959,480円 |
| 平均勤続年数 | 13.8年 |
| 平均年齢 | 37.8歳 |
| 単体従業員数 | 529人 |
| 連結従業員数 | 820人 |
| 単体のグループ内比率 | 64.5% |
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度と確定拠出制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は同社および連結子会社に適用されています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度における退職給付債務は20.7億円、年金資産は18.0億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、2030年度に向けた長期ビジョン「AIRMAN VISION 2030」の達成に向け、人材戦略を経営戦略と連動させています。社員一人ひとりの個性と適性、ライフスタイルを尊重し、挑戦をサポートすることで、日々の努力と成果を正しく評価する人的資本経営を徹底しています。
給与の決定にあたっては、個々の社員の職務内容、等級・役職に応じた適切な報酬水準を設定し、成果や行動を評価する公正な賃金体系を構築しています。賞与は会社業績と個人評価を反映させる仕組みであり、従業員のモチベーション向上と企業価値向上の両立を図っています。ベースアップを含む賃金改定は労働組合との協議を経て決定されており、処遇水準の適正化に継続的に取り組む方針です。また、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして、2026年3月期より譲渡制限付株式制度を新たに導入しています。
人的資本に関する基本方針として「人事ビジョン」を策定し、「モチベーション」「人材育成」「多様性」「グローバル」「人事・配置」の5つの柱で取り組んでいます。具体的には、若手社員への段階的教育プログラムやOJTを通じた技能継承、製造現場における多能工化の推進、女性・外国人・キャリア採用の拡大、管理職登用の促進、女性活躍推進に関する研修の実施などを行っています。働きやすい職場環境の整備として、製造現場の自動化や働き方改革、安全・健康への配慮も進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データであり、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 2.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 58.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 80.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 80.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 86.2% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱エーエスシー
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 3.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
▼ イーエヌシステム㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
モチベーション
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育児休業取得率(男性) | 70.8% |
| 育児目的休暇制度の取得率 | 62.5% |
多様性
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性社員比率 | 18.4% |
| 中途採用比率 | 43.9% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
AIRMANは、コンプレッサ、発電機、車両系建設機械といった建設機械や産業機械の製造と販売を主な事業としています。同社グループは、これらの製品を通じて国内外の幅広い顧客に価値を提供し、収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
建設機械事業
この事業では、エンジンコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などを主要な製品としています。収益は、これらの製品の製造および販売から得ています。運営は、AIRMAN、イーエヌシステム、ファンドリー、AIRMAN USA CORPORATION、上海復盛埃爾曼機電有限公司が製造・販売を、エーエスシー、HOKUETSU INDUSTRIES EUROPE B.V.、AIRMAN ASIA SDN.BHD.が販売を行っています。特に北米市場での販売が好調に推移しており、海外売上が同事業の成長を牽引しています。米ドルやユーロ建ての取引が多く、為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。
産業機械事業
この事業では、モータコンプレッサや非常用発電機などを主要な製品としています。収益は、これらの製品の製造および販売、部品販売、サービスから得ています。運営は、AIRMANおよびファンドリーが製造・販売を、エーエスシーが販売を行っています。国内の設備投資需要が底堅く、OEM供給や外販向け製品の販売が堅調に推移しています。この事業は主に国内市場での展開であるため、為替相場の変動による影響は軽微であると説明されています。
同社グループの売上高は、北米を中心とした海外建設機械ルートの増加が大きく寄与し、過去最高の成績を収めました。主要な顧客として、Alliance North America, Inc.への販売が建設機械事業において大きな割合を占めています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 建設機械事業 | 441億円 | 446億円 |
| 産業機械事業 | 102億円 | 111億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期間にわたり売上高が継続して増加する傾向を示しています。特に直近の当連結会計年度では、売上高が過去最高の水準となりました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、直近前期に一時的な減少が見られたものの、当期には再び大きく増加し、いずれも過去最高の水準を更新しています。この利益の増加は、売上高の伸長に加え、コスト上昇に対する販売価格の転嫁や円安基調の為替が寄与したためと説明されています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 364億円 | 489億円 | 518億円 | 544億円 | 556億円 |
| 経常利益 | 40.5億円 | 54.0億円 | 73.0億円 | 68.3億円 | 80.1億円 |
| 経常利益率 | 11.1% | 11.0% | 14.1% | 12.6% | 14.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 27.4億円 | 37.7億円 | 50.8億円 | 47.7億円 | 56.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 95.53 | 132.95 | 181.62 | 172.16 | 204.99 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの生産性を見ると、従業員1人あたり売上高は前期からわずかに増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しており、組織全体の収益創出能力が向上している傾向を示しています。これらの指標の改善は、同社グループが効率的な事業運営を進めていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 67.4百万円 | 67.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 8.0百万円 | 8.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社AIRMANは、財務基盤の安定性と資金の流れを通じて、事業の現在地と将来に向けた投資状況を示しています。本業からの資金流出が見られるものの、これは成長のための投資フェーズにあることを反映しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した経営基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な資本活用が行われていることがうかがえます。手元資金である現金及び預金は前期から減少していますが、事業運営に必要な流動性を確保している状態です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性に関わる重要な要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 410億円 | 452億円 |
| 自己資本比率 | 63.7% | 68.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 12.2% | 13.0% |
| 現金及び預金 | 192億円 | 121億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当期は営業活動によるキャッシュ・フローが支出超過に転じ、棚卸資産の増加や仕入債務の減少が主な要因となっています。これは事業運営における資金の出入りに変化があったことを示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が継続しており、将来に向けた事業基盤の強化や成長投資を積極的に行っている状況です。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得や配当金の支払いにより支出超過となっています。結果として、フリーキャッシュ・フローは支出超過となっており、事業活動で得た資金を上回る投資を行っていることがうかがえます。このような資金の流れは、同社グループが成長投資フェーズにあることを示しており、中長期的な視点での事業拡大と、それに伴う雇用や給与の安定性に関わる状況を示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 39.5億円 | △23.8億円 |
| 投資CF | △10.8億円 | △14.8億円 |
| 財務CF | 43.8億円 | △33.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 28.7億円 | △38.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、建設関連機械及び工場設備関連機械の製造・販売を主な事業としており、建設投資や民間設備投資等の市場環境の変動が製品需要に影響を与える可能性があります。また、海外売上高比率が44.8%と高く、北米・欧州での米ドル・ユーロ建取引が多いため、為替相場の変動が業績に直接的な影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、国内経済において人手不足が継続している状況を認識しており、これが事業活動に影響を与える可能性があります。この状況は、人材の確保や育成に関する課題として捉えられます。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
AIRMANは、お客様第一の信念を掲げ、社会の発展に貢献することを目指す企業です。社員の働きがいと国際的感覚を重視し、経営革新と技術開発に努めることを基本方針としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「お客様第一の信念に徹し、社会の発展に貢献する」ことを経営理念の第一に掲げています。また、「物心ともに豊かで、公平な働きがいのある会社とする」こと、そして「国際的感覚をもち、経営の革新と技術の開発に努める」ことを目指しています。
中長期的な経営戦略としては、「中期ビジョン2027」を推進しています。これは、売上規模を維持しつつ事業ポートフォリオの再構築に主眼を置き、「長期ビジョン2030」の達成を目指すという基本方針のもと、様々な戦略に取り組むものです。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループでは、経営理念の実現に向けて、社会倫理を尊重し、社員全員が行動指針、品質・環境方針に従って企業活動を展開しています。サステナビリティに関する基本方針として、国際ルールや法令を遵守し、公正かつ誠実に業務を遂行することを掲げています。
また、人権を尊重し、児童労働・強制労働を行わないこと、ステークホルダーとの関係を大切にし、適時かつ適正な情報開示を行うことを重視しています。人的資本に関する「人事ビジョン」では、社員一人ひとりのモチベーション向上、成長を実感できる人材育成、多様性の推進、海外展開を見据えたグローバルな人事対応、戦略的・育成的観点での人事・配置を基本方針としています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、変化する経営環境に対応するため、海外建設機械、国内産業機械、新規事業の創出を成長の軸に据えています。持続的な企業価値の向上を目指し、次世代製品の開発に向けた体制強化を進めています。
グローバル市場における販売体制の強化や人材基盤の整備にも取り組んでいます。サステナビリティの観点からは、人的資本経営の推進や風通しの良いガバナンス体制の強化をマテリアリティ(重要課題)として特定し、具体的な取り組みを進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
AIRMANは監査等委員会設置会社であり、過半数を社外取締役とする監査等委員会を設置することで、取締役会の監督機能の実効性を高めています。これにより、公正で透明性の高い経営の実現を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
AIRMANの株主構成を見ると、信託銀行や投資銀行、事業会社など多様な株主によって支えられていることがわかります。特定の株主が突出して大きな割合を占めるというよりは、複数の大株主が存在する構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 9.38% |
| バイオグリーン有限会社 | 8.87% |
| GOLDMAN, SACHS&CO.REG | 7.80% |
| 千代田産業 | 6.34% |
| 佐藤美武 | 5.24% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は佐藤豪一氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 佐藤豪一 | 代表取締役 社長 | 1998年4月同社入社。執行役員管理本部長などを経て、2024年2月より同社代表取締役社長に現職。 |
| 長沢徳巳 | 常務取締役 経営企画担当 | 1990年6月同社入社。執行役員営業本部長などを経て、2026年3月より同社常務取締役経営企画担当に現職。 |
| 金子克 | 取締役 サステナビリティ推進担当 | 1994年4月同社入社。執行役員生産本部長などを経て、2026年3月より同社取締役サステナビリティ推進担当に現職。 |
社外取締役は、稲田和男氏(日水コン執行役員)、齋藤貴加年氏(フェニックス・アカウンティング・グループ代表取締役・監査等委員)、檜山ゆりか氏(FinMark Edge代表取締役・監査等委員)、渡邉菜穂子氏(弁護士法人TLEO虎ノ門法律経済事務所社員弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、過半数を社外取締役とする監査等委員会を設置することで、取締役会の監督機能の実効性を高めています。社外取締役は、高い見識に基づく意見表明や提言を通じて、経営の監督および監査を強化する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
AIRMANの役員報酬は、基本報酬と業績連動報酬(賞与、非金銭報酬等)で構成されています。非金銭報酬等には、中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高めるための株式給付信託や譲渡制限付株式報酬が含まれています。社外役員に対しては、業務執行から独立した立場を考慮し、基本報酬のみが支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 1.4億円 | 46.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 23百万円 | 23.4百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 23百万円 | 3.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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