【平均年収654万円】前澤給装工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収654万円】前澤給装工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

前澤給装工業は、給水装置事業や住宅・建築設備事業などを手掛け、上水道インフラから住宅内配管システムまで幅広く事業を展開しています。単体従業員数は426名です。直近の2025年3月期は、売上高は横ばいながら利益は増加となりました。


目次

※本記事は、前澤給装工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


前澤給装工業は、給水装置事業、住宅・建築設備事業、商品販売事業を主たる業務としています。上水道のインフラから住宅内の配管システム、関連商品の販売まで幅広く手掛けています。

単体従業員数は426名です。事業セグメントは給水装置事業、住宅・建築設備事業、商品販売事業の3つです。

前澤給装工業は、給水装置事業において水道用給水装置を製造・販売し、住宅・建築設備事業では給水・給湯配管部材や床暖房部材などを製造・販売しています。

2025年4月1日付で完全子会社であったQSOインダストリアルを吸収合併し、当事業年度より非連結決算へ移行しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


前澤給装工業は、給与水準や働き方において、従業員の安定したキャリア形成を重視する環境がうかがえます。長期的な視点での人材育成や多様な働き方を支援する制度が整備されており、従業員が安心して働き続けられるような基盤が整っていると考えられます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、長期にわたって働く従業員が多い傾向にあることがうかがえます。これは、安定した雇用環境や働きやすい職場環境が整っていることを示唆していると言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 6,538,481円
平均勤続年数 17.3年
平均年齢 42.1歳
単体従業員数 426人
連結従業員数 -
単体のグループ内比率 -


同社は、積立型および非積立型の確定給付企業年金制度、退職一時金制度、確定拠出年金制度、退職金前払い制度を設けています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は国内の従業員を対象としています。

退職一時金制度も存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は25.2億円、年金資産は2.4億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


前澤給装工業は、中期経営計画2029に基づき、人材を重要な経営資源と位置づけ、持続的成長と企業価値向上を目指しています。健康経営への取り組み、働きがいのある職場環境の整備、多様な人材の育成・活躍を推進しています。具体的には、次世代リーダーの育成や自己キャリア形成支援、研修・教育体制の充実を通じて組織力の向上を図っています。

従業員の給与やその他の給付は、職務内容・職責、個人の業績や能力、成果等を総合的に勘案して決定されます。組織貢献度といった指標も設けることで、多様な人材が協力し合い、能力を最大限発揮できる環境の実現を目指しています。

また、同社は性別、国籍、採用時期等にかかわらず、能力を重視した人物本位の人材登用を実施しています。多様な視点や価値観を持つ人材を重要な資本と認識し、活躍できる就業環境・制度の整備に努めています。全ての従業員に対し、年度教育計画に基づいた階層別・職務別研修機会の提供や、公的資格取得・自己啓発に対する支援制度を整え、人材育成に取り組んでいます。人事制度の見直しに加え、柔軟な働き方実現のためテレワークやフレックスタイム制度の導入、介護休業・介護時短時間勤務など従業員支援のための制度整備も実施しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データであり、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。男女の賃金の額の差異は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しており、同一労働の賃金に差異はなく等級別人数構成の差異によるものです。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 4.6%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 66.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 66.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 43.0%

多様性・登用

指標 数値
女性管理職登用の前提となる係長級の女性比率 4.2%
生産本部配属の女性割合 15.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


前澤給装工業は、給水装置事業、住宅・建築設備事業、商品販売事業の3つの事業を展開しています。水道インフラや住宅設備に不可欠な製品を提供し、社会の基盤を支えるビジネスを行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、水道用給水装置の製造・販売を主軸とする給水装置事業、給水・給湯配管部材や床暖房部材などを扱う住宅・建築設備事業、そしてこれらに関連する仕入商品を販売する商品販売事業を展開しています。これらの事業を通じて、安定した収益を上げています。

給水装置事業

当事業では、道路に布設された配水管から家屋等に上水道を引き込むための水道用給水装置を製造・販売しています。サドル付分水栓や止水栓、各種継手類などが主な製品です。収益は、水道事業体が発注する配水管布設替工事への製品納入から得ています。

住宅・建築設備事業

当事業は、上水道を屋内で使用するための給水・給湯配管部材、床暖房部材、これらをユニット化した配管システムなどを製造・販売しています。住環境部材の開発、設計、製造、販売も行っています。収益は、新設住宅着工戸数の動向や暖房分野の販売強化に影響を受けます。

商品販売事業

当事業では、主に給水装置事業や住宅・建築設備事業に関連する仕入商品を販売しています。住宅需要の低下傾向により樹脂商品の販売は低下しましたが、鋳鉄商品の販売が増加しています。

同社の販売実績においては、渡辺パイプ株式会社への販売が総販売実績の11.0%を占めています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
給水装置事業 - 169億円
住宅・建築設備事業 - 121億円
商品販売事業 - 26.8億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の売上高は、2022年3月期から2024年3月期にかけて増加傾向にありました。しかし、2025年3月期はほぼ横ばいとなっています。経常利益は、2022年3月期から2023年3月期にかけては微減しましたが、その後2025年3月期にかけては増加傾向を示しています。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に推移し、2025年3月期には増加となりました。なお、同社は2026年3月期より非連結決算へ移行したため、連結ベースでの業績推移は2025年3月期までとなっています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 288億円 310億円 320億円 320億円 -
経常利益 22.9億円 22.7億円 26.0億円 31.8億円 -
経常利益率 7.9% 7.3% 8.1% 10.0% -
親会社株主に帰属する当期純利益 15.0億円 14.3億円 16.8億円 23.8億円 -
1株当たり当期純利益(円) 67.25 64.76 78.12 113.58 -

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社の従業員1人あたり売上高(連結)は、2025年3月期に73.5百万円となっています。また、従業員1人あたり経常利益(連結)は、同期間に7.3百万円です。これらの数値は、従業員一人ひとりが生み出す収益と利益の規模を示しています。なお、同社は2026年3月期より非連結決算へ移行したため、当期の連結ベースでの従業員1人あたり指標は開示されていません。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 73.5百万円 -
従業員1人あたり経常利益(連結) 7.3百万円 -

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社は本業で安定的に資金を獲得し、事業への投資も行っています。財務基盤は強固であり、手元資金も厚い状態です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の自己資本比率はプライム市場上場企業(製造業)の平均と比較して高い水準にあります。手元資金も潤沢であり、安定した財務基盤を維持していることがうかがえます。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 - 407億30百万円
自己資本比率 86.4% 85.6%
ROE(自己資本利益率) 6.0% -
現金及び現金同等物 - 97億37百万円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社は営業活動により安定して資金を獲得しています。投資活動では有形固定資産の取得による支出があり、将来に向けた投資を行っていることが示されています。財務活動では配当金の支払いや自己株式の取得による支出が見られます。

本業で得た資金を投資に回しつつ、なお余剰資金を生み出している状況です。この資金の流れは、同社が安定した事業運営を継続しながら、成長に向けた投資も行っていることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 24.6億円 24.5億円
投資CF △12.6億円 △9.5億円
財務CF △15.6億円 △18.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 12.1億円 15.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社が取り扱う製品は、国内公共投資や民間住宅投資等の低迷により、需要が減退する可能性があります。また、住宅関連政策や税制、個人消費動向、地価動向等に影響を受ける傾向があります。

主要な原材料である銅や樹脂、その他の材料・部品の調達が困難になった場合や、急激な価格高騰、為替相場の変動により仕入価格が上昇するリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

コンプライアンス違反による重大な不祥事等が発生した場合、監督官庁等からの処分や社会的信用の失墜等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


前澤給装工業は、「QSO」という独自の指針を掲げ、水道事業を通じて社会に貢献することを目指しています。持続可能な社会の実現と企業価値の向上を追求する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は「QSO」(Quality, Safety & Originality)を会社指針としています。これは『品質は人格であり、安全は協調であり、独創は、改革である』という考えに基づいています。

より「きれいな水、安全な水、おいしい水」の供給に向けて、お客様のニーズを第一に考えた事業活動に取り組んでいます。また、水道事業の一翼を担う企業として、「水道はライフラインの中心」であるという重要性を常に認識しています。

その社会的責任を果たし、地域社会の発展に貢献することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は「サステナビリティ基本方針」を制定し、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献することで、持続可能な社会の実現と企業価値向上に努めています。

『品質は人格であり、安全は協調であり、独創は改革である』という指針のもと、ガバナンス体制を構築しています。

人材の多様性を同社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を支える原動力、重要な資本であると認識しています。性別、国籍、採用時期等にかかわらず、能力を重視した人物本位の人材登用を実施しています。

多様な視点や価値観を有した人材が、更なる活躍を果たせる就業環境・制度の整備に努めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は将来にわたり、すべての人々が安心して暮らせる社会の実現に貢献し、広く社会から必要とされる存在であり続けることを目指しています。そのために、「収益向上への取り組み強化」「効率かつ革新を通じた生産性の向上」「サステナビリティへの取り組み推進」を優先的に対処すべき課題としています。

「サステナビリティ基本方針」のもと、「社会との共生」「環境との調和」「人財の尊重」「責任ある行動」を重要課題(マテリアリティ)として特定し、実行しています。

「中期経営計画2029」では、「原点回帰・未来への挑戦」を方針に掲げ、持続的な成長を目指す「サステナビリティ経営」を重視しています。重点施策として、「既存事業の強化」「DX化の推進」「次世代の成長ドライバーの創出」「経営基盤の強化」「サステナビリティの推進」に取り組んでいます。

経営基盤の強化では、コーポレートガバナンス・コードに沿った実効性の向上、経営の透明性向上、コンプライアンス遵守の徹底、人財の育成に努めています。サステナビリティの推進では、再生可能エネルギーの導入などによる省エネルギー対策に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


前澤給装工業は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を設置しています。また、取締役会の諮問機関として、任意の指名委員会と報酬諮問委員会を設置し、ガバナンス体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


前澤給装工業の株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行が務めています。また、上位株主には前澤工業や前澤化成工業といった事業会社、および従業員持株会が名を連ねています。複数の関連会社が上位に位置しており、同社の事業基盤を支える資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 8.06%
前澤工業 6.13%
前澤化成工業 6.13%
THE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LIMITED - HONG KONG PRIVATE BANKING DIVISION CLIENT A/C 8028-394841 5.21%
日本生命保険相互会社 3.60%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は13.0%です。代表取締役社長は杉本博司氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
杉本 博司 代表取締役社長 1989年同社入社後、営業所長、執行役員、経営管理部長、事業企画部長などを歴任。2019年取締役就任後、営業部門を担当し、2025年4月より代表取締役社長に就任し現職。
谷口 陽一郎 常務取締役 管理本部長 1986年協和銀行(現りそな銀行)入行、りそな銀行支店統括部長などを経て、2016年同社入社。経理部長、管理統括部長などを歴任し、2019年取締役就任。2025年4月より常務取締役管理本部長に就任し現職。
青木 栄一 取締役 生産本部長 1990年同社入社後、大阪営業所長、関西・中部エリア統括部長、生産企画部長などを歴任。2021年執行役員福島工場長を経て、2023年6月より取締役生産本部長に就任し現職。


社外取締役は、飯島康夫氏(紀尾井町法律事務所弁護士・指名委員会委員長・報酬諮問委員会委員長)、熊﨑美杉氏(熊﨑美杉税理士事務所税理士・指名委員会委員・報酬諮問委員会委員)です。社外監査役は、伊藤広樹氏(岩田合同法律事務所パートナー弁護士)、櫻井秀憲氏(維新キャピタルパートナーズ代表取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役2名が選任されています。これにより、外部からの取締役に対する監督・監査体制を構築しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


前澤給装工業の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、株主利益に連動した報酬体系を基本方針としています。業務執行取締役には固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、および株式報酬が支給され、社外取締役と監査役には固定報酬のみが支払われる構成です。業績連動報酬の指標には営業利益が採用されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.4億円 35.8百万円
監査役(社外除く) 2名 12百万円 6.0百万円
社外役員 4名 22百万円 5.5百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。