【平均年収609万円】鉱研工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年3月期)

【平均年収609万円】鉱研工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年3月期)

鉱研工業は、ボーリング機器の製造販売と独自工法による工事施工を主な事業としています。直近の業績は売上高・利益ともに増加し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、鉱研工業株式会社 の有価証券報告書(2025年3月期、2024年4月1日 ~ 2025年3月31日、2025年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、ボーリング機器とその関連機器の製造販売、および独自工法による工事施工を主な事業としています。地質調査、土木・地すべり、建築基礎、さく井、温泉、土壌汚染調査・改良、アンカー等の幅広い工事を手掛けています。

単体従業員数は229名、連結従業員数は305名です。セグメントはボーリング機器関連、工事施工関連、全社(共通)の3つです。

主な国内グループ会社は、構造工事(工事施工関連)、クリステンセン・マイカイ(ボーリング機器関連)などです。

また、新たにグループ会社となった株式会社Kアドバンスとともに、コントロールボーリング工事や温泉開発、地下水関連工事等の受注獲得に注力しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


鉱研工業は、ボーリング機器関連と工事施工関連の事業を展開しており、専門性の高い技術を要する環境で働くことができます。同社グループは、人材育成と多様な人材の登用を重視し、社員一人ひとりの成長を支援する方針を掲げています。安定した環境で専門性を高めたいと考える方にとって、同社グループの働き方は魅力的な選択肢となるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


鉱研工業では、平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も10年を超えています。このことから、比較的長期にわたって勤務する従業員が多い傾向にあることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,090,000円
平均勤続年数 12.3年
平均年齢 42.4歳
単体従業員数 229人
連結従業員数 305人
単体のグループ内比率 75.1%


同社および連結子会社は、非積立型の確定給付型の制度として退職一時金制度を採用しています。また、同社および一部の連結子会社は、確定拠出型の制度として中小企業退職金共済制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度に係る退職給付債務は4.3億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


鉱研工業グループは、サステナビリティを重要な経営課題と認識し、中期経営計画「STEP UP鉱研ACTIONS2025」を通じて企業価値向上と持続可能な成長に取り組んでいます。特に人的資本への対応を重視しており、ボーリング業界の高齢化や働き方改革といった環境変化の中で、人材育成を最重要テーマとしています。社員一人ひとりが主体的に課題を設定し、実行できる能力の強化に努めるとともに、多様性を尊重し、風通しの良い明るく前向きな風土を築く活動を進めています。

同社グループは「人材戦略の3つの柱」を掲げ、企業価値向上に向けた人材戦略を推進しています。具体的には、マネジメント研修や360度評価によるマネジメント力の強化、資格手当の拡充による専門性の向上、豊富なEラーニングコンテンツによる自己啓発の推進に取り組んでいます。また、女性管理職の育成推進や中途採用社員の積極的な登用を通じて多様な人材の活躍を支援しています。

さらに、ITを活用したワークフローやペーパレス精算による「働き方改革」の推進、LGBT研修やハラスメント研修の実施、グループ共通意見箱による積極的な提案活動を通じて、風通しの良い働きやすい風土づくりを進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 9.1%

人材育成の推進


連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しています。

指標 数値
資格手当取得者 89名
Eラーニング受講件数 7,832件

多様な人材登用


連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しています。

指標 数値
女性管理職比率 9.1%
中途採用者の管理職比率 34.8%

働きやすい風土


連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しています。

指標 数値
1人当たり残業時間(非管理職) 6.6H

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


鉱研工業は、ボーリング機器の製造販売と、それらを用いた工事施工を主軸とする事業を展開しています。同社グループは、ボーリング技術を核として、社会インフラ整備や環境保全に貢献する多様なサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、ボーリング機器関連と工事施工関連の二つの報告セグメントで事業を展開しています。ボーリング機器の製造販売から工事の施工までを一貫して手掛けることで、幅広い顧客ニーズに対応しています。

ボーリング機器関連

このセグメントでは、ボーリングマシン、ポンプ、その他機械本体、関連部品、水井戸関連機器などの製造販売、およびボーリング機器のレンタル業務を行っています。収益は、これらの製品販売やレンタルサービスから得ています。運営は、鉱研工業と同社の連結子会社であるクリステンセン・マイカイが行っています。

工事施工関連

このセグメントでは、地質調査、土木・地すべり、建築基礎、さく井、温泉、土壌汚染調査・改良、アンカーなどの工事施工、および建設コンサルタント業務を行っています。収益は、各種工事の請負契約から得ています。運営は、鉱研工業と同社の連結子会社である構造工事が行っています。

同社グループの売上高は、ボーリング機器関連、工事施工関連ともに堅調に推移しており、前期を上回る結果となりました。特にボーリング機器関連では、国内外での受注が伸び、工事施工関連では温泉工事やアンカー等工事の受注が堅調に推移しました。海外市場においても、ボーリング機器関連の受注が伸長し、工事施工関連では海外ODA工事の施工増加が見られます。

セグメント 売上高(2024年3月期) 売上高(2025年3月期)
ボーリング機器関連 64.9億円 68.6億円
工事施工関連 30.4億円 37.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向にあります。特に当連結会計年度においては、売上高が前期から大きく伸び、それに伴い各利益も大幅に増加しました。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 75.4億円 73.4億円 82.1億円 95.3億円 106億円
経常利益 1.8億円 3.1億円 1.6億円 4.8億円 5.8億円
経常利益率 2.3% 4.2% 1.9% 5.0% 5.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 8.4億円 2.9億円 1.9億円 3.0億円 4.6億円
1株当たり当期純利益(円) 93.22 34.47 22.03 35.45 53.87

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も同様に伸びており、組織全体の生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループが効率的な事業運営を進めていることを示しており、安定した収益体質を構築していることがうかがえます。

指標 2024年3月期 2025年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 31.1百万円 34.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.8百万円 2.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


鉱研工業の財務状況は、安定した基盤の上で事業活動を行っていることを示しています。本業で着実に資金を生み出し、投資余力も確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率やROEの推移から安定性が見られます。手元資金も確保されており、事業運営の安定性につながる状況です。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較するとやや低い水準ですが、前期から改善傾向にあります。ROE(自己資本利益率)も前期から向上しており、収益性が高まっていることを示しています。

指標 2024年3月期(前期) 2025年3月期(当期)
純資産 49.7億円 53.5億円
自己資本比率 36.9% 38.3%
ROE(自己資本利益率) 6.2% 8.8%
現金及び預金 16.8億円 18.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


鉱研工業のキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは5.3億円の収入となり、税金等調整前当期純利益や減価償却費、未払費用の増加、棚卸資産の減少が主な収入要因となっています。売上債権の増加や仕入債務の減少、法人税等の支払いが主な支出要因です。

投資活動によるキャッシュフローは54百万円の収入となりました。これは保険積立金の解約による収入が主な要因であり、有形及び無形固定資産の取得による支出を上回っています。財務活動によるキャッシュフローは△461百万円の支出となっており、配当金の支払いや長期借入金の返済が主な支出要因です。

結果として、フリーキャッシュフローは5.8億円のプラスを維持しており、本業で得た資金が投資を上回る状況です。これは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた資金余力を確保していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。

項目 2024年3月期(前期) 2025年3月期(当期)
営業CF 4.7億円 5.3億円
投資CF △37百万円 54百万円
財務CF △83百万円 △461百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) 4.4億円 5.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの製品・工事の最終需要は公共工事関連が高いウエイトを占めています。公共工事関連予算の増減が、同社グループの業績に間接的に影響を与える可能性があります。

また、海外市場は主に中国市場が大きなウエイトを占めています。同国の政治状況により海外売上が低下する恐れがあり、他国の競合ライバル参入による市場売価の低下や製品の陳腐化のリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

建設業界では時間外労働上限規制への対応や、施工要員の確保とその育成が喫緊の課題となっています。同社グループは、社員の意識改革と魅力ある職場づくりを進め、独自の技術伝承と新工法の開発に注力しています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


鉱研工業は、地下開発の専門技術を通じて社会インインフラ整備に貢献し、持続可能な社会の実現を目指す企業です。独自の技術と社員の主体性を重視する文化が特徴となっています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


鉱研工業は、創業以来一貫して地下に係る資源開発や建設を通じて、社会のインフラ整備に貢献してきました。常に新しい技術開発に挑戦し、時代のニーズを先取りした新製品や新工法、新事業を展開することで、地下に関するトータル・ソリューションを提供しています。

同社グループは、「ONE&ONLYの技術構築のために前進」という社是のもと、独自の製品と施工技術を国内外に展開し、地球と社会に貢献することを目指しています。また、「地下を活かし」「地下と生きる」「持続可能なこうけんを」「地球に」という「鉱研パーパス」を掲げ、地球環境への持続可能な貢献と、会社自体の持続可能性を追求しています。

経営理念としては、「顧客の安心を以て信頼を得、全社員とその家族の幸福を追求し、地球と社会に限りなく貢献する会社となる」ことを掲げています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、中期経営計画「STEP UP鉱研ACTIONS2025」において、社員の主体的行動を大切な価値観としています。社員一人ひとりが自ら課題を設定し実行できる能力の強化に努め、意識変革と能力開発を図ることを重視しています。

組織全体としては、多様性を尊重し、風通しの良い、明るく前向きな風土を築く活動に取り組んでいます。サステナビリティを重要な経営課題と捉え、企業価値向上だけでなく、地域・社会を含むステークホルダーの持続可能な成長実現を目指しています。

国連が提唱するSDGsに賛同し、事業活動を通じて持続可能な世界の実現に貢献する課題に取り組む姿勢を示しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中期経営計画「STEP UP鉱研ACTIONS2025」において、新たな企業のパーパスを策定し、社員の主体的行動を推進することを重点テーマとしています。また、役員だけでなく中堅・若手社員の育成プランニングの策定を通じて、新しい経営体質の構築を目指しています。

持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも注力しており、伊勢原工場をはじめとする全拠点をRE100(再生可能エネルギー100%)で運営することに取り組んでいます。建設業界の人手不足への対応として、「鉱研スピリット3S」(SAFETY「安全・安心」、SAVE「省力化」、SATISFACTION「顧客満足」)の製品群を開発し、市場に投入しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


鉱研工業は、監査等委員会設置会社として、取締役会の監督機能の強化と経営の効率化を図る体制を構築しています。社外取締役が監査等委員を務めることで、経営の透明性と公正性の確保を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


筆頭株主は事業会社である日立建機です。上位株主には複数の事業会社が名を連ねており、取引先持株会も上位に位置しています。これらの株主構成は、同社の事業活動と密接な関係を持つ企業や関係者によって支えられていることを示しています。

株主名 持株比率
日立建機 9.23%
エンバイオ・ホールディングス 9.04%
鉱研工業取引先持株会 7.22%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 3.77%
江口 工 3.60%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は木山隆二郎氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
木山 隆二郎 代表取締役社長 1983年4月 同社入社、2000年6月 同社執行役員施工管理本部長、2012年6月 同社取締役エンジニアリング本部長、2019年6月 同社代表取締役社長兼製造本部長、2023年4月 同社代表取締役社長より現職。
外山 洋 専務取締役経営管理財務本部長 1983年4月 同社入社、2012年6月 同社取締役営業本部長、2019年6月 同社専務取締役経営管理本部長、2025年5月 同社専務取締役経営管理財務本部長より現職。
櫻木 宏児 取締役営業本部長製造本部管掌 1989年9月 同社入社、2019年6月 同社上席執行役員営業本部長、2023年6月 同社取締役営業本部長製造本部管掌より現職。
和泉 裕介 取締役 1990年4月 株式会社富士銀行入行、2015年4月 株式会社みずほフィナンシャルグループ事務企画部長、2021年6月 同社入社、2025年5月 同社取締役より現職。


社外取締役は、遠藤寛治氏(みずほリサーチ&テクノロジーズ参事役・監査等委員)、柿沼光利氏(柿沼光利税理士事務所所長・監査等委員)、小林貴恵氏(TMI総合法律事務所パートナー弁護士・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能の強化と経営の効率化を図っています。監査等委員である取締役は全員が社外取締役で構成されており、独立した立場から業務執行の適法性および妥当性を監査しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、取締役(監査等委員を除く)に対して固定報酬と業績連動報酬で構成されています。業績連動報酬の一部は譲渡制限付株式報酬制度による非金銭報酬として支給されており、連結経常利益の水準を考慮した方式で決定されます。監査等委員である取締役の報酬は、監査等委員である取締役間の協議により決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 88百万円 22.0百万円
社外役員 3名 17百万円 5.7百万円


同社は、役員退職慰労金制度を2013年6月21日開催の定時株主総会の決議をもって廃止しています。取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、譲渡制限付株式報酬8百万円です。

個人別報酬が開示されている役員は存在しません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。