※本記事は、サンセイ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
サンセイグループは、窓拭き用ゴンドラや舞台装置の設計、製造販売、据付、仮設ゴンドラのレンタルを手がけるほか、船舶修理や産業機械の製造販売など多岐にわたる事業を展開しています。高層ビルや公共施設に不可欠な設備から、海洋インフラの維持まで、幅広い分野で社会を支える技術を提供しています。
サンセイの単体従業員数は190名、連結従業員数は228名です。同社グループの事業セグメントは、ゴンドラ・舞台、海洋関連の2つです。
当連結会計年度より、同社グループの事業セグメントにおいて「その他」に分類されていた産業機械の製造販売は「ゴンドラ・舞台」に、同社所有不動産の管理は「全社(共通)」に含められる変更がありました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
サンセイは、ビル窓拭き用ゴンドラや舞台装置、船舶修理などを手掛ける製造業の同社グループです。創業以来、「従業員にとっては安心して働ける会社」という理念を掲げ、人材を企業価値創造の源泉と位置付けています。技術継承と働きやすさを重視した人材戦略を通じて、従業員が持続的に成長できる環境づくりに取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向にあります。これは、長期的なキャリア形成を支援し、安定して働き続けられる環境が整っていることを示唆しています。技術継承を重視する同社グループの事業特性とも合致する傾向です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,714,369円 |
| 平均勤続年数 | 13.9年 |
| 平均年齢 | 41.5歳 |
| 単体従業員数 | 190人 |
| 連結従業員数 | 228人 |
| 単体のグループ内比率 | 83.3% |
同社グループは、従業員の退職給付に備えるため、非積立型の退職一時金制度を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。退職一時金制度では、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「常に顧客の満足度を志向する」「品質向上の継続的改善に努める」「積極的に新技術に挑戦する」という経営の基本方針を実現するため、人材を企業価値創造の源泉と位置付けています。新規で多様な価値を創造するためには、業務を通じて人材が持続的に成長する人材戦略が不可欠であると認識しています。
従業員の給与は月額給与と賞与で構成されており、賞与は夏冬の定期賞与に加え、業績達成度に応じた決算賞与が支給されることがあります。会社組織への貢献度を総合的に判断した人事評価により昇給・賞与が決定され、同規模の他社水準や物価上昇等を勘案したベースアップも適宜実施されています。
人材戦略の重要テーマとして「技術継承・人材育成」と「働きやすさ」を設定し、その向上を図っています。具体的には、技術系社員の力量を力量マップで管理し、個別の教育を実施することで継続的なスキルアップを支援しています。また、ワークライフバランスを重視した時間単位年休の採用や、育児・介護休業等も取得しやすい環境整備を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の額の差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。男性労働者の育児休業取得率は、女性活躍推進法の規定に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
技術継承・人材育成
資格取得率は、事業年度ごとに品質目標で定める資格の取得率をいい、当事業年度取得した資格件数と当事業年度取得目標とした資格件数から算定されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 資格取得率 | 76% |
働きやすさ
男性労働者の育児休業取得率は、正規雇用労働者を対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給休暇取得率 | 73% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
サンセイグループは、窓拭き用ゴンドラや舞台装置の設計・製造販売・据付、仮設ゴンドラのレンタル、そして船舶修理を主軸に事業を展開しています。多岐にわたる専門技術を活かし、建設業界や海洋関連分野で独自の存在感を示しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に「ゴンドラ・舞台」と「海洋関連」の二つの報告セグメントを中心に事業を展開しています。これらの事業は、それぞれ異なる顧客ニーズに応えながら、同社グループの収益を支えています。
ゴンドラ・舞台
このセグメントでは、窓拭き用ゴンドラや類似製品、舞台装置の設計、製造販売、据付、および納入製品の保守修理を行っています。また、仮設ゴンドラのレンタル事業も展開しています。
収益は、設計・製造販売・据付、保守・修理、仮設ゴンドラレンタルから得ています。運営は、サンセイが設計、製造販売、据付、保守修理を、子会社のサンセイゴンドラレンタリースが関西地区を中心に、サンセイゴンドラが関東地区を中心に仮設ゴンドラのレンタルを行っています。前期と比較して売上高、セグメント利益ともに増加しています。
海洋関連
このセグメントは、船舶修理を主たる事業内容とし、これに伴う船員宿泊施設の運営、魚礁や浮体式灯標などの製作も手掛けています。
収益は、船舶修理、魚礁・浮体式灯標等の製造販売、船員宿泊施設の運営から得ています。運営は、サンセイが船舶修理、魚礁・浮体式灯標等の製造販売を、子会社のサンセイエンタープライズが船員宿泊施設の運営を行っています。前期と比較して売上高、セグメント利益ともに大きく増加しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ゴンドラ・舞台 | 40.4億円 | 42.9億円 |
| 海洋関連 | 17.4億円 | 27.5億円 |
| その他の事業セグメント | - | 13百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は着実に増加傾向にあり、特に当期は大幅な伸びを示しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に増加傾向にあり、当期は前期から大きく向上しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 44.9億円 | 53.5億円 | 56.4億円 | 57.8億円 | 70.5億円 |
| 経常利益 | 3.5億円 | 4.7億円 | 4.2億円 | 4.6億円 | 10.4億円 |
| 経常利益率 | 7.9% | 8.7% | 7.5% | 7.9% | 14.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.2億円 | 3.5億円 | 3.3億円 | 3.5億円 | 7.7億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 27.71 | 45.10 | 42.00 | 44.52 | 98.96 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、従業員1人あたりの営業利益も前期から大きく伸びています。これは、同社グループの事業活動における効率性が向上している傾向を示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 25.0百万円 | 30.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.0百万円 | 4.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
サンセイグループの財務状況は、事業活動で得た資金を将来への投資に充てている状況を示しています。
これは、事業の成長に向けた積極的な取り組みを行っていることを表しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
サンセイグループの財務基盤は、自己資本比率が71.7%となっており、プライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して高い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)は15.4%で、プライム市場平均の9.4%を上回っています。
手元資金である現金及び預金は9.9億円であり、前期から減少しています。
これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤を維持していることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素であると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 46.8億円 | 53.3億円 |
| 自己資本比率 | 73.1% | 71.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 7.6% | 15.4% |
| 現金及び預金 | 10.8億円 | 9.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
サンセイグループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローはプラスとなりました。
これは主に税金等調整前当期純利益が増加したことによるものです。
一方で、投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、マイナスとなっています。
その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはマイナスとなりました。
財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純増や長期借入金による収入があったものの、長期借入の返済や配当金の支払いが影響し、マイナスとなっています。
同社グループは本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた設備投資を積極的に行っている状況であり、これは事業の成長を重視する姿勢を示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △4.7億円 | 5.3億円 |
| 投資CF | 0.2億円 | △5.9億円 |
| 財務CF | △1.4億円 | △0.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △4.5億円 | △0.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループのゴンドラレンタル事業では、機材の陳腐化や老朽化により多様な顧客ニーズに対応できなくなるリスクがあります。
また、ゴンドラ・舞台の販売先が建設工事に関わるゼネコンが主であるため、特定の取引先への依存リスクも存在します。
原材料価格の上昇や人手不足が、請負契約額の原価割れや納期遅延を引き起こす可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、技術者の確保と育成を重要な経営課題として認識しています。
技術者の高齢化への対応ができなかった場合、技術力が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があるとされています。
これに対し、積極的な新規採用や中途採用活動、若手技術者への技術継承に取り組んでいます。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
サンセイは、ビル用ゴンドラと舞台装置のパイオニアとして、安全性、高機能、使いやすさに焦点を当てた製品づくりを通じて、より快適な社会の実現を目指しています。常に顧客満足度を追求し、品質向上と新技術への挑戦を基本方針とする会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
サンセイは1956年の創業以来、ビル用ゴンドラと舞台装置のパイオニアとして事業を展開しています。多彩な社会のニーズに応えるため、安全性、高機能、使いやすさに焦点を当てた製品づくりを推進しています。これにより、より快適な社会の実現を目指すことを経営の基本方針としています。
同社グループは、常に顧客の満足度を志向し、品質向上の継続的改善に努めています。また、積極的に新技術に挑戦することも経営の基本方針に掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
サンセイグループは「株主にとっては信頼できる会社」「従業員にとっては安心して働ける会社」「顧客にとっては信用できる会社」という理念を創業以来大切にしています。この理念のもと、安全性、高機能、使いやすさに焦点を当てた製品づくりを進めてきました。
事業活動においては、「常に顧客の満足度を志向する」「品質向上の継続的改善に努める」「積極的に新技術に挑戦する」という経営の基本方針を実践しています。組織と個人の両面で継続的な技術・ノウハウの蓄積と新技術への挑戦意欲を最も重要と位置づけ、人材を企業価値創造の源泉と考えています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
サンセイグループが優先的に対処すべき課題として、人材の確保及び育成、そして災害等発生時の体制作りを挙げています。人材面では、新卒及び中途採用の両面から積極的な人材確保に努め、人材の育成に注力する方針です。
また、災害等発生時における事業活動の継続が可能な体制づくりにも注力しています。具体的には、危機管理マニュアルの更新やBCP(事業継続計画)の策定に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
サンセイは、監査役会設置会社として、少数の取締役による迅速かつ効率的な運営を図っています。コンプライアンスを最重要項目と位置づけ、透明性の高い経営を実践しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
サンセイの筆頭株主は事業会社である光通信です。代表取締役社長である小嶋敦氏も上位株主の一人として名を連ねています。光通信グループは同社グループの「その他の関係会社」に該当しており、特定の株主グループが同社グループの経営に影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 光通信 | 19.54% |
| 小嶋 敦 | 11.33% |
| 光通信 | 5.65% |
| 和田 秀樹 | 4.35% |
| サンセイ従業員持株会 | 2.23% |
なお、株式会社光通信及びその共同保有者である光通信株式会社が保有する同社株式の所有議決権割合の合計が20%以上であるため、株式会社光通信は同社の「その他の関係会社」に該当しています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は小嶋敦氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小嶋 敦 | 取締役社長 (代表取締役) | 1988年10月同社入社、1991年11月取締役就任。1993年6月常務取締役、1994年6月取締役副社長を経て、1996年4月より代表取締役社長に現職。 |
| 岸本 竹史 | 常務取締役 営業本部長、東京支社長、ゴンドラ・舞台総括 | 1984年1月同社入社、1996年1月ビルテクノ事業部特殊機械チーム部長。2000年4月設計本部長、2004年6月執行役員就任。2012年6月取締役就任を経て、2022年6月より常務取締役、営業本部長、東京支社長に現職。 |
| 西村 直樹 | 取締役 管理本部長、海洋総括 | 1994年3月同社入社、2016年4月管理本部総務グループ部長。2020年6月執行役員就任、管理本部長を経て、2022年6月より取締役に現職。 |
社外取締役は、美藤直人氏(美藤直人公認会計士・税理士事務所代表)、三宅有氏(三宅有税理士事務所代表)です。
同社は監査役会設置会社であり、少数の取締役による迅速かつ効率的な取締役会の運営を図っています。経営体制の強化とコーポレート・ガバナンスの向上のため、社外取締役を選任しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
サンセイの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう設計されています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と、業績連動報酬等で構成されています。一方、監督機能を担う社外取締役と監査役の報酬は、その職務に鑑み基本報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 84百万円 | 27.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 16百万円 | 15.6百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 27百万円 | 6.8百万円 |
同社グループの役員報酬等の総額は1.3億円であり、対象となる役員の総数は8名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。