※本記事は、株式会社昭和真空 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
昭和真空グループは、真空技術応用装置の製造・販売と関連サービスを主な業務としています。水晶デバイス、光学装置、電子部品向けの真空蒸着装置やスパッタリング装置などを提供。
単体従業員数は175名、連結従業員数は215名です。セグメントは真空技術応用装置事業、サービス事業の2つです。
主な国内グループ会社は、エフ・イー・シー(サービス事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
昭和真空は、真空技術をキーテクノロジーとする電子部品用薄膜装置メーカーとして、ニッチ市場での技術力と独自性を追求しています。同社グループでは、専門性の高い技術を継承し、従業員一人ひとりが成長を実感できるような働きがいのある職場環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
平均年齢が45.4歳、平均勤続年数が19.9年であることから、長期間にわたってキャリアを築いている従業員が多い傾向が見られます。これは、同社が培ってきた真空技術やノウハウの伝承が重視され、安定した環境で専門性を深められる職場であることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,648,000円 |
| 平均勤続年数 | 19.9年 |
| 平均年齢 | 45.4歳 |
| 単体従業員数 | 175人 |
| 連結従業員数 | 215人 |
| 単体のグループ内比率 | 81.4% |
同社は従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は7.1億円、年金資産は5.5億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
昭和真空は、真空技術をキーテクノロジーとした電子部品用薄膜装置メーカーとして、ニッチ市場での技術力と独自性を追求しています。顧客の真のニーズをくみ取る力、独自の技術を開発する力、高品質のカスタム装置を届けるモノづくりの力を重視し、高度な専門性と顧客課題解決能力を持つ人材の育成・確保を重要視しています。特に真空・薄膜形成技術、装置設計・制御技術の伝承と深化、グローバル顧客対応力を持つ営業・サービス人材、次世代幹部候補人材を重点的に育成しています。
従業員の給与は月例給与と賞与で構成され、月例給与は人事評価に基づく職務遂行能力や役割に応じて決定されます。賞与は評価期間の業績と個人の業績評価結果に基づいて配分される仕組みです。
人材育成ではOJTを軸に、真空技術の基礎知識習得や資格認定のための外部研修、階層別研修といったOFF-JTも組み合わせ、社員の自律的なキャリア形成とスキルアップを支援しています。また、多様性を尊重し、従業員一人ひとりが成長を実感できる働きやすい職場環境の創出や、多様な働き方を支援する制度創設を通じて、魅力ある組織づくりを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
育児・介護支援
提出会社単体の目標および実績です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男女別の育児休業取得率(女性) | 100% |
| 男女別の育児休業取得率(男性) | 100% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
昭和真空は、真空技術を応用した装置の製造・販売と、それに付随するサービスを提供する企業グループです。主に電子部品や光学デバイスの製造に不可欠な技術を支えています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
昭和真空グループは、真空技術応用装置の製造・販売、および構成部品・付属品の販売、改造工事、修理を主な事業としています。主に水晶デバイスメーカー、光学デバイスメーカー、電子部品メーカーを顧客とし、真空蒸着装置やスパッタリング装置などを提供しています。収益は、これらの装置の販売と、装置の稼働を支えるサービスから得ています。
同社グループの事業は「真空技術応用装置事業」と「サービス事業」の2つの報告セグメントで構成されています。
真空技術応用装置事業
水晶デバイス装置、光学装置、電子部品・その他装置の製造販売を行っています。収益は、これらの装置の販売から得ています。当期は売上高が前期から増加しました。
サービス事業
真空技術応用装置の構成部品・付属品の販売、改造工事、修理を行っています。収益は、消耗品販売や保守・メンテナンスサービスから得ています。当期は売上高が前期から減少しました。
同社グループは日本だけでなく、台湾や中国など海外にも売上高があり、海外市場も重要な収益源となっています。主要な顧客としてLargan Precision Co.Ltd、株式会社大真空、三生電子株式会社が挙げられており、特定の顧客への売上集中が見られます。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 真空技術応用装置事業 | 57.5億円 | 70.5億円 |
| サービス事業 | 27.3億円 | 22.8億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
昭和真空グループの業績は、過去5年間で変動が見られます。売上高は、第66期に減少した後、第67期、第68期と2期連続で増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、売上高と同様に第66期を底として回復し、当期は前期から大きく増加しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 120億円 | 101億円 | 74.6億円 | 84.8億円 | 93.2億円 |
| 経常利益 | 17.0億円 | 10.8億円 | 2.4億円 | 8.4億円 | 11.7億円 |
| 経常利益率 | 14.2% | 10.6% | 3.3% | 9.9% | 12.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 12.4億円 | 7.8億円 | 1.6億円 | 5.6億円 | 8.7億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 201.35 | 126.61 | 26.67 | 91.17 | 140.51 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
昭和真空の従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しました。従業員1人あたり営業利益(連結)も、前期から当期にかけて増加しています。これらの指標の改善は、同社グループの生産性が向上していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 35.9百万円 | 43.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.4百万円 | 5.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、その資金を将来への投資に充てながらも、手元に十分な余剰資金を確保している状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も増加傾向にあります。これは、事業活動を通じて安定した資金を確保し、財務的な健全性を維持していることを示しています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較して高い水準であり、不況時にも耐えうる安定性があると考えられます。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 116億円 | 122億円 |
| 自己資本比率 | 75.0% | 80.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.9% | 7.3% |
| 現金及び預金 | 49.8億円 | 64.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは増加し、本業で安定的に資金を獲得している状況です。これは主に税金等調整前当期純利益の計上、売上債権や棚卸資産の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、定期預金等の預入や有形固定資産の取得により支出が増加しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いなどにより支出が継続しています。
これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回る形で、手元に資金が残る優良な状態を示しています。この資金状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示唆しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素であると考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.8億円 | 20.5億円 |
| 投資CF | △3.3億円 | △4.7億円 |
| 財務CF | △4.4億円 | △4.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.5億円 | 15.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、真空技術応用装置の製造販売を手掛けており、業績はデバイスメーカの設備投資動向に影響を受ける傾向があります。スマートフォンなどの情報通信機器やデジタル家電等の需要変動が、設備投資に影響を及ぼす可能性があります。また、電子部品の価格は厳しい値下げ要請や競争により低下傾向にあり、装置販売価格の引下げ要求や競合他社との販売競争が激しさを増しています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの主要取引先であるデバイスメーカのニーズは高機能化・高精度化・多様化しており、技術革新のスピードが加速しています。これに対応するため、継続的な新製品開発と研究開発投資が必要とされており、技術的な対応可能性や開発期間の長期化、開発費用の増大がリスクとして挙げられています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
昭和真空は、真空技術をキーテクノロジーとして電子部品用薄膜形成装置を開発・製造する企業です。同社グループは、社会貢献と持続可能な発展を重視し、魅力ある会社づくりを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
昭和真空は、「我々の存在が世の中を豊かにするためにお役に立つこと」を経営理念の一つとして掲げています。同社グループは、この理念を実践し、キーテクノロジーである真空技術を通じて社会に貢献することを目指しています。
社会から必要とされ続ける企業であることを目標に、高品質のカスタムメイドの真空装置を提供し、持続的に成長していくことを重視しています。新たなニッチトップ分野の確立を目指す方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、顧客の真のニーズを把握し、技術を磨き、装置開発につなげることを重視しています。また、「人の集まる魅力ある会社づくりと次世代人材育成」を掲げ、多様な人材にとって働きがいのある職場づくりを目指しています。
具体的には、多様性を認め、従業員一人ひとりの人権と個性を尊重し、自発的なチャレンジと人間的成長を実感できるような職場環境の創出を推進しています。OJTによる技術力とノウハウの伝承を重視し、OFF-JTも活用して社員の自律的なキャリア形成とスキルアップを支援しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的な成長のために「人の集まる魅力ある会社づくりと次世代人材育成」を重点テーマとしています。また、サステナビリティ基本方針に基づき、特定したマテリアリティ(重要課題)に関する様々な取り組みを通じて社会課題の解決を推進しています。
具体的には、地球環境保全、技術力による社会貢献、多様な人材にとって働きがいのある職場づくり、持続的成長のためのガバナンス充実を重要課題として掲げ、取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
昭和真空は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監督を担う体制を構築しています。社外取締役が経営の客観性と透明性の向上に貢献しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
昭和真空の筆頭株主は株式会社アルバックであり、同社グループの資本構成において重要な位置を占めています。また、小俣邦正氏や有限会社小俣興産といった創業家関連の株主も上位に名を連ねており、特定の株主グループが経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| アルバック | 21.32% |
| 小俣 邦正 | 9.37% |
| 有限会社小俣興産 | 5.47% |
上記のほか、自己株式が262千株あります。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.0%です。代表取締役執行役員社長は田中彰一氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小俣 邦正 | 代表取締役執行役員会長 | 1975年杏林薬品株式会社入社、1976年同社入社。1986年同社代表取締役社長就任。2016年代表取締役執行役員社長を経て、2025年より現職。 |
| 田中 彰一 | 代表取締役執行役員社長 | 1985年同社入社。2012年同社取締役執行役員管理本部長兼経営管理部長。2024年取締役執行役員常務兼管理本部長兼経理部長を経て、2025年より現職。 |
| 冬爪 敏之 | 取締役執行役員技術本部長開発部長 | 1992年株式会社金沢村田製作所入社。2022年同社入社、執行役員技術副本部長。2023年取締役執行役員技術本部長を経て、2026年より現職。 |
| 瀧本 昌行 | 取締役執行役員営業本部長営業部長サービス部長 | 1997年同社入社。2022年同社執行役員営業副本部長兼営業部長。2024年取締役執行役員営業本部長兼営業部長を経て、2026年より現職。 |
| 杉山 茂紀 | 取締役執行役員管理本部長 経営企画部長 人事総務部長 | 2005年同社入社。2024年同社執行役員管理副本部長兼人事総務部長。2025年取締役執行役員管理本部長兼経営企画部長を経て、2026年より現職。 |
| 荒川 俊明 | 取締役執行役員生産本部長 生産管理部長 | 1998年同社入社。2024年同社執行役員生産副本部長兼生産管理部長。2025年取締役執行役員生産本部長兼生産管理部長を経て、2025年より現職。 |
社外取締役は、髙橋明久氏(アルバック執行役員)、山本雅子氏(麻布大学名誉教授)、浅見行彦氏(元相模原市人事委員会事務局長)です。
同社は監査役会制度を採用しており、取締役会による意思決定と業務執行に加え、監査役会および会計監査人による適正な監視体制を構築しています。社外取締役は、経営に関する豊富な経験や高い見識、専門的見地から客観的かつ適切な監督機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
昭和真空の取締役の報酬は、金銭による固定報酬、業績連動報酬(役員賞与)、および株式報酬で構成されています。業績連動報酬は親会社株主に帰属する当期純利益を指標とし、株式報酬は譲渡制限付株式の付与によって企業価値向上へのインセンティブを高める設計です。社外取締役および監査役の報酬は固定報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 7名 | 1.9億円 | 26.6百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 7百万円 | 6.9百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 8百万円 | 2.6百万円 |
取締役(社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、譲渡制限付株式報酬8百万円です。
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、個人別の報酬開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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