【平均年収442万円】ヒーハイスト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収442万円】ヒーハイスト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ヒーハイストは、精密機器製造事業を展開し、直動機器や精密部品加工、ユニット製品の製造販売を手がけています。独創的な技術でミニチュア化に成功したリニアボールブッシュは、幅広い分野に供給されています。直近の業績は売上高が減少し、利益面では損失が拡大しました。


目次

※本記事は、ヒーハイスト株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ヒーハイストは精密機器製造事業を展開し、直動機器、精密部品加工、ユニット製品の製造販売を手がけています。独創的な技術でミニチュア化に成功したリニアボールブッシュは、幅広い分野に供給されています。

同社の単体従業員数は78名、連結従業員数は84名です。セグメントは精密機器製造事業の1つです。

国内においてはヒーハイストが生産・販売を一手に担い、海外1社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ヒーハイストは、精密機器製造事業を営む企業として、従業員が安心して長く働ける環境づくりに注力しています。人材の能力を最大限に引き出し、個性を尊重する方針を掲げ、多様な人材が活躍できる職場環境の整備を進めています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が長期的にキャリアを築ける環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数が長く、平均年齢も中堅層であることから、安定した環境で働き続ける従業員が多いことがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 4,420,000円
平均勤続年数 13.8年
平均年齢 43.0歳
単体従業員数 78人
連結従業員数 84人
単体のグループ内比率 92.9%


同社は確定給付型の退職給付制度を採用しており、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる仕組みです。この制度は提出会社が中小企業退職金共済制度として採用しており、連結子会社には該当事項がありません。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「義の心」という経営理念のもと、安全で働きやすい職場環境の確保と、従業員の能力・活力の引き出し、人格・個性の尊重を人材戦略の基本方針としています。性別、年齢、国籍による差別を行わないことを掲げ、公正な評価に基づいた採用や登用を進めています。

給与やその他の報酬は、社会的水準、会社の支払能力、物価、本人の能力、経験、年齢、職責などを考慮し、賃金規程に基づいて決定されます。従業員一人ひとりのキャリア構築を支援するため、入社時教育、配属時教育、部門毎教育、年度毎教育といった多彩な教育研修制度を導入し、職位や職能に応じた能力や専門知識の習得を支援しています。

また、仕事と家庭の両立支援、国籍・人種・性別を問わない積極的な人材活用、長期的に働ける職場環境の整備にも取り組んでいます。具体的には、育児・介護休業を取得しやすい環境づくりや育児短時間勤務制度、次世代育児支援対策を導入しています。人事評価制度では、目標達成度を評価する成果評価に加え、経営理念や戦略を反映したヒーハイストバリュー評価を導入し、「社員共生」の実現を目指しています。奨学金返還支援制度や社員持株会制度も導入し、従業員の経済的・心理的負担の軽減やエンゲージメント向上を図っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出した、提出会社単体のデータです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 11.1%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金差異(全労働者) 68.5%
労働者の男女の賃金差異(正規雇用労働者) 72.9%
労働者の男女の賃金差異(パート・有期労働者) 86.3%

多様性・登用


提出会社単体のデータです。

指標 数値
労働者に占める外国人労働者の割合 23.7%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ヒーハイストは、精密機器製造を主軸とする企業です。直動機器、精密部品加工、ユニット製品の3つの品目を展開し、幅広い産業分野に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、精密機器製造事業の単一セグメントとして事業を展開しています。創業以来、直動機器と精密部品の製造販売を一貫して行い、後にそれらの技術を応用したユニット製品の製造販売も開始しました。主力製品である直動機器のリニアボールブッシュは、独創的な設計思想によりミニチュア化に成功し、長年にわたり工作機械や精密機械など、あらゆる分野に高品質な製品を供給しています。省エネニーズに対応した軽量タイプや、省スペースニーズに対応したスリムタイプなど、蓄積された技術を応用した新製品開発や製品改良にも力を入れています。

精密部品加工では、レース用部品や試作部品の製造を受託しており、精密な加工技術の要求にスピード感をもって対応しています。また、次世代製品の機能部品加工も手掛け、球面加工技術や鏡面加工技術を駆使し、特殊材料や難切削材の超精密部品の受託加工を行っています。ユニット製品では、直動機器と精密部品加工で培った精密加工技術を発展させ、パラレル機構を用いた薄型シンプル構造の多軸ステージを開発し、装置の小型・省電力化に貢献しています。スマートフォンなどの液晶画面製造の位置決め装置をはじめ、国内外の産業装置メーカー向けに供給しており、球面軸受の製造販売も行っています。

同社グループの売上高の大部分は日本国内の顧客から得ており、中国やその他の地域からの売上も存在します。主要な顧客としては、THK株式会社とホンダグループが挙げられます。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
直動機器 1兆3,657億円 1兆588億円
精密部品加工 6,806億円 3,457億円
ユニット製品 1,988億円 2,323億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


過去5期間の業績を見ると、同社グループの売上高は減少傾向にあり、直近の2026年3月期は大幅な減少となりました。利益面では、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益ともに損失が続いており、2026年3月期は損失額が大きく拡大しています。この当期純損失の大幅な増加には、固定資産に係る多額の減損損失の計上が影響しています。営業活動によるキャッシュ・フローは、当期も資金を使用する状況ですが、前期と比較すると使用額は減少しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 27.4億円 24.1億円 23.1億円 22.5億円 16.4億円
経常利益 2.6億円 4百万円 △1.6億円 △1.9億円 △3.0億円
経常利益率 9.4% 0.2% △6.8% △8.5% △18.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.2億円 △2百万円 △2.2億円 △2.0億円 △7.2億円
1株当たり当期純利益(円) 35.25 △0.40 △35.44 △32.62 △115.18

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から減少しており、生産性の低下が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期に引き続き損失となっており、その損失額は拡大しています。これは、売上高の減少や減損損失の計上といった一時的な要因が影響していると考えられます。これらの指標は、同社グループが現在、収益体質の改善と組織効率化に向けて取り組む必要があることを示唆しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 23.4百万円 19.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △1.3百万円 △3.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ヒーハイストの財務状況は、事業活動による資金流出が続き、継続企業の前提に重要な疑義が生じていると認識されています。
このような状況下で、同社グループは収益力向上と安定収益構造への変革を図っている途上にあります。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は前期から減少傾向にありますが、製造業のプライム市場平均と比較すると高い水準を維持しています。
しかし、ROE(自己資本利益率)は当期もマイナスとなっており、収益性の改善が課題となっています。
手元資金は前期から減少しており、資金繰りの状況に注意が必要です。
これらの財務状況は、将来的な事業展開や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 28.2億円 21.0億円
自己資本比率 56.3% 50.8%
ROE(自己資本利益率) △7.0% △29.2%
現金及び預金 5.6億円 4.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当期の営業活動によるキャッシュフローは、前期に引き続きマイナスとなっています。
これは主に、税金等調整前当期純損失や仕入債務の減少、棚卸資産の増加により資金が減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローもマイナスであり、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が主な要因です。
その結果、本業の稼ぎと投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはマイナスとなっており、事業活動で生み出す資金だけでは投資を賄えていない状況を示しています。
財務活動によるキャッシュフローはプラスですが、これは短期借入金と長期借入金による収入が長期借入金の返済支出を上回ったことによるものです。
このようなキャッシュフローの状況は、同社グループが資金調達によって事業活動を支えていることを示しており、今後の収益改善が雇用や給与の安定性にとって重要な要素となります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △1.8億円 △1.6億円
投資CF △52百万円 △26百万円
財務CF △99百万円 30百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △2.4億円 △1.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


同社グループは、当連結会計年度において売上高が著しく減少し、営業損失およびマイナスの営業キャッシュフローを計上しました。
これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していると認識しています。
ただし、機動的な資金調達により当面の運転資金を賄える状況にあるため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断されています。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、売上の約64.7%を直動機器が占めており、この製品への高い依存度があります。
諸外国の安価な製品や代替品の流入、産業用機械装置の設備投資需要変動により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、THK株式会社およびホンダグループに対する売上高の比率が高く、特定販売先の受注動向や経営戦略によって業績に影響を受けるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、専門性を有した技術者の確保と育成、定着率を重要な課題として認識しています。
少子高齢化や製造業への就職人材の減少により、計画通りに適切な人材を採用できなかった場合や成長途中で退職に至った場合には、技術・技能の承継に支障をきたし、事業遂行に制約が生じる可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ヒーハイストは、「義の心」という経営理念を掲げ、お客様のニーズに真摯に応えることを大切にしている会社です。常に新しいテクノロジーを追求し、社会貢献と社員共生、安定成長を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「義の心」という経営理念のもと、直動機器の専門メーカーとして高品質・高付加価値製品を提供しています。この理念は、「先に義を尽くして後から利益がくる「先義後利」」という考えに基づいています。お客様が何を望み、何に困っているのかをつかみ、真摯に応えることを重視しています。

経営理念を実践するため、「社会貢献」「社員共生」「安定成長」の3つの方針を掲げています。中期経営戦略では、「自ら技術と人をつなぎ、世界のステージへ」「Joint・Robot の HEPHAIST」を経営ビジョンとしています。高精度加工技術を基盤に、付加価値の高い製品群への選択と集中を進め、持続的な成長を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「義の心」という経営理念を実践するために、「改善と進歩」を経営方針としています。社員全員が改善と進歩の実感を得ること、そして何事にも期日を設けて仕事の質とスピードを向上させることを重視しています。また、「不易流行」を継続の方針とし、変えてはならない「不易」(企業スピリッツ、経営理念など)と、時代に順応すべき「流行」(戦略、技術など)を明確にしています。

各部門間の「リスペクト(価値を認めること)」を強みとし、信頼とリスペクトに基づく「共存共栄」を大切にしています。企業倫理綱領ではCSR(企業の社会的責任)を規定し、環境保護、人権擁護・従業員満足、社会貢献を掲げています。人事評価制度には、経営理念や経営方針、戦略を評価基準とした「ヒーハイストバリュー評価」を導入し、「社員共生」の実現を目指す企業風土です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、社会及び企業の持続可能な発展のため、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを重視しています。環境面では、環境マネジメントシステム「エコアクション21」の運用を通じて継続的な改善を図っています。本社・埼玉工場への太陽光発電設備設置や、古紙・廃プラスチックの固形燃料化、卵の殻を配合したエコペーパー名刺の導入など、CO2排出量削減と資源循環型社会の構築に取り組んでいます。

社会貢献としては、フードドライブ事業への協力による食品ロス削減や、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンのチャイルド・スポンサーシップを通じた開発途上国の子どもたちへの支援を進めています。これらの取り組みを通じて、SDGsの目標達成に貢献し、持続可能な世界の実現を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ヒーハイストの取締役会は、社外取締役を含む体制で経営の透明性を確保しています。監査役会設置会社として、監査役が独立した立場で経営を監視する体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ヒーハイストは、創業家が主要な株主として経営を支える資本構成となっています。筆頭株主である尾崎浩太氏と、第2位株主である尾崎文彦氏はいずれも創業家であり、同社グループの経営に強い影響力を持つ体制です。

株主名 持株比率
尾崎浩太 20.03%
尾崎文彦 18.81%
株式会社SBI証券 1.51%
楽天証券株式会社共有口 1.13%
南 秀嗣 0.91%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は尾崎浩太氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。

氏名 役職 主な経歴
尾崎 浩太 代表取締役社長 1988年5月同社取締役に就任後、総務部長、管理部長、管理部担当を経て、2005年4月より代表取締役社長管理部担当兼技術部担当。2020年6月より現職。
尾崎 文彦 専務取締役営業部担当 1997年2月同社入社後、製造部長、取締役製造部長、取締役営業部長を経て、2009年6月より専務取締役営業部長。2024年10月より現職。
福留 弘人 常務取締役技術・製造担当兼生産技術部長兼PMO 1991年4月帝国ピストンリング株式会社(現TPR株式会社)入社。2006年11月同社技術顧問。2012年6月取締役執行役員技術部長兼製造部担当を経て、2023年8月より現職。
佐々木 宏行 取締役管理部長 2002年7月同社入社後、管理部長、執行役員管理部長を経て、2020年6月より現職。


社外取締役は、天野雅人氏(株式会社フリーベアコーポレーション代表取締役社長)です。

同社は監査役制度を採用しており、取締役会および監査役会を設置しています。独立性を確保した社外取締役1名を含むことで経営の透明性を確保し、社外取締役は取締役会に出席し、経営の監督を行う役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を採用しています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬としての賞与、および譲渡制限付株式で構成されています。社外取締役や非常勤取締役については、基本報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 96百万円 24.0百万円
監査役(社外除く) 1名 9百万円 9.5百万円
社外役員 3名 7百万円 2.4百万円


なお、退職慰労金は当事業年度に係る役員退職慰労引当金繰入額を記載しています。また、取締役の報酬等の総額には、従業員兼務取締役の従業員分給与は含まれていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。