※本記事は、株式会社かわでん の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
かわでんは、ビルや工場、産業施設、大型マンション向けの配電制御設備をカスタムメイドで製作する大手専業メーカーです。1940年の設立以来、長い歴史を持つ同社は、配電制御設備製造事業の単一セグメントで事業を展開しています。
単体従業員数は860名です。セグメントは配電制御設備製造事業の1つです。
外注に多くを依存する競合他社が多い中で、かわでんは社内で研究から設計、製造、販売、アフターサービスまでの一貫した事業部門を有し、柔軟な対応が可能な体制を敷いています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
かわでんは、社会インフラを支える電気設備事業を核とし、安定した事業基盤を持つ企業です。人材育成や働きやすい環境づくりにも力を入れており、従業員が長く活躍できるような制度や取り組みを進めています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が比較的長く勤続する傾向があり、安定した環境でキャリアを築いている様子がうかがえます。年齢構成もバランスが取れており、経験豊富な人材が多数在籍していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,913,007円 |
| 平均勤続年数 | 16.6年 |
| 平均年齢 | 40.5歳 |
| 単体従業員数 | 860人 |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を採用しています。国内の従業員を対象に、積立型および非積立型の確定給付制度を採用しています。退職一時金制度があり、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。
退職給付債務は20.2億円、年金資産は16.6億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、中期経営計画と連動した人材戦略を重要な経営課題と位置付け、人的資本の強化に取り組んでいます。社員一人ひとりが主役となり、経営と一体となって変革に挑み、成長し続けることが不可欠であると考えています。新たなもの・ことへの挑戦と周囲との協働を通じて、自律的に成長できる人材の育成を目指しています。
現在、基幹人事制度(等級・評価・報酬)の抜本的な改定を進めており、社員の自律的成長を支え、大きな変革を実現することを目指しています。従業員一人ひとりの役割、職務、能力、成果等を総合的に勘案し、公正かつ透明性のある処遇を行うことを基本方針としています。
人材育成方針としては「社会やお客様から信頼されるプロフェッショナル人材の育成」を掲げています。採用においては、多様な人材確保のため、国籍、性別、障がいなどに関係なく、応募者の適性・能力のみを基準とした公正公平な採用活動を基本方針としています。育成面では、OJT、階層別・職種別研修、自己研鑽・自己啓発のための資格取得奨励制度や表彰制度、経営人材育成のためのジョブローテーションなどに取り組んでいます。
社内環境整備方針では「人材が力を発揮しやすい組織風土・環境整備」を掲げ、働きやすい環境づくりを推進しています。具体的には、キャリア形成をサポートする人事制度の充実、1on1ミーティングの実施、労働時間の適正管理、年次有給休暇の計画的取得推進、柔軟な働き方ができる制度の整備などに取り組んでいます。また、ウェルビーイングの視点を取り入れた健康経営や、女性の活躍推進、仕事と育児・介護の両立支援制度の充実にも力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 77.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 73.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 75.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 67.6% |
指標及び目標
同社がサステナビリティに関する取り組みとして設定している指標と実績は以下の通りです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.1% |
| 女性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 77.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社かわでんは、ビルや工場、大型マンション向けの配電制御設備をカスタムメイドで製造する専業メーカーです。顧客の要望に応じた一品生産を強みとしています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、高低圧配電盤、制御盤、分電盤などの配電制御設備を、研究から設計、製造、販売、アフターサービスまで一貫して社内で行う体制を構築しています。これにより、顧客の多様な仕様変更にも柔軟に対応できることが特徴です。
同社の製品は、日本国内の大型・中型オフィスビル、病院、学校、工場、大型マンションなどの新築やリニューアル時に設置されており、国内の民間設備投資の動向が収益に大きく影響します。都市部の再開発案件や工場関連の設備投資・更新需要を取り込むことで、利益を上げています。
同社はカスタム型市場に属しており、この市場の競合企業の多くは未公開企業です。海外での生産には不向きな製品特性から、国内市場に特化しており、本邦以外の外部顧客への売上高はありません。また、特定の取引先への販売実績が一定の割合を占める傾向があります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から増加傾向を示しています。特に利益面では、営業利益、経常利益、当期純利益が前期から大幅に増加しました。
これは、堅調な市場環境と、大型案件への対応力や仕様変更への柔軟な対応といった同社の強みを活かした採算管理の徹底および原価低減の取り組みによるものです。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員数は860人です。平均年間給与は6,913,007円であり、前期から6.6%増加しています。これらの数値は、同社の従業員規模と給与水準の傾向を示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
かわでんは、安定した財務基盤を構築しており、事業活動で得た資金を効率的に活用している状況です。本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も行っています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率やROE(自己資本利益率)といった指標から、安定性や収益性を判断する上で重要な要素となります。これらの指標は、企業の健全性や株主への還元力を示すものです。手元資金の厚みは、予期せぬ経済変動や事業投資への対応力を測る目安となります。これらの財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にも影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
キャッシュフローは、同社が事業活動、投資活動、財務活動を通じてどのように資金を動かしているかを示しています。営業活動によるキャッシュフローは本業でどれだけ資金を生み出しているかを表し、投資活動によるキャッシュフローは将来の成長に向けた投資の状況を示します。財務活動によるキャッシュフローは、借入や配当などによる資金の出入りを表しています。これらの資金の流れは、同社の事業の安定性や成長戦略、そして従業員の雇用や給与の安定性にも影響を与える重要な要素です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、国内の民間非住宅建築投資の動向に強く影響を受ける事業構造となっています。民間非住宅建築投資が減少した場合、製品需要が減少し業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、2026年3月期における売上高のうち、特定の顧客への依存度が高い状況です。これらの顧客との取引関係が維持できない場合や減少した場合、同社の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社かわでんは、「暮らしを守る、電気を守る」を使命とし、持続的な企業価値向上を目指す会社です。人々の安全で快適な暮らしを支えるため、変革と努力を続けています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「暮らしを守る、電気を守る」を使命と捉え、事業活動を展開しています。
「電気が人々を安全に照らし、人々が快適で安心な暮らしを送れる」理想の社会の実現を目指しています。
その実現のため、「持続的な事業価値・株主価値の創出と継続的な企業価値向上を意識し事業活動を展開していく」ことを経営の基本方針としています。
また、社是として「わが社は電気に生きる-電気とともに発展する社会と共生し、人々の暮らしに貢献する」を掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「人間尊重」の精神を経営理念に掲げ、サステナビリティ基本方針として「環境と社会と人のために」を基本理念としています。
環境保全、社会の持続的発展、人間尊重の具現化を通じて、持続可能な社会の構築に貢献することを目指しています。
人材に関する基本方針では、多様性を重視し、互いの信頼と和を礎としています。
「社会やお客様から信頼されるプロフェッショナル人材の育成」と「人材が力を発揮しやすい組織風土・環境整備」を掲げ、従業員一人ひとりの成長と働きがい・働きやすさを追求するカルチャーです。
求める人材像として、使命感、高い技術力、多様な価値観、創造と改善への意欲、組織の一員としての協働を重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、デジタル化の進展や生産年齢人口の減少といった時代の潮流変化を正しく理解し、大きな変革を遂げる必要があると認識しています。
対処すべき課題として、リニューアル事業の強化における人材確保の困難さや、製品バリエーションが多岐にわたる中での原価管理の精度改善を挙げています。
非財務戦略としては、経営理念に掲げる「人間尊重」の精神のもと、人事諸制度のアップデートを進めるなど人的資本投資の強化に取り組んでいます。
自己株式の処分についても今後の対処すべき課題の一つと認識しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
かわでんは、取締役会が業務執行の意思決定と監督を行い、監査役制度を採用しています。また、任意の指名・報酬委員会を設置し、コーポレート・ガバナンス体制の充実を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
かわでんの株主構成を見ると、筆頭株主は融和実業であり、複数の事業会社が上位に名を連ねています。同社は幅広い事業会社に支えられている資本構成となっており、従業員持株会も株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 融和実業 | 10.70% |
| 富士化学塗料 | 9.90% |
| 佐藤商事 | 3.59% |
| 立花エレテック | 3.38% |
| きんでん | 3.12% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役社長は小川善之氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小川 善之 | 取締役社長 (代表取締役) | 1992年4月同社入社。2021年6月同社取締役常務執行役員営業本部長。2025年6月同社代表取締役社長 社長執行役員より現職。 |
| 相澤 利雄 | 取締役会長 (代表取締役) | 1980年4月同社入社。2021年6月同社代表取締役社長。2025年6月同社代表取締役会長より現職。 |
| 神保 能郎 | 取締役 経営管理本部長 | 1989年10月同社入社。2021年6月同社取締役常務執行役員経営管理本部長兼経営管理部長。2025年4月同社取締役専務執行役員経営管理本部長より現職。 |
| 田代 正 | 取締役 製造本部長 | 1990年4月同社入社。2023年4月同社取締役常務執行役員製造本部長。2024年4月同社取締役専務執行役員製造本部長より現職。 |
| 坂本 宏幸 | 取締役 営業本部長 | 1994年4月同社入社。2025年6月同社取締役常務執行役員営業本部長。2026年4月同社取締役専務執行役員営業本部長より現職。 |
| 山下 孝司 | 取締役 経営企画室長 | 1991年4月同社入社。2023年6月同社取締役常務執行役員経営企画室長より現職。 |
社外取締役は、石田徹氏(株式会社アイ・アール・ディレクションズ代表取締役社長)、堀内晃氏(日本冶金工業顧問)、菅野雅貴氏(菊地綜合法律事務所パートナー弁護士)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役9名中3名が社外取締役、監査役3名中2名が社外監査役で構成されています。社外役員は、経営の意思決定や業務執行に対する客観的かつ公正な監査・監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
かわでんの役員報酬は、月例の固定報酬である基本報酬と、各事業年度の業績に連動した業績連動報酬(賞与)で構成されています。企業価値の持続的な向上に寄与するため、固定報酬と業績連動報酬の適切な配分を方針としています。監査役の報酬は、監査役の協議によって決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 9名 | 2.6億円 | 28.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 17百万円 | 17.4百万円 |
| 社外役員 | 8名 | 57百万円 | 7.1百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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