※本記事は、TDK株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
TDKは、電子部品の総合メーカーとして、受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品、エナジー応用製品といった幅広い分野で製品の製造と販売をグローバルに展開しています。連結子会社152社、持分法適用関連会社6社からなるグループを形成しています。
同社の単体従業員数は6,573名、連結従業員数は106,545名です。事業セグメントは、受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品、エナジー応用製品、その他の5つです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
TDKは、電子部品のリーディングカンパニーとして、安定した事業基盤を持つ企業です。同社グループでは、従業員の成長と多様性を重視し、長期的な視点での人材育成と働きやすい環境づくりに力を入れています。グローバルに事業を展開する中で、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できるような制度設計が進められています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、経験豊富な人材が長く活躍できる環境であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,211,552円 |
| 平均勤続年数 | 16.9年 |
| 平均年齢 | 43.0歳 |
| 単体従業員数 | 6,573人 |
| 連結従業員数 | 106,545人 |
| 単体のグループ内比率 | 6.2% |
同社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人的資本を経営戦略の実行および変革と価値創造を推進する中核的な資本と位置付けています。AIエコシステムを成長の軸とし、事業ポートフォリオの進化と新たな価値創出を加速するためには、「人」と「組織の力」が不可欠であると考えています。
人的資本を変革を具現化する原動力と捉え、「実行力」「未来構想力」「変革力」を兼ね備えた人材の育成と活用を重視しています。戦略上の優先度に応じた人材配置と役割の明確化に加え、採用・育成・配置・評価・報酬を一貫した思想のもとで運用し、人材マネジメント全体を「変革を継続的に生み出す仕組み」として進化させています。
また、多様な人材がつながり合い、相互に価値を高める組織のあり方を「TDK United」と称し、ベンチャースピリット、多様性の尊重、機能対等という独自の文化を基盤とした組織運営を推進しています。権限委譲とオープンなコミュニケーションのガバナンス方針を原則として、個々の人材が主体的に挑戦し、価値創造に参画できる環境を整備しています。
報酬制度においては、社員一人ひとりの価値創造が企業価値を形成するとの考えに基づき、個性や能力を最大限に発揮できるよう、個々の社員により向き合った人事制度および報酬制度の整備を進めています。管理職には、現場をリードする管理職が部下一人ひとりの役割や成果を踏まえた評価・処遇を行えるよう、報酬分配の一部を現場で決定できる仕組みを導入し、権限委譲を進めています。非管理職の報酬制度では、社員の経験、専門性、業務範囲等を踏まえてグレードを設定し、役割や貢献度に応じた処遇につなげています。報酬水準は、日本国内における労働市場の競合企業群をベンチマークとし、採用競争力を維持できる水準を継続的に確保するよう努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率および男性育児休業取得率は2026年4月時点で算出されています。労働者の男女の賃金差異は、報酬体系および処遇は男女同一ですが、女性に比べて男性における管理職比率が高いことが主な要因です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 5.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 72.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 72.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 63.5% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ TDKエレクトロニクスファクトリーズ株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 1.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 71.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 78.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 78.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 89.5% |
▼ TDKラムダ株式会社
非正規雇用労働者の男女の賃金の差異が大きくなっております。これは、非正規雇用労働者に占める嘱託社員・契約社員の男性は主に定年退職後の再雇用者であり、賃金水準が高いことによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 6.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 72.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 60.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 73.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 55.1% |
▼ TDKサービス株式会社
非正規雇用労働者の男女の賃金の差異が大きくなっております。これは、専門技術、体力負荷等により賃金水準が高い職種の嘱託契約に男性が多く、簡易業務、補助業務のパート契約社員に女性が多いことによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 21.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 68.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 83.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 67.6% |
Human Capital as Change Driver/Advancement in Technical Capability
| 指標 | 2024年度実績 | 2025年度実績 |
|---|---|---|
| グローバルマネジメント育成プログラムの参加人数 | 179人 | 367人 |
DE&Iをインクルーシブなリーダーシップの実践を通じ促進
| 指標 | 2024年度実績 | 2025年度実績 |
|---|---|---|
| グローバルマネジメント育成プログラムの参加者における女性比率 | 26% | 26% |
チームメンバーの健康とエンゲージメントの向上
| 指標 | 2024年度実績 | 2025年度実績 |
|---|---|---|
| エンゲージメントサーベイ(コミュニケーション)スコア | 68ポイント | 71ポイント |
| エンゲージメントサーベイの参加率 | 90% | 92% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
TDKは、電子部品やデバイスの製造・販売をグローバルに展開する企業です。多岐にわたる製品群を通じて、ICT(情報通信技術)関連製品や産業機器、自動車市場など、幅広い分野に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、「受動部品」「センサ応用製品」「磁気応用製品」「エナジー応用製品」の4つの報告セグメントと、これらに属さない「その他」の事業を展開しています。各セグメントは、それぞれの専門分野において製品の製造と販売を行い、収益を上げています。
受動部品
セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクティブデバイス(コイル、フェライトコア、トランス)、高周波部品、圧電材料部品・回路保護部品などを製造・販売しています。自動車市場や産業機器向け販売が増加し、収益を伸ばしています。
センサ応用製品
温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサなどを手掛けています。スマートフォン向けTMRセンサや、産業機器向けモーションセンサの販売が増加し、セグメント全体の収益向上に貢献しています。
磁気応用製品
HDD用ヘッド、HDD用サスペンション、マグネットなどを製造・販売しています。データセンター向けニアライン用HDDの需要が高く、大幅な増収増益となりました。
エナジー応用製品
エナジーデバイス(二次電池)や電源を主要製品としています。スマートフォン向け小型電池や産業機器向け中型電池、産業機器用電源の販売が堅調に推移し、同社グループ最大の収益源となっています。
その他の事業セグメント
メカトロニクス(製造設備)やスマートフォン向けカメラモジュール用マイクロアクチュエータなどを扱っています。ICT市場向けの販売が増加したものの、セグメント全体では損失を計上しています。
同社グループの海外売上高は連結売上高の9割以上を占めており、グローバルな事業展開が特徴です。為替変動が業績に影響を与える傾向にあります。また、特定の顧客グループへの売上高が連結売上高の10%を超え、主にエナジー応用製品セグメントに集中しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) | セグメント利益(2025年3月期) | セグメント利益(2026年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| エナジー応用製品 | 1兆1,765億円 | 1兆3,703億円 | 2,344億円 | 2,467億円 | 18.0% |
| 受動部品 | 5,596億円 | 5,932億円 | 341億円 | 418億円 | 7.1% |
| 磁気応用製品 | 2,236億円 | 2,629億円 | 33.8億円 | 270億円 | 10.3% |
| センサ応用製品 | 1,895億円 | 2,246億円 | 49.8億円 | 207億円 | 9.2% |
| その他の事業セグメント | 556億円 | 538億円 | △44.4億円 | △102億円 | △19.0% |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期の業績は、売上高と親会社の所有者に帰属する当期利益ともに堅調な成長傾向を示しています。特に当期は、売上高、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のいずれも前期から大きく増加しました。世界経済の不安定さや為替変動の影響を受けつつも、ICT市場や産業機器市場の堅調な需要が業績を牽引しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆9,021億円 | 2兆1,808億円 | 2兆1,039億円 | 2兆2,048億円 | 2兆5,048億円 |
| 税引前利益 | 1,725億円 | 1,672億円 | 1,792億円 | 2,378億円 | 2,768億円 |
| 税引前利益率 | 9.1% | 7.7% | 8.5% | 10.8% | 11.1% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,313億円 | 1,142億円 | 1,247億円 | 1,672億円 | 1,957億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 69.29 | 60.24 | 65.74 | 88.10 | 103.09 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、事業規模の拡大と効率性の向上がうかがえます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、本業で稼ぐ力が着実に向上していることを示しています。これらの指標の改善は、同社グループが持続的に価値を創出する能力を高めていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 21.0百万円 | 23.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.1百万円 | 2.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
TDKは、本業で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も積極的に行っています。これにより、強固な財務基盤を維持しながら成長を目指している状況がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
TDKの自己資本は前期の1兆8,001億円から当期は2兆1,872億円に増加しています。自己資本比率は前期の50.8%から当期は49.5%となり、プライム市場の製造業平均と比較して高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)は前期の9.5%から当期は9.8%に向上しており、プライム市場の製造業平均を上回る水準です。手元資金を示す現金及び現金同等物は前期の6,973億円から当期は8,428億円に増加しており、潤沢な資金を確保している状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した財務基盤を築いていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 1兆8,001億円 | 2兆1,872億円 |
| 自己資本比率 | 50.8% | 49.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.5% | 9.8% |
| 現金及び現金同等物 | 6,973億円 | 8,428億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
TDKの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期の4,458億円から5,077億円に増加しました。これは主に当期利益の増加によるものです。本業で安定的に資金を生み出している状況がうかがえます。投資活動によるキャッシュ・フローは、前期の△2,448億円から△3,778億円に減少しました。これは主に固定資産の取得が増加したことによるもので、将来に向けた積極的な投資を行っていることを示しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期の△1,433億円から△647億円に増加しました。これは主に長期借入金の返済額が減少したことによるものです。営業活動で得た資金が投資活動による支出を上回るフリー・キャッシュ・フローは1,299億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金で投資を賄い、なお余剰資金がある優良な状態です。このキャッシュ・フローの状況は、同社グループが安定した事業運営と成長投資を両立していることを示しており、雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4,458億円 | 5,077億円 |
| 投資CF | △2,448億円 | △3,778億円 |
| 財務CF | △1,433億円 | △647億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2,010億円 | 1,299億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループはグローバルに事業を展開しており、連結ベースでの海外売上高比率は93%に達しています。特に中国向け売上高は連結売上高の55%を占め、中国拠点による生産額は同社グループ全体の約62%となっています。不安定な政情、戦争やテロ、関税引上げ、輸出入制限、文化・慣習の違いによる労務問題、疾病といったリスクが顕在化した場合、生産活動の縮小や停止、販売活動の停滞等により業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、同社グループは主にエレクトロニクス市場や自動車市場の顧客に電子部品を供給しています。当連結会計年度において、連結売上高の10%を超える顧客グループが1グループあり、この顧客グループに対する売上は4,664億円で、連結売上高に対する比率は19%です。当該顧客の業績や経営戦略の転換等、同社グループがコントロールし得ない要因によって、業績に大きな影響を受ける可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、世界中の30以上の国と地域で事業活動を推進しており、日本以外の拠点の従業員数は全従業員数の約89%です。変化の激しいエレクトロニクス業界において、専門技術に精通した多様な人材やマネジメント能力に優れた人材の獲得・育成が重要と認識されています。必要な人材を継続的に獲得し定着させるための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まなかった場合、長期的な事業展開、業績及び成長に大きな影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
同社グループは、当連結会計年度においてリストラクチャリング引当金を41.7億円計上しています。また、受動部品セグメントにおいて構造改革費用28億円を計上しました。これらの費用は事業再編や拠点統廃合、人員削減等に伴うものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
TDKは、創業以来の精神に基づき、独創性とイノベーションを追求し、社会の変革に貢献することを目指す企業です。変化を先取りし、迅速に対応できる組織文化を醸成しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
TDKは1935年に磁性材料フェライトの工業化を目的としたベンチャー企業として設立されました。同社グループは「創造によって文化、産業に貢献する」という社是を創業の精神とし、独創性の追求とイノベーションによる新たな価値提供を通じて企業価値を高めています。
2024年には長期ビジョンを制定し、「変化を先んじて検知できる地位獲得」と「変化に迅速に対応できる仕組みの確立と運用」に取り組む方針です。材料、プロセス、ソフトウェア等の強みを深化させ、電子デバイス領域でのリーディングポジション確立を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
TDKグループは、「創造によって文化、産業に貢献する」という社是を基盤に、事業を通じて社会の変革に貢献することを目指しています。人財戦略においては、「Human Capital as Change Driver(変革の原動力としての人的資本)」、「Value Creation through TDK United(価値創造を生む組織と文化)」、「Advancement in Technical Capability(戦略実行に資する能力の高度化)」の三つの観点を重視しています。
特に「TDK United」の考え方に基づき、多様な人財が繋がり合い、主体的に価値創造へ参画する組織の実現を目指しており、多様性とエンゲージメントの両立を重要視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、企業価値向上に向けた重要課題(マテリアリティ)を設定しています。「事業活動による価値創造と競争優位の確立」のため、「顧客価値の創出と強固な信頼関係の構築」、「社会のTransformation実現に貢献するR&D」、「高品質な製品の安定供給と生産の高効率化」を重点領域としています。
これらを支える「未来を構想し実現する経営基盤の強化」として、「競争力を生み出し続ける多様な人財の活躍推進と育成による変革」、「グループガバナンスの高度化」、「社会・環境課題解決の遂行」にも取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社グループは、監査役会設置会社として、経営の監督と執行の分離を明確にし、社外取締役を積極的に招聘することでガバナンス体制を強化しています。取締役会の諮問機関として3つの委員会を設置し、経営の透明性と妥当性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託銀行が上位を占めています。これは、多くの機関投資家が同社グループの株式を信託財産として保有していることを示しています。特定の事業会社や創業家による支配的な影響は見られず、幅広い投資家層に支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行 (信託口) | 27.01% |
| 日本カストディ銀行 (信託口) | 11.73% |
| THE CHASE MANHATTAN BANK,N.A LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人 株式会社みずほ銀行) | 2.63% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行) | 2.14% |
| CITIBANK,N.A.-NY, AS DEPOSITARY BANK FOR DEPOSITARY SHARE HOLDERS (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) | 1.99% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性10名・女性2名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長執行役員CEOは齋藤昇氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 齋藤 昇 | 代表取締役社長執行役員CEO加湿器対策本部長 | 1989年4月同社入社。TDK Electronics Europe GmbH President、同社電子部品営業本部長、戦略本部長などを経て、2022年4月同社社長執行役員兼加湿器対策本部長に就任。2022年6月より同社代表取締役、2024年4月より現職。 |
| 山西 哲司 | 代表取締役副社長執行役員CFO | 1983年4月同社入社。同社経理部長、経理・財務本部長などを歴任。2018年6月より同社代表取締役、2019年4月よりGlobal Chief Compliance Officer。2024年4月より同社副社長執行役員兼CFOとして現職。 |
| 橋山 秀一 | 取締役執行役員CTO 技術・知財本部長 | 1990年4月同社入社。エナジーソリューションズビジネスカンパニー エナジーシステムズビジネスグループ ゼネラルマネージャーなどを経て、2021年4月より同社執行役員。2025年4月より同社CTO兼技術・知財本部長、2025年6月より現職。 |
社外取締役は、中山こずゑ氏(元横浜市文化観光局長・指名諮問委員会委員長)、岩井睦雄氏(元日本たばこ産業代表取締役副社長)、山名昌衛氏(コニカミノルタシニアアドバイザー・報酬諮問委員会委員長)、勝本徹氏(元ソニーグループ執行役副社長兼CTO)です。
同社は監査役会設置会社であり、経営の健全性・遵法性・透明性を確保する体制を構築しています。取締役の過半数を独立社外取締役が占め、経営の監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社グループの役員報酬は、基本報酬、業績連動賞与、および株式報酬で構成されています。短期および中長期の業績連動性を重視し、企業価値向上への貢献を促す報酬体系を採用しています。多様な人材確保と競争力維持のため、報酬水準の比較検証も行われています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 6.8億円 | 1.71億円 |
| 社外取締役 | 4名 | 76百万円 | 19.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 72百万円 | 36.0百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 46百万円 | 15.3百万円 |
当事業年度における役員報酬の総額は8億7900万円であり、対象となる役員の総数は13名です。なお、報酬等の総額および対象となる役員の員数には、当事業年度中に退任した取締役1名が含まれています。
個人別報酬が開示されている役員は、齋藤昇氏(3.46億円)、山西哲司氏(1.81億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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