※本記事は、株式会社TBグループ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、LED表示機やデジタルサイネージ、LED照明の企画・販売を行うLED&ECO事業と、POS/ECRの開発・製造・販売、有料放送サービス、医療・健康分野向け機器販売を行うSA機器事業を展開しています。また、ビルの賃貸事業も手掛けています。
単体従業員数は48名、連結従業員数は118名です。セグメントはLED&ECO事業、SA機器事業、その他事業の3つです。
主な国内グループ会社は、TOWA・3、スマートヘルスネット・4(SA機器事業)、Mビジュアル中日本(LED&ECO事業)、Mビジュアル(-)などです。
同社グループは、フロー型収益モデルからストック型収益モデルへの転換を図り、屋内向けサイネージ事業の拡張を進めています。また、連結子会社の事業一部譲渡も行われました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
TBグループは、従業員の長期的なキャリア形成を支援し、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力している企業グループです。安定した人材基盤を持ちながら、個々の能力を最大限に引き出すための育成や評価制度を重視しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員が長く働き続けられる環境を提供しており、経験豊富な人材が多数在籍している傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、従業員の定着性が高く、安定したキャリアを築ける職場であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,947,857円 |
| 平均勤続年数 | 15.8年 |
| 平均年齢 | 47.6歳 |
| 単体従業員数 | 48人 |
| 連結従業員数 | 118人 |
| 単体のグループ内比率 | 40.7% |
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。これらの制度は、同社及び一部の連結子会社に適用されています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は83百万円、年金資産は2百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、多様な個性と価値観を尊重し、一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮できる企業グループを目指しています。事業規模の拡大と企業価値向上には人材が不可欠であると考え、成長への人的投資、人材採用、教育、人事考課制度の見直しに取り組んでいます。従業員の健康保持・増進を人的「投資」と捉え、従業員満足度向上を通じて定着化と生産性向上を図っています。
従業員の貢献に応じた公平公正な評価・処遇を実現するため、毎年経営会議で全員の昇給昇格を議論し、評価を行っています。また、定期昇給及びベースアップを報酬に反映しており、直近では2023年から2026年4月にかけて毎年ベースアップを実施し、基本給は年平均2%上昇しています。
組織力向上のためには適切な人員配置に加え、社外・社内研修を通じた人材育成・支援を推進しています。社員が望む多彩なキャリア形成に応え、能力を最大限に発揮できる環境づくりに努めています。また、女性や外国人の管理職登用など、多様性の確保にも積極的に取り組んでおり、管理職候補者育成を進め、女性管理職の登用を継続的に行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は公表義務の対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率は開示されていません。なお、属性が同じ男女労働者間での賃金の差異はありません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 7.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 70.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 73.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 69.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
TBグループは、LED表示機やデジタルサイネージLED照明の企画・販売を手掛けるLED&ECO事業と、POSシステムや電子レジスター、有料放送サービス、医療・健康分野向け機器の販売を行うSA機器事業を主軸としています。同社グループは、ハードウェアセールス主体の収益モデルから、継続的なサービス提供による収益モデルへの転換を図る事業開発を進めています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、LED&ECO事業とSA機器事業の二つの報告セグメントを中心に事業を展開しています。従来の法人向け大型サイネージに加え、新たに屋内向けサイネージ事業の拡張にも取り組んでいます。当連結会計年度は、法人向け領域が好調に推移し、LEDビジョン事業では大規模空港案件を含む受注拡大が見られました。
電子レジスターやPOS分野においても、税務当局向けシステムなどの導入が業績に貢献しています。一方で、中小飲食店などを中心とするSMB領域では市場環境の悪化により低調な推移となりましたが、販売手法の見直しや新製品開発を進めています。
LED&ECO事業
この事業では、デジタルサイネージ、LED表示機、LEDイルミ/ECO事業の企画・販売及び広告事業を行っています。収益は、主にLED関連製品の販売から得ています。運営は、TBグループ、TOWA、Mビジュアル中日本が行っています。
SA機器事業
この事業では、POSシステム、電子レジスター及び周辺機器、電子マネー関連機器、有料放送サービス、カプセル型宿泊施設向け製品、宿泊施設の運営、医療・健康分野関連商材などの企画・製造・販売を行っています。収益は、POSシステムや有料放送サービス、医療・健康分野向け機器の販売など多岐にわたるサービス提供から得ています。運営は、TBグループ、TOWA、MAYUDAMA、スマートヘルスネットが行っています。
その他の事業セグメント
その他の事業セグメントでは、主にビルの賃貸などの事業を行っています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の90%を超えており、国内市場が中心となっています。当連結会計年度においては、株式会社クラウドポイントがLED&ECO事業において主要な顧客となっています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| LED&ECO事業 | 13.9億円 | 15.5億円 |
| SA機器事業 | 9.3億円 | 9.0億円 |
| その他の事業セグメント | 9百万円 | 9百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高が23億円から24億円台で推移しています。経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失が継続している状況です。当連結会計年度は、売上高が前年同期比で増加し、営業損失および経常損失は改善傾向を示しました。
しかし、親会社株主に帰属する当期純損失は前年同期からわずかに悪化しています。これは、事業譲渡益を特別利益として計上した一方で、投資有価証券評価損や減損損失を特別損失として計上したことが影響しています。営業活動によるキャッシュ・フローは当期にプラスに転じており、本業でのキャッシュ創出力に改善が見られます。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 24.2億円 | 23.5億円 | 23.0億円 | 23.3億円 | 24.6億円 |
| 経常利益 | △2.0億円 | △2.4億円 | △2.3億円 | △1.9億円 | △82百万円 |
| 経常利益率 | △8.4% | △10.4% | △10.0% | △8.0% | △3.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △2.2億円 | △2.5億円 | △2.4億円 | △1.9億円 | △2.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △21.85 | △22.94 | △17.89 | △14.15 | △14.03 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、当期に前期から増加しています。これは、売上高の増加と連結従業員数の減少が影響していると考えられます。また、従業員1人あたり営業利益は、当期に前期よりも損失幅が縮小しており、生産性の改善傾向が見られます。
これらの指標の改善は、事業構造の転換や効率化への取り組みが一定の成果を上げていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 18.6百万円 | 20.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △1.6百万円 | △0.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、自己資本と手元資金の厚み、そしてキャッシュフローの動きからその現在地を読み取ることができます。事業活動と投資活動を通じた資金の流れは、今後の事業展開を考える上で重要な要素となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。しかし、ROE(自己資本利益率)はマイナスとなっており、収益性の改善が課題となっています。手元資金の状況は、事業運営における短期的な安定性を示す指標となります。これらの財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にも影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 6.0億円 | 4.8億円 |
| 自己資本比率 | 38.7% | 34.8% |
| ROE(自己資本利益率) | -27.6% | -36.0% |
| 現金及び預金 | 2.6億円 | 2.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローはプラスとなっています。これは事業活動によって資金が生み出されている状況を示しています。投資キャッシュフローもプラスとなっており、これは投資活動による収入が支出を上回っていることを示しています。財務キャッシュフローはマイナスとなっており、借入金の返済などにより資金が減少している状況です。結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはプラスとなっており、資金の余力がある状態です。これらの資金の流れは、同社グループの事業運営の安定性や将来への投資余力に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △2.4億円 | 79百万円 |
| 投資CF | △0.2億円 | 1.1億円 |
| 財務CF | 1.9億円 | △1.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △2.6億円 | 1.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、前連結会計年度において19期連続の営業損失を計上し、当連結会計年度においても営業損失および親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。この状況は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるものとされています。しかし、同社グループは、事業開発の推進や新たな資金調達の協議により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、グローバルな事業展開を行っており、国内外の経済環境や事業環境の変化が経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、主要製品は電気(電子)、通信、画像処理等の技術を活用しており、著しい技術革新が行われた場合に製品市場競争力の低下が発生するリスクがあります。同社グループは、既存製品の性能品質向上や新市場への積極的な開発活動により、製品価値の向上に努めています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループでは、内部統制を強化し、役員・社員による不正行為の防止に努めています。しかし、万一不正行為が発生した場合には、同社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
TBグループは、「喜んでもらう喜び 己も喜びたい」という社是を掲げ、LED&ECO事業とSA機器事業を中核に、社会に新たな価値を提供することを目指しています。同社グループは、持続可能な社会の実現と多様な人材が活躍できる企業風土の醸成に力を入れています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
TBグループは、「喜んでもらう喜び 己も喜びたい」という社是を経営の根幹に置いています。同社グループは、LED&ECO事業とSA機器事業を中核とし、「普及率ゼロ」の新商品やビジネスモデルを創造することを目指しています。具体的には、グッド3K(環境・健康・観光)分野でニッチトップ経営を確立することをビジョンとして掲げています。安定的かつ永続的に成長するために、効率的な経営に努め、企業価値の向上を図る方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
TBグループは、安定的かつ永続的な成長のために、「営業利益率」と「1人当たり生産性」の改善を重要な経営指標と認識し、効率的な経営に努めています。同社グループは、ハードウェアセールス主体のフロー型収益モデルから、サービスを同時に提供するストック型収益モデルへの転換を図ることで、持続的な成長を目指す企業風土があります。また、LED利用による節電効果や、サブスクリプション・リカーリング型商品拡充による資源循環型社会への貢献を通じて、サステナビリティを重視する価値観を持っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
TBグループは、組織力向上のために適切な人員配置を行うとともに、社外・社内研修を通じて人材育成と支援を進めることを重点テーマとしています。社員が望む多彩なキャリア形成に応え、各自の能力を最大限に発揮できる環境作りを推進しています。また、女性や外国人の管理職への登用など、多様性の確保にも努めており、新卒・中途採用において性別・国籍を問わず積極的に採用活動を行う方針です。ライフステージの変化や働き方が制限される場合でも柔軟な働き方が選択できる環境づくりにも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
TBグループは、企業価値の向上と株主価値の増大を経営の最重要課題と位置づけています。明確な意思決定と迅速な業務執行、適正な監督・監視を可能とする経営体制の構築を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
TBグループの株主構成を見ると、筆頭株主は村田三郎氏です。その他、ホスピタルネットやビッグサンズといった事業会社も上位株主に名を連ねています。個人株主が上位に位置しており、特定の株主が経営に影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 村田 三郎 | 10.67% |
| ホスピタルネット | 5.89% |
| ビッグサンズ | 5.05% |
なお、前事業年度末において主要株主でなかった村田三郎氏は、当事業年度末現在では主要株主となっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長兼社長は村田三郎氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 村田 三郎 | 代表取締役 会長兼社長 | 1969年4月船井電機入社、1978年12月ビッグサンズ設立代表取締役社長、2006年6月同社取締役、2021年9月同社代表取締役会長兼社長より現職。 |
| 中野 義雄 | 常務取締役 事業推進本部長 | 1995年10月同社入社、2005年5月同社営業統括本部流通情報システム事業統括部営業戦略室室長、2019年6月同社常務取締役事業推進本部長より現職。 |
| 布川 文保 | 取締役 経営管理本部長 | 1990年4月同社入社、2007年5月同社管理本部管理部経理課長、2023年6月同社取締役経営管理本部長より現職。 |
社外取締役は、谷正行氏(ハイパーマーケティング代表取締役社長)、中島義雄氏(Kエナジー代表取締役)です。
同社は監査役設置会社であり、監査役による監査体制を強化することでコーポレートガバナンスの実効性を確保しています。社外取締役は経営全般への助言を、社外監査役は外部の立場から取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
TBグループでは、取締役の報酬は株主総会で決定された総額の限度内で、経営内容や役位職責を考慮して決定されます。代表取締役会長兼社長が総額および個人配分を決定する権限を委任されています。監査役の報酬は株主総会決議に基づく限度額内で、監査役の協議により決定されています。当事業年度の役員報酬は金銭による基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 29百万円 | 9.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 3百万円 | 3.3百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 3.1百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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