【平均年収683万円】大同信号 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収683万円】大同信号 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

大同信号は、鉄道信号保安装置や産業用機器の製造販売を主軸に、グループ各社とともに幅広い事業を展開しています。連結従業員数は917名で、直近の会計年度では売上高・利益ともに大きく伸長し、過去最高の純利益を記録しました。


目次

※本記事は、大同信号株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


大同信号グループは、鉄道信号保安装置や産業用機器の製造販売を主軸に事業を展開しています。これらに付帯する保守修繕、設置工事、金属表面処理、金型製造販売、不動産賃貸も手掛けています。

単体従業員数は530名、連結従業員数は917名です。セグメントは鉄道信号関連事業、産業用機器関連事業、不動産関連事業の3つです。

主な国内グループ会社は、大同電興(鉄道信号・関連事業)、大同信号化工(産業用機器・関連事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


大同信号は、鉄道信号関連事業を主軸とし、社会インフラの安全と快適を支える企業です。安定した事業基盤のもと、従業員の長期的なキャリア形成を支援する働き方が特徴として挙げられます。専門性の高い分野で、着実にスキルを磨きながら働く環境が期待できるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢が高く、平均勤続年数も長い傾向が見られます。これは、長期にわたってキャリアを築き、専門性を深めることができる環境が整っていることを示唆しています。安定した環境で腰を据えて働きたいと考える方にとって、魅力的な職場と言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 6,833,000円
平均勤続年数 18.9年
平均年齢 44.0歳
単体従業員数 530人
連結従業員数 917人
単体のグループ内比率 57.8%


同社グループは、従業員向けに退職給付制度を設けています。制度の種類としては、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の両方を採用しています。これらの制度は、同社および連結子会社に適用されています。

退職一時金制度も導入されており、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。直近の退職給付債務は23.7億円、年金資産は22.0億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、中期経営計画「PLAN2026」において「人間企業」をキーワードに掲げ、人的資本を成長戦略を推進する最も重要な原動力と位置付けています。持続的な事業推進と企業価値向上を目指し、人材の育成と従業員が能力を最大限に発揮できる環境整備に注力しています。

給与体系は、職務遂行能力や経験、勤続状況を考慮したものであり、賞与は会社業績と個人の評価を反映した業績連動型です。給与水準は、外部労働市場の動向や物価水準の変化を踏まえて見直しを行い、競争力のある処遇の維持に努めています。

人材に関する重点テーマ「成長の推進力」では、特に開発・設計業務に従事する技術系人材の確保と育成を推進しています。新卒の定期採用に加え、即戦力となるキャリア採用も積極的に行い、労働力不足への対応と生産性向上を図っています。

社員育成においては、社内研修を重要な経営施策と位置付け、その9割以上を内製化することで実践的な知識習得を促しています。階層別や職種別の研修を充実させ、若手人材には職場異動を通じて幅広い経験を積ませるなど、専門性の高い技術分野で活躍できる人材の育成に力を入れています。また、育児や介護と仕事の両立支援、健康経営の推進、長時間労働の抑制、年次有給休暇の取得促進など、多様な働き方に対応した職場環境の整備にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。パート・有期雇用労働者の男女賃金差異については、賃金水準が高い60歳以上の男性社員が多いことが要因として考えられます。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.1%
男性労働者の育児休業取得率 88.9%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 70.5%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 72.3%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期雇用労働者) 47.2%

多様性・登用


これらの指標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社を対象とした集計値です。

指標 数値
採用した正社員に占める女性労働者の割合 18.9%
労働者の男女の勤続年数の差異 75.6%

育児・介護支援


これらの指標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社を対象とした集計値です。

指標 数値
男性労働者の育児休業取得者の割合 88.9%
男性労働者の育児短時間勤務利用者数 2名

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


大同信号は、鉄道信号保安装置を主軸に、産業用機器や不動産関連事業を展開する企業です。長年にわたり鉄道の安全運行を支える技術を提供し、社会インフラに貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


大同信号グループは、鉄道信号保安装置の製造販売と設置工事を主軸に、産業用機器の製造販売、不動産賃貸事業を展開しています。鉄道の安全運行を支えるシステムや機器の提供を通じて、社会インフラに貢献しています。

同社グループの収益は、主にこれら三つの事業セグメントから得られています。特に鉄道信号関連事業が収益の大部分を占めており、安定した基盤となっています。

鉄道信号関連事業

鉄道信号保安装置の製造販売と設置工事を主な事業内容としています。自動列車制御装置(ATC)や電子連動装置などのシステム製品、自動列車停止装置(ATS)などのフィールド製品を提供しています。収益は、鉄道事業者への製品販売や工事から得ています。

産業用機器関連事業

情報通信機器の製造販売を主な事業としています。空港関連機器や特殊自動車関連機器、公共施設向け設備などを手掛けています。収益は、これらの機器の販売から得ています。

不動産関連事業

不動産の賃貸を主な事業としています。入居率の向上などにより、安定した収益を上げています。

同社グループの主要な顧客は東日本旅客鉄道株式会社であり、鉄道信号関連事業における売上高の大きな割合を占めています。海外市場への販売拡大にも取り組んでおり、国際規格の認証取得なども進めています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
鉄道信号関連事業 203億円 240億円
産業用機器関連事業 11.7億円 13.3億円
不動産関連事業 4.0億円 4.1億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一時的な減少の後、着実に増加傾向を示しています。特に直近の会計年度では大幅な増収となりました。

経常利益も同様に、一時的な変動を経て直近の会計年度で大きく増加しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、過去数期間で大きく伸長し、直近の会計年度で過去最高の水準を記録しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 222億円 195億円 208億円 219億円 257億円
経常利益 14.6億円 10.1億円 14.0億円 12.6億円 23.5億円
経常利益率 6.6% 5.2% 6.7% 5.8% 9.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 7.2億円 5.9億円 5.7億円 15.4億円 17.9億円
1株当たり当期純利益(円) 40.27 33.07 32.08 95.69 112.98

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの稼ぐ力を見ると、直近の会計年度において生産性が大きく向上していることがわかります。従業員1人あたり売上高は前期から増加し、収益体質の強化を示しています。

また、従業員1人あたり営業利益も前期から大幅に増加しており、組織全体の効率化が進んでいる傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの事業活動がより効率的になっていることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 24.2百万円 28.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.3百万円 2.4百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


大同信号グループの財務状況は、事業活動による資金創出と投資活動のバランスが取れており、安定した経営基盤を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した経営状態を示しています。純資産も増加傾向にあります。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、前期から改善しています。

手元資金である現金及び預金も増加しており、事業運営における資金の安定性がうかがえます。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 289億円 330億円
自己資本比率 53.5% 54.6%
ROE(自己資本利益率) 6.4% 6.9%
現金及び預金 36.5億円 39.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが当期に9.2億円の増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加や棚卸資産の減少、未払消費税等の増加が主な要因です。前期は減少でしたが、当期は改善しています。

投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の売却により6.2億円の資金が増加したことなどから、1.2億円の増加となりました。これにより、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは10.4億円のプラスとなっています。

財務活動によるキャッシュフローは、短期・長期借入金の返済や配当金の支払いにより7.2億円の減少となりました。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定的に資金を創出し、財務基盤の健全性を維持しながら事業運営を行っていることを示しており、雇用や給与の安定性につながる状況です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △5.0億円 9.2億円
投資CF △3.7億円 1.2億円
財務CF 6.2億円 △7.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △8.7億円 10.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、鉄道業界における鉄道事業者の効率化・省人化による構造改革や設備のスリム化が進むことにより、設備投資計画によっては業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあることを認識しています。

また、製品部材の多くを海外製品に依存しているため、地政学リスクや為替変動、原材料費上昇、半導体を中心とする部品・素材調達の不安定な状況が長期的に継続する懸念があり、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあるとしています。

③ 人材・組織に関するリスク


人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


大同信号は、鉄道信号メーカーとして長年にわたり日本の鉄道の安全・安定輸送を支えてきた企業です。同社グループは、社会インフラを支える責任を果たすとともに、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


大同信号グループは1929年に鉄道信号メーカーとして創業し、鉄道信号保安装置や運行管理システム等の製造・販売を中心に事業を展開しています。同社グループは「安全で信頼性の高い製品と質の高いサービスを提供し、より快適な社会の実現に寄与する」ことを企業理念として掲げています。

また、「新技術に挑戦するとともに、会社の発展と社員の幸福を追求する」こと、そして「健全な企業活動を通じて、社会に貢献し環境との調和を図る」ことを目指しています。鉄道を取り巻く環境変化に対応し、高信頼・高品質な製品提供とニーズに沿った製品開発を通じて、鉄道の安全・安定輸送に貢献していく方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


大同信号グループは、鉄道という社会基盤の安全・安心・快適を支える企業として、持続的でより快適な社会の実現とグループの発展を目指す「サステナブル経営」を推進しています。この取り組みは、社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」で意思決定と進捗管理が行われています。

委員会の下部組織には「環境」「社会」「ガバナンス」の各ワーキンググループが設置され、組織横断的に課題や方針について議論しています。中期経営計画「PLAN2026」では、多様性の確保に向けてジェンダー平等に関する数値目標を定めています。人材にかかわる重点テーマ「成長の推進力」では、従業員が能力を存分に発揮し輝ける環境整備と、多様な働き方への対応を進める方針です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


大同信号グループは、中期経営計画「PLAN2026」の最終年である2026年度を『将来への投資と「PLAN2026」数値目標達成の両立』を重点目標としています。次期中期経営計画「PLAN2029」に向け、「稼ぐ力」をさらに強化するための基盤固めに注力する方針です。

組織・人材面では、「戦略推進力」として職務権限の見直し、人材戦略推進体制の整備、人事制度・評価制度の改善に向けた検討深度化に取り組んでいます。また、サステナビリティ推進においては、安全・品質の確保とコンプライアンスの徹底を企業活動の基盤に据え、ESGの観点を踏まえた経営推進により社会課題の解決に貢献し、ステークホルダーから信頼される企業グループを目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


大同信号は監査役会設置会社であり、社外取締役と社外監査役が経営の監督と牽制を担う体制です。
取締役会は業務執行の意思決定と監督を行い、経営の透明性と健全性の確保に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


大同信号の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である日本電設工業です。
その他、取引先持株会や従業員持株会、金融機関などが上位株主として名を連ねています。
複数の事業会社や関連する持株会が上位に位置しており、幅広いステークホルダーに支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本電設工業 14.93%
大同信号取引先持株会 5.54%
朝日生命保険相互会社 4.46%
株式会社みずほ銀行 4.26%
日本リーテック 4.09%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。
代表取締役社長は浦壁俊光氏が務めています。
社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
浦壁 俊光 代表取締役社長経営統括部担当 1988年4月東日本旅客鉄道㈱入社、同社執行役員技術イノベーション推進本部統括などを経て、2022年6月同社上席執行役員、2023年6月同社専務取締役上席執行役員経営統括部長、2024年6月より現職。
宇佐美 芳夫 専務取締役品質管理部・産業機器システム部・産業機器製造部担当 1985年4月同社入社、執行役員技術生産本部浅川事業所副事業所長などを歴任し、2021年6月常務取締役上席執行役員技術生産本部長、2024年6月より現職。
西牧 英雄 常務取締役上席執行役員 技術本部長、技術管理部・第二技術部・第三技術部・海外システム技術部担当 1982年4月同社入社、執行役員技術生産本部副本部長などを経て、2025年6月常務取締役上席執行役員技術本部長、2026年4月より現職。
佐藤 盛三 取締役相談役 1982年4月日本国有鉄道入社、東日本旅客鉄道㈱設備部次長などを経て、2019年6月同社専務取締役、2020年6月同社代表取締役社長、2025年6月より現職。


社外取締役は、二村浩一氏(山下・柘・二村法律事務所代表弁護士)、越前和久氏(日本電設工業執行役員鉄道統括本部副本部長)、松田邦夫氏(元セントラル短資FX代表取締役社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外監査役を含む監査役会が取締役会を牽制する体制をとっています。
社外取締役3名のうち2名が独立社外取締役として選任されており、経営の透明性と監督機能の強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


大同信号の役員報酬は、基本報酬と業績連動報酬、そして退任時の退職慰労金で構成されています。
社外取締役にはその職責を考慮し、基本報酬のみが支払われる仕組みです。
報酬水準は、各取締役の貢献度や同社グループの業績、従業員給与水準を総合的に勘案して決定されており、業績連動報酬の算定基礎には営業利益が選定されています。
基本報酬と業績連動報酬の比率の目安は8:2とされています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.0億円 25.6百万円
監査役(社外除く) 1名 14百万円 14.0百万円
社外役員 5名 15百万円 3.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。