※本記事は、サクサ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
サクサは、情報通信システム機器および部品の開発、製造、販売、ならびに付帯するサービスおよびシステム構築を主に行っています。同社グループは、これらの事業を連結子会社6社とともに展開しています。
単体従業員数は685名、連結従業員数は1,299名です。
主な国内グループ会社は、システム・ケイ、ソアー、ニューテック、サクサテクノなどです。
サクサテクノは2025年9月に防災事業・汎用機器事業を譲渡しました。また、サクサは2025年10月にサクサシステムエンジニアリングを吸収合併し、2026年3月には株式会社ニューテックを完全子会社化しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
サクサは、情報通信ネットワーク関連市場において独創的な技術を核に新しい価値を創造し、社会の発展に貢献することを目指しています。同社グループは、従業員の成長と働きがいを重視し、多様な働き方を支援する環境整備に積極的に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の定着を促す環境づくりに力を入れており、平均勤続年数からその傾向がうかがえます。また、平均年齢は働き盛りの世代が中心となっており、経験豊富な人材が活躍していることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,748,000円 |
| 平均勤続年数 | 15.2年 |
| 平均年齢 | 43.2歳 |
| 単体従業員数 | 685人 |
| 連結従業員数 | 1299人 |
| 単体のグループ内比率 | 52.7% |
同社および連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両制度を設けています。これらの制度は同社および連結子会社を対象としています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度における退職給付債務は88.6億円、年金資産は98.1億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、事業基盤を支える「人財」を最も重要な経営資源と位置付けています。成長につながる新たな発想が生まれる環境の創造とイノベーションを継続的に生み出せる組織の実現を目指し、新卒採用活動の強化やキャリア採用による人財多様化を推進しています。報酬水準については、個々の従業員の役割と職務内容に応じた適切な水準を設定し、業績や行動に対して適切に評価を行い報いる制度を導入しています。
人財育成においては、コンプライアンス意識を持ち、コミュニケーションを取りながら自ら考え挑戦し続ける人財の育成を目指しています。具体的には、新入社員から育成ステージに合わせた教育・研修プログラムの整備、マネジメント教育等を実施し、全階層への効果的な教育施策を導入しています。また、タレントマネジメントシステムによる人事情報の一元管理や、人事ローテーションガイドラインに基づくジョブローテーションを通じて
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
サクサは、情報通信システム機器および部品の開発、製造、販売、ならびにこれらに付帯するサービスとシステム構築を主に行う企業グループです。同社グループは、プロダクト、システム、EMS、デバイスの4つの重点事業領域を展開しています。
プロダクト事業では、UTMや法人向けサーバー、リモートVPNルーターなどの情報通信ネットワーク製品を提供し、セキュリティ需要や既存顧客向け販売の拡大に対応しています。システム事業では、株式会社ニューテックの完全子会社化を通じてストレージ分野を強化し、映像ソリューションなども手掛けています。EMS事業では、米沢アドバンスドファクトリー構想を推進し、共創型モノづくり拠点への進化を目指しており、医療機器製造体制の強化にも取り組んでいます。デバイス事業では、有機ELディスプレイ製造で培った技術を活かし、次世代フレキシブルデバイスの開発やカスタムディスプレイの提案を強化しています。
同社グループの収益は、主に情報通信システム機器の製品販売、保守サービス、およびシステムの受託開発から得られています。製品販売は製品の引き渡し時に、保守サービスは一定期間にわたり、受託開発は進捗度に応じて収益を認識するモデルです。国内の外部顧客からの営業収益が連結営業収益の大部分を占めており、NTTグループやマミヤ・オーピー株式会社が主要な取引先となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績を見ると、営業収益は増加傾向で推移した後、前期から当期にかけてはほぼ横ばいとなりました。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は変動があり、当期は前期に比べて減少しています。これは成長投資を進めたことや、本社移転に伴う減損損失の計上などが影響しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 308億円 | 373億円 | 410億円 | 441億円 | 441億円 |
| 経常利益 | 3.7億円 | 23.9億円 | 34.1億円 | 34.0億円 | 21.3億円 |
| 経常利益率 | 1.2% | 6.4% | 8.3% | 7.7% | 4.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11.4億円 | 6.0億円 | 28.0億円 | 35.0億円 | 13.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 64.91 | 34.35 | 159.95 | 201.15 | 79.00 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの営業収益は前期から当期にかけて減少しました。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から当期にかけて減少しています。これは、当期に成長投資を進めたことや、本社移転に伴う減損損失の計上など、一時的な要因が利益に影響を与えたことが背景にあると考えられます。これらの指標の推移は、同社グループが事業構造変革を進める中で、生産性向上への取り組みが継続的に求められている状況を示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | 36.5百万円 | 33.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.8百万円 | 1.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を成長投資に充てている段階を示しています。将来に向けた投資を積極的に行いながら、財務基盤の安定性を維持している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は61.2%となっており、前期の68.1%から減少しています。これはプライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は4.3%で、前期の11.8%から減少しており、プライム市場平均(9.4%)を下回っています。手元資金である現金及び預金は104億円を確保しており、前期の103億円から増加しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 308億円 | 327億円 |
| 自己資本比率 | 68.1% | 61.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.8% | 4.3% |
| 現金及び預金 | 103億円 | 104億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは23.9億円の収入となり、前期の32.7億円の収入から減少しました。これは税金等調整前当期純利益および減価償却費の計上等によるもので、退職給付に係る資産および仕入債務の減少による支出があったためです。
投資活動によるキャッシュ・フローは44.5億円の支出となり、前期の28.1億円の支出から支出額が増加しています。これは連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得や有形固定資産の取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは21.5億円の収入となり、前期の4.8億円の収入から増加しています。これは資金調達による収入があったためです。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは20.6億円の支出となり、前期の4.5億円の収入からマイナスに転じています。同社グループは本業で安定した資金を生み出しつつ、子会社化や有形固定資産の取得といった成長投資を積極的に行っている状況です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 32.7億円 | 23.9億円 |
| 投資CF | △28.1億円 | △44.5億円 |
| 財務CF | 4.8億円 | 21.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.5億円 | △20.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、国内の情報通信ネットワーク関連市場およびアミューズメント市場の経済状況の影響を受けます。これらの市場は急速な技術革新と激しい競争にさらされており、想定した需要が得られない場合や商品価格が大きく下落する可能性があります。また、一部の取引先への連結営業収益に占める依存度が高く、当該取引先の事業上の問題や調達方針の変更により取引額が減少するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、さらなる成長のために優秀な人材の確保と維持が不可欠であると認識しています。人材を確保できなかった場合や多数の離職が発生した場合、事業目的の達成が困難になる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
サクサは、独創的な技術を核に新しい価値を創造し、社会の発展に貢献することを目指しています。
「つなげる技術の、その先へ。」というビジョンを掲げ、変革と成長を重視する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
サクサは「独創的な技術を核に、新しい価値を創造し、活力とゆとりある社会の発展に貢献します。」を経営理念としています。
ビジョン(目指す姿)には「つなげる技術の、その先へ。」を掲げています。
同社グループは、この理念とビジョンに基づき、「現場価値を実装するニッチトップ企業」となることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、4つの行動指針「①誠実に正しく、迅速に行動する。②自ら考え行動する。③変革を恐れず挑戦する。④チームサクサとして活動する。」に沿って事業を推進しています。
社員一人ひとりが課題を認識し、対策を立案実行していくことを重視しています。
また、コンプライアンス意識を持ち、コミュニケーションを取りながら自ら考え挑戦し続ける人財の育成を目指す方針です。
多様な人財が能力を発揮できる環境構築のため、「ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会」を発足し、活動を継続しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、新たな中期経営計画『変革から成長へ』において、2026年度を「事業構造変革期」と位置づけています。
経営基盤強靭化に向け、「人事施策」としてコスト適正化や人事制度の見直し、共創型モノづくり拠点である「米沢アドバンスドファクトリー構想」を推進しています。
また、ガバナンス体制の強化として、「投資委員会」および「IR部門」の新設、監査等委員会設置会社への移行、業績連動型の株式報酬導入を進めています。
サステナビリティ重要課題として、コーポレート・ガバナンス、環境配慮製品、温室効果ガス排出量の削減、お客様への価値提供、ウェルビーイングなどに取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
サクサでは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な課題と位置付けています。経営の効率化、健全性、透明性の向上に努める体制が構築されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
サクサの筆頭株主は沖電気工業であり、事業会社が上位に位置しています。また、複数の海外機関投資家も上位株主として名を連ねています。
これらの株主がサクサの資本構成を支えている状況です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 沖電気工業 | 14.02% |
| GLOBAL MANAGEMENT PARTNERS LIMITED | 12.29% |
| AVI JAPAN OPPORTUNITY TRUST PLC | 6.88% |
| みずほ銀行 | 4.03% |
| 三菱地所 | 3.96% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.2%です。代表取締役社長社長執行役員は齋藤政利氏が務めています。
社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 齋 藤 政 利 | 代表取締役社長社長執行役員 | 1986年4月沖電気工業入社。同社経営企画部長、執行役員、上席執行役員、常務執行役員を歴任。2023年10月より同社代表取締役社長、2024年7月より代表取締役社長社長執行役員CEO、2026年4月より代表取締役社長社長執行役員より現職。 |
| 猪 俣 貴 志 | 取締役副社長執行役員 | 1988年4月日本電信電話入社。NTTグループ各社で要職を歴任し、西日本電信電話取締役、執行役員、常務取締役常務執行役員設備本部長などを務める。2024年7月より同社取締役副社長執行役員COO兼CDO、2026年4月より取締役副社長執行役員より現職。 |
| 長 谷 川 正 治 | 取締役常務執行役員 | 1991年4月田村電機製作所入社。同社でCSR推進室CSR担当部長、総務人事部総務担当部長、経理部長、財務部長などを歴任。2021年6月より執行役員管理統括本部長兼総務人事部長、2023年4月より常務執行役員コーポレート本部長、2026年6月より取締役常務執行役員より現職。 |
社外取締役は、山内麻理氏(日興アセットマネジメント社外取締役・公立大学法人国際教養大学客員教授)、西條光彦氏(オリックス債権回収執行役員・株式会社ドコモ・ファイナンスRM事業本部本部長補佐)、濱野京氏(国立大学法人信州大学理事・日本弁護士連合会市民会議委員・株式会社八十二銀行社外取締役)、平野聡氏(元株式会社トプコン代表取締役社長CEO・株式会社JVCケンウッド社外取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役の業務執行に対する監督機能の強化と独立した視点からの経営への意見を目的として、独立社外取締役を複数名確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社では、取締役および監査役の報酬について、企業価値の最大化と株主の期待に応えることを基本方針としています。常勤取締役の報酬体系は、固定報酬、業績連動報酬等、および非金銭報酬等で構成されています。
社外取締役および監査役の報酬は、固定報酬のみで構成されており、業績連動報酬等や非金銭報酬等は支給されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.1億円 | 37.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 33百万円 | 16.5百万円 |
| 社外役員 | 8名 | 53百万円 | 6.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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