※本記事は、株式会社リード の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
リードは、板金・塗装や樹脂成形加工を主体とした自動車用部品の受注生産と、駐輪ラックなどの自社製品の製造・販売を主要事業としています。また、賃貸不動産事業も展開しています。
単体従業員数は172名です。セグメントは自動車用部品、駐輪事業、賃貸不動産、その他の4つです。
同社は、板金・塗装及び樹脂成形加工を主体とした自動車用部品の受注生産と、駐輪ラックを主体とした自社製品の製造・販売を自社で行っています。
当事業年度より報告セグメントの区分を変更しており、電子機器事業は2025年6月末で撤退しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
リードは、社員一人ひとりの成長と働きがいを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力しています。持続的な企業発展の源泉を「人財」と位置づけ、教育や公正な評価を通じてエンゲージメント向上を目指す方針です。生産性向上による働き方改革にも積極的に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢からは、安定して働き続ける社員が多いことがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,771,000円 |
| 平均勤続年数 | 18.1年 |
| 平均年齢 | 43.6歳 |
| 単体従業員数 | 172人 |
| 連結従業員数 | - |
同社は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の退職給付制度を導入しています。この制度は国内グループ会社を対象としています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は79百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
リードは、「人財」を持続的・継続的な発展の源泉と位置づけ、多様な人財がその能力を最大限に発揮し、意欲をもって活躍できる環境整備を推進しています。経営理念である社是「三意専心(誠意・熱意・創意)」と社訓「努力一筋・全社一丸・品質一心」に基づき、常に「新しい価値創造への挑戦」を柱に掲げ、感性とテクノロジーの融合で高品質・高精度の製品開発に挑戦しています。
人材戦略の重点施策として、教育、公正な評価、エンゲージメント向上を掲げ、DX活用による業務効率化と専門スキル向上を図っています。具体的には、「自律型人財の育成」としてOJTとOff-JTを組み合わせた体系的な研修を実施し、「公正な評価」のためには全社内役員が参加する人事評価会議での横断的評価や個人カルテ制度を導入しています。これにより、企業理念の浸透とエンゲージメントの向上を図っています。
また、「多様性の確保と働きやすい環境整備」として、国籍、性別、年齢等にとらわれない多様な人財の採用とシニア層の継続雇用を推進しています。新入社員研修、スキル向上研修、役員養成研修のほか、国家資格や各種業務資格取得を推奨する資格取得奨励金制度を設けています。法令遵守・コンプライアンス経営を標榜し、顧問弁護士による法律勉強会や毎月のコンプライアンス研修を通じて、差別やハラスメントのない組織づくりにも注力しています。働き方改革にも取り組み、生産性向上により時間外労働時間の削減と有給休暇の取得日数増加を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは本記事では取得できていません。
人材育成・エンゲージメント
間接部門のデータです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 時間外労働時間の(平均) (2025年度実績) | 180.5時間 |
| 有給休暇の取得日数(平均) (2025年度実績) | 10.3日 |
| 時間外労働時間の(平均) (2030年度目標) | 100.0時間 |
| 有給休暇の取得日数(平均) (2030年度目標) | 15.0日 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
リードは、自動車用部品の製造と自社製品の開発・販売を主軸に事業を展開しています。板金・塗装や樹脂成形加工の技術を活かし、幅広い製品を提供しています。
同社の事業は、主に「自動車用部品」と「自社製品」の二つに大別されます。自動車用部品は、板金・塗装及び樹脂成形加工を主体とした受注製品です。自社製品は、駐輪ラックを主体としています。
自動車用部品
このセグメントでは、バンパー、スポイラー、ハンドブレーキレバーシステムなどの自動車用部品を製造しています。既存の大口量産車の一車種が生産を終了したものの、下期には新規大口量産二車種の部品生産を開始しました。
収益は、自動車メーカーからの受注生産によって得ています。運営は、本社工場、西野工場、下奈良工場で行っています。
自社製品
このセグメントでは、駐輪ラックを主体とした製品を提供しています。当事業年度は、駐輪事業における官公庁や駅前施設等の大口案件が増加しました。
収益は、駐輪場ラックなどの自社製品の販売から得ています。運営は、本社工場、下奈良工場で行っています。
同社は本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外比率に関する言及はありません。また、株式会社SUBARUへの販売実績が総販売実績の63.2%を占めており、特定の顧客への収益集中が見られます。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 自動車用部品 | 38.5億円 | 46.2億円 |
| 自社製品 | 2.2億円 | 4.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の業績は、当事業年度において売上高が増加しました。損益面では、営業損失、経常損失、当期純損失が継続しています。
特に自動車用部品セグメントでは、受注増加に伴う大型樹脂成形機の導入や工場レイアウト再編といった先行投資の影響が見られます。一方で、自社製品セグメントでは、大口案件の増加によりセグメント利益を計上し、前期の損失から改善しました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたりの売上高は、当期において前期から増加しています。これは、売上高の増加に対して従業員数が大きく変動していないことを示唆しています。
従業員1人あたりの当期純利益は、当期も損失が継続している状況です。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、財務基盤の健全性とキャッシュフローの状況から、現在の経営状態を把握できます。自己資本比率や手元資金の厚み、事業活動による資金の流れを確認することで、入社後の雇用や給与の安定性、将来の成長性について判断する上での参考となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は当期で29.2%となっており、前期の33.0%から減少しています。これは製造業のプライム市場平均と比較すると低い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)については、当期および前期ともにデータがありません。現金及び預金等は当期で15.2億円となり、前期の13.8億円から増加しています。手元資金の増加は、不測の事態への耐性を示す一つの指標となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 25.9億円 | 25.5億円 |
| 自己資本比率 | 33.0% | 29.2% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 13.8億円 | 15.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期の営業活動によるキャッシュ・フローは799百万円の収入となりました。これは主に減価償却費の増加や仕入債務、契約負債、長期契約負債の増加によるものです。一方で、税引前当期純損失や売上債権、棚卸資産の増加などが支出要因となっています。
投資活動によるキャッシュ・フローは△535百万円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が要因であり、定期預金の払戻による収入も一部ありました。財務活動によるキャッシュ・フローは△127百万円の支出となり、長期借入れによる収入があったものの、短期借入金や長期借入金、リース債務の返済、配当金の支払いが上回りました。
フリーキャッシュ・フローは当期で264百万円のプラスとなっており、前期の△394百万円から改善しています。本業で得た資金が投資活動による支出を上回っており、事業活動と投資活動を通じて自由に使える資金が生み出されている状況です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 273百万円 | 799百万円 |
| 投資CF | △667百万円 | △535百万円 |
| 財務CF | 195百万円 | △127百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △394百万円 | 264百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、2026年3月期の売上高の81.7%を株式会社SUBARU及び関連の部品メーカーに依存しています。景気後退や半導体供給不足による乗用車の生産・販売減少、または同社の海外生産シフトは、同社からの受注減少リスクとなります。
また、同社の2026年3月期は売上高の89.8%が自動車用部品であり、自動車部品業界の動向に大きく左右されます。自動車メーカーのグローバル化に伴う競争激化や技術革新の加速など、業界環境の変化により製品は激しい競争に晒されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、顧客の満足を得るためには人財の確保と育成が重要であると認識しています。人財の流動化や少子高齢化が進展する中、計画的な新卒採用と教育制度への注力により人財の育成を図っていますが、確保や育成が十分にできない場合には財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
リードは、「製品を通じて社会に貢献するとともにお客様の満足と信頼が得られる製品づくり」を使命とし、誠意、熱意、創意を社是に掲げる会社です。社会への貢献と顧客満足を追求する企業文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
リードは、「製品を通じて社会に貢献するとともにお客様の満足と信頼が得られる製品づくり」を使命としています。この使命達成のため、「誠意、熱意、創意」を社是に掲げ、「努力一筋、全社一丸、品質一心」をモットーとしています。
市場や顧客ニーズに応え、品質を重視し、経営効率を向上させ企業の存続と発展に必要な利益を確保することにより、社会に貢献することを経営理念としています。安定した配当が実施できる強固な体質の企業を目指し、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。
ステークホルダーとの良好な関係構築、企業倫理とコンプライアンス遵守、地球の環境問題への積極的な取り組みを通じて、企業価値の向上に努めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
リードは、「誠意、熱意、創意」を社是とし、「努力一筋、全社一丸、品質一心」をモットーに掲げています。常に「新しい価値創造への挑戦」を柱に掲げ、高品質・高精度の製品開発に挑戦する企業風土です。
全社員がサステナビリティに係る経営重点テーマを共有し、事業を通じて社会課題の解決に取り組むことを重視しています。企業倫理とコンプライアンス遵守を徹底し、人権尊重の観点から差別やハラスメントのない組織づくりに注力しています。
多様な人財と、それを認め合う企業風土を醸成するため、国籍・人種・性別・宗教・価値観等の違いにとらわれない環境整備を推進しています。対話文化の醸成にも取り組み、「社長と、全社員との直接対話(社長対話)」の継続的発展や、対話を重視した会議運営を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
リードは、いかなる環境変化の中においても安定した利益を上げられる収益構造の構築を課題としています。組織面では、人員配置の更なる適正化、生産工程の自動化、DX推進による生産性追求に取り組んでいます。
また、信頼性のある品質の確保と特許製品の開発を含む技術力の強化も重要な課題です。人財の確保と育成にも注力しており、「低価格・高品質製品」の創出と「業界トップレベルのセールス」を実践できる人財の育成を目指しています。
強固なガバナンス体制を構築するため、内部統制システムの適切な整備・運用を進めています。品質及び環境保全マネジメントシステムの運用展開を強化し、企業価値の向上とステークホルダーからの信頼性確保に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会と監査等委員会が業務執行の監督と監査を担っています。これにより、コーポレート・ガバナンスの充実と透明性の高い経営を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は取締役社長の岩崎元治氏です。上位には個人株主や同社の関連団体とみられるリード共栄投資会が名を連ねています。特定の株主グループが経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 岩崎 元治 | 12.41% |
| 有田 泰志 | 8.50% |
| アイ・ティ・シー | 6.76% |
| リード共栄投資会 | 6.29% |
| 埼玉りそな銀行 | 4.86% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は岩崎元治氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 岩崎 元治 | 取締役社長(代表取締役) | 2008年1月同社入社、2011年5月同社執行役員技術部長、2014年4月同社代表取締役社長、2025年6月同社代表取締役社長、LB事業部担当より現職。 |
| 染谷 節美 | 常務取締役自動車部品事業部事業部長 | 1982年4月同社入社、2008年6月同社取締役営業部長、2014年4月同社常務取締役自動車部品事業部事業部長、2023年12月同社常務取締役自動車部品事業部事業部長、営業部・購買部担当より現職。 |
| 芝﨑 茂治 | 取締役自動車部品事業部副事業部長 | 1979年4月同社入社、2005年4月同社生産技術部長、2016年6月同社取締役自動車部品事業部副事業部長、2025年10月同社取締役自動車部品事業部副事業部長、品質保証部・技術部・製造管理部・製造部担当より現職。 |
| 田口 英美 | 取締役総務部長 | 1978年4月埼玉銀行(現埼玉りそな銀行)入社、2003年11月同社入社、2017年4月同社総務部長、2021年6月同社取締役総務部長より現職。 |
| 水野 正己 | 取締役サステナビリティ推進部長 | 1988年4月富士重工業(現SUBARU)入社、2010年8月富士重工業中国プロジェクト準備室、2023年4月同社執行役員自動車部品事業部副事業部長、製造部長、2025年12月同社取締役サステナビリティ推進部長より現職。 |
社外取締役は、西田政隆氏(税理士法人西田経理事務所 社員・監査等委員)、齋藤勝則氏(齋藤司法書士事務所 所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社です。社外取締役は監査等委員として、客観的かつ中立的な立場から経営を監視し、経営効率向上への助言や監督機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、毎月一定額を支給する基本報酬と、譲渡制限付株式報酬を組み合わせた体系です。譲渡制限付株式報酬は、株主と株価変動のメリット・リスクを共有し、企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的としています。報酬額は、各役員の職位や職務執行に対する評価、企業業績などを勘案して決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 26百万円 | 4.4百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 10百万円 | 3.3百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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