【平均年収641万円】指月電機製作所 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収641万円】指月電機製作所 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

指月電機製作所は、フィルムコンデンサを中核とした関連商品や電力機器システム商品の製造販売を手掛けています。連結従業員は千名を超え、直近の連結会計年度では売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも過去最高を更新し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社指月電機製作所 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


指月電機製作所は、フィルムコンデンサを中核とした関連商品の製造販売を手掛けています。省エネルギーや電力品質改善の技術とノウハウを活かし、電力機器システム商品等の生産販売も展開しています。

単体従業員数は275名、連結従業員数は1,166名です。セグメントはコンデンサ・モジュール、電力機器システムの2つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)九州指月、秋田指月(コンデンサ・モジュール事業)、指月テクノサービス(電力機器システム事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


指月電機製作所は、サステナビリティを経営の重要テーマと位置づけ、「人的資本の強化」に注力しています。従業員の能力向上や働きがいを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりを進めていることが特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が比較的長く勤める傾向が見られます。平均年齢も30代後半であり、経験を積んだ人材が安定して活躍している様子がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,407,907円
平均勤続年数 12.2年
平均年齢 39.4歳
単体従業員数 275人
連結従業員数 1,166人
単体のグループ内比率 23.6%


同社は確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。同社は確定給付企業年金制度および退職一時金制度を設けており、国内連結子会社も確定給付企業年金制度、退職一時金制度、中小企業退職金共済を採用しています。退職一時金制度があり、退職給付として、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。退職給付債務は25.9億円、年金資産は27.0億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、中期経営計画における「人的資本強化」の取り組みとして、人材育成と能力向上を目指しています。個々人のパフォーマンス向上を重視し、IT化やDX/AIの活用により、付加価値の高い業務や能力開発に多くの時間を割ける環境を創出しています。

2024年度からは「挑戦する人材を評価する人事処遇制度」を導入しており、成果だけでなく行動に着目した評価システムとしています。従業員の報酬については、役割と成果に基づく処遇を基本とし、物価上昇や外部市場の状況を勘案して適正な報酬水準の維持に努めています。また、組織面ではxEV事業と産業機器事業を統合したコンデンサ事業部を発足させ、「知の融合」を促すことで、個々人の能力向上と資本効率の改善につなげています。女性活躍推進チームの活動や障がい者雇用の検討、従業員意識調査の実施などを通じて、多様な人材が挑戦し、成長できる環境整備を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 4.7%
男性育児休業取得率 28.6%
男女賃金差異(全労働者) 75.9%
男女賃金差異(正規雇用労働者) 75.9%
男女賃金差異(非正規雇用労働者) 70.3%

女性活躍

指標 数値
女性管理職比率 4.7%

従業員意識調査

指標 数値
肯定評価割合 53.7%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


指月電機製作所は、フィルムコンデンサを中核とした関連商品の製造販売を主軸としています。また、コンデンサ事業で培った技術とノウハウを活かし、省エネルギーや電力品質改善に貢献する電力機器システム商品等の生産販売も積極的に行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループの事業は、「コンデンサ・モジュール」と「電力機器システム」の2つの報告セグメントで構成されています。これらの事業を通じて、市場の要請に応える製品を提供し、収益を上げています。

コンデンサ・モジュール

このセグメントでは、産業機器用、自動車用、家電用などの各種コンデンサ等を製造しています。主にフィルムコンデンサとその関連商品の製造販売から収益を得ています。
運営は、秋田指月、九州指月、岡山指月が製造し、同社が仕入れ販売を行っています。海外ではアメリカンシヅキが製造および米国市場での販売を、指月獅子起(上海)貿易が中国市場での販売を、タイ指月電機が製造およびタイ市場での販売をそれぞれ担当しています。産業機器用コンデンサは国内で好調に推移したものの、xEV用コンデンサは減収傾向にあります。

電力機器システム

このセグメントでは、力率改善装置、高調波抑制装置、瞬時電圧低下補償装置、鉄道用き電設備、蓄電器一体型DC-DCコンバータなどを製造しています。省エネルギーや電力品質改善の技術を活用した電力機器システム商品等の生産販売が主な収益源です。
運営は、同社が製造販売する他、九州指月が製造した製品を同社が仕入れ販売しています。海外では指月獅子起(上海)貿易が中国市場での販売を、タイ指月電機が製造およびタイ市場での販売をそれぞれ担当しています。国内における設備投資の需要増加に伴い、力率改善用機器の売上が大きく伸長しました。

同社グループは、株式会社TMEICを主要な顧客の一つとしており、当連結会計年度の売上高に占める割合は前期から増加しています。また、日本国内が売上の大半を占める一方で、北米、アジア、欧州といった海外地域にも売上実績があります。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
コンデンサ・モジュール 181億円 178億円
電力機器システム 92.2億円 102億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は過去5期にわたり継続的に増加しており、直近の連結会計年度では過去最高を更新しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、直近2期で大きく伸長し、各利益項目において過去最高を記録しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 239億円 261億円 263億円 273億円 280億円
経常利益 13.6億円 12.2億円 11.2億円 18.0億円 29.6億円
経常利益率 5.7% 4.7% 4.3% 6.6% 10.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 9.5億円 7.6億円 1.8億円 11.9億円 19.9億円
1株当たり当期純利益(円) 28.69 23.05 6.72 47.30 78.83

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しており、事業規模の拡大と効率性の向上が見られます。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しており、収益性の改善が進んでいることを示しています。これらの指標は、同社グループの生産性が向上している傾向にあることを示唆しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 22.6百万円 24.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.6百万円 2.2百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


株式会社指月電機製作所は、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しており、本業で着実に利益を上げながら事業を拡大している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も潤沢であることから安定していると言えます。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較しても高い水準にあり、強固な経営基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)も前期から改善しており、効率的な資本活用が進んでいることがうかがえます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 237億円 258億円
自己資本比率 61.0% 61.0%
ROE(自己資本利益率) 5.2% 8.2%
現金及び預金 59.3億円 91.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは51.7億円の収入となり、税金等調整前当期純利益の増加や売上債権の回収影響等により、前年度から増加しています。投資活動によるキャッシュフローは17.5億円の支出となり、有形固定資産の取得による支出の減少等により、支出が減少しました。財務活動によるキャッシュフローは3.4億円の支出となり、長期借入れによる収入の増加や配当金の支払額の増加等によるものです。

本業で安定して資金を稼ぎ出し、その資金を事業成長のための投資に充てつつも、フリーキャッシュフローはプラスを維持しています。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続しながら、将来に向けた投資も着実に実行している状況を示しており、雇用や給与の安定性にもつながるものと考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 35.6億円 51.7億円
投資CF △25.7億円 △17.5億円
財務CF 3.1億円 △3.4億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 9.9億円 34.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、顧客の設備投資や生産計画によって業績が大きく影響を受ける可能性があります。このリスクを最小限にするため、市場動向を見極め、顧客満足度を向上させる製品をタイムリーに提供することに努めています。また、国内外の競合他社との価格競争により、事業、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性も認識しています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループでは、事業活動上必要な情報の適切な収集と正確な記録、適正な利用・管理を徹底しています。しかし、顧客情報、営業情報や技術情報といった企業機密が、従業員の過失または故意によって社外へ漏洩した場合、事業活動と業績ならびに財務状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


指月電機製作所は、「人間性の尊重」と「環境を大切にする無駄のない物づくり」を社是とし、社会貢献と持続的成長を目指す企業です。独自の統合マネジメントシステムを基軸に、お客様への満足提供と社会への貢献を追求しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「人間性を尊重し、環境を大切にする無駄のない物づくりにより、お客様に満足を提供し、社業の発展を通して社会に貢献します」という社是を経営の基本方針としています。この実現に向け、独自の統合マネジメントシステム「∫IΣS(シムス)」を活動の基軸に据えています。

長期経営ビジョンでは「10年後の指月電機グループのあるべき姿」を描き、「安心安全で快適な社会の実現」と「持続可能な地球環境の実現」を社会課題と認識し、その解決を目指しています。電気に関わる多様なシーンへの製品・システム販売を通じて、脱炭素・省エネニーズに応え、社会貢献と会社の持続的成長を実現していく方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、長期経営ビジョンに掲げる「挑戦する社風への変革」を目指し、部門や職種の枠を超えた「知」の融合に取り組んでいます。従業員一人ひとりが主体的かつ創造的に挑戦を重ね、それをチームワークで支え合う文化を重視しています。

柔軟で即応性の高いプロジェクトチームの立ち上げや、挑戦する人材を評価する人事処遇制度の運用によって、その活動を支援しています。グループ全体がワンチームとなり、全員が主役となる横断型組織を形づくることを目指しています。サステナビリティの側面では「脱炭素社会実現への貢献」と「人的資本の強化」を重要なテーマとして掲げています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、事業環境の変化を踏まえ、収益性および資本効率を重視した経営への転換を進めることで、持続的な成長と企業価値の向上を実現することを課題としています。中期経営計画第Ⅲ期では、事業ポートフォリオの最適化、収益力の強化、生産性改革、資本効率の向上を一体的に推進することを基本方針としています。

人的資本の強化については、人材の確保と育成、組織横断的な連携強化、DX推進、AI活用、自働化促進による業務効率向上に取り組んでいます。生産基盤の強化では、統合マネジメントシステム「∫IΣS」の展開を通じた全社的な業務改革、サプライチェーンの強化、リスク対応力の向上を進めています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


指月電機製作所は、2003年6月に指名委員会等設置会社へ移行しました。これにより、経営の監督機能を取締役会が、業務の執行機能は執行役が担う体制となっています。取締役会の内部機関として指名委員会、報酬委員会、監査委員会を設置し、社外取締役が中立的な視点から経営に対する助言と監督を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である三菱電機、次いで村田製作所が上位に名を連ねています。複数の事業会社が主要株主として同社グループを支える資本構成となっています。

株主名 持株比率
三菱電機 22.85%
村田製作所 17.70%
りそな銀行 3.96%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性12名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表執行役社長は稲垣裕一氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
稲垣 裕一 代表執行役社長 1990年4月同社入社、システム技術部長、e-パワーシステム事業統括部長、執行役eパワー事業部長などを経て、2026年4月より現職。
三野 克也 常務執行役 企画本部長兼 コンプライアンス担当 1990年4月三菱電機株式会社入社、同社電力システム製作所経理部長、財務部長などを経て、2026年4月より現職。
足達 信章 取締役 1983年4月同社入社、東京支店長、営業統轄部長、専務執行役などを経て、2020年6月より同社取締役兼取締役会会長。
小山 義雄 取締役 1982年4月株式会社協和銀行(現株式会社りそな銀行)入行、同行監査役会事務局長、りそな決済サービス株式会社大阪支店長などを経て、2020年6月より現職。


社外取締役は、松尾誠人氏(元りそなカード代表取締役社長・指名委員会委員長・報酬委員会委員長・監査委員会委員)、松尾聡氏(元バンドー化学常務執行役員・指名委員会委員・報酬委員会委員・監査委員会委員)、御厨忠章氏(御厨忠章公認会計士事務所代表・指名委員会委員・報酬委員会委員・監査委員会委員)です。

同社は指名委員会等設置会社であり、経営の監督機能を取締役会が、業務の執行機能は執行役が担う体制です。社外取締役は独立役員として、中立的な視点から経営に対する助言と監督を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、社外取締役が過半数を占める報酬委員会が役員報酬の方針と額を決定しています。役員報酬は、役位と役割に応じた基本報酬と、業績連動報酬である年次賞与で構成されています。中長期の企業価値向上と短期業績の確保の両面を促す体系となっており、非金銭報酬は採用していません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 30百万円 15.2百万円
執行役 7名 1.3億円 18.1百万円
社外役員 5名 26百万円 5.2百万円


当事業年度における役員報酬等の総額は183百万円、対象となる役員の合計員数は14名です。
なお、期末現在の人員は取締役7名、執行役7名であり、内3名は取締役と執行役を兼任しています。取締役と執行役の兼任者の数及び報酬は、執行役に含めて記載されています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。