【平均年収633万円】アバールデータ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収633万円】アバールデータ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

アバールデータは、産業用電子機器の製造・販売を手がけています。組込みモジュールや画像処理モジュールなどの自社製品と、半導体製造装置関連などの受託製品を展開しています。直近の業績は減収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社アバールデータ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


アバールデータは、産業用電子機器の製造・販売を手がけています。組込みモジュールや画像処理モジュールなどの自社製品に加え、半導体製造装置関連や産業用制御機器などの受託製品も展開しています。

単体従業員数は199名です。事業セグメントは受託製品と自社製品の2つです。

アバールデータは、組込みモジュール、画像処理モジュール、計測通信機器といった自社製品と、半導体製造装置関連、産業用制御機器、計測機器などの受託製品の製造・販売を自社で行っています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


アバールデータは、お客様への価値提供と信頼獲得を企業理念とし、シンプル&スピードを基本方針に掲げています。社員一人ひとりの専門性を最大限に発揮できる環境整備を重視しており、公平な処遇と働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。持続的な企業価値向上と社員の成長を両立させる働き方を推進している会社です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、社員一人ひとりが専門性を最大限に発揮し、価値創出に貢献できる環境の整備を重視しています。平均勤続年数と平均年齢から、長期にわたってキャリアを築いている社員が多い傾向がうかがえます。社員の成長を支援し、働きがいのある職場づくりを通じて組織力の強化を図っています。

項目 数値
平均年間給与 6,328,000円
平均勤続年数 16.2年
平均年齢 43.2歳
単体従業員数 199人


同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)および確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。同社は確定給付企業年金制度を採用しています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

退職給付債務は13.0億円、年金資産は13.2億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、持続的な企業価値向上に向け、社員一人ひとりが専門性を最大限に発揮し、価値創出に貢献できる環境整備を重要な取組領域と位置づけています。職務成果と役割の大きさに応じて職務等級を決定し、給与や賞与もこれに基づき決定することで、公平性と透明性を重視した処遇運用を行っています。役職定年後を含むキャリア全体を通じた成長支援にも取り組んでおり、社員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブを通じて社員の財産形成と企業価値向上への意識を高めています。

人材育成に関する方針では、公平な処遇、多様性の尊重、働き方の柔軟性確保を重視し、不公正な処遇の防止と多様な人材が能力を発揮できる環境整備を推進しています。社内環境整備においては、フラットな組織づくりと適材適所を基本とし、従業員の自立・協調・成長を両立させる職場づくりを目指しています。

具体的な取り組みとして、人権ミニ研修やハラスメント研修を実施し、職場環境の維持・向上に向けた組織サーベイや管理職ヒアリング、評価者向け研修を行っています。また、定期健康診断受診率100%の徹底やストレスチェックを通じたセルフケア・ラインケアの促進、ノー残業デーの設定や有給休暇取得の推進により、社員の健康保持と生活の質の向上に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

多様性・登用

指標 数値
採用者に占める女性比率 11.1%
女性管理職比率 12.9%
障がい者雇用率 3.29%

育児・介護支援


直近3年間(2023年度~2025年度)の育児休業等取得状況です。

指標 数値
男性育児休業等取得者数 15名
女性育児休業等取得者数 3名

健康・安全

指標 数値
平均所定外労働時間 月9.3時間
有給休暇取得率 83.2%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アバールデータは、産業用電子機器の製造・販売を手がけています。自社で開発・製造する製品と、顧客のニーズに応じた受託製品の二つの事業を柱としています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


アバールデータは、産業用電子機器の製造・販売を主な事業としています。自社で開発・製造を行う「自社製品」と、顧客からの依頼に基づいて開発・製造・販売を行う「受託製品」の二つのセグメントで構成されています。収益は、これらの製品の提供を通じて得ています。

同社の事業は国内市場に強く根ざしており、海外の外部顧客への売上高は全体の大部分を占めていません。特定の顧客への販売実績が大きく、東京エレクトロン宮城、東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ、ニコンなどが主要な取引先となっています。

受託製品

このセグメントでは、半導体製造装置関連、産業用制御機器、計測機器の開発・製造・販売を行っています。収益は、これらのカスタマイズされた製品を主要な得意先であるニコンや東京エレクトロンなどの顧客に販売することから得ています。当期は、半導体製造装置関連の売上が大幅に減少した一方で、産業用制御機器は前期と同水準で推移し、計測機器は増加となりました。

自社製品

このセグメントは、組込みモジュール、画像処理モジュール、計測通信機器の開発・製造・販売、および自社製品関連商品の販売を展開しています。収益は、独自に開発したこれらの製品を幅広い顧客に提供することから得ています。当期は、組込みモジュール、画像処理モジュール、計測通信機器の売上が減少しましたが、自社製品関連商品は大幅に増加しました。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
受託製品 71.6億円 57.1億円
自社製品 38.2億円 31.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


アバールデータの直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から減少しました。特に営業利益と当期純利益は大幅な減少となりました。同社は売上高営業利益率20%以上を目標としていますが、当期の営業利益率は目標を下回る水準となっています。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社は、事業活動で安定的に資金を生み出し、投資活動を上回る資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤は、自己資本比率が非常に高い水準で推移しており、強固な体制を維持していることがうかがえます。手元資金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性があると考えられます。一方で、自己資本利益率は前期から減少しており、プライム市場平均と比較すると低い水準となっています。これらの状況は、同社が安定した経営を志向しつつも、収益性の改善が今後の課題となる可能性を示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 20,059百万円 20,313百万円
自己資本比率 90.2% 90.0%
ROE(自己資本利益率) 5.3% 2.7%
現金及び現金同等物 3,825百万円 4,701百万円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが大幅に増加しています。これは、税引前当期純利益や減価償却費の計上、棚卸資産の減少、法人税等の還付金入金などが主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは固定資産の取得により減少していますが、営業活動によるキャッシュフローがこれを上回っているため、フリーキャッシュフローは増加しています。財務活動によるキャッシュフローは自己株式の取得や配当金の支払により減少しており、自己資金で事業を賄いながら株主還元も行っている状況がうかがえます。このキャッシュフローの状況は、同社が安定した事業運営と資金管理を行っており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △522百万円 2,408百万円
投資CF △516百万円 △40百万円
財務CF △1,874百万円 △1,491百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △1,039百万円 2,367百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社の事業は半導体製造装置関連が重要な分野であり、半導体市況の急激な変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、競合他社との価格競争が激化しており、中期的には同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


採用環境が大きく変化し複雑化しているため、充分な人材が確保できない場合や人材の流出により、同社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アバールデータは、お客様への価値提供と信頼獲得を企業理念に掲げ、シンプルかつスピーディーな業務遂行を基本方針とする会社です。持続可能な社会への貢献と、強固な企業体質を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


アバールデータは、「お客様に“価値”を提供し“信頼”を獲得する(A’VALue)」を企業理念としています。全社すべてのレベルにおいてシンプル化を目指し、業務にはスピード感を基本方針としています。

中期経営方針では、サステナビリティを推進し社会の持続可能な発展に貢献することを目指しています。また、攻めの経営による積極投資と固定費最適化で体質強化を図り、市場の潜在ニーズを先取りしてお客様の装置の進化に貢献する方針です。

自社製品を核とした新分野および海外市場でのビジネス確立を通じ、安定的かつ持続的な成長の柱を構築することを目指しています。品質・納期・コスト・環境対応で業界トップの生産体制を実現し、政策保有株式の縮減を進め資本効率を改善することも掲げています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


アバールデータは、企業理念「A’VALue」と基本方針「シンプル&スピード」のもと、健全かつ公正な企業活動で社会からの信頼を高めることを重視しています。フラットな組織と適材適所を推進し、より強い企業への変革を目指す風土があります。

製品開発においては「顧客の競争力向上への貢献」を差別化ポイントと定義し、自社製品をベースに提案型受託開発で競争力と付加価値を最大化しています。新製品への経営資源積極投入と戦略パートナーとの協業により、早期ビジネス化を図っています。

サステナビリティ基本方針では、「お客様に価値を提供する製品づくり」「事業を通じた環境問題への取組み」「働く環境と社会への取組み」「ガバナンスの強化」の4つのテーマを掲げています。個々の高度な専門性を最大限に発揮し、組織としてお客様への価値提供を最大化することを目指しており、公平な処遇の実現、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、ワークライフバランスの確保、働きやすい職場環境の整備、健康経営の推進に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


アバールデータが優先的に対処すべき課題の一つとして、「サステナビリティの推進」を掲げています。同社はサステナビリティ基本方針を定め、長期的な企業価値向上と持続的成長に向けた取組みを強化しています。

具体的には、「お客様に価値を提供する製品づくり」「事業を通じた環境問題への取組み」「働く環境と社会への取組み」「ガバナンスの強化」の4つのテーマに基づき、それぞれの重点課題を特定し、基本姿勢を示して取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アバールデータは、取締役会と監査等委員会を設置する体制を採用しています。この体制により、経営の健全性と透明性の向上を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


アバールデータの筆頭株主は事業会社であるニコンです。上位株主には海外の機関投資家が複数名を占めており、多様な株主によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
ニコン 11.12%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505025(常任代理人 みずほ銀行決済営業部) 10.07%
MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券) 3.67%
嶋村 清 2.40%
レーザーテック 1.88%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は菊地豊氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
菊地 豊 代表取締役社長 1983年3月同社入社、2007年6月同社取締役製造部ゼネラルマネジャー、2019年6月より同社代表取締役社長。
岩本 直樹 常務取締役営業統括担当、IT統括担当 1996年4月同社入社、2017年6月同社取締役第一開発部ゼネラルマネジャー兼第二開発部ゼネラルマネジャー、2025年6月より同社常務取締役営業統括担当、IT統括担当。
村田 英孝 取締役 技術統括担当、第一開発部部長 1995年4月同社入社、2018年7月同社第一開発部ゼネラルマネジャー、2025年6月より同社取締役技術統括担当、第一開発部部長。
加藤 弘達 取締役生産統括担当、生産管理部部長兼製造部部長 1997年4月同社入社、2014年7月同社製造部ゼネラルマネジャー、2025年6月より同社取締役生産統括担当、生産管理部部長兼製造部部長。
三川 宏 取締役管理本部部長 1993年4月同社入社、2013年7月同社品質保証部ゼネラルマネジャー、2025年6月より同社取締役管理本部部長。


社外取締役は、金子健紀氏(金子公認会計士事務所所長)、石塚陽子氏(石塚・小平法律事務所共同代表・博展社外取締役)、岡田登志夫氏(MITOS代表取締役・DAIKO XTECH社外取締役)です。

同社は監査等委員会設置会社です。監査等委員会は、委員の過半数が社外取締役で構成されており、取締役会における議決権を付与することで、監査・監督機能の強化とコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。社外取締役は、他社での豊富な知識と経験に基づき、業務執行から独立した公正かつ客観的な立場から経営監督機能を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上と株主利益との連動を重視した体系となっています。基本報酬、業績連動報酬、および株式報酬によって構成されており、各職責に応じた適正な水準が設定されています。報酬の種類ごとの比率の目安は、基本報酬が5、業績連動報酬が4、非金銭報酬(譲渡制限付株式)が1とされています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 7名 1.0億円 14.8百万円
監査等委員(社外除く) 2名 14百万円 7.2百万円
社外役員 4名 14百万円 3.5百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。