※本記事は、ガリレイの有価証券報告書(第75期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ガリレイってどんな会社?
冷凍冷蔵機器や食品加工機械の製造販売を中心に、食のインフラを支える事業を展開しています。
■(1) 会社概要
1951年12月に業務用冷凍冷蔵庫の製造販売を目的に設立されました。1995年9月に株式を上場し、2019年12月にはフクシマガリレイへ商号を変更しています。2024年4月には日本洗浄機を連結子会社化して事業領域を拡大し、2025年4月には持株会社体制へ移行して現在のガリレイへと社名を変更しました。
従業員数は連結で2,964名、単体で22名です。筆頭株主は事業会社の福島機器販売で、第2位は資産管理業務を行う日本マスタートラスト信託銀行(信託口)、第3位は創業家で代表取締役会長の福島裕氏となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 福島機器販売 | 21.13% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 8.94% |
| 福島裕 | 4.89% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性1名の計8名で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役会長は福島裕氏、代表取締役社長は福島豪氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 福島裕 | 代表取締役会長 | 1975年4月同社入社。営業開発部長、常務取締役、専務取締役などを経て、1992年4月に代表取締役社長に就任。2022年6月に代表取締役会長CEOとなり、2025年4月より現職。 |
| 福島豪 | 代表取締役社長 | 2005年1月同社入社。東日本支社長、専務取締役営業本部長などを歴任。2022年6月に代表取締役社長執行役員COOとなり、組織再編を経て2025年6月より現職。 |
| 福島亮 | 取締役副会長海外事業担当 | 1981年4月同社入社。本社工場長、専務取締役などを経て、2014年4月に取締役副社長に就任。2022年6月に取締役副会長執行役員となり、2025年6月より現職。 |
| 堀之内健士 | 取締役(常勤監査等委員) | 1981年4月同社入社。関西支社副支社長、北海道支店長などの要職を歴任。2021年6月に取締役(常勤監査等委員)となり、2024年5月より現職。 |
社外取締役は、林絹子(元林公認会計士・税理士事務所副所長)、竹内博史(元コニカカラーイメージング代表取締役社長)、藤川隆夫(元綜合警備保障執行役員総務部長)、吉年慶一(元三洋電機執行役員デジタルシステムカンパニープロジェクター事業部長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「冷凍冷蔵ショーケース」および「フードサービス」等の事業を展開しています。
■(1) 冷凍冷蔵ショーケースおよびパネル冷蔵設備
スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストア等の流通産業向けに、冷凍冷蔵ショーケースやプレハブ冷蔵庫を提供しています。省エネ性と環境負荷の低い製品の開発に注力し、生活者が買い物をしやすい店内環境の改善にも貢献しています。
顧客に対する機器の販売や設備の設計、施工を通じた代金を収益源としています。設備の老朽化に伴う施設改修需要等を取り込んでおり、これらの事業運営は主にフクシマガリレイなどのグループ各社が行っています。
■(2) フードサービスおよび大型食品加工機械
飲食店やホテルなどの外食産業向けに業務用冷凍冷蔵庫や食器洗浄機等を提供するほか、食品メーカー向けにトンネルフリーザー等の大型食品加工機械を開発しています。人手不足に対応する省力化や省人化に寄与する機器を提案しています。
外食産業等への厨房機器の販売や、食品・食材に合わせた冷凍技術を用いた機器の提供による販売代金が主な収益源です。これらの機器の開発・製造・販売は、フクシマガリレイや日本洗浄機等の事業会社が担っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績は、M&Aや省エネ改装需要の取り込みにより売上高が順調に拡大しています。利益面でも、原材料価格高騰の影響を受けつつも生産性向上などにより、経常利益は安定的な成長基調を維持しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 961億円 | 1050億円 | 1158億円 | 1306億円 | 1386億円 |
| 経常利益 | 113億円 | 123億円 | 162億円 | 172億円 | 179億円 |
| 利益率(%) | 11.7% | 11.7% | 14.0% | 13.1% | 12.9% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 69億円 | 67億円 | 92億円 | 90億円 | 16億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間の売上総利益率は上昇傾向にあり、コスト転嫁や付加価値の高い製品の提供が進んでいることがうかがえます。営業利益率も安定した水準を確保し、本業の収益力は底堅く推移しています。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1306億円 | 1386億円 |
| 売上総利益 | 361億円 | 386億円 |
| 売上総利益率(%) | 27.6% | 27.9% |
| 営業利益 | 166億円 | 171億円 |
| 営業利益率(%) | 12.7% | 12.3% |
販売費及び一般管理費のうち、報酬給料及び諸手当が75億円(構成比35%)、荷造運賃が39億円(同18%)を占めています。
■(3) セグメント収益
販売区分別の売上高を見ると、冷凍冷蔵ショーケースが流通産業での省エネ改装需要を捉えて拡大したほか、大型パネル冷蔵設備も物流拠点の新設や冷蔵倉庫の切り替え需要により大幅に伸長しました。フードサービスやサービスも底堅く推移しています。
| 区分 | 売上(2025年3月期) | 売上(2026年3月期) |
|---|---|---|
| フードサービス | 303億円 | 320億円 |
| 医療・理化学製品 | 13億円 | 13億円 |
| 冷凍冷蔵ショーケース | 523億円 | 543億円 |
| 大型食品加工機械 | 84億円 | 74億円 |
| 大型パネル冷蔵設備 | 158億円 | 183億円 |
| 小型パネル冷蔵設備 | 78億円 | 95億円 |
| サービス | 148億円 | 158億円 |
| 連結(合計) | 1306億円 | 1386億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う優良企業です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 104億円 | 121億円 |
| 投資CF | -95億円 | -191億円 |
| 財務CF | -21億円 | -35億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は11.3%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も73.4%で市場平均を大きく上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「環境・安全・安心をテーマにお客様と協働し、生活者の『幸せ』に寄与する」ことを基本使命として掲げています。お客様と同じ視点で、おいしさや安心、健康、利便性など生活者の食生活品質の向上を実現することが最も重要であると考えており、食といのちの未来を拓く「幸せ創造企業」を目指しています。
■(2) 企業文化
同社は、企業理念に掲げる「幸せ」四則として、「生活者の幸せに寄与」「お客様の幸せに貢献」「社員の物心両面の幸せを追求」「株主やお取引先に幸せを提供」を重視して経営を行っています。多様な人材が能力を発揮できる職場環境の整備や健康経営を実践し、従業員エンゲージメントの向上にも取り組む文化があります。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、利益重視の観点から安定した収益基盤の構築を目指して経営計画を策定しています。中長期的な目標として、売上拡大を図りつつ付加価値の高い製品の開発やコスト力の強化を進めています。
* 連結売上高営業利益率:10.0%
* 海外事業売上高(2030年度まで):200億円
* 海外事業営業利益率(2030年度まで):10.0%
■(4) 成長戦略と重点施策
同社は、持株会社体制への移行により経営資源配分の最適化とグループシナジーの発揮を図ります。国内では、人手不足に対応する省人化厨房機器の提案や、冷凍冷蔵ショーケースの新工場建設による増産体制の構築を進めます。また、海外事業の中期ビジョン「GALILEI Global Vision 2030」に基づき、インドでの業務用冷凍冷蔵機器の現地生産・供給等を通じたグローバル展開を加速させます。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社グループは、「食といのちの未来を拓く」人材を育てることを方針として掲げています。技術力向上と技術サービスの安定供給を目指し、「ガリレイアカデミー」や「営業アカデミー」を通じた専門人材の育成に注力しています。また、従業員一人ひとりが国籍や性別に関わらず活躍できるダイバーシティの推進や、長時間労働の抑制によるワークライフバランスの実践など、働きがいが得られる環境づくりを進めています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 37.0歳 | 9.0年 | 5,913,889円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 28.6% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 83.2% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 83.2% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | - |
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、エンゲージメントスコア全社平均(56.9)、有給休暇取得率(67.7%)、平均時間外労働時間(18.4時間/月)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) コンプライアンス違反による信用低下
同社は国内外の関係法令や国際ルールを遵守し、倫理・法令遵守意識の強化に努めています。しかし、コンプライアンス違反行為が発生した場合や問題に直面した際には、課徴金等の行政処分や損害賠償請求の対象となるほか、企業イメージの低下による需要減少を惹起し、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 保有する有価証券の市場価格変動
同社グループは、取引先を中心に市場性のある有価証券を多額に保有しています。今後の株式市場の動向次第で市場価格が変動するリスクを負っており、株価の下落等により含み益が減少または評価損が発生した場合には、同社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
■(3) サイバー攻撃等による情報漏洩
事業活動において取引先の情報や自社の営業秘密を取り扱っており、社内管理体制を整備しています。しかし、システムの不正アクセスやサイバー攻撃などの意図的な行為や過失等により情報が外部へ流出したり、製品等のサービスが停止したりした場合、信用低下や損害賠償責任が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。



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