【平均年収580万円】三相電機 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収580万円】三相電機 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

三相電機は、モータやポンプ、その応用製品・部品の製造販売を主軸に、グループ各社とともに事業を展開しています。連結従業員数は588名で、直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、三相電機株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


三相電機グループは、モータ、ポンプ、およびモータ応用製品・部品の製造・販売を主軸としています。これらに付帯する保守や研究開発などのサービスも展開しています。

単体従業員数は299名、連結従業員数は588名です。同社グループはモータおよびポンプ事業の単一セグメントで事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、岡山三相電機(モータ・ポンプの製造販売)、サンソー精工(モータ・ポンプの部品製造販売)、加西三相電機などです。

2026年2月5日には加西三相電機を設立し連結子会社化しました。同社は2026年4月1日に株式会社石野製作所の金属製品加工事業を譲り受け、事業を開始しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


三相電機は、従業員の成長と働きやすい環境づくりを重視し、多様な人材が活躍できる組織を目指しています。給与水準や在籍傾向、人的資本に関する具体的なデータから、同社グループの働き方の特徴を見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の定着を重視する傾向が見られます。平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、長期的なキャリア形成が可能な環境であると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 5,802,000円
平均勤続年数 16.5年
平均年齢 43.1歳
単体従業員数 299人
連結従業員数 588人
単体のグループ内比率 50.8%


同社グループは、連結財務諸表提出会社および国内連結子会社において、確定拠出型企業年金制度と退職一時金制度を採用しています。退職給付債務は11.5億円となっています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、将来の成長に向けた基盤づくりにおいて、人材を会社の将来を支える重要な土台と位置付けています。会社の理念を理解し、自律的に行動できる多様な人材が最適バランスで集まり、組織として持続的に価値を創出できる状態を目指すことを基本方針としています。具体的には、従業員の成長に向けた選択や行動をサポートし、世代や属性ごとの課題整理・分析、職務適性の分析、最適な人材配置に取り組んでいます。

報酬の決定においては、役職および役割に応じた適切な手当を設定し、各従業員に役割に応じた目標を定めています。成果およびプロセスを公正に評価し、その結果を昇給や賞与に反映することで、達成感を得ながら主体的に行動できる環境の実現を目指しています。従業員が安心して誇りを持ち同社グループで働ける環境を整えるための施策を進め、従業員のエンゲージメント向上を目指しています。

また、従業員が能力を最大限発揮できるよう人材育成に努めるとともに、安全・健康な職場環境を実現することを基本方針としています。階層別教育、全従業員参加の業務改善活動、組織の経営目標に基づく個人目標管理、女性役職者の積極的登用といった取り組みを通して、誰もが活躍できる組織作りを目指しています。社内環境整備としては、一人ひとりの多様性、人格、個性を尊重し、人種・性別などに関係なく多様な人材が活躍できる職場環境を実現することを基本方針としています。健康経営の推進やワークライフバランス・メンタルヘルスの推進を通して、全従業員が働きやすい環境作りを目指しており、女性活躍推進法に基づく「えるぼし(3段階)」や次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん」の認定を受けています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定に基づき算出されています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 12.5%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 64.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 75.1%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 87.3%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


三相電機は、モータやポンプ、それらの応用製品の製造・販売を主軸とする企業です。国内外で幅広い事業活動を展開し、製品の保守や研究開発も手掛けています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、三相電機と5つの子会社で構成されています。主力事業はモータ、ポンプ、およびモータ応用製品、部品の製造・販売です。これらに加えて、製品に付帯する保守、研究開発、その他のサービスも提供しています。

収益は主に製品の販売から得られており、特に半導体製造装置用ポンプの受注が好調に推移しています。一方で、産業用モータの受注は世界的な先行き不透明感を背景に低調な状況です。

同社グループは単一セグメントとして事業を展開していますが、製品別ではモータとポンプに分かれています。当連結会計年度の販売実績では、ポンプ部門がモータ部門を上回る収益を上げており、前期と比較してポンプ部門の伸びが顕著です。

地域別では日本が最大の市場であり、中国、その他の地域がそれに続いています。特定の顧客への収益集中も見られ、当連結会計年度ではSMC株式会社が主要な取引先となっています。

為替変動や原材料価格の変動が、同社グループの競争力や経営成績に影響を与える可能性があります。環境問題意識の高まりから、省資源・低消費電力製品の開発が今後の受注を左右する重要な要素となっています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で変動が見られます。当連結会計年度は前期と比較して売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに大きく増加しました。

特に経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の落ち込みから大幅に回復しています。過去には経常利益率が5%を超える時期もありましたが、前期は一時的に大きく低下し、当期は回復傾向を示しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 171億円 186億円 177億円 160億円 183億円
経常利益 9.4億円 10.6億円 8.0億円 1.4億円 8.6億円
経常利益率 5.5% 5.7% 4.5% 0.9% 4.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 8.8億円 8.2億円 4.9億円 1.2億円 5.7億円
1株当たり当期純利益(円) 195.82 180.00 108.48 25.98 124.32

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、当連結会計年度において前期から増加しています。これは、売上高の増加に対して連結従業員数がほぼ横ばいで推移しているため、効率性が向上していることを示しています。

従業員1人あたり営業利益も、前期と比較して大幅に増加しました。営業利益の改善が、従業員一人ひとりの稼ぐ力の向上に貢献している状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 27.3百万円 31.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.1百万円 1.4百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


三相電機グループの財務状況は、本業で安定的に資金を生み出し、事業活動と投資活動を通じて資金を確保している状況を示しています。これにより、堅実な財務基盤を維持していることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


三相電機グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した経営基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、前期からは改善が見られます。手元資金も増加傾向にあり、事業運営における資金の安定性がうかがえます。これらの財務状況は、事業の継続性や将来の成長投資の余力に影響を与える要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 119億円 126億円
自己資本比率 64.3% 63.1%
ROE(自己資本利益率) 1.0% 4.6%
現金及び預金 27.1億円 33.5億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


三相電機グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から大きく増加し、17.1億円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは6.9億円の支出となり、前期と比べて支出額が減少しています。これは有形固定資産の取得による支出があった一方で、定期預金の払戻しがあったことによるものです。財務活動によるキャッシュフローは2.3億円の支出となり、主にリース債務の返済によるものです。

結果として、本業で得た資金が投資活動による支出を上回るフリーキャッシュフローは10.2億円のプラスとなっています。これは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、事業の維持・成長に必要な投資を行いながらも、手元に余剰資金を確保できている状況を示しています。このような資金の流れは、事業の安定性や将来の成長に向けた基盤を支える要素となります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 3.0億円 17.1億円
投資CF △18.7億円 △6.9億円
財務CF △9.4億円 △2.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △15.7億円 10.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

三相電機グループは、特定の販売先への依存度リスクを認識しています。取引が縮小された場合、グループ全体の業績が悪化する懸念があります。また、中国市場での活動リスクも挙げられており、経済的、社会的、政治的要因による販売・生産活動への支障が業績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

三相電機グループは、持続的な存続と発展のために、優秀な人材の継続的な採用と育成を重要な課題と認識しています。また、従業員が最大限の力を発揮できる安全で働きやすい職場づくりも進めていく方針です。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


三相電機は、社是「愛と感謝と積極性」を経営理念に掲げ、社会貢献と地球環境への配慮を重視する企業です。技術提案型・顧客指向型の強みを活かし、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループの経営理念は、社是「愛と感謝と積極性」のもと、広く社会の繁栄に貢献することです。さらに、地球環境を考え、世界の平和と豊かさに企業活動を通じて貢献することも目指しています。

この理念実現のため、同社グループは「技術提案型」「顧客指向型」の特長をさらに伸ばし、新しい時代に適応できる経営基盤の強化に努めています。株主、取引先、関係業界、地域社会の皆様から信頼と尊敬される会社づくりを基本方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、企業価値向上の観点からサステナビリティを経営戦略の重要な要素と認識しています。地球環境を考慮した製品開発と環境保全の推進、従業員の人格や個性を尊重した安全で働きやすい職場環境の確保を重視しています。人材育成を通じた従業員の能力向上により、目標に果敢に挑戦する活力ある企業を目指しています。

経営の透明性と公正な業務執行を重視し、監査・監督体制の強化と、コンプライアンス体制・内部統制システムの整備・運用を図っています。人材育成方針では、従業員が能力を最大限発揮できるよう階層別教育や全従業員参加の業務改善活動、組織の経営目標に基づく個人目標管理、女性役職者の積極的登用を進めています。社内環境整備方針では、一人ひとりの多様性、人格、個性を尊重し、健康経営の推進やワークライフバランス・メンタルヘルスの推進に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、海外における地政学リスクや中国経済の先行き懸念、原材料価格の高止まりといった厳しい経営環境に直面しています。こうした状況に対応するため、従業員が前向きに仕事に向き合える環境を整備し、エンゲージメントを高めることを重点施策の一つとしています。

また、品質不適合を発生させない仕組みづくりに取り組み、品質を向上させブランド力を強化することも課題としています。BCP体制を構築・強化し事業活動の停滞を防ぐことで、非常事態における業績への影響を最小化することにも取り組んでいます。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


三相電機は、取締役会、監査等委員会、および会計監査人を設置し、これらの機関を通じて重要事項の決定と牽制を行っています。監査等委員会設置会社として、監査等委員である取締役が取締役会の構成員となることで、監督機能の強化とコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主はケイアールディーであり、発行済株式の総数に対する所有株式数の割合は25.79%です。次いで三相電機取引先持株会が13.46%、石野製作所が8.76%を保有しています。上位株主には事業会社や取引先持株会、個人株主が名を連ねています。

株主名 持株比率
ケイアールディー 25.79%
三相電機取引先持株会 13.46%
石野製作所 8.76%
石野一郎 5.46%
黒田直樹 2.92%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は黒田直樹氏が務めています。社外取締役比率は30.0%です。

氏名 役職 主な経歴
黒田 直樹 代表取締役社長 1989年3月同社入社、2006年5月上海三相電機有限公司董事長、2006年6月より現職。
小林 秀嗣 専務取締役 営業部・生産管理部・製造部 担当 1977年4月同社入社、2007年9月上海三相電機有限公司副董事長、2017年6月より現職。
曹 銀春 取締役 資材部・海外関連会社担当・技術フェロー 2001年7月同社入社、2016年6月執行役員技術部長、2023年6月より現職。
小畑 直人 取締役 生産管理部長 1993年4月同社入社、2019年6月執行役員営業部長、2024年6月より現職。
榮永 悟 取締役 統括管理部長・情報システム部担当 1992年4月同社入社、2022年6月執行役員統括管理部長、2026年2月より現職。
松田 一郎 取締役 上海三相電機有限公司総経理 1988年4月同社入社、2017年6月上海三相電機有限公司総経理、2024年6月より現職。
長野 浩忠 取締役 技術部長 2000年3月同社入社、2021年1月執行役員技術部長、2024年6月より現職。


社外取締役は、足立安孝氏(日本電子材料取締役(常勤監査等委員))、井上美智代氏(井上鉄工所代表取締役専務)、安山寿祥氏(なぎさ監査法人代表社員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることで、取締役会の監督機能を強化し、監視体制の強化を通じてコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、株主総会で決定された総額の限度内で、代表取締役社長が取締役会からの委任を受けて決定しています。取締役(監査等委員を除く)の報酬は、月例の固定報酬と譲渡制限付株式報酬で構成され、業績連動報酬はありません。監査等委員である取締役の報酬は、業務執行からの独立性を踏まえ、固定報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 7名 1.5億円 21.7百万円
社外役員 4名 5百万円 1.2百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。