【平均年収624万円】パルステック工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収624万円】パルステック工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

パルステック工業は、ポータブル型X線残留応力測定装置やヘルスケア・医療機器関連の受託開発・製造などを手掛ける電子応用機器・装置の製造・販売を、国内外で展開しています。直近の業績は売上高と経常利益が増加した一方で、純利益は減少しました。


目次

※本記事は、パルステック工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、ポータブル型X線残留応力測定装置、ヘルスケア・医療機器関連の受託開発・製造、3Dスキャナ、各種計測・制御・データ処理装置などの電子応用機器・装置の製造・販売を手掛けています。また、受託計測サービスや装置レンタルも行っています。

単体従業員数は122名、連結従業員数は123名です。セグメントはX線残留応力測定装置関連、ヘルスケア装置関連、光応用・特殊機器装置関連の3つです。

主な国内グループ会社は、当社などです。

国内においてはパルステック工業がポータブル型X線残留応力測定装置やヘルスケア・医療機器関連の受託開発・製造、3Dスキャナなどの電子応用機器・装置の製造・販売、受託計測サービス、装置レンタルを一手に担っています。海外では連結子会社1社を通じてグローバルに事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


パルステック工業は、専門性の高い測定・検査装置の開発を手掛ける企業です。従業員の平均勤続年数が長く、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。同社は、社員一人ひとりの成長と働きがいを重視し、多様な働き方を支援する制度や人材育成プログラムに力を入れています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の定着率が高く、長期間にわたってキャリアを形成している社員が多い傾向にあります。平均年齢も比較的高く、経験豊富な人材が組織を支えていることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,238,019円
平均勤続年数 22.3年
平均年齢 45.8歳
単体従業員数 122人
連結従業員数 123人
単体のグループ内比率 99.2%


同社は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる非積立型の退職一時金制度と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出年金制度を併用しています。退職給付制度は、同社単体では退職一時金制度と確定拠出年金制度を併用し、連結子会社では確定拠出年金制度を採用しています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、企業の持続的成長に不可欠な人材の確保と育成を重視しています。新規学卒者や中途技術者の採用、定年退職者の再雇用に加え、多様な働き方に対応できる柔軟な制度を導入しています。具体的には、時間外勤務の低減や有給休暇取得率の向上、新たな休暇制度の導入などに取り組んでいます。

人材の継続的育成のため、全社員を対象としたスキルマップ表に基づき、個々のレベルに応じた教育計画を作成し実施しています。また、高付加価値製品を提供するため、各種セミナー受講や職位別・職能別の専門教育を通じて、社員の能力を最大限に発揮できるよう支援しています。

給与は、企業理念や経営基本方針に基づき、職務内容、役割、能力、勤務成績を総合的に勘案して決定されます。労働の対価として公平な配分を行うとともに、会社の支払能力との均衡にも配慮しています。昇給は原則年1回、賞与は会社業績と個人の勤務評定を総合的に勘案して支給額が決定されます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.7%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 65.7%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 72.8%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 58.3%

健康・安全

指標 数値
有給休暇の取得率 99.1%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


パルステック工業は、電子応用機器・装置の製造・販売、受託開発・製造、受託計測サービスなどを手掛ける企業グループです。多岐にわたる技術とサービスを通じて、顧客のニーズに応えています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、ポータブル型X線残留応力測定装置、ヘルスケア・医療機器関連の受託開発及び受託製造、3Dスキャナ、各種計測・制御・データ処理装置などの電子応用機器・装置の製造及び販売を主に行っています。これらに加えて、これらに付随する受託計測サービスや装置レンタルも提供しており、幅広い事業を展開しています。収益は主に製品の製造・販売と受託開発・製造から得ています。

同社グループの売上高は日本が大部分を占めていますが、アジア、北米、ヨーロッパ、その他地域にも販売実績があります。また、主要顧客である株式会社日立ハイテクへの販売高が、当連結会計年度の総販売実績の24.2%を占めています。

同社グループの事業は、以下の3つの報告セグメントで構成されています。

X線残留応力測定装置関連

このセグメントでは、主にX線残留応力測定装置の製造及び販売を行っています。収益は、X線残留応力測定装置の販売から得ています。当連結会計年度は納品が概ね順調に推移し、売上高は増加しましたが、セグメント利益は減少しました。

ヘルスケア装置関連

このセグメントでは、主に医療機器関連の受託開発及び受託製造を行っています。収益は、医療機器関連の受託開発及び受託製造から得ています。当連結会計年度は受託開発の一部中止や新規受託開発案件の開始遅延により、売上高が減少し、セグメント損失を計上しました。

光応用・特殊機器装置関連

このセグメントでは、主に顧客仕様に基づく専用機器・装置の製造及び販売を行っています。収益は、専用機器・装置の製造及び販売から得ています。当連結会計年度は主要顧客からの引合いが好調を維持し、納品も概ね順調に推移したことから、売上高、セグメント利益ともに増加しました。Pulstec USA,Inc.が米国市場における保守サービスを行っています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
光応用・特殊機器装置関連 9.4億円 10.3億円
X線残留応力測定装置関連 8.4億円 8.9億円
ヘルスケア装置関連 7.1億円 6.3億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で概ね横ばいから微増の傾向にあります。経常利益は変動が見られるものの、直近の当連結会計年度では増加に転じています。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の当連結会計年度で減少しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 24.5億円 24.5億円 26.1億円 24.9億円 25.5億円
経常利益 3.5億円 3.3億円 3.9億円 3.5億円 4.0億円
経常利益率 14.4% 13.6% 14.8% 14.2% 15.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 3.4億円 2.4億円 3.3億円 3.6億円 2.9億円
1株当たり当期純利益(円) 248.75 177.53 238.99 260.19 208.90

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も、前期から当期にかけて増加している状況です。これらの指標の改善は、同社グループの生産性が向上していることを示しており、組織の効率化が進んでいる傾向が見られます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 20.1百万円 20.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.7百万円 2.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


パルステック工業は、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。財務基盤と資金の流れから、同社グループの経営の現在地を見ていきます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率によって安定している状況です。当期の自己資本比率は79.9%であり、プライム市場の製造業平均と比較しても高い水準を示しています。一方、ROE(自己資本利益率)は7.3%で、プライム市場平均を下回っています。

手元資金である現金及び預金は21.6億円と、前期から増加しており、事業運営における資金の厚みがあると言えます。これらの財務状況は、同社グループの事業継続性や雇用・給与の安定性に関わる重要な要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 38.6億円 40.1億円
自己資本比率 76.8% 79.9%
ROE(自己資本利益率) 9.4% 7.3%
現金及び預金 19.5億円 21.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


パルステック工業の当連結会計年度におけるキャッシュフローは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは5.8億円のプラスとなり、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少が主な増加要因です。これは、同社グループが事業活動を通じて安定的に資金を獲得していることを表しています。

一方で、投資活動によるキャッシュフローは△6.0億円のマイナスとなりました。定期預金の預入及び払戻による支出や有形固定資産の取得による支出が主な減少要因であり、事業拡大や設備投資に資金を投入していることがうかがえます。その結果、フリーキャッシュフローは△15百万円のマイナスとなっています。

財務活動によるキャッシュフローは△1.5億円のマイナスで、配当金の支払いが主な減少要因です。全体として、同社グループは本業で得た資金を成長投資に充てている段階であり、この資金の流れは、今後の事業成長とそれに伴う雇用や給与の安定性・成長性につながる可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 1.5億円 5.8億円
投資CF △3.7億円 △6.0億円
財務CF △1.6億円 △1.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △221百万円 △15百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの製品は高付加価値・高収益性を有する一方で、業界の景気動向や各企業の設備投資動向の悪化、競合製品の市場投入、顧客の内製化により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、新規事業の創出や新市場への参入に積極的に取り組む方針ですが、安定的な収益計上までには一定期間が必要であり、全体の利益率を低下させる可能性や、当初計画と実績に乖離が生じるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、社員全体の平均年齢が上昇し、年齢構成や人員構成の偏りが顕著となっています。新規学卒者の採用拡大による人件費等の固定費増加や、即戦力となる人材の確保が大きな課題であり、安定した労働力の確保が困難になった場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


パルステック工業は、光技術を核に「測る」「見える」ソリューションを追求し、社会の発展に貢献することを目指しています。顧客の期待に応え、挑戦し続けるプロフェッショナル集団として、未来の価値創造に取り組む企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「地域社会や産業社会の発展に役立つ会社」として、創意と工夫をもって新しい価値を創造し、社会に貢献することを企業理念としています。また、会社を取り巻く全ての人々と誠意をもって協調し、会社の繁栄と全員の幸福の一致を追求しています。自らの責任を自覚し、英知と信念をもって可能性に挑戦する姿勢を大切にしています。

同社グループは、これからの新しい時代のありたい姿として「パーパス」を制定しています。そのパーパスは「トコトン光を操り 共に「測る」に挑み 未来の「見える」を創る」です。「トコトン」は実直・誠実に顧客の期待に応え、諦めず最後までやり切ることを意味し、「光」は同社のコアコンピタンスであり差別化要素となる技術です。「操る」はプロフェッショナルであること、「共に」は顧客や社員、仕入先などの多くの仲間を指します。「測る」は世の中に必要とされる計測器メーカーとしての役割、「挑む」は挑戦心を持ち続けること、「未来」は世の中にない新しいことや新しい景色、「見える」は見えないものを見える化し社会に貢献すること、「創る」は新たな価値と測る技術を創造することを表しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、企業理念とパーパスに示されるように、誠実さと挑戦心を重視する企業風土を持っています。顧客の期待に実直に応え、諦めずに最後までやり切る「トコトン」の精神が求められます。光技術のプロフェッショナルとして、常に新しい価値を創造し、困難な課題にも挑戦し続ける姿勢を大切にしています。

また、同社グループは、会社を取り巻く全ての人々と誠意をもって協調し、会社の繁栄と全員の幸福の一致を追求しています。サステナビリティに関する取り組みでは、環境に優しい製品づくりを推進し、顧客満足度の高い製品を提供することで産業社会の発展に貢献することを目指しています。性別にかかわらず働きがいがあり活躍できる職場環境の整備にも取り組んでおり、多様な人材の確保と育成に努めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中長期的な対処すべき経営課題として、人材の採用と育成に注力しています。中長期採用計画を作成し、新卒採用及び中途採用を強化するとともに、年齢構成バランスの最適化に取り組んでいます。給与制度や教育制度等の見直しを行い、誰もが活躍できる職場づくりを推進しています。

また、大規模災害に備えたBCP対策も重点テーマの一つです。中核となる事業の継続や早期復旧のために、避難訓練及び安全対策、各種保全対策等を実施しています。緊急時における事業継続のための方法や手段を構築することにも取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


パルステック工業は監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会が経営監視体制を構築しています。社外役員を独立役員として定め、経営の健全性と透明性を確保する体制を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


パルステック工業の株主構成を見ると、筆頭株主は坪井邦夫氏であり、上位株主には複数の個人名が並んでいます。特に「坪井」姓の株主が複数名見られ、創業家や関係者が同社の株式を保有している傾向がうかがえます。特定の事業会社や機関投資家が上位を占めるのではなく、個人株主が主要な位置を占める構成となっています。

株主名 持株比率
坪井 邦夫 9.26%
伊藤 克己 8.41%
坪井 啓明 2.70%
鈴木 幸博 2.70%
新東工業 2.64%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は青野嘉幸氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
青野 嘉幸 代表取締役社長 1998年8月同社入社。光ディスクカテゴリーオーナー、第1技術部長、技術部長を経て、2012年6月同社取締役技術部長に就任。2024年4月より同社代表取締役社長、2025年4月よりPulstec USA,Inc.代表取締役社長より現職。
工藤 孝史 取締役管理部長及びIR担当 1997年4月同社入社。経営管理部長、管理部長を経て、2017年6月より同社取締役管理部長及びIR担当より現職。
西島 直樹 取締役技術本部長 1992年9月同社入社。事業推進室長、第2技術部長、技術部長を経て、2025年4月より同社取締役技術本部長より現職。


社外取締役は、岡本英次氏(はままつ共同法律事務所弁護士)です。

同社は監査役会設置会社です。経営の監視・監督機能を強化するため、社外取締役1名及び社外監査役2名を独立役員として選任しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、会社業績や経済情勢、個々の職責と実績、過去の支給実績などを総合的に判断して決定されています。報酬等に関する基本方針として、持続的かつ安定的な成長に向けた適切な利益共有、役割・責任・成果に応じた制度、経営環境や業績の反映、競争力のある水準の維持、そして短期・中期・長期的な企業価値向上への貢献が掲げられています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 80百万円 19.9百万円
監査役(社外除く) 1名 10百万円 10.2百万円
社外役員 4名 6百万円 1.4百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。