【平均年収508万円】京写 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収508万円】京写 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

京写は、プリント配線板およびこれに付随する電子部品等の製造・販売を主要事業とし、グループ各社とともにグローバルに展開しています。多くの従業員を擁し、日本、中国、インドネシア、メキシコ、ベトナムなど複数の国と地域で事業を展開しており、直近の業績は減収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社京写 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


京写グループは、プリント配線板およびこれに付随する電子部品等の製造・販売を主要な事業としています。同社グループは、子会社10社とともにグローバルに事業を展開しています。

単体従業員数は262名、連結従業員数は1,191名です。セグメントは日本、中国、インドネシア、メキシコ、ベトナムの5つです。

主な国内グループ会社は、当社などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


京写は、エレクトロニクス産業を支えるプリント配線板の製造・販売を手掛ける企業です。同社グループでは、人材を最も重要な経営資源と位置づけ、働きがいのある職場づくりやダイバーシティの推進に力を入れています。従業員の育成と多様な働き方を支援する環境整備を通じて、持続的な成長を目指していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、安定して長く働く従業員が多いことが示されています。

項目 数値
平均年間給与 5,084,000円
平均勤続年数 15.73年
平均年齢 42.46歳
単体従業員数 262人
連結従業員数 1,191人
単体のグループ内比率 22.0%


同社グループは、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を設けています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用されています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は13.9億円、年金資産は11.6億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「人間尊重の精神で人材の育成に力を注ぎ明日を担う企業を創る」という企業理念のもと、人材を最も重要な経営資源と認識しています。中期経営計画では、働きがいのある職場づくり、ダイバーシティの推進、安全衛生管理体制の強化を基軸に、経営基盤の強化に取り組んでいます。

従業員の給与やその他の給付は、各国・各社における法令、事業・地域特性を踏まえ、年齢、勤続年数、職務遂行能力、経験、勤務成績、職務の責任の度合、業績貢献度等に基づいて決定されます。具体的には、階層別・職種別に実施される研修に加え、従業員の自発的なキャリア形成を支援する自己啓発プログラムを含め、体系的な教育体制を構築しています。

また、性別、国籍、新卒、中途によらず、能力や成果、適性等により管理職への登用を行い、多様性の確保に努めています。従業員の安全・健康確保の観点から、労働災害、環境災害、交通事故、長期療養者等については、3か月ごとに実績をグループ内で共有し、社内環境の向上に努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.8%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 80.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 79.9%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 91.8%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


京写グループは、プリント配線板およびこれに付随する電子部品などの製造・販売を主要な事業としています。国内外に拠点を持ち、幅広い産業分野に製品を提供することで収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、プリント配線板の製造・販売を中核事業としています。特にLED照明などの家電製品や電子部品向けの金属基板、自動車関連分野に強みを持っています。収益は主に製品の製造・販売から得られており、顧客のニーズに応じた多様な製品を提供することで事業を展開しています。海外での事業展開も活発であり、グローバルな市場で収益を確保するビジネスモデルとなっています。

日本

プリント配線板事業では、LED照明などの家電製品や電子部品向けの金属基板、自動車関連分野の受注が増加しています。実装関連事業では、AIサーバー向けの受注は増加したものの、産業機器向けの受注は減少しました。収益は、プリント配線板事業の増収により前年同期を上回っています。運営は、京写、三和電子が行っています。

中国

プリント配線板事業では、LED照明などの家電製品や自動車向け付加価値の高い金属基板の受注は増加しました。しかし、アセアン向けの自動車関連や中国での事務機分野などの受注が減少したため、売上高は前年同期を下回っています。運営は、Kyosha Hong Kong Company Limited、Guangzhou Kyosha Circuit Technology Co.,Ltd.、Guangzhou Kyosha Trading Company、Kyosha North America,Inc.、Kyosha(Thailand) Co.,Ltd.、Kyosha Malaysia Circuit Technology Sdn.Bhd.が行っています。

インドネシア

プリント配線板事業では、増産に向けた設備増強のための稼働調整の影響により、売上高は前年同期を下回りました。収益は、減収や設備導入コストの増加などにより減少しています。運営は、PT. Kyosha Indonesiaが行っています。

メキシコ

実装治具事業の受注が減少した影響により、売上高は前年同期を下回りました。しかし、プリント配線板事業の売上増加によりセグメント損失は縮小しています。運営は、Kyosha de Mexico, S.A. de C.V.が行っています。

ベトナム

プリント配線板事業では、インド向けエアコンの新規受注により家電製品分野は増加しました。一方で、アセアンと北米向けの自動車関連分野の受注が減少した結果、売上高は前年同期を下回っています。収益は、減収の影響により減少しています。運営は、Kyosha Vietnam Co.,Ltd.が行っています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
中国 133億円 112億円
日本 94.7億円 99.3億円
インドネシア 24.0億円 24.6億円
ベトナム 9.6億円 10.1億円
メキシコ 83百万円 56百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しつつも、直近の2026年3月期には前期から減少しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、直近の期には前期から大幅に減少する結果となりました。

これは、国内の自動車生産低迷や中国の景気減速、原材料および製造経費の高騰、国内での金属基板新規量産立ち上げに伴う費用増加、インドネシアでの設備導入コスト増加、ベトナムでの競争激化などが複合的に影響したためです。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 213億円 245億円 246億円 262億円 247億円
経常利益 5.1億円 6.2億円 9.1億円 9.9億円 5.5億円
経常利益率 2.4% 2.5% 3.7% 3.8% 2.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.9億円 △4.8億円 6.0億円 6.1億円 78百万円
1株当たり当期純利益(円) 20.18 △33.78 41.91 42.37 5.37

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、2025年3月期から2026年3月期にかけて減少しています。これは、連結売上高が減少した影響が反映されたものと考えられます。

また、従業員1人あたり営業利益も同様に、前期から当期にかけて減少しています。これは、売上高の減少に加え、原材料費や製造経費の高騰、新規事業立ち上げ費用などにより営業利益が減少したことが影響していると見られます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 21.4百万円 20.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.0百万円 0.7百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


京写は、事業活動を通じて安定的に資金を生み出し、財務基盤を堅固にしています。本業で得た資金を投資に回しつつ、着実に余剰資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期からほぼ横ばいの39.6%となっています。これはプライム市場上場企業の製造業平均と比較するとやや低い水準です。

ROE(自己資本利益率)は当期に0.8%となり、前期の6.8%から低下しています。プライム市場平均と比較すると低い水準です。現金及び預金は前期から増加し、56.9億円を確保しており、手元資金の厚みは一定程度あります。

これらの財務状況は、同社グループの事業活動を支える基盤として、今後の安定性や成長性に関わる要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 101億円 101億円
自己資本比率 39.7% 39.6%
ROE(自己資本利益率) 6.8% 0.8%
現金及び預金 54.2億円 56.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、前期の16.7億円の増加から当期は14.8億円の増加へと減少しています。これは主に減価償却費や税金等調整前当期純利益、売上債権の減少額によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは、前期の7.4億円の減少から当期は5.7億円の減少へと、支出の減少幅が縮小しています。これは主に有形固定資産の取得による支出があった一方で、投資有価証券の売却による収入があったためです。

財務活動によるキャッシュフローは、前期の7.6億円の減少から当期は6.6億円の減少へと、支出の減少幅が縮小しています。これは主に長期借入金の返済による支出があったためです。

これらの結果、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローは、前期の9.3億円から当期は9.1億円へと減少しています。同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、投資活動も行いつつ、資金の流出を抑制している状況です。この資金の流れは、同社グループの事業継続性や将来の成長投資余力に影響を与える要素となります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 16.7億円 14.8億円
投資CF △7.4億円 △5.7億円
財務CF △7.6億円 △6.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 9.3億円 9.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの主力製品であるプリント配線板は、自動車や家電製品などの最終製品の生産台数変動により需要が減少する可能性があります。また、国内外で事業を展開しており、外貨建取引や輸入材料の割合が高いため、為替相場の変動が経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループの成長には人材の育成と確保が不可欠であり、少子高齢化が進む日本では労働人口の減少により、計画通りに人材育成と確保ができない可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


京写は、グローバル市場での顧客満足を追求し、持続的な成長を目指す企業です。地に足のついた経営を基本とし、社会貢献と企業価値向上を両立する企業文化を築いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、グローバル市場において顧客満足を第一とし、「地に足のついた経営」を進め、持続的な成長を目指すことを経営基本方針としています。すべての事業活動において「安全の確保、法令の遵守、環境保全」を最優先し、顧客ニーズに応える新技術・新工法の開発と品質向上にたゆまぬ努力を傾注しています。

長期ビジョン2036では、「印刷技術と熱対策技術を強みにお客様の製品開発から深く関わり新しい価値を生み出す挑戦企業であり続ける」ことを掲げています。京写の技術を活かし、PE技術(Printed Electronics)に取り組み、環境負荷低減や低コスト化の市場ニーズ、AIサーバー・EV・パワー半導体分野の放熱需要に対応する新たな製品開発を進める方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、経営理念、経営基本方針、行動規範に基づき事業活動を実践し、すべてのステークホルダーとの信頼関係構築を目指しています。サステナビリティ方針では、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目標としています。

環境に配慮した製品提供とモノづくりを通して、環境負荷の低減に貢献する姿勢を示しています。企業理念である「人間尊重の精神で人材の育成に力を注ぎ明日を担う企業を創る」のもと、人材を最も重要な経営資源と位置づけ、育成に力を入れています。

性別、国籍、新卒、中途を問わず、能力や成果、適性に基づいた管理職への登用を通じて、多様性の確保に取り組む企業風土です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中期経営計画の達成に向けた年度方針として「変化を力に新たな価値を創る」を掲げています。激動の時代において、新市場への展開や高付加価値製品の開発等、成長分野への挑戦を続けています。

重点課題には、次世代を見据えた人材の育成・確保、健康経営の推進、DXと自動化による省人化推進、生産技術の強化が含まれています。また、全社員のDXリテラシー向上に加え、デジタル人材の育成とESG経営への取り組みを強化することで、持続的成長を支える経営基盤の強化を進める方針です。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


京写は、監査等委員会設置会社として、社外取締役を含めた取締役会による意思決定と業務執行の監視、および監査等委員会による適正な監視を通じて、透明性の高い企業統治体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


京写の株主構成を見ると、筆頭株主は株式会社児嶋コーポレーションであり、創業家やその関連会社が上位に名を連ねています。これは、創業家が同社の経営に一定の影響力を持つ資本構成を示しています。

株主名 持株比率
児嶋コーポレーション 14.00%
児嶋 雄二 6.50%
児嶋 淳平 3.60%
エヌビーシー 3.60%
児嶋 一登 3.30%


なお、第5位の児嶋一登氏は、株式会社児嶋を実質的に所有しており、当該株式(180千株)を含めた場合の所有株式数は656千株、第3位となります。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長社長執行役員は児嶋一登氏が務めています。社外取締役比率は22.2%です。

氏名 役職 主な経歴
児嶋 一登 代表取締役社長社長執行役員 1996年4月 同社入社、経営企画室長。2009年6月 同社代表取締役社長。2018年6月 同社代表取締役社長 社長執行役員より現職。
児嶋 淳平 取締役専務執行役員営業本部長 1999年8月 同社入社。2011年10月 同社執行役員営業本部長。2022年6月 同社取締役兼専務執行役員営業本部長兼京写香港社長より現職。
平岡 俊也 取締役専務執行役員経営管理本部長 1995年10月 同社入社。2014年6月 同社執行役員管理本部長。2024年6月 同社取締役兼専務執行役員経営管理本部長より現職。
山口 泰司 取締役常務執行役員 生産本部長 1993年10月 同社入社。2020年7月 京写広州董事長。2025年1月 同社取締役兼常務執行役員 生産本部長兼京写広州董事長より現職。


社外取締役は、日比利雄氏(株式会社エヌビーシー代表取締役社長)、森清隆氏(元株式会社キョウデン代表取締役社長)、髙岡謙次氏(株式会社髙岡取締役・監査等委員)、松阿彌初美氏(法律事務所なみはや代表・監査等委員)です。

同社は2024年6月21日開催の定時株主総会において、監査等委員会設置会社へ移行しています。社外取締役は、プリント配線板業界の知見や企業経営に関する経験、会計・税務・法務の専門的見地から、取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言・提言を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、固定報酬と非金銭報酬(譲渡制限付株式)を基本としています。各役員の職責や業績、貢献度を総合的に勘案し、中長期的な企業価値向上へのインセンティブを付与する設計となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 1.1億円 28.2百万円
監査等委員(社外除く) 1名 7百万円 7.0百万円
社外役員 4名 20百万円 5.0百万円


個人別報酬が開示されている役員は存在しません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

💬キャリコネで会社の実態を確認する

決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。

ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。

企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。


この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。