※本記事は、株式会社テセック の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、半導体検査装置の製造・販売を単一の事業として展開しています。ハンドラ、テスタ、パーツ等の開発・製造・販売およびアフターサービスを提供しています。
単体従業員数は172名、連結従業員数は211名です。
主な国内グループ会社は、テセック、TESEC(M)SDN.BHD.、嶺光音電機などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、半導体検査装置の製造・販売を手がけており、技術革新が加速する市場で事業を展開しています。専門性の高い技術人材の確保・育成に注力しており、従業員の成長と働きがいを重視する姿勢が見られます。給与水準や働き方に関する具体的なデータは、以下の各項目で詳しくご紹介します。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期にわたって安定して勤務している傾向がうかがえます。これは、培われた専門知識や経験が組織内に蓄積され、技術の継承が進んでいる可能性を示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,581,617円 |
| 平均勤続年数 | 18.0年 |
| 平均年齢 | 43.1歳 |
| 単体従業員数 | 172人 |
| 連結従業員数 | 211人 |
| 単体のグループ内比率 | 81.5% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を導入しています。これらの制度は国内グループ会社を対象としています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、当連結会計年度末における退職給付債務は537百万円、年金資産は713百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を様々な価値創造の源泉と位置づけています。AI需要の拡大やデータセンター関連投資の増加に伴う技術革新の加速により、専門性の高い技術人材の確保競争が激化する中で、人材の確保・育成・定着を持続的な成長を支える重要な経営課題と認識しています。技術力を核とした高付加価値製品の開発、グローバル市場での事業拡大、安定した製品供給、顧客サポート体制の強化に向け、人材の確保・育成・定着を人材戦略の中核に据えています。
給与や賞与等の金銭報酬については、職務内容、能力、業績等を総合的に勘案した公正かつ合理的な処遇を基本方針としています。各従業員の職責、能力、成果、会社業績を反映させるとともに、市場環境や物価動向、労働市場の状況を踏まえ、競争力のある水準の維持に努めています。また、従業員持株会制度やJ-ESOP制度、その他の福利厚生制度を通じて、中長期的な企業価値向上の成果を従業員と共有し、人材の定着と意欲向上を図っています。
持続的な競争力の源泉である技術力および製品開発力の強化に向け、人材育成を重要な経営課題の一つとしています。役割やキャリアステージに応じた教育機会の提供とOJTを中心とした実践的な教育を通じて、人材の成長を支援しています。技術の継承や多能工化の推進により組織力の向上を図るとともに、外国人材の採用拡大や女性従業員のキャリア形成支援を進めています。将来の管理職候補者および次世代経営人材の計画的な育成にも取り組んでいます。
優秀な人材の確保・定着および従業員エンゲージメント向上を目的として、働きやすく働きがいのある職場環境の整備を推進しています。柔軟な働き方への対応、安全で健康的な職場環境の維持、人事評価制度の適切な運用等を通じて、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境づくりに取り組んでいます。非金銭的報酬を含めた総合的な処遇の充実も重視しており、従業員持株会制度の活用促進やJ-ESOP制度の導入を通じて、従業員が株主と同じ目線に立ち、中長期的な企業価値向上に主体的に取り組む企業文化の醸成を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金の額の差異は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 2.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
人材戦略に関する指標と目標
同社は、人材戦略の進捗を測定し、継続的な改善を図るため、以下の指標を設定しています。
| 指標項目 | 2026年3月期実績 | 2028年3月期目標 |
|---|---|---|
| 女性管理職比率 | 2.6% | 5% |
| 女性管理職候補者比率 | 18% | 20% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
テセックは半導体検査装置の製造・販売を手がける企業です。同社グループは、半導体産業の発展を支える技術を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
テセックは、半導体検査装置の製造と販売を主要な事業としています。同社グループは単一の事業セグメントで運営されており、半導体産業の進化を技術で支えています。
主力製品は、半導体デバイスを検査工程で搬送する「ハンドラ」、半導体の電気的特性を検査する「テスタ」、そしてそれらの「パーツ等」です。ハンドラはAI関連半導体向けの需要回復を背景に、海外市場を中心に売上を伸ばしています。特にマレーシア、フィリピン、中国といった地域への出荷が中心であり、製品単価や受注ロットが大きい特徴があります。
一方、テスタは電気自動車(EV)市場の減速影響を受け、日本や中国市場で需要が低迷しています。しかし、SiCなどの次世代パワー半導体市場の将来的な成長を見据え、研究開発投資を継続しています。パーツ等はハンドラの改造用チェンジキットが中心で、ハンドラの稼働台数に連動するストック型の収益特性を持っています。
同社グループの売上高は海外市場への依存度が高く、特にハンドラにおいては海外向けが約9割を占めています。当連結会計年度では、INFINEON TECHNOLOGIES (MALAYSIA) SDN BHDが主要な顧客の一つとなっています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ハンドラ | 16.5億円 | 25.5億円 |
| テスタ | 30.3億円 | 19.7億円 |
| パーツ等 | 12.1億円 | 10.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績推移を見ると、売上高と経常利益は前期から減少傾向にあります。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から増加に転じています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 75.1億円 | 87.4億円 | 86.2億円 | 58.9億円 | 55.7億円 |
| 経常利益 | 20.6億円 | 25.1億円 | 21.4億円 | 6.7億円 | 5.6億円 |
| 経常利益率 | 27.5% | 28.7% | 24.8% | 11.4% | 10.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 17.2億円 | 22.6億円 | 15.2億円 | 4.3億円 | 4.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 304.96 | 399.88 | 271.88 | 77.25 | 86.49 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する傾向が見られます。これらの指標は、同社グループの生産性が前期と比較して低下していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 27.5百万円 | 26.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.0百万円 | 1.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来に向けた投資活動も行っています。手元資金は確保されていますが、フリーキャッシュフローは前期から減少しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っています。手元資金として現金及び預金を確保しており、財務基盤は安定している状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 142億円 | 142億円 |
| 自己資本比率 | 91.5% | 89.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.0% | 3.3% |
| 現金及び預金 | 43.5億円 | 35.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローはプラスですが、前期から減少しています。これは主に、棚卸資産の減少額、売上債権の減少額、税金等調整前当期純利益の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券および投資有価証券の取得による支出により、前期よりもマイナス幅が拡大しています。財務活動によるキャッシュ・フローも、配当金の支払および自己株式の取得により、前期からマイナス幅が拡大しました。
これらの状況から、同社グループは本業で資金を生み出しつつ、投資活動も行っていることがわかります。しかし、フリーキャッシュフローは前期から大きく減少しており、資金の余裕度は低下傾向にあることが示されています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 17.7億円 | 14.6億円 |
| 投資CF | △9.0億円 | △14.0億円 |
| 財務CF | △5.0億円 | △10.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 8.7億円 | 0.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは半導体検査装置の製造・販売を行っており、検査装置の需要は半導体市況の変動および半導体メーカーの設備投資動向に影響を受けます。半導体市場は不安定かつ予測不能であり、市場変動の増大が業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、同社グループは世界の大手半導体メーカーを主要な顧客としています。主要顧客との取引規模が大きく変動した場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループが競争力を維持し、持続的成長を実現するためには、次世代を担う人材の獲得、育成が重要となります。必要な人材の継続的な採用や育成ができない場合や重要な人材が離職した場合には、製品開発力や顧客サポートの質が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
テセックは、半導体検査装置を通じて社会に貢献し、社員一人ひとりの「Enjoy」を大切にする企業です。技術革新と顧客満足を追求しながら、持続的な成長を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
テセックは、優れた半導体検査装置を世界中に供給することで社会へ貢献することを経営理念としています。ソリューションを提供する創造業のトップランナーを目指し、豊かな発想と強い意志を持つ社員を大切にするという考え方です。社是には「Enjoy」を掲げ、仕事だけでなく遊びや生活、人生のすべてを楽しむことを重視しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、お客様を第一に考え、誠実に対応することを行動規範としています。常に新しいことに挑戦し、自分の職務に誇りと自信を持つことが求められます。また、法令を遵守し、高い倫理観をもって行動し、信頼され尊敬される人を目指すことを大切にしています。地球環境の保全や品質マネジメントシステムの運用を通じて、社会貢献と顧客からの信頼獲得に努める企業風土です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中長期的な成長を目指す中期計画「Enjoy2.1」を策定し、事業を成長させるための基盤戦略を推進しています。具体的には、グローバルで活躍できる人材育成と組織体制の再構築に取り組んでいます。また、デジタル化を通じた業務プロセス革新と情報基盤の整備、生産工程の標準化・効率化による供給安定性の向上、顧客満足を起点とした営業力・提案力の強化も重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
テセックは監査等委員会設置会社であり、取締役会と監査等委員会が連携して経営を監督する体制です。社外取締役が経営の透明性と健全性を高める役割を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は田中綏子氏であり、創業家が上位株主として名を連ねています。日本生命保険相互会社やMM Investments株式会社といった機関投資家も主要な株主として同社を支えています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 田中 綏子 | 7.01% |
| 日本生命保険相互会社 | 3.47% |
| MM Investments株式会社 | 3.38% |
| 勝田 知男 | 3.30% |
| 山村 博 | 3.09% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は田中賢治氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 田中 賢治 | 代表取締役 社長 | 1986年同社入社、ハンドラビジネスユニット部長、取締役ハンドラビジネスユニットゼネラルマネージャー、代表取締役社長 営業・技術部門担当を経て、2025年6月より代表取締役社長 技術(ハンドラ・テスタ)部門担当より現職。 |
| 宮脇 浩幸 | 取締役 | 1987年同社入社、製造部部長、取締役製造部長 製造部門担当を経て、2020年4月より取締役 製造部門担当より現職。 |
| 渡邊 弘一 | 取締役 | 1996年同社入社、Tesec Europe出向、営業統括部部長、Tesec Inc(社長)出向、テスタビジネスユニットゼネラルマネージャーを経て、2025年6月より取締役 営業部門担当より現職。 |
| 戸田 雄介 | 取締役 | 1995年同社入社、経理部長、泰賽国際貿易(上海)有限公司董事長を経て、2024年6月より取締役 管理・品質保証部門担当より現職。 |
社外取締役は、南忠良氏(元新日本証券取締役・監査等委員)、舛川博昭氏(舛川公認会計士事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監査・監督機能の強化と経営の透明性・効率性向上を図っています。監査等委員である社外取締役が、独立した立場で経営を監査する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。取締役(監査等委員を除く)の報酬は、固定報酬としての基本報酬と非金銭報酬(譲渡制限付株式)で構成されています。監査等委員である取締役については、その職務に鑑み、基本報酬のみが支払われる仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 10.0百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 6百万円 | 3.0百万円 |
なお、取締役(監査等委員を除く)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、譲渡制限付株式報酬16百万円であり当事業年度における費用計上額を記載しております。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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