RVH 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

RVH 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証スタンダード上場のシステム開発企業。IT・組込系システム開発や人材派遣を主力とし、再生可能エネルギーや資産運用関連事業も展開。2025年3月期は資産運用関連事業の開始等により売上高は増収。利益面では営業損失、経常損失、当期純損失を計上したものの、各損失幅は前期より縮小し赤字幅が改善しました。


※本記事は、株式会社RVH の有価証券報告書(第29期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. RVHってどんな会社?


システム開発や人材派遣を主力としつつ、再生可能エネルギーや資産運用関連など多角的に事業を展開する企業グループです。

(1) 会社概要


1996年に3次元グラフィックス向けLSI開発を目的に設立され、2000年に東証マザーズへ上場しました。その後、M&Aによりシステム開発や人材派遣事業を取得し、2015年に持株会社体制へ移行して現商号に変更しました。2022年の市場区分見直しで東証スタンダード市場へ移行し、2024年には新たに資産運用関連事業を開始しています。

2025年3月31日現在、連結従業員数は139名、単体従業員数は5名です。筆頭株主は法人である株式会社ヘーリオスエネルギーで、第2位は法人である株式会社SEED、第3位は個人の奥条瑳京氏となっています。

氏名 持株比率
ヘーリオスエネルギー 12.87%
SEED 8.35%
奥条 瑳京 4.71%

(2) 経営陣


同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は荻野善之氏が務めています。取締役4名のうち2名が社外取締役であり、社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
荻野 善之 代表取締役社長 主婦の友社入社後、雑誌編集長、同社代表取締役社長等を歴任。2019年6月同社社外取締役、2022年6月より現職。上武、ソアーシステム、Glotus等のグループ会社役員も兼任。
上田 真 取締役 新生債権回収、新生企業投資、新生インベストメント&ファイナンス等を経て2022年9月同社入社。同年11月より現職。BS ENERGY、Glotus、レブラスの役員も兼任。


社外取締役は、金子洋祐(トラロックエンターテインメント顧問)、中澤隆太(Ryu商会代表取締役)です。

2. 事業内容


同社グループは、「システム開発」「再生可能エネルギー」「資産運用関連事業」および「その他」事業を展開しています。

システム開発


ITシステムや組込系システム、業務系システムの受託開発に加え、システムエンジニアリングやバックオフィスに関する人材派遣、PCデータ消去・リサイクル、医用画像表示ソフトウェアの販売等を行っています。顧客は一般企業や医療機関などが中心です。

収益は、顧客からのシステム開発受託費、人材派遣料、製品販売代金等から得ています。運営は主に上武、ソアーシステム、リアルビジョンが行っています。

再生可能エネルギー


太陽光発電設備の企画や再生可能エネルギーに係るコンサルティング、および風力発電設備を利用した電力販売事業を行っています。

収益は、コンサルティングフィーや売電収入等から得ています。運営は主にBS ENERGY、井の三風力発電が行っています。

資産運用関連事業


2024年7月より開始した新規事業で、事業者向けファクタリングサービスや、区分所有マンションの短期転売を中心とした不動産売買事業等を展開しています。

収益は、ファクタリングの手数料収入や不動産の売却益等から得ています。運営は主にレブラス、Glotusが行っています。

その他


上記セグメントに含まれない事業として、美容関連事業を展開しています。

収益は、アイラッシュサロン「FLASH」の運営によるサービス料収入等から得ています。運営は主にGlotusが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は増減を繰り返していますが、直近では増加傾向にあります。利益面では、経常損失および当期純損失が継続していますが、2025年3月期は損失幅が縮小し、改善の兆しが見られます。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 15億円 12億円 13億円 13億円 15億円
経常利益 -1.0億円 -1.1億円 -1.6億円 -1.9億円 -0.3億円
利益率(%) -6.8% -8.8% -12.6% -14.9% -2.1%
当期利益(親会社所有者帰属) -16億円 -1億円 -1億円 -9億円 -3億円

(2) 損益計算書


売上高は前期比で増加し、売上総利益および売上総利益率も向上しました。営業損失は継続しているものの、その赤字幅は大幅に縮小しています。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 13億円 15億円
売上総利益 4.0億円 4.9億円
売上総利益率(%) 31.0% 33.6%
営業利益 -2.2億円 -0.5億円
営業利益率(%) -17.0% -3.5%


販売費及び一般管理費のうち、報酬委託手数料が1.6億円(構成比30%)、給料手当が1.4億円(同26%)を占めています。

(3) セグメント収益


システム開発事業は減収減益(損失縮小含む)となりましたが、新規に開始した資産運用関連事業が売上と利益に寄与しました。再生可能エネルギー事業とその他事業は減収となりましたが、赤字幅は縮小しました。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期) 利益(2024年3月期) 利益(2025年3月期) 利益率
システム開発 12億円 11億円 0.7億円 0.7億円 6.1%
再生可能エネルギー 0.5億円 0.4億円 -1.5億円 -0.3億円 -63.0%
資産運用関連事業 - 3億円 - 0.2億円 7.7%
その他 0.6億円 0.4億円 -0.1億円 -0.3億円 -67.0%
調整額 - - -1.3億円 -0.9億円 -
連結(合計) 13億円 15億円 -2.2億円 -0.5億円 -3.5%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

同社は、営業活動で資金を使用し、投資活動で資金を獲得しました。財務活動でも資金を使用する結果となりました。営業活動では、主に貸倒引当金の増加や減損損失等により資金を使用しました。投資活動では、貸付金の回収が主な収入源となり、資金を獲得しました。財務活動では、短期・長期借入金による収入があったものの、長期借入金の返済等により資金を使用しました。

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF -0.0億円 -2億円
投資CF -0.1億円 1億円
財務CF 0.2億円 -0.1億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、新規事業領域への進出および既存事業の拡大を通じた企業価値の向上とブランド力の強化に努めることを経営方針としています。「株主価値の最大化」と「効率を重視した組織経営」を実践し、すべてのステークホルダーに満足される企業グループを目指しています。

(2) 企業文化


既成概念にとらわれない柔軟な発想とチャレンジ精神のもと、新しいビジネスの創出と事業運営の活性化を図る文化があります。また、企業経営の透明性を高め、事業活動のあらゆる局面においてコンプライアンスを徹底することを重視しています。

(3) 経営計画・目標


2026年3月期の通期連結業績予想については、資産運用関連事業等の実績を踏まえた今後の事業規模検討などにより合理的な算定が困難であるとして、現時点では「未定」としています。

(4) 成長戦略と重点施策


持続的な成長と企業価値向上のため、既存事業の収益体質強化と新規事業領域への進出を推進しています。既存事業では、営業資産の活用による売上増加や内製化によるコスト構造改革を実施します。新規事業では、M&Aやアライアンスを通じて事業の多角展開を進め、ビジネスの拡大を図ります。また、コーポレート・ガバナンスと内部管理体制の強化にも継続して取り組みます。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


優秀な人材の確保・育成とともに、ダイバーシティ経営を推進し、多様な発想や価値観を持つ人材を活用することで企業の活性化を図っています。働き方改革を通じて、国籍・性別・年齢等を問わず、ひとりひとりが能力を最大限に発揮できる環境の整備を目指しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年3月期 52.8歳 5.8年 8,906,000円


※平均年間給与は従業員の賞与及び基準外賃金を含み、連結子会社からの受入出向者を除いております。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象外であるため、有報には本項の記載がありません。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、年次有給休暇取得率(73.8%)、男性育児休業取得率(100%)、有資格者率(26.9%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) M&Aについて


事業拡大等のためM&Aや事業投資を行う場合がありますが、投融資先の状況を確実に予測することは困難であり、回収不能となった場合や事業展開が計画通り進まない場合は、減損損失の計上等により経営成績に影響を与える可能性があります。

(2) 持株会社体制について


同社は持株会社であり、主たる収入は子会社等からの経営指導料や配当です。子会社等の利益計上が不十分な場合や会社法等の規制により配当が制限される場合、同社の売上利益が減少し、業績に影響が生じる可能性があります。

(3) 継続企業の前提に関する重要事象等について


7期連続して営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象等が存在しています。システム開発事業の強化や新規事業の推進により早期解消を図る方針であり、当面の資金は確保しているため重要な不確実性は認められないと判断していますが、リスク要因として認識されています。

(4) 債権管理について


取引先に対して売掛金や未収入金等の債権を有しています。与信管理には注意していますが、取引先の財政状態悪化等による回収遅延や債務不履行が発生した場合、同社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。