※本記事は、株式会社RVHの有価証券報告書(第30期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. RVHってどんな会社?
システム開発を中核に据え、再生可能エネルギーや資産運用関連事業など多様な領域で事業を展開しています。
■(1) 会社概要
1996年に3次元グラフィックス向けLSIの開発等を目的として設立され、2000年に東証マザーズに上場しました。その後、2012年にシステム開発企業を子会社化して同領域に進出し、2015年に持株会社体制へ移行して現在の社名に変更しました。近年は再生可能エネルギーや不動産売買事業等も開始しています。
従業員数は連結で136名、単体で6名体制となっています。筆頭株主は事業会社のヘーリオスエネルギーで、第2位は事業会社のSEED、第3位は金融機関のSBI証券です。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| ヘーリオスエネルギー | 12.87% |
| SEED | 8.35% |
| SBI証券 | 5.52% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は荻野善之氏が務めており、社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 荻野善之 | 代表取締役社長 | 1983年主婦の友社入社、雑誌編集長等を歴任。夕星社代表取締役等を経て、2022年より現職。 |
| 上田真 | 取締役 | 2001年新生債権回収入社。新生インベストメント&ファイナンス等を経て、2022年より現職。 |
社外取締役は、金子洋祐(元日本通運・トラロックエンターテインメント顧問)、中澤隆太(元帝人・Ryu商会代表取締役)です。
2. 事業内容
同社グループは、システム開発、再生可能エネルギー、資産運用関連事業およびその他事業を展開しています。
■システム開発
ITシステムや組込系・業務系システムの受託開発、システムエンジニアリングやバックオフィスに関する人材派遣、PCデータ消去・リサイクル、医用画像表示ソフトウェアの販売等を行っています。
受託開発や人材派遣のサービス提供、中古PCの販売等により顧客企業から対価を受け取ります。運営は主に上武、ソアーシステム、リアルビジョンが行っています。
■再生可能エネルギー
太陽光発電設備の企画・設計・施工や再生可能エネルギーに係るコンサルティングのほか、北海道に所有する風車発電所を利用した電力販売事業を行っています。
蓄電所設備に係る工事請負代金やコンサルティング料、および風力発電による電力販売収入を得ています。運営は主にBS ENERGY、井の三風力発電が行っています。
■資産運用関連事業
事業者向けファクタリングサービスや、区分所有マンションの短期転売を中心とした不動産売買事業等を行っています。
不動産売買代金やファクタリングによる債権回収手数料等を収益源としています。運営は主にレブラス、Glotusが行っています。
■その他
アイラッシュサロンの運営を行っていましたが、2025年7月に閉業しています。
サロン利用者からのサービス提供対価を収益源としていました。運営はGlotusが行っていました。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5年間の業績推移を見ると、売上高は12億円から14億円の規模で推移しています。経常利益はマイナスが続いていましたが、当期は徹底した業務内製化等によるコスト削減や営業外収益の計上が寄与し、黒字転換を果たしました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 12.3億円 | 13.0億円 | 12.8億円 | 14.7億円 | 12.5億円 |
| 経常利益 | -1.1億円 | -1.6億円 | -1.9億円 | -0.3億円 | 0.5億円 |
| 利益率(%) | -8.8% | -12.6% | -14.9% | -2.1% | 3.8% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -1.4億円 | -1.3億円 | -9.3億円 | -3.4億円 | -0.2億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前期比で減少したものの、外注費の抑制や業務委託費の圧縮等により売上総利益率は改善しました。また、販売費及び一般管理費を圧縮したことで営業損失の幅は縮小傾向にあります。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 14.7億円 | 12.5億円 |
| 売上総利益 | 4.9億円 | 4.3億円 |
| 売上総利益率(%) | 33.6% | 34.2% |
| 営業利益 | -0.5億円 | -0.5億円 |
| 営業利益率(%) | -3.5% | -4.0% |
販売費及び一般管理費のうち、給料手当が1.5億円(構成比31%)、報酬委託手数料が1.1億円(同24%)を占めています。
■(3) セグメント収益
システム開発セグメントが売上高の大半を占めており、安定した収益基盤となっています。また、再生可能エネルギーセグメントは風力発電所の売電収入増やコスト低減により黒字転換し、全体の利益改善に貢献しています。
| 区分 | 売上(2025年3月期) | 売上(2026年3月期) |
|---|---|---|
| システム開発 | 11.2億円 | 11.0億円 |
| 再生可能エネルギー | 0.4億円 | 0.7億円 |
| 資産運用関連事業 | 2.7億円 | 0.7億円 |
| その他 | 0.4億円 | - |
| 連結(合計) | 14.7億円 | 12.5億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
積極型:営業で利益を出し、借入によって積極投資を行う状態
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -2.1億円 | 1.0億円 |
| 投資CF | 1.2億円 | -0.6億円 |
| 財務CF | -0.1億円 | 0.7億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は3.9%で、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は45.7%であり、いずれも市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「株主価値の最大化」および「効率を重視した組織経営」を実践することを経営の基本方針としています。既成概念にとらわれない柔軟な発想とチャレンジ精神のもと、新しいビジネスの創出と更なる事業運営の活性化を図り、すべてのステークホルダーに満足される企業グループを目指しています。
■(2) 企業文化
同社グループは、国籍、性別、年齢、障がいの有無等の人材の多様性を尊重し、様々な視点や考え方を事業活動に取り入れる「ダイバーシティ経営」を推進しています。企業経営の透明性を高め、あらゆる局面においてコンプライアンスを徹底する公正で透明性の高い組織文化の醸成に努めています。
■(3) 経営計画・目標
具体的な数値を伴う中短期の経営目標は有価証券報告書に記載されていません。そのため、持続的な成長と企業価値の向上に向け、既存事業における収益体質の強化や多様な人材の活用、新規事業領域への進出など、定性的な目標達成に向けた取り組みを中心に経営計画を推進しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
既存事業における収益体質の強化を図るため、人的資源の最適配分や積極的な内製化の推進によるコスト構造改革を実施しています。また、安定的な成長を続けるため、グループ各社の顧客基盤の共有や技術の相互支援、アライアンス、積極的なM&A展開による周辺領域の獲得を通じた新規ビジネスの拡大に注力しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
人的資本の増強を最重要課題と捉え、国籍や性別等に関わらず、すべての従業員に平等な育成支援と評価・登用の機会を設けることを基本方針としています。各々の能力に応じた専門的知識の強化など育成支援を行うとともに、フレックス制度や在宅勤務、時間単位有給休暇等を導入し、働きやすい環境整備を進めています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 54.3歳 | 5.8年 | 8,580,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | - |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | - |
| 男女賃金差異(正規雇用) | - |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | - |
※同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、女性管理職比率および男女賃金差異については有報に記載がありません。
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、年次有給休暇取得率(72.5%)、有資格者率(30.3%)、離職率(11.2%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) M&Aに伴う事業展開とのれん減損
今後の事業拡大に向けて国内外の企業買収や事業投資等を実施する場合がありますが、投融資先の事業が計画通りに進まない場合、投資額の回収不能や減損損失の計上等により、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 人材の確保と競争激化
継続的な事業発展のため、新卒・中途採用や社内教育研修の実施により優秀な人材の確保に努めていますが、労働人口の減少や産業構造の変化に伴う競争激化により、必要な人材を計画通りに確保できないリスクがあります。
■(3) システム障害と情報漏洩
業務効率化に向けたITシステムの活用や顧客情報の管理を行っていますが、大災害や予期せぬシステムトラブルによる大規模障害、外部からの不正アクセスや従業員の過誤等による機密情報・個人情報の漏洩が生じた場合、社会的信用の低下や対応費用の発生につながる可能性があります。
■(4) 継続企業の前提に関する重要事象等
同社グループは8期連続して営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在しています。新規顧客開拓やコスト構造改革等の収益基盤強化策を推進していますが、これらの取り組みが想定通りに進捗しない場合、事業継続に影響を及ぼす可能性があります。



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