【平均年収929万円】京三製作所 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収929万円】京三製作所 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

京三製作所は、信号システム事業とパワーエレクトロニクス事業を主軸に、グループ各社とともに事業を展開しています。直近の売上高は過去最高を更新しました。


目次

※本記事は、株式会社京三製作所 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


京三製作所グループは、信号システム事業とパワーエレクトロニクス事業の2つのセグメントを主軸に事業を展開しています。鉄道信号システムや道路交通管制システム、産業機器用電源装置などの生産・販売を手掛けています。

単体従業員数は1,399名、連結従業員数は2,073名です。セグメントは信号システム事業、パワーエレクトロニクス事業の2つです。

主な国内グループ会社は、京三エレコス(信号システム事業)、京三パワーサプライなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


京三製作所は、社会インフラを支える事業を展開しており、従業員の長期的なキャリア形成を重視する傾向が見られます。安定した環境で専門性を高めながら働きたいと考える方にとって、同社の給与水準や働き方は重要な要素となるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が長く勤める傾向があり、平均勤続年数から人材の定着感がうかがえます。平均年齢も比較的高い水準にあり、経験豊富な従業員が多数在籍していることが示されています。

項目 数値
平均年間給与 9,286,320円
平均勤続年数 17.0年
平均年齢 44歳6ヶ月
単体従業員数 1,399人
連結従業員数 2,073人
単体のグループ内比率 67.5%


同社は確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度、ならびに退職一時金制度を設けています。これらの制度は、同社および国内連結子会社、さらに在外連結子会社にも適用されています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

確定給付制度における退職給付債務は80.2億円、年金資産は55.8億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


京三製作所の人材戦略は、企業理念である「新しい価値を創造し、人々の安全・安心・快適な暮らしと社会の持続的発展に貢献する」に基づいています。中期経営計画の目標達成に向け、「人的資本の確保とその最大発揮」を重視しており、イノベーション創出をリードする人財やグローバル成長を牽引できる経営人財への重点投資を実施しています。

従業員の給与その他の給付の額および内容の決定においては、役割、職務内容、コンピテンシー等を総合的に勘案した公正かつ透明性の高い処遇を基本方針としています。基本給は職務内容や行動レベルに応じた等級で決定され、賞与は会社業績と個人の人事考課を反映して支給されます。福利厚生や各種手当は、従業員の生活安定と働きやすさの向上を目的として、育児介護支援や柔軟な働き方を支える制度と合わせて支給されています。

人事考課制度では、従業員の成果、能力、行動を多面的に評価し、その結果を昇給、昇格、賞与等の労働条件および処遇面に反映しています。考課者研修や被考課者研修を通じて評価基準とプロセスの透明性を確保し、公平性、公正性、納得性を図っています。新たなスキルの習得や専門性向上への取り組みといったチャレンジ項目も重視されています。

同社グループは、人的資本の充実をマテリアリティの一つとして掲げ、「人財価値の向上」「人財価値の活用」「人財価値の循環」の3つの側面から取り組みを進めています。具体的には、性別、人種、国籍、障がいの有無などに関わらず多様な人財を採用し、事業方針や従業員ニーズに基づく多様かつ体系的な教育プログラムを整備することで、従業員の能力向上を推進しています。また、エンゲージメントサーベイの結果を踏まえた施策の実施や、イノベーション人財の発掘・育成、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包摂性)を高めるための制度構築にも注力しています。従来の終身雇用型制度に固執せず、柔軟な採用・雇用形態を整備することで、社会から幅広い知を取り入れ、社会に還元する循環的な知的ネットワークの構築を目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.9%
男性の育児休業取得率 87.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 69.8%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 76.1%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 47.1%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 京三エレコス株式会社

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.3%
男性の育児休業取得率 77.8%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 68.0%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 72.7%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 13.5%

グループ全体(連結)

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.4%
男性の育児休業取得率 85.7%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 68.7%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 77.8%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 48.2%

人的資本の充実(任意開示)

指標 数値
新卒社員女性採用率 20.0%
年次有給休暇取得率 77.0%
女性管理職比率 2.9%
男性従業員の育児休業等取得率 87.0%
障がい者雇用率 2.8%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社京三製作所は、信号システム事業とパワーエレクトロニクス事業の二つの報告セグメントを主軸に事業を展開しています。人々の安全・安心・快適な暮らしと社会の持続的発展に貢献することを目指し、鉄道や道路交通のインフラを支える技術と、産業を動かす電源技術を提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、信号システム事業とパワーエレクトロニクス事業の2つのセグメントで構成されています。当連結会計年度の売上高は前期を上回り、2期連続で過去最高を更新しました。海外売上高は全体の約14.2%を占めており、前期から増加傾向にあります。

信号システム事業

鉄道信号システムや道路交通管制システムなどの生産・販売を行っています。鉄道信号システムでは、顧客の積極的な設備投資を背景に、ATC地上装置や連動装置、可動式ホーム柵などの受注・売上が好調に推移しました。道路交通システムでは、交通信号制御機や交通信号灯器の受注が主に大都市圏で好調でした。
収益は、鉄道事業者や自治体などへのシステムおよび関連機器の提供から得ています。

パワーエレクトロニクス事業

産業機器用電源装置や鉄道信号用電源装置などの生産・販売を行っています。半導体製造装置用電源装置は主要顧客からの需要増加により受注が前期を上回りましたが、フラットパネルディスプレイ製造装置用電源装置の投資計画繰り延べにより売上は前期を下回りました。
収益は、産業分野や鉄道分野向けの電源装置の提供から得ています。当連結会計年度は棚卸資産の廃棄損および評価損を計上し、セグメント損失となりました。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
信号システム事業 711億円 798億円
パワーエレクトロニクス事業 142億円 133億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で増加傾向にあり、当連結会計年度は前期を上回り過去最高を更新しました。経常利益は変動が見られますが、当連結会計年度は前期から減少しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度に前期を上回る結果となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 729億円 723億円 705億円 854億円 931億円
経常利益 34.2億円 26.8億円 32.6億円 66.5億円 52.0億円
経常利益率 4.7% 3.7% 4.6% 7.8% 5.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 119億円 20.7億円 34.3億円 47.8億円 50.4億円
1株当たり当期純利益(円) 189.09 33.02 54.76 76.28 81.37

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。これは、売上高が過去最高を更新した一方で、連結従業員数が前期からほぼ横ばいで推移していることによるものです。

一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。これは、人件費の増加や販売費及び一般管理費の増加、さらにパワーエレクトロニクス事業における棚卸資産の廃棄損および評価損の計上が影響していると考えられます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 41.1百万円 44.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.9百万円 2.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


京三製作所グループの財務状況は、本業で安定した資金を生み出し、投資活動を行いつつも、手元に資金を残している状態を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は前期から上昇し、プライム市場の製造業平均に近い水準となっています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と同水準で推移しており、効率的な経営を示しています。手元資金は減少していますが、一定の現金を保持しており、事業運営の安定性を支える基盤があると言えます。これらの財務基盤は、同社グループが安定した事業活動を継続していく上での重要な要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 517億円 557億円
自己資本比率 41.0% 46.7%
ROE(自己資本利益率) 9.4% 9.4%
現金及び預金 81.7億円 69.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは33.9億円のプラスとなりましたが、前期からは減少しています。これは主に棚卸資産の減少による支出減があったものの、契約負債の減少による収入減が影響したためです。投資キャッシュフローは△4.7億円のマイナスとなり、前期から支出が増加しています。これは定期預金の払戻による収入が減少したことが主な要因です。財務キャッシュフローは△41.7億円のマイナスで、長期借入金の返済による支出が減少したことなどにより、前期よりも支出が減少しました。結果として、フリーキャッシュフローは29.2億円のプラスを維持しており、本業で生み出した資金で投資を行いながらも、手元に資金を残している状況を示しています。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力を保持していることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 37.4億円 33.9億円
投資CF △3.2億円 △4.7億円
財務CF △44.5億円 △41.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 34.3億円 29.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、主力の鉄道信号システムや道路交通システムにおいて、顧客の設備投資計画や更新時期によって年度ごとに経営成績に変動が生じる可能性があります。また、パワーエレクトロニクス事業では、半導体・FPD業界の需給サイクルや技術革新の進捗が経営成績に大きな変動をもたらす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、成長戦略として海外事業展開に注力しており、グローバル人材の増強と育成を急務としています。海外拠点要員の早期育成と現地採用をバランスよく実施していく方針です。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


京三製作所グループは、社会の安全・安心・快適な暮らしと持続的発展に貢献することを企業理念としています。
「信頼度ナンバーワンKYOSAN」を目指し、プロフェッショナルとしての進化と顧客価値の最大化を追求する文化が根付いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


京三製作所グループは、「新しい価値を創造し、人々の安全・安心・快適な暮らしと社会の持続的発展に貢献します」という企業理念を掲げています。
この理念のもと、目指す企業像として「信頼度ナンバーワンKYOSAN」を掲げています。
高い専門性とスキルを発揮し、プロフェッショナルとして進化し続けることで、顧客価値と企業価値の最大化を追求する方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


京三製作所グループは、社会課題の解決を通じて企業価値向上と持続可能な社会の実現を目指すことをサステナビリティに対する基本方針としています。
経営幹部が議論する「コーポレート戦略会議」を設置し、迅速かつ適切・公正な経営を推進する体制です。
多様な人財の採用や能力向上、エンゲージメント向上に注力し、イノベーション人財の育成も重視しています。
ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包摂性)を高め、ワークライフバランスに配慮した多様な働き方に応える制度構築を進めています。
柔軟な採用・雇用形態を通じて、社会から幅広い知を取り入れ、還元する循環的な知的ネットワークの構築を目指す方針です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


京三製作所グループは、中期経営計画「KYOSAN Next Step 2028」において、パワーエレクトロニクス事業の構造改革とキャッシュフローの改善を重要課題としています。
また、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)として、「脱炭素社会貢献」「革新的な製品開発」「経営基盤・ガバナンスの強化」「人的資本の充実」の4項目を特定しています。
具体的には、環境配慮型製品の開発促進や企業活動の脱炭素化、生産プロセスの変革とグローバルサプライチェーンの強化に取り組んでいます。
さらに、多様な人財の採用と育成、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)を高める社内環境整備も重点テーマです。
グループ従業員に対するコンプライアンス教育の継続も図っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


京三製作所は、監査役会設置会社として、監査役の監督機能と取締役会の機能強化を通じてコーポレート・ガバナンス体制の維持・向上に努めています。執行役員制度を導入し、経営の意思決定と業務執行の迅速化・高度化を図るとともに、社外役員の選任により監督・監視機能の強化を進めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


京三製作所の株主構成を見ると、筆頭株主は日本生命保険相互会社であり、複数の機関投資家や信託銀行が上位に名を連ねています。また、従業員持株会も主要な株主の一つとして、同社の安定的な資本基盤を支えていることがうかがえます。

株主名 持株比率
日本生命保険相互会社 9.86%
日本マスタートラスト信託銀行 信託口 9.73%
京三製作従業員持株会 5.93%
日本カストディ銀行 信託口 5.61%
京王電鉄 5.09%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性8名・女性3名)で構成され、女性役員比率は27.2%です。代表取締役社長執行役員は國澤良治氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。

氏名 役職 主な経歴
藤井 達也 取締役常務執行役員戦略企画本部長戦略企画本部経営企画・IR部担当兼交通機器事業部長 1987年4月同社入社、2009年7月人事部長、2015年4月執行役員経営企画部長兼施設・安全管理部長、2022年4月同社常務執行役員、2025年6月取締役より現職。
小野寺 徹 取締役 1979年5月同社入社、2007年4月執行役員総務部長、2012年6月取締役、2018年6月代表取締役、2025年4月取締役より現職。


社外取締役は、北村美穂子氏(阪本・手島・北村法律会計事務所弁護士・取締役会議長)、笹宏行氏(元オリンパス代表取締役・指名・報酬委員会委員長)、永井朝子氏(BSRジャパン代表取締役)、中野哲也氏(元味の素執行役常務)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役4名および社外監査役2名を選任することで、経営の監督・監視機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


京三製作所の役員報酬は、基本報酬、賞与、株式報酬(PSU)で構成されており、業務執行取締役にはこれら全てが支給されます。非業務執行取締役と社外取締役には基本報酬のみが支給され、監査役の報酬は株主総会で決議された限度額内で決定されます。賞与とPSUは連結経常利益やROIC、ROEなどの業績指標に連動する仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役 8名 1.9億円 23.8百万円
監査役 4名 56百万円 14.1百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。